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英語ではthis(これ)、that(あれ)、these(これら)、those(あれら)などを指示代名詞と呼ぶ。
英語を勉強中のあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- this, that, these, thoseの使い方を知りたい…
- thisやthatの違いがわからない…
- 文法問題でthoseが正解の理由はなぜ…
そこでトイグルでは、this、that、these、thoseの使い方を解説していく。イラストを用いてわかりやすく説明したい。学習の参考になるはずだ。
1. This, Theseは近接, That, Thoseは遠隔をあらわす
単数 | 複数 | |
---|---|---|
近接 | this (box) | these (boxes) |
遠隔 | that (box) | those (boxes) |
this、that、these、thoseの違いを一言で表せば、thisとtheseは近接的(=近いこと)、thatとthoseは遠隔的(=遠いこと)ということになる。
例を見てみよう。近接と遠隔の典型的なケースは空間的距離である。
- (1) Take this box to the post office. (この箱を郵便局に持っていってください)
- (2) Take that box to the post office. (あの箱を郵便局に持っていってください)
(1)は箱が話し手の近くにあるため、this box(この箱)と表現している。一方、(2)は箱が話し手からやや遠くにあるため、that box(あの箱)と表現している。
近接と遠隔は時間的距離にもあらわれる。次の例文を比較してみよう。
- (3) I walked around the lake this morning. (今朝、その湖の周りを歩いた)
- (4) I walked around the lake that morning. (あの朝、その湖の周りを歩いた)
(3)はthisの近接的なイメージから「今朝」の意味で使われている。(4)はthatの遠隔的なイメージから、何日前かはわからないものの、過去のある地点を指して「あの朝」と言っている。
近接と遠隔は心理的距離にもあらわれる。次の例文を比較してみよう。
- (5) I’ve been friends with this guy for 3 years. (私はこの男と3年来の友人だ)
- (6) There’s that guy. (あの男がいるぞ)
(5)はthisの近接的なイメージから、男性に対して好意的な印象を持っている様子がうかがえる。一方、(6)はthatの遠隔的なイメージから、若干の嫌悪感が伝わってくる。
このように、this、theseは近接的、that、thoseは遠隔的なイメージを持っている。これら指示代名詞は他にも細かな用法があるものの、近接⇔遠隔で概ね理解できる。
以下、これら4つの詳細な使い方を見ていきたい。
2. This, That, These, Thoseの代名詞用法
this、that、these、thoseは代名詞として使う。以下、代表的な用法を紹介しよう。
2-1. 人や物を直接指し示す場合
- (7) This is mine. (これは私のものです)
- (8) That is yours. (あれはあなたのものです)
- (9) These are my parents. (こちらが私の両親です)
- (10) Those are my neighbours. (あの人たちは私の隣人です)
this、that、these、thoseは、目の前にある人や物を直接指し示す機能がある。
(7)は近い距離にあるものを指して「これ」、(8)は遠い距離にあるものを指して「あれ」と言っている。(9)は人を指して「こちら」、(10)は「あの人たち」と言っている。
尚、This is Dr. Jane Smith.(こちらはジェーン・スミス博士です)のように人に対してThisを使うこともあるが、英語では「こちら」の意味で自然な表現である。決して人を指して「これ」と言っているわけではない。
2-2. 先行する文の内容を指すthis/that
- (11) JavaScript is a client-side language. This means that the browser processes the page. (ジャバスクリプトはクライアント側の言語です。このことはブラウザがページを処理することを意味します)
- (12) “Who’s right?” “That’s a good question.” (「誰が正しいの?」「それは良い質問ですね」)
thisとthatは「このこと」や「そのこと」の意味で、前に出た文の内容を指し示す用法がある。
(11)は「ジャバスクリプトはクライアント側の言語です」という前の文に対し、「このことは…」と言っている。(12)は「誰が正しいのか?」という質問に対し、「それは…」と言っている。
筆者注: JavaScript(ジャバスクリプト)はプログラミング言語の一つ。
2-3. 次にくる文の内容を指す場合
- (13) My question is this; what is the best way to handle this situation? (私の質問は次に述べることです; この状況を扱うもっとも良い方法はなんですか?)
thisは次にくる文の内容を指す用法がある。(13)は「私の質問は次に述べることです」と言った上で、その内容(this)を「この状況を扱うもっとも良い方法はなんですか?」と述べている。
2-4. 名詞の繰り返しを避けるthat/those
- (14) A human brain is larger than that of most other animals. (ヒトの脳はほとんどの他の動物のそれよりも大きい)
- (15) Cameras these days are so much better than those of old. (最近のカメラは古いそれらよりもはるかに優れている)
thatやthoseには名詞の繰り返しを避ける代名詞としての機能がある。
(14)で比較されているのは「ヒトの脳」と「ほとんどの他の動物の脳」である。「that = a brain」と考えよう。
(15)で比較されているのは「最近のカメラ」と「古いカメラ」である。「those = cameras」と考えよう。
2-5. 関係代名詞と共に使う場合
- (16) Those who need the information will read the memo. (その情報を必要とする方々はメモを読むでしょう)
- (17) That which is mine is not anyone else. (私の物は他の誰かのものではない)
指示代名詞は関係代名詞と共に用いることがある。(16)のThose who…は「…する人たち」、(17)のThat whichはwhatとほぼ同じで、「…する物(事)」をあらわす。
3. This, That, These, Thoseの形容詞用法
this、that、these、thoseは形容詞的に使うこともある。代表的な用法を紹介しよう。
3-1. 特定のものや人を指す場合
- (18) I bought this smartphone. (私はこのスマートフォンを買った)
- (19) That woman tried to shoot you. (あの女があなたを撃とうとした)
- (20) What are these people laughing about? (この人たちは何について笑っているの?)
- (21) Some of those houses are huge! (あれら家屋のいくつかは大きいね!)
this、that、these、thoseは、特定のモノやヒトを直接指し示す機能がある。
(18)は「このスマートフォン」、(19)は「あの女」、(20)は「この人たち」、(21)は「あれら家屋」の意味。
3-2.時を表す名詞と共に使う場合
- (22) It was 34 degrees here this morning. (今朝、ここでは34度でした)
- (23) I am alone at that time. (その当時、私はひとりでした)
- (24) A user-friendly website is essential these days. (利用者にわかりやすいWebサイトがこの頃は重要です)
- (25) In those days many people had no refrigerators. (その当時、多くの人は冷蔵庫を持っていませんでした)
this、that、these、thoseは、時間をあらわす名詞と共に用いることがある。
(22)のthis morningは「今朝」の意味。thisは近接性をあらわすので「最近の朝」→「今朝」のこと。(23)のat that timeは「その当時」の意味で熟語化している。
(24)のthese daysはtheseの近接性から「この頃は」、(25)のin those daysはthoseの遠隔性から「その当時」と解釈される。
3-3. 状況や出来事を指す場合
- (26) In this situation, oil changes should be made every 2,000 miles. (この状況では、オイル交換は2,000マイル毎にされるべきだ)
- (27) That tragedy scarred many people. (多くの人たちがその惨事に恐怖を覚えた)
thisやthatは特定の状況・出来事を表すのに使われることもある。
(26)のthis situationは「この状況」、(27)のthat tragedyは「その惨事」の意味。
3-4. 前後の文の内容
- (28) Thank you for sharing this story. (この話を共有してくれてありがとう)
thisやthatは前後の文の内容を示すことがある。(28)のthis storyは「この話」の意味で、文の前に出てきた特定の話を指す。
3-5. 不特定の人またはものを表す場合
- (29) There is this beautiful lake. (1つの美しい湖があります)
- (30) These two men died on the same day. (ある2人の男性が同じ日に死亡した)
本来、不特定のものを表すところに、thisやtheseを使うことがある。これはくだけた話し言葉などに見られる用法で、その対象が既出のような感覚を与えるレトリックである。
(29)のthis beautiful lakeはa beautiful lakeと同義で、「1つの美しい湖」のこと。thisとすることで臨場感を出している。
(30)のthese two menは「ある2人の男性」の意味。単にTwo menというより、切迫した雰囲気を与えている。
4. This, That, These, Thoseの副詞用法
- (31) It’s not always this hot. (いつもはこんなに暑くない)
- (32) I don’t stay up that late. (私はこんなに遅くに起きていない)
this, that, these, thoseには副詞としての用法もある。(31)はthisが形容詞hot(暑い)、(32)はthatが副詞late(遅く)を修飾している例である。
5. まとめ
この記事では、英語の指示代名詞について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 指示代名詞はthis, that, these, thoseがある
- thisとtheseは近接のイメージ
- thatとthoseは遠隔のイメージ
- 代名詞用法、形容詞用法、副詞用法がある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
近接, That, Thoseは遠隔を、、、
近接、遠隔、とかよりも
近いもの、
遠いとの、
で言った方がわかりやすい。
小学校1年でもわかる日本語の方が身体に染みわたる。
教える人って難しい言葉を使いたがるし、その気持ちもわかるけど。
>あかたが様
ご意見、ありがとうございます。
今後は、読者様にとってわかりやすい記事を書いていきたいと思います。
素晴らしい(ッテエイゴデナンテイイマスカ)