海外旅行や出張でホテルに宿泊した際、滞在の最後に行うのが「チェックアウト」です。部屋の退室手続きとして、フロントで請求書の確認と支払いを行います。
日本のホテルなら簡単に済ませられるこの手続きも、海外となると心配になりますよね。
- チェックアウトしたいって英語でどう伝えたらいいの?
- 請求書で使っていないサービス料を請求されたらどうしよう…
- チップって払った方がいいのかな?
私も初めてアメリカのホテルに滞在した時、フロントスタッフの早口な英語がまったく聞き取れず、ひたすら「OK」と頷くことしかできませんでした。
しかしその後、さまざまな国のホテルを利用して、チェックアウトには世界共通の「決まった流れ」があり、覚えるべき英語フレーズにも「基本の型」があることを発見しました。
この記事では、実際のフロントでの会話例を交えて、以下についてわかりやすく解説します。
- チェックアウト時の基本的な流れとよく使う英語フレーズ
- トラブル時でも役立つ状況別のフレーズ
- 海外ホテルで知っておきたいマナー
英語が苦手な方でも、ホテルで使える英語の「基本の型」を押さえれば、自信を持ってスタッフとやり取りできるようになりますよ。
旅の最後まで気持ちよく過ごし、素晴らしい思い出と共に帰国できるよう、一緒に準備していきましょう。
ホテルチェックアウトの基本フレーズ|流れと「型」を押さえよう
まずは、起床から荷物を持ってホテルを出るまで、チェックアウトの流れを見ていきましょう。
Step1. フロントに向かい、チェックアウトの意思を伝えるとき
チェックアウトの時間になったら、フロントに向かいましょう。”I’d like to〜(〜したいです)”という表現でシンプルに伝えられます。

I’d like to check out, please.
(チェックアウトをお願いします。)

Good morning. May I have your room number, please?
(おはようございます。お部屋番号を教えていただけますか?)

Sure. Room 301.
(はい、301号室です。)
\会話の音声を聞く/
部屋番号「301」は ”three-oh-one”と読みます。
“I want to check out.(チェックアウトしたいです)” と言っても通じます。ただし、“want to〜”は子供っぽい印象を与えることがあるため、“I’d like to〜”と言ったほうが良いでしょう。
Step2. 名前を確認されるとき
スタッフは宿泊者情報を確認しながら質問します。名前の確認が一般的です。

May I have your name, please?
(お名前をお聞かせいただけますか?)

My name is Yuki Tanaka.
(田中ユキです。)

Could you spell your last name for me?
(苗字のスペルを教えていただけますか?)

T-A-N-A-K-A.

Thank you. Let me check your bill.
(ありがとうございます。請求書を確認いたします。)
\会話の音声を聞く/
海外では日本人の名前は聞き取りにくいため、スペルを求められることがよくあります。アルファベットを1文字ずつゆっくり伝えましょう。
Step3. 部屋の鍵を返却するとき
請求書の確認前または確認後、鍵の返却を求められます。

May I have your room key, please?
(お部屋の鍵をお返しいただけますか?)

Here you are.
(こちらです。)

Thank you.
(ありがとうございます。)
\会話の音声を聞く/
カードキーの場合も「room key」と呼びます。
鍵を忘れた場合は ” I think I left the key in the room. (部屋に鍵を置いてきました)”と伝えましょう。
Step4. 請求書を確認して支払い方法を決めるとき
請求書(bill)の内容を確認して、支払い方法を決めます。

Here’s your bill. The total is $150.
(こちらが請求書です。合計150ドルになります。)

Let me check… This looks good.
(確認させてください…大丈夫です。)

How would you like to pay?
(お支払い方法はどうされますか?)

By credit card, please.
(クレジットカードでお願いします。)
\会話の音声を聞く/
尚、支払い方法には以下のような表現があります。
- By credit card(クレジットカードで)
- In cash(現金で)
- Can I pay by card?(カードで支払えますか?)
Step5. 領収書を受け取って荷物や交通手段について確認するとき
支払いが完了したら領収書を受け取り、必要に応じて荷物や交通手段について相談しましょう。

Here’s your receipt. Is there anything else I can help you with?
(こちらが領収書です。他に何かお手伝いできることはありますか?)

Could you call a taxi for me?
(タクシーを呼んでもらえますか?)

Of course. It will take about 5 minutes.
(もちろんです。5分ほどでお呼びできます。)

Thank you for everything.
(いろいろとありがとうございました。)
\会話の音声を聞く/
尚、チェックアウトでよく使う表現の「型」は以下のとおりです。
型 | 使用例 |
---|---|
I’d like to~(~したいです。) | ・I’d like to check out. (チェックアウトしたいです。) ・I’d like to pay in cash. (現金で払いたいです。) |
Could you~?(~してくれませんか?) | ・Could you call a taxi for me? (タクシーを1台お願いできますか。) ・Could you help me with my luggage? (荷物運びを手伝ってくれますか。) |
ホテルのチェックインの仕方については、別の記事でまとめています。「チェックインについても知りたい!」という方は、ぜひご覧ください。
こんな時英語で何て言う?チェックアウトの状況別フレーズ
ホテルのチェックアウトで以下の状況になったら、あなたはフロントスタッフにどのように伝えますか。
- 荷物が重くて運べない
- チェックアウトの時間より長く滞在したい
- 事前に清算しておきたい
- 請求書で身に覚えのない追加料金がある
ここでは、上記のような状況に役立つ簡単なフレーズを押さえておきましょう。
重い荷物を運んでほしい
大きなスーツケースや重い荷物がある場合、ホテルスタッフにお願いできます。

Could you help me with my luggage?
(荷物を手伝ってもらえますか?)

Of course. Our bellhop will assist you.
(もちろんです。スタッフがお手伝いします)
bellhopは、ホテル内の案内や荷物を運ぶのを手伝ってくれるスタッフです。bellboyとも言います。
レイトチェックアウトをしたい
通常のチェックアウト時間を過ぎても部屋にいたい場合の表現です。

Can I check out at 2 PM?
(午後2時にチェックアウトできますか?)

Let me check availability. There will be an additional charge of $30.
(空室状況を確認します。30ドルの追加料金がかかります)
基本の型 | 使用例 |
---|---|
Can I~?(私は~してもいいですか?) | ・Can I check out at 2 PM? (2時にチェックアウトできますか) ・Can I pay tonight? (今夜清算できますか?) |
例えば、世界的ホテルチェーンのヒルトンでは、午前11時以降のレイトチェックアウトでは、1時間ごとに25ドルかかるとしています(一部抜粋)。
Late checkout-fee: 25%. $25 for every hour after check-out time 11am.
(レイトチェックアウトの手数料: 25%。チェックアウト時間午前11時以降、1時間ごとに25ドルかかります。)
海外のホテルでのチェックアウト時間の目安は10:00〜12:00です。予約サイトで宿泊するホテルのチェックアウトの時間を確認しておきましょう。
早朝出発で事前に清算しておきたい
早朝のフライトなどで、前日の夜に支払いを済ませたい場合の表現です。

I have an early flight tomorrow. Can I pay tonight?
(明日早朝のフライトです。今夜清算できますか?)

Certainly. I’ll prepare your final bill now.
(もちろんです。最終的な請求書を今準備します)
請求書で不明な項目について尋ねたい
請求書に見覚えのない料金がある場合、遠慮なく質問しましょう。

Here’s your bill. The total is $150.
(こちらが請求書です。合計150ドルになります。)

Excuse me. What is the reason for this charge?
(すみません。この料金の理由は何ですか?)
他にも以下の表現が使えます。
- Could you explain this $15 charge?
(この15ドルの料金について説明してもらえますか?) - I don’t understand this item on my bill.
(請求書のこの項目がわかりません)
①チェックインの際に支払った「デポジット」が同じ額だけ差し引かれているか確認しましょう。
②追加料金の金額
気づかないでサインしてしまうと返金されないため、間違いがないかどうか請求書をじっくりと見て確認しましょう。
知っておこう!海外ホテルのマナーと常識
海外のホテルには、日本とは大きく異なる文化や慣習があります。
「現地で困ってしまった!」「ホテルスタッフに失礼だと思われた」といったトラブルを避けるため、事前に海外ホテルの基本的なマナーを理解しておきましょう。
知っているだけで、現地でのやり取りがスムーズになり、気持ちよく滞在を楽しめるはずです。
チェックアウト前にルームチャージや追加料金を確認しておこう
チェックアウト時に予想外の料金で驚かないよう、滞在中に使ったサービスは把握しておきましょう。
主な追加料金の一覧 | 詳細 |
---|---|
Mini-bar charges(ミニバー料金) | 冷蔵庫の飲み物やスナックを利用した場合にかかる |
Room service(ルームサービス) | 部屋での食事を注文した場合にかかる |
Parking fee(駐車料金) | ホテルの駐車場を利用した場合にかかる |
Wi-Fi charges(Wi-Fi料金) | Wi-Fi利用料 |
Resort fee(リゾート料金) | リゾートホテルでの施設利用料 |
ホテルの公式サイトで、各サービスがいくらかかるのかを把握したうえで利用しましょう。
例えば、世界的なホテルチェーンの「マリオット」では、駐車料金を「1日71ドル」としています(一部抜粋)。
The parking options at Sandbourne Santa Monica, Autograph Collection are:
Valet: Daily: $71.00(サンドボーン・サンタモニカ・オートグラフ・コレクションの駐車オプション:
バレーパーキング: 1日71ドル)
請求された額が思っていたよりも高かったり、使った覚えのないサービスについて請求されたりしていたら、以下の表現を使って確認しましょう。
- Are there any additional charges?
(追加料金はかかっていますか?) - I see a room service fee here, but I didn’t use it.
(ルームサービスの料金がありますが、使っていません。)
アメリカやカナダではチップを渡そう
チップの文化がある国のホテルに宿泊した場合、サービスを受けた際にチップを渡すのが一般的です。
以下はチップの文化がある国やエリアの一部です。訪問先の国の文化を事前に調べておきましょう。
必要感 | 国・エリア |
---|---|
チップは必須 | アメリカ・カナダ・メキシコ・トルコなど |
チップは任意(サービス料が含まれていることも) | イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・スペインなどヨーロッパ諸国 |
チップは任意(観光地では期待される場合も) | タイ・インドネシア・フィリピンなどアジア諸国 |
アメリカのホテルに滞在した場合、各スタッフへ渡すチップの目安は以下のとおりです。
- ベルホップ(荷物運搬):荷物1個につき1〜2ドル
- ハウスキーピング: 1泊につき1〜2ドル
- コンシェルジュ: 特別なサービスを受けた場合5〜10ドル
チップを渡す時は、“Thank you for your help.(お手伝いありがとうございました。)”と言って渡します。
部屋をきれいにしてくれたハウスキーピングにチップを渡す時は、部屋のベッドサイドテーブルなど、見つけやすい場所に現金を置いておきましょう。
部屋を去るときはタオルやゴミをまとめておこう
チェックアウトで部屋を出る時は、日本のホテルと同様、使ったタオルやゴミを1つにまとめておきましょう。ただし多くの海外ホテルでは、環境への配慮から「タオル交換のルール」があります。
- 床に置いたタオル: 交換希望のサイン
- タオルバーにかけたタオル: 再利用希望のサイン
このルールを知らずに使っていないタオルを床に置いてしまうと、交換されて不必要な洗濯が発生してしまいます。部屋にあるカードや案内書きを確認し、そのホテルのルールに従いましょう。
まとめ: スムーズなチェックアウトで、気持ちよくホテルを出発しよう
この記事では、ホテルのチェックアウトで使える英語フレーズを、実際の流れに沿って解説しました。また、状況別の役立つフレーズや、知っておくべき海外のホテルマナーもお伝えしました。
ここで紹介したフレーズを、すべて完璧に覚える必要はありません。以下3つの型を使いながら、ゆっくりとあなたの要望を伝えてみてください。
- I’d like to~(私は~したいです。)
- Can I~?(私は~してもいいですか。)
- Could you~(~してください。)
自信を持ってチェックアウトを済ませて、素晴らしい旅の思い出と共にホテルを後にしてくださいね。