三単現のs(さんたんげんのエス)とは、動詞の語尾に-sあるいは-esをつけることを指す。
英語を学習中のあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 三単現のsとはそもそも何?
- 三単現のsはどうやって作る?
- 三単現のsはどのように発音する?
トイグルでは、三単現のsについて詳細を解説していきたい。学習の参考になるはずだ。
1. 三単現のsの使い方
| 単数 | 複数 | |
| 1人称 | I speak Japanese. | We speak Japanese. |
| 2人称 | You speak Japanese. | You speak Japanese. |
| 3人称 | Mary speaks Japanese. | They speak Japanese. |
三単現のsとは「主語が三人称かつ単数形で、なおかつ時制が現在形の場合、述語動詞の語尾に-sまたは-esをつけること」を指す。三人称単数のsとも呼ばれる。
三単現のsを理解するには、三人称、単数、現在形の3つの文法知識が必要である。簡単に紹介していこう。
- 三人称: 主語が話し手(I/We)あるいは聞き手(You)以外の人または物のこと。典型的にはHe(彼)やShe(彼女)だが、computer(パソコン)やJapan(日本)なども三人称である。
- 単数: 1人あるいは1個のもの。数えられない名詞も単数扱いとする。
- 現在形: 発言する時点での動作・状態などを示す場合。現在進行形や現在完了形も広い意味の現在形。
冒頭に示した例文では、三人称単数現在に該当するのはMary speaks Japanese.(メアリーは日本語を話します)である。この時、動詞speakの語尾についた-sを三単現のsという。
三単現のsについて、学習上よくある3つの注意点を指摘しておきたい。
- 三人称・単数・現在の条件が揃った場合、三単現のsは義務的に用いる。私たち学習者は、会話で三単現のsを忘れがちなので注意。ネイティブ・スピーカーにとって、必要な箇所に三単現のsが使われていない文はひどく不自然に聞こえる。
- 助動詞を用いる場合、三単現のsは不要。また、助動詞に三単現のsをつけてはならない。He can speak Japanese.(彼は日本語を話せます)は正しいが、can speaksやcans speakは不可。
- 現在完了のhaveや進行形のbeを用いる場合、三単現のsはhave/be側につく。haveはhas、beはisに変化する。例: She has worked for three hours. (彼女は3時間働いている) / He is working at a bank. (彼は銀行で働いている)
2. 三単現のsの作り方
三単現のsの作り方(= 語の形を変化させる方法)について述べていく。
2-1. -sをつける
ほとんどの場合、三単現のsは動詞の語尾にそのまま-sをつけるだけでよい。
- stop → stops
- understand → understands
2-2. -esをつける
一部の動詞は語尾に-esをつける。
- pass → passes
- lose → loses
- wash → washes
- touch → touches
2-3. yをiに変えて-esをつける
一部の動詞は語尾のyをiに変えて、-esをつける。
- try → tries
3. 三単現のsの発音
三単現のsはつづり字と発音がしばしば異なる。3つのパターンを紹介したい。
3-1. [z]の音
多くの場合、三単現のsは[z]の音で読まれる。
例えば、dancesは「ダンシィズ」のように発音する。語尾のつづり字は-sだが、発音は「ダンシィス」ではない。
以下、三単現のsが[z]で読まれる語の例を示す。
| /m/ | become | becomes |
| /n/ | run | runs |
| /b/ | scrub | scrubs |
| /d/ | pretend | pretends |
| /v/ | arrive | arrives |
| /ŋ/ | belong | belongs |
| /l/ | call | calls |
| /r/ | care | cares |
| /i/ | study | studies |
| /aɪ/ | cry | cries |
3-2. [s]の音
三単現のsが[s]の音で読まれる場合がある。例えば、breaksは「ブレイクス」のように発音する。
以下、三単現のsが[s]で読まれる語の例を示す。
| /p/ | sleep | sleeps |
| /t/ | visit | visits |
| /k/ | look | looks |
| /f/ | laugh | laughs |
3-3. [ɪz]の音
三単現のsが[ɪz]の音で読まれる場合がある。例えば、teachesは「ティチィズ」のように発音する。
以下、三単現のsが[ɪz]で読まれる語の例を示す。
| /s/ | process | processes |
| /z/ | buzz | buzzes |
| /ʃ/ | brush | brushes |
| /tʃ/ | attach | attaches |
| /dʒ/ | manage | manages |
| /ʒ/ | camouflage | camouflages |
4. まとめ
この記事では、三単現のsについて詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 三単現のsは三人称・単数・現在形の場合、動詞の語尾に-sまたは-esをつけること
- 助動詞に三単現のsはつけない。ただし、現在完了のhaveおよび進行形のbeは例外
- 三単現のsは歴史的な過程において現在に残った用法
- 三単現のsは-s、-es、yをiに変えて-esの3パターンがある
- 三単現のsは「ズ」、「ス」、「イズ」のように発音する
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
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