この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
英語の集合名詞とは、同じ種類の人や物が集まり、1つの集合体を形成する名詞である。代表的な集合名詞に、family(家族)やaudience(観客)などがある。
英語を勉強しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 集合名詞とは何…?
- 集合名詞の使い方がわからない…
- 集合名詞が出現したときの対処法を知りたい…
そこでトイグルでは、集合名詞について詳細を解説していく。学習の参考になるはずだ。
1. 集合名詞は人や物の集合体を単複両用で使うもの
集合名詞について知るには、実際の例を見るのがよい。
次の2つの例文は一見すると同じだが、ニュアンスが異なる。どのような違いがあるのだろうか?
- (1) The staff is very friendly. (スタッフはとても好意的です)
- (2) The staff are very friendly. (スタッフはとても好意的です)
(1)は集合名詞staffが単数扱いで使用されている例である。単数扱いでは、その集合体が1つのまとまりとして捉えられる。例文は「(複数人の集合体としての)スタッフがとても好意的です」の意味である。
(2)は集合名詞staffが複数扱いで使用されている例である。複数扱いでは、その集合体の個々の構成員を指す。例文は「スタッフ(のメンバーたち)はとても好意的です」の意味である。
これら用法の違いを図にすると次のようになる。同じ語であっても、それをどのように見るかによって、意味の差が出るのである。
まとめると、集合名詞は語の形が単数形であっても、単数と複数の両用が可能という特徴を持っている。集合名詞は可算用法(=数えられる名詞)の一種と考えられる。
2. 集合名詞の使い方
集合名詞の使い方を例文と共に見ていこう。
集合名詞が単数・複数のどちらで扱われるのか、その見分け方についても述べていきたい。
2-1. family
- (3) My family is important to me. (家族は私にとって重要です)
- (4) My family are all artists. (私の家族はみんな芸術家です)
(3)はfamily(家族)が単数扱いで使われている例である。単数扱い(=1つの集合体としての家族)と判別できるのは、family(家族)を受けるbe動詞が、単数のisだからである。
(4)はfamily(家族)が複数扱いで使われている例である。複数扱い(=個々のメンバーとしての家族)と判別できるのは、family(家族)を受けるbe動詞が、複数のareだからである。
尚、family(家族)を「ひとかたまり」の意味で用いる場合、不定冠詞aをつけたり、複数形にすることができる。
- (5) I have a family. (私には家族がある)
- (6) We supported over 10 families in the region. (私たちはその地域で10を超える世帯をサポートした)
(5)のa familyは(3)と同じ用法で「1つの家族」の意味である。(6)の10 familiesは「10を超える世帯」であって、「10人家族」のことではない。
(3)から(6)までの議論を整理すると、次のようになる。「単数形」は語の形、「単数扱い」は語の意味を指す点に注意したい。
単数形 (単数扱い/集合体が1つの単位) | (3) My family is important to me. (5) I have a family. |
単数形 (複数扱い/集合体のメンバー) | (4) My family are all artists. |
複数形 (複数の単位) | (6) We supported over 10 families in the region. |
2-2. team
- (7) The team plays an important role from the beginning. (そのチームは最初から重要な役割を果たす)
- (8) The team play an important role from the beginning. (そのチームのメンバーたちは最初から重要な役割を果たす)
(7)はteamが「(1つの集合体としての)チーム」の意味で用いられている例である。単数扱いなので、動詞の語尾に三単現のsがついて”plays”になっている。
(8)はteamが「チーム(のメンバー)」の意味で用いられている例である。複数扱いなので、動詞の語尾に三単現のsがつかない。
尚、「チームのメンバー」をより明確に表現するには、the members of the team(そのチームのメンバーたち)のように言うのが普通である。
- (9) The members of the team are all satisfied. (チームのメンバーたちはみんな満足している)
2-3. committee
- (10) The committee consists of seven members. (その委員会は7人のメンバーで成っている)
- (11) The committee have decided to boycott the votes. (その委員会のメンバーたちは投票をボイコットすることを決めている)
(10)はcommitteeが「(1つの集合体としての)委員会」の意味で用いられている例である。単数扱いなので、動詞の語尾に三単現のsがついて”consists”になっている。
(11)はcommitteeが「委員会(のメンバー)」の意味で用いられている例である。複数扱いとわかるのは、完了形をあらわすhaveがそのままの形で用いられていることによる。
次の例は、単数扱いと複数扱いのどちらも可能な場合である。単数扱いなら動詞はmeets、複数扱いなら動詞はmeetになる。
- (12) The committee meet(s) four times a year. (その委員会(のメンバーたち)は年に4回会う)
2-4. audience
- (13) The entire audience was dancing in the aisles. (全観客が通路で踊っていた)
- (14) The audience were all young people. (観客はみんな若い人たちだった)
(13)はaudienceが「(1つの集合体としての)観客」の意味で用いられている例である。動詞の形だけでなく、entire(全体の)という形容詞があることから、audience(観客)が単数扱いとわかる。
(14)はaudienceが「(個々の)観客」の意味で用いられている例である。動詞の形だけでなく、all(みんな)という代名詞があることから、audience(観客)が複数扱いとわかる。
2-5. data
- (15) The data was collected from 468 children. (そのデータは468人の子どもたちから集められた)
- (16) The data were collected from 468 children. (そのデータは468人の子どもたちから集められた)
data(データ)は、これまで紹介した他の集合名詞と同様に、単数扱い(15)と複数扱い(16)の両方が可能な集合名詞である。
ただし、data(データ)には単数形のみで使われるdatum(データ)という別の語が存在する。そのため、dataを集合名詞とみなさない人もいる。
3. 英語の集合名詞一覧
audience (聴衆) | board (委員会) |
cabinet (内閣) | class (クラス) |
club (クラブ) | committee (委員会) |
company (会社) | crew (乗組員) |
crowd (群衆) | enemy (敵) |
family (家族) | firm (会社) |
generation (世代) | government (政府) |
jury (陪審員) | ministry (省) |
orchestra (オーケストラ) | party (政党) |
public (大衆) | staff (社員) |
team (チーム) | union (組合) |
注: 本記事ではfurniture(家具)やpolice(警察)を集合名詞とみなしていない。たしかに、これらは「人や物の集まり」という意味では集合的である。しかし、furniture(家具)は常に単数扱い、police(警察)は常に複数扱いをするものである。集合名詞の定義は「可算用法、意味的に集合的、単複の一致にゆれがある名詞」なので、furniture(家具)やpolice(警察)は集合名詞の定義を満たさない。尚、以上の考え方は筆者固有のものではなく、ここ数十年、主要な英英辞典や文法の研究書で展開されているものである。
4. まとめ
この記事では、英語の集合名詞について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 集合名詞は人や物の集合体をあらわす
- 集合名詞は単数形で単数・複数の両用ができる
- 集合名詞は可算名詞である
- 集合名詞を単複両用にするのは主にイギリス英語
- 集合名詞の代表にfamilyやaudienceがある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!