英語の否定形とは、notなどに代表される語句を使うことで、文章全体を「〜でない」の意味で否定にすることを指す。否定は通常の文章だけでなく、疑問文や命令形に使用することも可能だ。
このように、否定形のコンセプトそのものは決して複雑ではない。しかし、いざ否定の文法を使おうと思った時、スムーズに用法が浮かばないこともあるだろう。
そこでトイグルでは、英語の否定形の使い方をまとめた。箇条書き形式にしたため、目次からいま探している情報を見つけていただくと幸いだ。
*目次
- be動詞の否定形
- 一般動詞の否定形
- 完了表現の否定形
- 名詞表現を使った否定形
- 副詞表現を使った否定形
- 未来の表現の否定形
- To不定詞の否定形
- -ing形の否定形
- 疑問文の否定形
- 否定の疑問文への答え方
- 否定の命令形
- 否定の接頭辞
- まとめ
1. be動詞の否定形
be動詞に直接notをつけることで、「〜でない」の意味で否定形を作ることができる。
- I am not Tom. (私はトムではありません)
- You are not going to Tokyo, right? (あなたは東京に行かないんですよね?)
- My boss and I were not in the office. (上司と私は事務所にいませんでした)
be動詞とnotは短縮形を使うことができる。これは会話やカジュアルな文章で使われる表現である。
- is not: isn’t
- are not: aren’t
- was not: wasn’t
- were not: weren’t
尚、かつてはam notをain’tと短縮したが、現代では使われない。そのため、am notには短縮形が存在しない。
もしbe動詞と名詞がすでに省略形になっている場合、短縮形のnotを使うことはできない。
- It’s not difficult. (それは難しくない)
2. 一般動詞の否定形
be動詞以外の一般動詞では、主語のタイプに合わせてdo/does/didを使用し、これらの語句にnotを用いて否定形を作る。
*主語が単数形の場合
- I do not use a laptop. (私はノートパソコンは使いません)
- You do not use a laptop. (あなたはノートパソコンを使いません)
- He does not use a laptop. (彼はノートパソコンを使いません)
*主語が複数形の場合
- We do not know that. (私たちはそれを知りません)
- You do not know that. (あなたはそれを知りません)
- Ken and I do not know that. (ケンと私はそれを知りません)
do/does/didとnotは短縮形を使うことができる。これは会話やカジュアルな文章で使われる表現である。
- do not: don’t
- does not: doesn’t
- did not: didn’t
主たる動詞がdoの場合でも、否定の際はdo/does/didにnotを使用する。
- John didn’t do his homework. (ジョンは宿題をやらなかった)
3. 完了表現の否定形
現在完了形、あるいは過去完了形の否定形は、have/has/hadに直接notをつける。
*主語が単数形の場合
- I have not done today’s report. (私は今日のレポートが終わっていない)
- You have not done today’s repot. (あなたは今日のレポートが終わっていない)
- He has not done today’ report. (彼は今日のレポートが終わっていない)
- Ken had not done his homework when his mother asked. (ケンの母が尋ねた時、彼はまだ宿題が終わっていなかった)
*主語が複数形の場合
- We have not done today’s report. (私たちは今日のレポートが終わっていない)
- You have not done today’s repot. (あなたたちは今日のレポートが終わっていない)
- They have not done today’s repot. (彼らは今日のレポートが終わっていない)
- Ken and I had not done the homework when my mother asked. (私の母が尋ねた時、ケンと私はまだ宿題が終わっていなかった)
have/has/hadとnotは短縮形を使うことができる。これは会話やカジュアルな文章で使われる表現である。
- have not: haven’t
- has not: hasn’t
- had not: hadn’t
主たる動詞がhaveの場合でも、完了形の否定にはhave/has/hadにnotを使用する。
- I have not had enough time to forget about him. (私は彼について忘れる十分な時間がない)
4. 名詞表現を使った否定形
NoやNoneを使うことで、「ゼロの〜」の意味で、notを使わずに否定の表現をすることができる。
- We have no tickets. (私たちはゼロ枚のチケットを持っている=私たちはチケットを持っていない)
- None of us came to see her. (私たちのうちのゼロ人は彼女に会いに行った=私たちの中で彼女に会いに行った人はいない)
Nobody(誰も〜でない), No one(誰も〜でない), Nothing(何も〜でない)などの語句には、既に否定の意味が含まれている。そのため、これらの語句を使用する際は、notを使う必要はない。
- Nobody responded. (誰も返事をしなかった)
- No one can remember his name. (彼の名前を覚えられる人はいない)
- He is a consultant who knows nothing about your industry. (彼はあなたの業界について何も知らないコンサルタントだ)
尚、No oneを書くときはNoとoneの間にスペースを入れる。
neither(どちらも〜でない)を使うことで、2つ以上の名詞にnotを使わず、否定表現にすることができる。
- Neither my mother nor I speak English. (私の母と私はどちらも英語を話さない)
5. 副詞表現を使った否定形
neverを使うことで、「決して〜ない」の意味で、notを使わずに否定の表現をすることができる。
- I have never been to Japan. (私は日本に行ったことがない)
尚、neverはnotよりも強い否定のニュアンスが含まれる。
Nowhereを使うことで、「どこも〜でない」の意味で、notを使わずに否定の表現をすることができる。
- There was nowhere to sit. (座れるところがどこにもない)
Neitherは否定形の文章への返答として使うこともできる。
- A: I have never been to Japan. (私は日本に行ったことがありません)
- B: Me neither. (私もありません)
6. 未来の表現の否定形
英語の時制は現在と過去しか存在しない。そのため、未来に関する情報はwillやcanなどの助動詞を用いて表現する。
助動詞にはnotやneverなどの語句を使うことで、否定形にすることができる。
- I will not go to Italy this summer. (私は今年の夏、イタリアに行かないでしょう)
- You should never use your laptop. (あなたはもうノートパソコンを使わないほうがいい)
- She ought not to have finished the task. (彼女はそのタスクを完了させるべきではなかったのに)
多くの助動詞とnotは短縮形を使うことができる。これは会話やカジュアルな文章で使われる表現である。
- will not: won’t
- would not: wouldn’t
- shall not: shan’t
- should not: shouldn’t
- cannot: can’t
- could not: couldn’t
- must not: mustn’t
can notは習慣的にcannotとスペースを空けず続けて書く。
時折、might notとought not toは、mightn’tとoughtn’tと省略されることもある。また、may notがmayn’tと省略されることは、現代英語では極めて稀である。
7. To不定詞の否定形
英語の文章内でTo不定詞を用いて情報を追加する場合、To不定詞の直前にnotをつけることにより、否定形にすることができる。
- I decided not to go to the restaurant. (私はそのレストランに行かないことに決めた)
8. -ing形の否定形
英語の文章内で-ing形を用いて情報を追加する場合、-ing形の直前にnotをつけることにより、否定形にすることができる。
- He stood there, not knowing what to do. (彼は何をすべきかわからずそこに立っていた)
9. 疑問文の否定形
疑問文を否定形にすることができる。その場合、否定の短縮形の使う。
- Aren’t you happy? (あなたは幸せではないですよね?)
- Don’t you think the project is going well? (そのプロジェクトがうまく行っていると思わないですか?)
- Why didn’t he win the game? (なぜ彼はその試合で勝たなかったの?)
一部の表現は、文字通りの意味と若干異なるニュアンスを持つ。
- Why don’t you go to the library? (なぜあなたは図書館に行かないの?=図書館に行けばいいのに)
10. 否定の疑問文への答え方
日本語の場合、疑問文が肯定・否定にかかわらず、相手への同意に対して「はい/いいえ」と答える。
- あなたは宿題をやっていないですよね?
- ⇒はい、やっていません。
- ⇒いいえ、やりました。
しかし、英語の場合、疑問文が肯定・否定にかかわらず、肯定の内容にはYes、否定の内容にはNoと述べる。
- Didn’t you do your homework? (あなたは宿題をやっていないですよね?)
- ⇒Yes, I did. (私は宿題をやりました)
- ⇒No, I didn’t. (私は宿題をやっていません)
このように、日本語と英語ではYes/Noの解釈が逆となる。注意しよう。
11. 否定の命令形
命令形を否定で使う場合、文頭にDo not/Don’t/Neverなどの否定を表す語句をつける。
- Do not enter my room. (私の部屋に入らないで)
- Don’t walk so fast. (そんなに早く歩かないで)
- Never ask me the same question. (その同じ質問を二度としないで)
12. 否定の接頭辞
接頭辞とは、単語の頭につけるパーツを指す。否定を意味する接頭辞を使うことで、その単語に否定的な意味を加えることができる。
12-1. 否定の接頭辞(動詞)
接頭辞 | 意味 | 例 |
de- | 否定・下降 | devalue(価値を減じる) |
dis- | 反対・欠如 | disappear(消える) |
un- | ~でない | unload(荷物を降ろす) |
12-2. 否定の接頭辞(名詞)
接頭辞 | 意味 | 例 |
anti- | 反、非、対 | antithesis |
counter- | 反対 | counterclockwise(反時計回り) |
dis- | 反対、欠如 | disease(病気) |
in- | 反対の | inability(無能) |
12-3. 否定の接頭辞(形容詞)
接頭辞 | 意味 | 例 |
dis- | 反対、欠如 | dissimilar(似ていない) |
im-/in-/ir-/il- | 反、非、対 | impossible(不可能な) |
non- | 非、不、無 | non-fiction(ノンフィクションの) |
un- | ~でない | unhappy(不幸せな) |
13. まとめ
当エントリーでは、英語で否定を表現するための様々な方法をまとめてきた。
多くの場合、notを使うことで否定の意味を表すことができる。しかし、それ以外の多彩な方法も可能なため、英語を学ぶ上で覚えておくと良いだろう。
Good luck!
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