英語で観光名所を案内する5つのステップ!寺社の歴史や食文化を伝える英語フレーズまとめ

観光ボランティアとして初めて外国人観光客を案内する時は、「英語でうまく伝えられるかな」と不安になる人も多いでしょう。

見知らぬ人に声をかけたり、質問に英語で答えたりする場面では、誰でも緊張してしまうものです。

筆者も、イギリス留学時代に知り合ったドイツ人の友人を渋谷で案内したことがあります。

久しぶりの再会に心が弾む一方で、「日本を楽しんでもらえるかな」と少し緊張した気持ちを、今でもよく覚えています。

この記事では、これから観光ボランティアとして旅行客と接するあなたのために、名所案内の基本的な流れと、シンプルで使いやすい英語フレーズを紹介します。

日本の魅力がより伝わる案内ができるよう、一緒に準備していきましょう。

名所案内の基本的な流れとよくある会話例

ここでは、困っていそうな外国人旅行者に声をかけてから、目的地に到着して別れのあいさつをするまで、観光ボランティアと旅行者のよくある会話例を紹介します。

定番のフレーズをおさえて、スムーズな案内につなげましょう。

ステップ1. 旅行者に声をかける

スマホやガイドブックを見ながら立ち止まっている旅行者を見かけたら、まずは笑顔で話しかけてみましょう。

\会話の例/

あなた
あなた

Are you okay? Do you need any help?

(大丈夫ですか?なにかお困りですか?)

旅行者
旅行者

Yes, I’d like to visit Senso-ji.

(はい、浅草寺へ行きたいんです。)

\音声を聞く/

ステップ2. 案内を提案する

目的地がわかったら、「よければご案内しますよ」と選択肢を与える伝え方で提案してみましょう。

\会話の例/

あなた
あなた

I sometimes help tourists here. I can show you the way if you’d like.

(ここで観光客のお手伝いをしています。よければ案内しましょうか。)

旅行者
旅行者

Yes, please.

(ぜひ、お願いします。)

\音声を聞く/

It’s free.(無料です。)”とつけ加えると、旅行者も安心して受け入れやすくなります。

ステップ3. 移動しながら案内する

案内中に「この辺で◯◯はありますか?」といった質問をされることもあります。

観光地ではお土産ショップやトイレの場所などを把握しておきましょう

\会話の例/

旅行者
旅行者

Is there a souvenir shop around here?

(この辺にお土産屋さんはありますか?)

あなた
あなた

There are many souvenir shops near Senso-ji.

(浅草寺の近くにお土産屋さんがたくさんありますよ。)

\音声を聞く/

Where is the restroom?お手洗いはどこ?)”と聞かれたら、たとえば ”The restroom is over there. I’ll show you.(トイレはあちらです。ご案内しますね。)”と、近くまで案内すると親切です。

ステップ4. 写真撮影を提案する

名所に到着したら、記念撮影として「写真を撮りましょうか?」と提案してみましょう。

\会話の例/

あなた
あなた

Would you like me to take a photo of you?

(写真をお撮りしましょうか?)

旅行者
旅行者

Yes, please. Is there a good spot?

(はい、お願いします。どこか良い場所ありますか?)

あなた
あなた

Over there is a great spot.

(あそこがいいですよ。)

\音声を聞く/

写真を撮る時は、”One, two, three! (1、2、3!)”と言って、”Three!”でシャッターを押しましょう

目的地の名所に詳しければ、”If you’d like, I can show you around inside.(良ければ中も案内しますよ。)”と提案してみましょう。案内で役立つフレーズは、次の章で紹介します。

ステップ5. 別れ際に一言添える

案内が終わったら、最後に一言あいさつを添えましょう。

\会話の例/

あなた
あなた

I hope you enjoy your visit.

(楽しい観光になりますように。)

旅行者
旅行者

Thank you so much.

(本当にありがとうございます!)

\音声を聞く/

【ジャンル別】日本の名所を案内する時に役立つフレーズ

この章では、名所の魅力や日本文化をより深く楽しんでもらうために使える、シンプルな英語フレーズを紹介します。

ちょっとした豆知識や説明を添えることで、観光体験をより思い出深いものにできるはずです。

歴史的建造物・文化財

建物の成り立ちや見どころをシンプルな英語で伝えると、日本の奥深い歴史に興味を持ってもらえるきっかけになります。

建物の概要を伝える時

旅行客の中には、寺(temple)と神社(shrine)のどちらなのか、分からない方もいるかもしれません。

まずはその建物が何なのかをはっきりと伝えましょう

あなた
あなた

This is Horyu-Temple. It has a very long history.

(こちらは法隆寺です。このお寺はとても古い歴史があります。)

\音声を聞く/

いつ建てられたのかを伝える時

何年以上前に建てられたのかを伝えると、建物の歴史の深さがイメージしやすくなります。

あなた
あなた

It was built over 1,300 years ago.

(1300年以上前に建てられました。)

\音声を聞く/

It’s famous for its traditional architecture. (伝統的な建築様式で有名です。)” といった紹介も、建物の価値がより伝わりやすくなります。

なぜ有名なのかを解説する時

その建物の「価値」や「特別さ」が伝わると、旅行者の関心が高まります。

あなた
あなた

It’s one of the oldest buildings in Japan.

(日本で最も古い建物の1つです。)

\音声を聞く/

重要文化財に登録されている場合、” It’s one of the most important cultural properties. (最も重要な文化財の1つです。)”と伝えましょう。

中に入って見学できると伝える時

建物の中に入れる場合は、その日に見学できるかや注意点を伝えましょう。

あなた
あなた

You can go inside and look around.

(中に入って見学できますよ。)

\音声を聞く/

建物の中に入る時に便利なフレーズ
  • Please take off your shoes before entering.(中に入る前に靴を脱いでください。)
  • Please stay quiet and respectful inside. (中では静かに、礼儀正しくしてください。)
  • Sorry, no photos inside.(中は写真撮影禁止です。)

神社や仏閣

参拝マナーやお守りの意味をシンプルな英語で伝えれば、より深く日本文化を楽しんでもらえます。

お祈りの作法を説明する時

参拝の作法を説明する時は、実際に手本を見せながら伝えましょう。

あなた
あなた

When praying, bow twice, clap twice, and bow once.

(お参りの時は、2回お辞儀して、2回手をたたき、もう一度お辞儀します。)

\音声を聞く/

おみくじ・お守りを説明する時

おみくじやお守りがどんな意味を持つのか、簡単に紹介しましょう。

あなた
あなた

This is an “omamori.” It brings good luck or protection.

(これは「お守り」で、幸運や安全を願って持ちます。)

\音声を聞く/

There are different types, like for health, love, or success.(健康・恋愛・成功など、いろいろな種類があります。)”と簡単に伝えると、自分に合ったお守りを選びやすくなります。

御朱印をもらえると伝える時

御朱印は、筆で書かれた文字と印がセットになった「日本らしい記念品」となるため、多くの旅行者に人気があります。

あなた
あなた

You can get a “goshuin” here. It’s a kind of stamp with calligraphy.

(ここでは「御朱印」がもらえます。書道のスタンプのようなものです。)

\音声を聞く/

You can collect them at different places. (いろいろな場所で集められます。)”と紹介すると、「旅のコレクション」として楽しめることが伝わります。

絵馬を書く体験を勧める時

絵馬を書く体験は、旅先での思い出や願いを形に残せるため、外国人旅行者には喜ばれます。

あなた
あなた

You can write your wish on an “ema” here.

(ここでは「絵馬」に願い事を書けますよ。)

\音声を聞く/

People often write wishes and hope they come true.(希望などを書いて、叶うことを願う習慣があります。)”と背景を伝えると、体験の意味が深まります。

下町や昔ながらの商店街

昔ながらの日本の暮らしや文化を感じられる下町や商店街は、外国人旅行者に人気があります。

どんなお土産が欲しいか尋ねる時

お土産について、旅行者の希望を尋ねてからショップを案内しましょう。

あなた
あなた

What kind of souvenirs are you looking for?

(どんなお土産をお探しですか?)

\音声を聞く/

人気のお土産の種類
  • 和菓子:Japanese sweets
  • 服・Tシャツ:clothes / T-shirts
  • 文房具:stationery
  • 扇子:Japanese fans
  • 箸:chopsticks
  • 和風の小物やアクセサリー:Japanese-style accessories

地元の伝統工芸品を紹介する時

地域に受け継がれてきた伝統工芸品は、「ここでしか手に入らない特別な品」として人気があります。

旅の記念にもぴったりなので、見かけたらぜひ紹介してみましょう。

あなた
あなた

These are traditional crafts from this area.

(これはこの地域の伝統工芸品です。)

\音声を聞く/

伝統工芸品の例
  • 陶器:pottery
  • 織物:textiles
  • 和紙製品:paper goods
  • 人形:traditional dolls
  • 木工 / 竹工: wood/bamboo crafts

着物レンタルの店を紹介する時

浅草や京都のような観光地では、着物を着て街を歩く体験がとても人気です。

レンタルショップがあれば、旅行者に希望を聞いてみましょう。

あなた
あなた

Do you want to try wearing a kimono?

(着物を着てみたいですか?)

\音声を聞く/

You can walk around the town in kimono.”(着物を着て町を歩けます。)と伝えると、体験の魅力が伝わります。

写真映えスポットを案内する時

SNSに旅の思い出を投稿する旅行者も多く、美しい景色や季節の花を背景にした写真映えスポットは、喜ばれる情報の1つです。

あなた
あなた

This is a great spot for photos.

(ここは写真にぴったりの場所です。)

\音声を聞く/

食文化を感じられる市場や屋台

日本各地の市場や屋台では、その土地ならではの味が楽しめます。

シンプルな英語でおすすめや食べ方を伝えて、旅行者にとって特別な食文化体験をサポートしましょう

地元のおすすめの店を紹介する時

ガイドブックにある人気店よりも、少し路地に入ったローカルな店が喜ばれることもあります。

あなた
あなた

This place is popular with locals.

(ここは地元の人に人気なんです。)

\音声を聞く/

実際にその店でおすすめのメニューを聞かれたら、“Please try this. It’s my favorite.”(これをぜひ。私のお気に入りです。) と伝えると、親しみが増します。

試食できると伝える時

お土産選びで迷っている旅行者には、「試食」を勧めてみましょう。

味を確かめられるため、納得して購入しやすくなります。

あなた
あなた

You can try a sample here.

(ここで試食できますよ。)

\音声を聞く/

It’s free.(無料です。)”と伝えると、安心して手に取ってもらえます。

どうやって食べるのかを伝える時

料理によっては「手で食べていいの?」「どう使えばいいの?」と戸惑う旅行者もいます。

ジェスチャーを交えて食べ方を説明してあげましょう。

あなた
あなた

You can eat it with this stick.

(この串で食べられますよ。)

\音声を聞く/

たこ焼きなど、中身が熱い物を食べる時は、”Be careful, it’s hot inside. ” と一言添えると親切です。

ベジタリアンや宗教対応について案内する時

宗教やライフスタイルによって、食事に制限のある旅行者も多くいます

肉・魚を使っていないことを伝えられると安心してもらえます。

あなた
あなた

This one has no meat or fish.

(これは肉も魚も使っていません。)

\音声を聞く/

ベジタリアン・ヴィーガン・ハラール対応の店をいくつか把握しておくと、必要に応じてスムーズに案内できます。

ベジタリアン(vegetarian) の方は、肉や魚などの動物の肉を基本的に食べません。ただし、卵や牛乳などの動物由来の食品を口にする人もいます。

ヴィーガン(vegan) の方はさらに厳しく、魚や肉だけでなく、卵・乳製品・はちみつなど、動物に由来するすべての食品を避けます。

一方で ハラール(halal) は、イスラム教の教義に従って許可された食材や調理法を守る食事スタイルです。豚肉やアルコールは禁止されており、特別な方法で処理された肉が必要です。

まとめ:シンプルな英語フレーズで日本の魅力を伝えよう

名所案内に必要なのは、流ちょうな英語ではありません。むしろ、案内するスタッフの「日本を楽しんでもらいたい」という気持ちが伝わる方が、旅の満足度を大いに高められるはずです。

ガイドブックに載っていないような地元の情報や、日本人ならではの気配りは、きっと旅の特別な思い出となります。

事前に下調べして、定番フレーズをおさえておけば、自信を持って案内ができるはずです。

名所案内が旅行客にとってだけではなく、あなた自身にとっても素敵な体験になりますように。

観光案内所のスタッフとしてスムーズに英語で対応したい方は、以下の記事をご覧ください。
観光案内所で使える英語フレーズ30選!トラブル対応も安心の実践ガイド

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