インバウンド需要の高まりとともに、外国人観光客が日本のホテルに宿泊する機会がますます増えています。
その一方で「英語が苦手だから、接客に自信がない…」と感じているフロントスタッフの方も多いでしょう。
しかし、チェックイン・チェックアウト時の手続きは、シンプルな定番フレーズだけで十分に対応できます。
この記事では、ホテルでお客さまをお出迎え・お送りする際の英語フレーズと、トラブル時に役立つ表現を紹介します。
お客さまとのやり取りをイメージしながら、実際に声に出して練習していきましょう。
チェックインの基本的な流れと会話例
チェックイン時のやり取りは決まったパターンが多いため、定番フレーズをおさえてスムーズにお客さまを迎え入れましょう。
ここで落ち着いて対応できれば、ホテル全体の印象も良くなります。
ステップ1:予約のお名前を確認する
まずは笑顔で「ようこそ」と迎え入れ、予約時のお名前を確認しましょう。
\会話の例/
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Hello. Welcome to Sunrise Hotel. May I have your name, please?
(こんにちは。ようこそサンライズホテルへ。お名前を伺ってもよろしいでしょうか。)

Yes, it’s David Brown.
(はい、デイビッド・ブラウンです。)
\音声を聞く/
名前がうまく聞き取れなかった時は、”Could you spell your name, please? (スペルを教えていただけますか?)” とお願いしましょう。
ステップ2:パスポートを提示してもらう
海外からのお客さまをチェックインする際には、パスポートの提示をお願いするのが一般的です。
\会話の例/
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May I see your passport, please?
(パスポートを拝見してもよろしいでしょうか?)

Sure. Here you are.
(はい、どうぞ。)
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Thank you. Please wait a moment.
(ありがとうございます。少々お待ちください。)
\音声を聞く/
コピーを取り終わり、パスポートを返す時は笑顔で “Here you are.(どうぞ。)”と添えましょう。
ステップ3:ゲストカードを記入してもらう
宿泊者情報を記入してもらう時は、“fill out(記入する)”を使って伝えましょう。
“write(書く)” よりもフォーマルで、ホテルでは定番の言い方です。
\会話の例/
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Please fill out this guest card.
(こちらのゲストカードにご記入ください。)

Okay.
(わかりました。)
\音声を聞く/
ステップ4:部屋番号を伝える
部屋番号を伝える時は、ゆっくり、はっきりと数字を言いましょう。
“0”はアルファベットの“O(オー)”の音で読むのが一般的です。
\会話の例/
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Your room number is 102.
(お部屋は102号室です。)

Okay.
(わかりました。)
\音声を聞く/
- 「102」:one- oh-two
- 「123」:one-twenty-three
- 「1203」:twelve-oh-three
ステップ5:部屋の鍵を渡す
最後に部屋の鍵を渡します。
「何かあればお知らせください。」と、一言添えると安心してもらえます。
\会話の例/
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Here is your room key.
(こちらがお部屋の鍵です。)

Thank you.
(ありがとうございます。)
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Let us know if you need anything else. Enjoy your stay.
(何かございましたらお知らせください。ごゆっくりお過ごしください。)
\音声を聞く/
| 「朝食が含まれているか」など、チェックイン時のやり取りでよくあるフレーズをさらにおさえたい方は、以下の記事もご覧ください。 ホテルのチェックイン、英語でちゃんとできる?初心者でも安心のフレーズと会話例 |
チェックアウトの基本的な流れと会話例
チェックアウト時の英会話も、基本の流れをつかめばスムーズに進められます。
ていねいな表現を使って、お客さまをあたたかくお見送りしましょう。
ステップ1:部屋番号を尋ねる
チェックアウトの手続きでは、まずお客さまの部屋番号を確認します。
\会話の例/

I’d like to check out.
(チェックアウトをお願いします。)
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Good morning. May I have your room number, please?
(おはようございます。お部屋番号を伺ってもよろしいでしょうか?)
\音声を聞く/
ステップ2:名前を確認する
部屋番号を聞いたあとは、お名前を確認します。
\会話の例/
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May I have your name, please?
(お名前を伺ってもよろしいでしょうか?)

My name is David Brown.
(デイビッド・ブラウンです。)
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Thank you, Mr. Brown.
(ありがとうございます、ブラウン様。)
\音声を聞く/
ステップ3:部屋の鍵を返却してもらう
請求書の確認前または確認後、部屋の鍵を返してもらいましょう。
\会話の例/
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May I have your room key, please?
(お部屋の鍵をお預かりしてもよろしいでしょうか?)

Here you are.
(こちらです。)
\音声を聞く/
ステップ4:請求書を渡して支払い方法を尋ねる
宿泊料金を精算する時は、まず請求書(bill)をお渡しし、支払い方法を伺います。
\会話の例/
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Here is your bill. How would you like to pay?
(こちらが請求書です。お支払い方法はいかがなさいますか?)

By credit card, please.
(クレジットカードでお願いします。)
\音声を聞く/
チップを渡す習慣がある国からのゲストから “Do I need to tip?(チップは必要ですか?)” と聞かれることがあります。
日本にはチップの文化がないことを、以下のようにやさしく伝えましょう。
No, thank you. We don’t have a tipping custom in Japan.
(いいえ、ありがとうございます。日本ではチップの習慣はありません。)
ステップ5:お見送りする
お会計が終わったら、感謝の気持ちをこめて、最後までていねいにお見送りしましょう。
タクシー手配などのサポートを申し出ることで、おもてなしの心を伝えられます。
\会話の例/
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Would you like us to call a taxi for you?
(タクシーをお呼びしましょうか?)

No, thank you.
(いいえ、大丈夫です。)
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Have a nice day. Thank you for staying with us.
(良い一日をお過ごしください。ご宿泊ありがとうございました。)
\音声を聞く/
| 「レイトチェックアウト」や「事前精算」など、チェックアウト時に使えるイレギュラーな表現は、以下の記事をご覧ください。 チェックアウト時に英語でスムーズにやり取りできる!初心者が押さえたい流れと会話例 |
【場面別】トラブル対応で役立つフレーズ集
トラブルが起きてお客さまの部屋からフロントへ電話がかかってくることもあります。
よくある状況別のフレーズを覚えておけば、落ち着いて対応できるようになりますよ。
電話を受ける時は、”Front desk, may I help you? (フロントです。いかがなさいましたか?)” とあいさつしましょう。
1. 英語がうまく通じない時
お客さまからの電話や直接のやり取りで、英語が聞き取れないことは珍しくありません。
焦らずていねいに聞き返すことが大切です。
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Could you speak more slowly, please?
(もう少しゆっくり話していただけますか?)
\音声を聞く/
2. Wi-Fiのパスワードがわからないと言われた時
Wi-Fiのパスワードについての問い合わせはとても多いため、どこに記載されているかをすぐに案内できるようにしておきましょう。
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It’s written on the card on your desk.
(お部屋のデスク上のカードに記載されています。)
\音声を聞く/
3. 設備が故障していると言われた時
エアコンが動かない時やシャワーのお湯が出ない時は、すぐにスタッフが向かうと伝えましょう。
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We’ll send someone to check right away.
(すぐに係の者を向かわせます。)
\音声を聞く/
- ドライヤー:hair dryer
- テレビのリモコン:TV remote
- 電気ケトル:electric kettle
- エアコン: air conditioner
- バスルームの電気: lights in the bathroom
4. アメニティが足りないと言われた時
アメニティが足りないという問い合わせがあったら、すぐに部屋へ持っていくことを伝えましょう。
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We’ll bring some right away.
(すぐにお持ちいたします。)
\音声を聞く/
- バスタオル:bath towel
- フェイスタオル:face towel
- 歯ブラシ:toothbrush
- 歯みがき粉:toothpaste
- シャンプー:shampoo
- ボディソープ:body soap / body wash
- カミソリ:razor
- ヘアブラシ:hairbrush
- 綿棒:cotton swabs
- トイレットペーパー:toilet paper
- ミネラルウォーター:bottled water
5. 騒音があると言われた時
近隣の部屋や外の音がうるさいと問い合わせを受けたら、状況を確認する姿勢を示しましょう。
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We’ll check right away. If the noise continues, we can change your room.
(すぐに確認いたします。もし音が続くようでしたら、お部屋を変更いたします。)
\音声を聞く/
歌やダンスが好きな文化圏からのお客さまの部屋から、夜遅くまで音楽や歌声が聞こえてくるケースがあります。
お客さまへの注意は、以下のフレーズを使って「お願い」+「感謝」をセットで伝えましょう。
- Sorry to bother you. (お電話で失礼いたします。)
- Could you please keep the noise down? (少し音を控えていただけますか?)
- Thank you for your understanding. (ご理解ありがとうございます)
6. 部屋が予約内容と違う時
予約した部屋のタイプやベッド数が違うなど、問い合わせを受けることもあります。
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Let me check your reservation.
(ご予約内容を確認いたします。)
\音声を聞く/
対応が決まったら、”We’ll prepare a twin room right away.(すぐにツインのお部屋をご用意いたします。)など、”prepare (用意する)” を使って伝えましょう。
- シングルルーム:single room
- セミダブルルーム:semi-double room
- ダブルルーム:double room
- ツインルーム:twin room
- 禁煙ルーム:non-smoking room
- 喫煙ルーム:smoking room
7. 体調が悪いと言われた時
お客様から「体調が悪い」と連絡を受けた場合は、必要に応じて病院や救急の手配を提案します。
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Would you like to see a doctor?
(病院をご案内しましょうか?)
\音声を聞く/
緊急の場合は “We’ll call an ambulance.”(救急車を呼びます)も覚えておくと安心です。
8. チェックアウトの時間を過ぎている時
チェックアウトの時間を過ぎてもお客様が部屋にいらっしゃる場合は、まずはていねいにお声がけし、時間をお伝えしましょう。
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I’m sorry to bother you, but check-out time was 10 a.m.
(お手数ですが、チェックアウトのお時間は10時でございます。)
\音声を聞く/
必要に応じて” Would you like to extend your stay? (ご滞在を延長なさいますか?)”と提案しましょう。
9. 支払いでカードが使えない時
チェックアウト時にカードのエラーが出る時は、別のカードや支払い方法を提案しましょう。
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I’m sorry, but your card didn’t go through.
(申し訳ございません。カードの決済が通りませんでした。)
\音声を聞く/
- Could you try again? (もう一度試していただけますか?)
- Could you use another card?(別のカードを使っていただけますか?)
- Would you like to pay in cash?(現金でお支払いなさいますか?)
10. 落とし物、忘れ物の連絡があった時
お客様から「荷物を忘れた」「落とし物をした」と問い合わせを受けることもあります。
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We’ll check right away and call you back.
(すぐに確認して折り返しご連絡いたします。)
\音声を聞く/
まとめ:定番フレーズを覚えればスムーズに接客できる!
ホテルのチェックインやチェックアウト時のやり取りは定番のパターンがあるため、基本的なフレーズを覚えておけばスムーズに手続きできます。
この記事で紹介したフレーズを使って笑顔で対応すれば、お客さまに安心してホテルの宿泊を楽しんでもらえるでしょう。
最初から完璧な英語で話そうとしなくて大丈夫です。
毎日の業務の中で少しずつ英語を使いながら、英語での対応に慣れていきましょう。
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