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TOEIC Part5は短文穴埋め問題である。
Part5の設問は語彙・品詞・前置詞・動詞・接続詞・代名詞・比較級があるが、スコアアップの基本は全パターンに共通の解き方を習得することにある。
当エントリーでは、全出題パターン共通の解き方および、その手順を説明しよう。
*目次
1. Part5は全文を読んで解く
Part5は短文内の空所に、最も適した語句を入れる文法・語彙問題だ。
まずは例題を見てみよう。正解は(B)successfulとなる。
The ________ businessperson always wakes up early.
- (A) succession
- (B) successful
- (C) success
- (D) succeed
(トイグルオリジナル問題)
ここで、Part5の解き方は参考書によって大きく2つの流派に分かれる。
1つ目は、全文を読まずに空白の前後だけを見て解く方法だ。確かに、空白の箇所だけ見て文法ルールに当てはめれば、理論的には正解を選ぶのは不可能ではない。
しかし、この方法には3つの落とし穴がある。
- 空白の前後だけを読んで正答すると、正答率が著しく下がる
- 空白の前後だけでは解けない問題がある(例: 接続詞問題)
- 文法をすべてルールの暗記で解くので、文法力が他のパートに応用できない
たとえ時間を短縮できても、正答率を落とすのは本末転倒だ。
そこでトイグルでは、Part5は原則として全文を読んで解く方法をおすすめしている。全文を読んで意味を理解すれば、正答率を格段に上げることができる。
注: 中・上級者であれば、一瞬見ただけで解ける問題も存在する。そのような設問に限り、空白の前後だけで解いてもOKだ。
2. 英文を高速かつ正確に読める「トイグル式読解法」
Part5は全文を読んで解くことで、正答率の向上を狙う。しかし、文を頭から丁寧に翻訳して読んでいては、Part5だけでリーディングセクションの時間を大きく浪費してしまう。
そこで、英文を高速かつ正確に読むコツとして、トイグル式読解法を紹介したい。これは、英文を意味のチャンク(切れ目)に分け、英語を語順のまま頭から意味を捉える読解方法である。
トイグル式読解法の具体的手順を解説しよう。
2-1. 英文を4要素に分ける
まず、あらゆる英語の文章は、主語・動詞・目的語・追加情報の4つの要素から成り立っている。
- 主語: 文の主人公 (必須)
- 動詞: 動作や状態を示す語句 (必須)
- 目的語: 動詞の必要情報
- 追加情報: 文章のおまけ情報
例として、冒頭の例文を意味の切れ目で分けてみよう。
主語 | 追加情報 | 動詞 | 目的語 | 追加情報 |
The _____ businessperson | always | wakes up | – | early |
◯◯なビジネスパーソンは | 常に | 起きる | – | 早い時間に |
主語と動詞は文章の必須要素であり、多くの場合文の冒頭に位置する。目的語は動詞の意味によっては存在しない。
追加情報は副詞・前置詞・接続詞など、文章に情報を付け足すおまけパーツだ。これらは文の様々な箇所に配置される。例文のように2箇所以上で出現することも珍しくない。
英文を4要素に分けることで、文章が単なる単語の羅列から、意味を持ったカタマリであることが理解できる。慣れてくれば、長い英文も苦なく読めるようになるはずだ。
注: トイグル式読解法では、従来の英文法で言う補語も目的語として分類している。
2-2. 英語の語順のまま頭から意味を捉える
意味の切れ目で分けたら、文章の意味を頭から読み取っていく。
日本語と英語は語順が異なる言語なので、決して自然な日本語に訳そうとする必要はない。英語の語順のまま、頭からぶつ切れで意味を捉えていこう。
先の例なら、次のように考えると良い。
- 「◯◯なビジネスパーソンは、常に起きる、早い時間に」
きちんとした日本語にすれば「◯◯なビジネスパーソンは、常に早起きする」だが、TOEICには翻訳を求められる設問はない。英語の語順のまま理解するクセをつけ、素早く意味を捉えていけるようにしよう。
3. Part5 解き方の手順
これまで、Part5は全文を読んで解くこと、その際英文は「トイグル式読解法」で理解することを説明した。
これらを踏まえ、Part5の解き方の手順を紹介しよう。
手順1: 4つの選択肢を1〜2秒程度で把握
はじめに、その設問内の4つの選択肢を、1〜2秒程度で眺める。なんとなくで良いので出題形式を把握し、心の準備をしよう。
先の例題を見てみよう。
- (A) succession
- (B) successful
- (C) success
- (D) succeed
似た形の4つの単語が並んでいるため、品詞問題であることが想像できる。
手順2: 設問文を読む
次に、空白を含む設問文を読む。ここでは、先ほど紹介した「トイグル式読解法」を使用しよう。
簡略化のため、ここでは意味の切れ目を「/ (スラッシュ)」で区別した。
- The ____ businessperson / always / wakes up / early.
- 「◯◯なビジネスパーソンは、常に起きる、早い時間に」
空白が主語の位置にあることがわかった。
手順3: 明らかに不正解な選択肢を除外する
この時点で、明らかに不正解と思われる選択肢を除外しよう。
例えば、先の文章には既に動詞wakes upが存在するため、動詞(D)succeedはすぐに不正解と見抜けるだろう(1つの文に原則として動詞は1つ)。
- (A) succession
- (B) successful
- (C) success
(D) succeed
手順4: 文法的に入りうる選択肢を選ぶ
Part5は文法と意味の両面からアプローチする。まずは、文法的に使用可能な選択肢を選ぶ。
先の例をもう一度見てみよう。
- The ____ businessperson / always / wakes up / early.
- 「◯◯なビジネスパーソンは、常に起きる、早い時間に」
空白は主語の位置にある。特に、空白は冠詞Theと名詞businesspersonの間に挟まれている。よって、空白には名詞か形容詞のどちらかが入ると考えられる。
残った3つの選択肢を検証する。
- (A) succession⇒名詞
- (B) successful⇒形容詞
- (C) success⇒名詞
すべて名詞か形容詞である。文法的には3つの選択肢が入りうるため、まだ最終判断はできない。
手順5: 意味で選択肢を絞り込む
最後に、意味から正解の選択肢を絞り込む。
- The ____ businessperson / always / wakes up / early.
- 「◯◯なビジネスパーソンは、常に起きる、早い時間に」
- (A) succession⇒連続
- (B) successful⇒成功する
- (C) success⇒成功
「◯◯なビジネスパーソン」に最も適するのは、(B)successfulだろう。よって、(B)successfulが正解となる。
念のため、全文を再度読んでみよう。自然な英文になっていることが確認できるはずだ。
- The successful businessperson / always / wakes up / early.
- 「成功するビジネスパーソンは、常に起きる、早い時間に」
このように、Part5は「文構造の把握⇒文法で選ぶ⇒意味で絞る」を高速回転させるプロセスである。
Part5対策で苦戦しているなら、これらプロセスの一部(あるいは複数)の実力がまた十分でないことを意味する。地道に語彙・文法力を上げていこう。
4. まとめ
当エントリーでは、Part5全出題パターンに共通する解き方を解説してきた。
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