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前置詞は英語学習の中でもっとも難易度の高い分野の1つである。
トイグルでは、前置詞学習に役立つ参考書を5つ紹介したい。一歩上のレベルを目指す方の参考になるはずだ。
1. 前置詞は「幅×深さ」で学ぶ
筆者は、前置詞の学習には2つの軸があると考えている。
1つ目は縦の軸、すなわち個別の用法を中心とした「深さ」を追求する学習である。例えば、atであれば「点」を中心として、場所・時間・目標など複数の意味がある。
2つ目は横の軸、すなわち前置詞の違いを中心とした「幅」を追求する学習である。例えば、時間を表す前置詞にはat、on、inがある。これらの違いは何か、どのような場面で使い分けをするのか。こうした横断的な視点があると理解が深まる。
本記事で紹介する参考書は、縦の軸と横の軸のどちらか片方に特化したもの、あるいはその両方を学べる本である。それぞれが異なる特徴を持つから、1冊ずつ順に進めても良いし、目的に合った本を選んでも良い。
以下、前置詞学習に役立つ5冊の書籍を紹介しよう。
2. 前置詞学習におすすめの参考書5選
2-1. マーフィーのケンブリッジ英文法 初級編
『マーフィーのケンブリッジ英文法 初級編』は、レイモンド・マーフィー氏による文法問題集。シリーズ累計3,000万部を売り上げた、世界的大ベストセラーである。
本書は横の軸(用法の違い)を中心に学習するタイプの本である。「at/on/in(時を表す前置詞)」からはじまり、16の単元で前置詞を学べる。句動詞など派生的な項目も収録されている。
ページは左右で見開きになっており、左ページの説明を見た後、右ページの問題を解く構成で進める。解答集もついているので、「設問解答→答え合わせ」によって文法を学べる。初級者・中級者の方におすすめ。
>>マーフィーのケンブリッジ英文法<<
2-2. ロイヤル英文法
『ロイヤル英文法』は綿貫陽氏らによる文法参考書。大学受験から大人の英語学習まで幅広く使われる、息の長いロングセラーである。
本書は縦の軸(個別前置詞の使い方)と横の軸(前置詞の違い)の両方を学べる。個別前置詞はat、by、forなどの9語、前置詞の違いは時や場所など7項目が収録されている。
総合文法書なので前置詞以外も書かれているが、他の文法書よりも前置詞の記述が丁寧なので使いやすい。本書1冊で基本的な文法はすべて学べるので、コストパフォーマンスは高い。初級者・中級者の方におすすめ。
>>ロイヤル英文法<<
2-3. 英語の前置詞
『英語の前置詞』は安藤貞雄氏による前置詞特化型の参考書。著者は日本でもっとも権威ある英語学者の1人である。
本書は縦の軸(個別前置詞の使い方)と横の軸(前置詞の違い)の両方を網羅している。個別前置詞の使い方は、at、by、forなどの基本前置詞だけでなく、across、inside、withinなど、他の本では通常省略される語も入っているのが嬉しい。
前置詞の違いは「総合研究」として収められている。agree onとagree withの違いといった紛らわしい用法や、due toなどの群前置詞の説明もあるため、本書1冊で前置詞のアウトラインを学べる。
ただ、本の構成は例文が中心であり、説明は最小限。レイアウトは地味で、図表も少ないため、英文法に対する一定レベルの知識は必要。一歩上の英語力を求める中・上級者向け。
>>英語の前置詞<<
2-4. The Logic of English Prepositions
The Logic of English PrepositionsはJ. Daniel Moore氏による前置詞特化型の参考書。著者は日本でも教えたことがあるという、ネイティブ・スピーカーの英語教師。
本書は他の参考書に類を見ない程、丁寧かつ詳細に用法を解説しているのが特徴。例えば、I’ll be home in two days. という例文1つだけでも、家にいるのはあさって(2日後)であり、2日以内ではない…といったことが、ほぼ1ページを割いて説明している。
縦の軸(個別前置詞の使い方)を基準として構成されているが、内容をじっくり読み解けば、横の軸(前置詞の違い)についても理解できる。他の参考書と併用して使うのがおすすめ。
尚、本書は洋書なので本文はすべて英語。平易なことばを使っているが、ある程度英語の読める方向け。
2-5. English Prepositions Explained
English Prepositions ExplainedはSeth Lindstromberg氏による前置詞の研究書。本書は縦の軸と横の軸の中間といった感じで、前置詞同士を比較しつつ、用法を深堀りして説明する。
内容は濃く、目からうろこの落ちる記述ばかりだが、特に面白かったのはonの中心義を2つ設定している点。1つはoffやunderの反対語としてのonで、著者はこれをon1と呼んでいる。もう1つはbackの反対語としてのonで、著者はこれをon2と呼んでいる。
他にも、通常の学習では気が付かないような、些細な点まで説明されているのが嬉しい。前置詞の基本的な知識のある方が、さらに理解を深めるような目的で使用できる(洋書につき本文は英語)。
まとめ: 前置詞は時間をかけてモノにする
この記事では前置詞学習に関するおすすめ参考書を紹介した。
本をまとめると次のようになる。
- マーフィーのケンブリッジ英文法 初級編
- ロイヤル英文法
- 英語の前置詞
- The Logic of English Prepositions
- English Prepositions Explained
前置詞ができるようになると英語に大きな自信がつく。じっくり時間をかけてモノにしてほしい。
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!