初めて日本を訪れる旅行者からは、「おすすめスポットを教えてほしい」「困ったときに助けてほしい」など、さまざまな質問や要望が寄せられます。
そんな時、難しい英語を話す必要はありません。実は、シンプルなフレーズだけでも、旅行者にとって満足度の高い情報を伝えられます。
この記事では、観光案内所で働くあなたのために、よく聞かれる質問とそのまま使える英語フレーズを、シーン別に30個紹介します。
英語初心者向けに、やさしく簡単な英語の例を用意しています。
トラブル時に対応できるフレーズもおさえて、旅行者に安心感を与えられるようにしましょう。
海外からの旅行者による代表的な3つの質問
日本政府観光局(JNTO)の公式サイト「よくある質問」を見ると、多くの外国人観光客は①観光スポット、②営業時間、③地図に関する情報やサービスを求めていると考えられます。
これら代表的な3つの質問をあらかじめ把握しておき、旅行者をスムーズに案内できるよう準備しておきましょう。
おすすめの観光スポットについて
案内所で旅行者が尋ねる定番の質問です。
\会話の例/

Where should I go around here?
(このあたりでどこに行けばいいですか?)
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I recommend visiting Osaka Castle.
(このあたりでは大阪城がおすすめです。)
\音声を聞く/
”What would you like to do?(どんな体験をしたいですか)”と旅行者の希望を引き出すことで、より満足度の高い観光スポットを案内できます。
四季の移ろいを通して日本らしさや特別感を味わえるため、「四季」を感じられる期間限定イベントの情報を伝えるのはとてもおすすめです。
営業時間について
おすすめの観光スポットを紹介したあとに「何時から(まで)営業していますか?」と尋ねられるケースがよくあります。
また、人気のある美術館や博物館の休館情報も把握しておくと、案内がスムーズになります。
\会話の例/

What time does the castle open?
(その城は何時に入場できますか?)
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It opens at 9 a.m.
(午前9時に開きます。)
\音声を聞く/
「~まで営業しています。」は”until (~まで)”を使って、 ”It’s open until 6 p.m.”と伝えましょう。
施設や飲食店などの定休日を伝える時は、たとえば ”It’s closed on Mondays.(月曜日は休みです。)”と伝えましょう。
英語版のパンフレットや地図について
スマホの地図アプリを使う人も増えていますが、紙の地図は観光中にすぐ見られる手軽さや、メモや印をつけられる便利さから、根強い人気があります。
\会話の例/

Do you have a map in English?
(英語の地図はありますか?)
.png)
Here is the English map.
(こちらが英語の地図です。)
\音声を聞く/
“You can take one for free.(無料でお持ちいただけます。)” と伝えると安心感を与えられます。
道案内
ここでは、目的地にたどり着けずに困っている旅行者に対して、シンプルなフレーズを使って道案内できるようになりましょう。
目的地への行き方を聞かれた時
旅行者がよく訪れる場所への「道順」を聞かれることがあります。
\会話の例/

How can I get to the station?
(駅へはどう行けばいいですか?)
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Go straight and turn right at the first corner.
(まっすぐ進んで、最初の角を右に曲がってください。)
\音声を聞く/
- Go straight down this street.(この通りをまっすぐ進んでください)
- Turn left(right)at the corner. (角を左/右に曲がってください)
- Cross the street at the light. (信号で道を渡ってください。)
交差点や建物を目印に案内する時
交差点や建物などのわかりやすい目印を使って案内すると、旅行者にとって理解しやすくなります。
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It’s next to the bank.
(銀行の隣です。)
\音声を聞く/
- at the corner (角で)
- at the intersection (交差点で)
- at Main Street (メインストリートで)
地図を使って説明する時
道順を説明する時、地図で方向や目印となる建物を確認しながら伝えると、旅行者にとってイメージしやすくなります。
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I’ll show you on the map.
(地図でご案内します。)
\音声を聞く/
所要時間を伝える時
どのくらい時間がかかるか分かる場合は、おおよその時間を伝えましょう。
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It’s about a 5-minute walk.
(徒歩5分くらいです。)
\音声を聞く/
| 道案内でよく使うフレーズについてより詳しく確認したい方は、以下の記事をご覧ください。 道に迷った時にそのまま使える英語フレーズ!道案内でよく使う表現も解説 |
交通機関の案内
複雑な交通網も、ここで紹介するシンプルな英語を使えば、安心感を与えながらスムーズに伝えられます。
移動手段を聞かれた時
観光スポットへの行き方を尋ねられた際に、どの交通手段が便利かを聞かれるケースがよくあります。
\会話の例/

How can I get to Tokyo Tower?
(東京タワーまでどう行ったら良いでしょうか。)
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It’s better to take a bus.
(バスで行くのが便利です。)
\音声を聞く/
- take a train(電車に乗る)
- take a bus(バスに乗る)
- take a taxi(タクシーに乗る)
- walk(歩く)
- take the subway(地下鉄に乗る)
- take a shuttle bus(シャトルバスを利用する)
- take a bullet train(新幹線に乗る)
主要な駅・バス停の場所を聞かれた時
旅行者から「近くのバス停(駅)はどこですか?」と尋ねられることがよくあります。
この時、目的地を先に確認してから案内しましょう。
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There are a few bus stops around here. Where are you going?
(このあたりにはいくつかバス停があります。どちらへ行かれますか?)
\音声を聞く/
料金の目安を伝える時
移動手段の選択肢と料金をセットで伝えると、旅行者が自分の予算や目的に合わせて選びやすくなります。
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It costs around 1,000 yen by bus.
(バスなら1,000円くらいです。)
\音声を聞く/
最終便の目安を伝える時
夜間は交通手段が限られるため、事前に最終便の時間を伝えると安心して観光を楽しんでもらえます。
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The last train is at 11 p.m.
(最終電車は夜11時です。)
\音声を聞く/
主要駅の終電・最終バス時刻をあらかじめリストアップしておくと、スムーズに対応できます。
乗り換えを案内する時
観光地へのアクセスでは、途中で乗り換えが必要なルートを案内することも少なくありません。
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Please change trains at Shibuya.
(渋谷で乗り換えてください。)
\音声を聞く/
日本の路線名は長く覚えにくいこともあるので、”Take the JR Yamanote Line, the green line.(山手線、緑のラインに乗ってください。)” など、ラインの色を補足するとスムーズに伝わります。
施設やサービスの案内
ここでは、Wi-Fiやトイレ、荷物預かりなど、観光案内所で特によく聞かれる質問への答え方を紹介します。
Wi-Fiが使える場所について聞かれた時
スマホで地図を確認したり、次の行き先を調べたりするため、Wi-Fiは旅行者にとって重要なインフラの1つです。
\会話の例/

Where can I use Wi-Fi?
(どこでWi-Fiが使えますか?)
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You can use free Wi-Fi at the station and some cafes.
(駅やカフェなどで無料Wi-Fiが使えます。)
\音声を聞く/
トイレや休憩スペースを案内する時
長時間の移動をしている旅行者にとって、トイレや休憩スペースの場所についての情報は、大きな助けになります。
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There’s a rest area on the second floor.
(2階に休憩スペースがあります。)
\音声を聞く/
トイレの場所を案内する時は、たとえば、”There’s an accessible restroom on the first floor. (1階に多目的トイレがあります。)”など、バリアフリー対応の有無もあわせて伝えると親切です。
両替所を案内する時
「この近くで両替できますか?」と尋ねられることもよくあります。
周辺の両替所や銀行を案内できるようにしておくと安心です。
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There’s a currency exchange at the station.
(駅に両替所があります。)
\音声を聞く/
荷物預かりを案内する時
観光地をゆっくり楽しみたい旅行者には、荷物を預けられる場所の情報は欠かせません。
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You can leave your luggage at the counter.
(荷物はカウンターに預けられます。)
\音声を聞く/
荷物預かりサービスがない場合は、”There are coin lockers at the station. (駅にコインロッカーがあります。)”のように、周辺で長時間荷物を預けられる場所を案内できるようにしておきましょう。
飲食店の紹介
飲食店を紹介する時は、好みだけでなく、旅行者の宗教や食文化などの情報も考慮しながら案内すると、安心して食事を楽しんでもらえます。
また、”You don’t need to tip in Japan. (日本ではチップは必要ありません。)”と一言添えると、文化の違いによる不安を和らげられますよ。
近くのおすすめ店を聞かれた時
「このあたりで食事ができる場所は?」という質問も、特に多い質問の1つです。
まずは旅行者の好みや日本で食べてみたいものを聞いてから案内しましょう。
\会話の例/

Where can I eat around here?
(このあたりで食事できるところはありますか?)
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I’ll show you some options. What kind of food would you like?
(いくつかご案内します。どんな食べ物がいいですか?)
\音声を聞く/
- You can eat on tatami mats.(畳で食事できます。)
- You can eat while enjoying a beautiful Japanese garden.(美しい日本庭園を見ながら食事できます。)
- The dishes look great in photos.(お料理が写真映えしますよ。)
- They grill the meat right in front of you.(目の前で肉を焼いてくれます。)
地元の名物を紹介する時
“What’s the local specialty?(この地域の名物は何ですか?)”と聞かれることもあります。
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This area is famous for eel.
(この地域はうなぎが名物です。)
\音声を聞く/
”There’s a good eel restaurant nearby.(近くにおいしいうなぎ屋さんがあります。)”など、名物料理を食べられる店を案内できるようにしておきましょう。
ベジタリアン・ヴィーガン・ハラール対応を伝える時
旅行者の中には、宗教や食文化、ライフスタイルの違いから、食事内容に制限がある人も少なくありません。
「ベジタリアン(vegetarian)」の方は、肉や魚を食べず、野菜や穀物を中心とした食事をします。卵や乳製品を食べる人もいますが、動物の肉や魚は避けるのが基本です。
さらに、卵・乳製品・はちみつといった動物由来の食材も一切とらない方を「ヴィーガン(vegan)」と呼びます。
また、イスラム教の教えに基づいた食事の「ハラール(halal)」への対応が必要な方もいます。
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They have vegetarian options.
(ベジタリアン向けのメニューがあります。)
\音声を聞く/
上記の例文の”vegetarian”の部分は、状況に応じて “vegan(ヴィーガン)” や “halal(ハラール)” に置き換えて、さまざまな食事制限に対応できます。
英語メニューやスタッフ対応について伝える時
英語対応が可能という情報は、「注文」や「質問」に不安を感じる旅行者にとって、安心して食事を楽しむための重要なポイントです。
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They have an English menu.
(英語メニューがあります。)
\音声を聞く/
英語が話せるスタッフがいる店の場合は、”Some staff speak English.”と伝えましょう。
予約が必要かどうかを伝える時
人気店やディナータイムでは、事前予約が必要な場合もあります。
旅行者が安心して予定を立てられるよう、予約の有無をしっかり伝えましょう。
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You don’t need a reservation.
(予約は必要ありません。)
\音声を聞く/
予約が必要な時は、たとえば ”You need a reservation for dinner. (ディナーでは予約が必要です。)と伝えましょう。
ショッピングやお土産の案内
ここでは、「どのようなお土産が欲しいのか」希望を聞いたり、日本らしいお土産を紹介する時に使えるフレーズを紹介します。
お土産が買える店はどこか聞かれた時
旅行者が急いでいて、どこかでまとめてお土産を買いたい場合は、周辺の品ぞろえが豊富なショップを案内できると喜ばれます。
\会話の例/

Where can I buy souvenirs nearby?
(近くでお土産はどこで買えますか?)
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There’s a souvenir shop next to the station.
(駅の隣にお土産ショップがあります。
\音声を聞く/
どんなお土産がほしいか尋ねる時
旅行者がどのようなお土産を求めているのか、希望を聞いて案内しましょう。
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What kind of souvenirs are you looking for?
(どんなお土産をお探しですか?)
\音声を聞く/
- 地元の食品:local food products
- 和菓子:Japanese sweets
- 伝統工芸品:traditional crafts
- 服・Tシャツ:clothes / T-shirts
- 文房具:stationery
- 和風の小物やアクセサリー:Japanese-style accessories
日本らしいお土産を紹介する時
日本らしさを感じられるお土産として人気が高いのは、和菓子やお茶などの食品や、和のデザインを取り入れた雑貨です。
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You can find Japanese sweets and tea there.
(そこで和菓子やお茶が買えます。)
\音声を聞く/
”You can try some samples.(試食ができます。)”の一言を添えて店を案内すると、旅行者も「お土産選びで失敗しない」という安心感を持ってもらえます。
免税店の場所を案内する時
旅行者からよく聞かれる質問の1つが「免税店の場所」です。
お土産やブランド品を購入する際、免税制度を利用できるとお得に買い物ができます。
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You can find a tax-free shop near the station.
(駅の近くに免税店があります。)
\音声を聞く/
免税を受けるにはパスポートの提示が必須なため、”You need your passport.(パスポートが必要です。)”と伝えると親切です。
支払い方法を案内する時
観光地の小さなお店では、クレジットカードや電子決済が使えない場合もあるため、事前に伝えておくと旅行者も安心です。
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Some small shops take only cash.
(小さなお店では現金のみの場合があります。)
\音声を聞く/
トラブルへの対応
観光中に貴重品を落としたり、体調が悪くなったりすると、旅行者は強い不安を感じるものです。
このような場面では、スタッフが落ち着いて対応できると大きな安心感につなげられます。
貴重品をなくしたと報告された時
観光中に貴重品をなくしたと報告された時は、状況を整理してサポートする姿勢を示しましょう。
\会話の例/

I lost my phone.
(スマホをなくしました。)
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Don’t worry. I’ll help you.
(大丈夫です。お手伝いします。)
\音声を聞く/
迷子になったと報告された時
家族や友人とはぐれてしまったと報告された時は、インフォメーションカウンターなど、適切な場所へ案内しましょう。
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Please go to the information counter. We’ll help you find them.
(インフォメーションカウンターへ行ってください。お連れ様を見つけ出せるようお手伝いします。)
\音声を聞く/
”Where did you lose them?(どこではぐれましたか?)”と尋ねて、はぐれた場所や時間を確認し、必要に応じて施設スタッフや警察との連携につなげましょう。
交番を案内する時
旅行者がスマホや財布をなくしたり、トラブルに巻き込まれたりしたら、最寄りの交番を案内しましょう。
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There’s a police box near here.(この近くに交番があります。)
\音声を聞く/
体調不良を訴えられた時
体調不良を訴えられた時は、まず安心できる場所で休んでもらいましょう。
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Please sit down and rest.
(座って休んでください。)
\音声を聞く/
必要に応じて、”Shall I recommend a clinic?(クリニックをご紹介しましょうか?)”と声をかけてみましょう。
まとめ:シンプルなフレーズで旅行者に安心を届けよう
海外からの旅行者とやり取りする時に、難しい英語を使う必要はありません。
シンプルなフレーズを使って笑顔で対応すれば、安心感を届けられるはずです。
海外からのゲストに日本の魅力を存分に味わってもらえるように、定番フレーズを身につけて、自信をもって情報を提供していきましょう。