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デジタル技術の発達した現在、英語を書く機会は格段に増えている。
この記事に興味を持ったあなたは、仕事で英文メールを送ることはないだろうか? あるいは、プレゼンテーションやメッセージアプリで英語を書くことはないだろうか?
私たちはかつて学校で基礎的な文法を習ったが、ライティングの訓練を受けた人はほとんどいない。いざ英文を書こうとしてもどうすればいいかわからず、困っている人も多いだろう。
そこでトイグルでは、英語でライティングをする具体的な方法を説明していく。英文メールやプレゼンテーションスライドの実例も紹介するため、すぐにでもライティングを実践できるようになるだろう。
*目次
- 1. 英語ライティングの鉄則は「体裁を整える」こと
- 2. 英語ライティング力を上達させる10のポイント
- 3. 実例で学ぶ英文の書き方
- 4. ライティングに役立つツール
- まとめ: ライティングは英語力向上の役に立つ
1. 英語ライティングの鉄則は「体裁を整える」こと
英語のライティングと言えば、英文法を思い浮かべる人が多い。
例えば、bookは可算名詞だからaを使用するとか、先行詞がヒトなら関係代名詞はthatかwhoを使う…といった、文法の決まりごとである。
確かに、ライティングに文法が重要なのは間違いない。ライティングはフォーマルな場面で用いられることが多いから、正しい文法は大人の英語に必須のスキルである。
一方、TOEIC対策スクールで英語を教える筆者の経験では、英語初心者の方に目立つのは文法ミスよりもむしろ、英文を作るための体裁にある。
例を見てみよう。
the questionnarire Will take No longer than 10minutes to complete.all infolmation you provide will be treated confidentiarry and will only be used for Research Purposes.
この文章は英語として許容されない。スペルミスが多く、大文字と小文字の使い分けができておらず、「10」などの全角文字を使用し、ピリオド(.)の後ろにスペースを入れずに文を続けるなど、初歩的なミスが多い。
正しくは以下のように書きたい。
The questionnaire will take no longer than 10 minutes to complete. All information you provide will be treated confidentially and will only be used for research purposes.
(アンケートは完成するのに10分以上はかかりません。あなたの提供するすべての情報は秘密に取り扱われ、研究目的のみに使用されます。)
ピリオドやスペースの使い方を正すだけで、随分と英語らしくなることがおわかりいただけるだろう。
このように、良い英文を書くには体裁を整えることが何より重要である。句読点の間違いをゼロにすることが、伝わる英文を書く第一歩だ。
それでは、実際のライティングはどのようにすればいいのだろうか? 以下、具体例を紹介していこう。
2. 英語ライティング力を上達させる10のポイント
日本語は主にひらがな、カタカナ、漢字の3つの文字体系を使用する。対して、英語はローマ字(アルファベット)の大文字と小文字を使用する。
したがって、日本語と英語はライティングの作法が根本的に異なる。文法ミスはないに越したことはないが、少なくとも型が合っている限り、相手に読まれる文は作れる。
10のポイントを意識しよう。
2-1. スペルミスをしない
スペル(つづり)の間違いは文章の信頼度を下げる。いくら文法的に正しい文を書いても、たった1つのスペルミスがあるだけで幼稚な印象を与えかねない。
スペルミスは事前の注意で9割を防げる。後に紹介する英文添削アプリなどを使い、英文を提出する前にスペルチェックをする習慣を身に着けたい。
2-2. 全角文字を使わない
日本語キーボードには半角文字と全角文字の2つがある。
海外では全角文字を使わないため、英文を書く際は必ず半角文字を選ぶようにしたい。
- 半角: apple pie
- 全角: apple pie
(スマートフォンで英文を打つ時に全角になりやすいので、注意が必要である。)
2-3. 文頭は大文字で始める
英語では、センテンスは大文字から始める規則がある。
- We shall have finished by Friday. (金曜日までに終わっているだろう。)
次の文はallocationがセンテンスの始まりにもかかわらず、大文字を使っていない。この一点だけで読み手は、書き手が大文字にするのを忘れたのか、あるいはwhenなどの接続詞が抜けているのか判断できず混乱する。
There are only a few places available on each seminar. allocation will be on a first come first served basis.
(各セミナーには少しの席しか用意されていない。割当は先着順です。)
2-4. 不必要な箇所に大文字を使わない
不必要な箇所に大文字を使ってはならない。
次の例は、ice creamとすべきところをIce creamと大文字で表記している。読み手は一瞬、Iceという固有名詞があるのかと想像するが、Ice creamでは意味が通らないため混乱する。
A small girl was eating an Ice cream.
(幼い少女がアイスクリームを食べていた。)
2-5. 疑問文の文末はクエスチョンマークを使う
疑問文の文末にはピリオド(.)の代わりにクエスチョンマーク(?)を使う。
- Could I have a drink of water, please? (お水をいただけませんか?)
次の例は、文末のクエスチョンマークが抜け落ちている。疑問文だと思って読んでも「?」がないので、読み手は仮定法If I should…の倒置が起きているのかと思って読み直すが、それだと意味が通らない。
Should I trust him
(彼を信頼したほうがいいのですか?)
2-6. 単語の間はスペースを取る
英語では単語の間にスペースを1つ空ける。
- Shoppers can send in their orders by computer and pick up their goods later. (買い物客はコンピューターで注文を送れる、そして商品を後で受け取れる。)
次の例は、単語の間に2つ以上のスペースが置かれている。意味解釈には影響を及ぼさないが、まるで子供が書いたような幼稚な文に見えかねない。
Shoppers can send in their orders by computer and pick up their goods later.
(買い物客はコンピューターで注文を送れる、そして商品を後で受け取れる。)
2-7. カンマの後ろにもスペースを取る
カンマ(,)を使用した際も、直後にスペースを1つ取る。これは忘れやすいので要注意である。
- He is tall, dark, and handsome. (彼は背が高く、無口で、ハンサムだ。)
次の例は、カンマ直後にスペースを入れず語句を続けてしまっている。英語に不慣れな印象を与える。
He is tall, dark,and handsome.
(彼は背が高く、無口で、ハンサムだ。)
2-8. ピリオドの後ろにもスペースを取る
ピリオド(.)やクエスチョンマーク(?)の直後にもスペースを1つ取る。
- This is simple and cheap process. However, there are dangers. (これはシンプルで安いプロセスです。しかし、危険もあります。)
- Where is my umbrella? Oh yes – I left it in the car. (私の傘はどこ? おおそうだ、車の中に置いてきたんだ。)
次の例はピリオドの直後のスペースを忘れていて、文字が詰まっている。
I began teaching in 1984.Tim’s good at math and science.
(私は1984年に教え始めた。Timは数学と科学に長けていた。)
2-9. 文を正しく成立させる
whenやifなどの接続詞は節と節をつなげる語句だから、それを単独で用いた節は文に成りえない。
I’ll phone you again. When I get home.
正しくは次のようにしたい。
- I’ll phone you again when I get home. (私はあなたに再度電話をします、私が家についたら。)
2-10. 文をできるだけ短くする
文に含まれる語句が長いほど、誤読をされるおそれが高まる。わかりやすい英文を作るには、文をできるだけ短くするのが良い。
例えば、because(なぜなら)はThis is because…で文を2つに分割できる。
- Many exam candidates lose marks because they do not read the questions properly.
- Many exam candidates lose marks. This is because they do not read the questions properly.
- (多くの試験受験者は得点を失う。なぜなら、彼らは設問を正しく読んでいないからだ。)
whereas(一方で)やwhile(一方で)は、However(しかしながら)を使えば近い意味を保ったまま文を分割できる。
- Whereas the city spent over $1 billion on its museum and stadium, it failed to look after its schools.
- The city spent over $1 billion on its museum and stadium. However, it failed to look after its schools.
- (その街は美術館とスタジアムに10億ドルを費やした。しかしながら、学校の世話をすることに失敗した。)
ライティングは難解な表現を10個使っても、1つのミスがあれば文全体に悪い印象を持たれる。知らない単語や不慣れな文法は使わず、平易で簡素な表現を心がけたい。
3. 実例で学ぶ英文の書き方
ライティングはかつて「英作文」と呼ばれたように、対象となるのは論文やエッセイなどの「長文」だった。
しかし、現代はインターネットの普及により、英語に関連した仕事をしない人でも、短い英文を書く機会が増えている。
ここでは、ビジネスシーンでよく使われるメール、プレゼンテーションスライド、そしてチャットアプリの3つの例文を紹介しよう。ジャンルごとの特徴を知っておきたい。
3-1. ビジネスメール
Eメールはビジネスシーンで最もよく使われる英文の一つである。
Eメールにはある程度書き方のフォーマットがある。以下の点を押さえよう。
- 題名はSuggestion(提案)などの漠然としたものではなくProfessional Development Seminar(プロ向け能力開発セミナー)のように具体的に書く。
- Dear Mr. Suzuki(鈴木様へ)やHello Keith(キースさんこんにちは)などの挨拶から始める。
- 本文は簡潔にまとめる。長くなるなら段落を分ける。
- Best WishesやSincerely, などの結語で終わる。
- 最後にSean(ショーン)のように自分の名前を書く。
3-2. プレゼンテーション
プレゼンテーションに用いるスライドはできるだけ簡潔なものが望ましい。
以下の点を押さえよう。
- 文字の大きさは最低30ポイント
- 背景は白あるいは黒(柄や絵を背景に使わない)
- 要点をまとめる
- 箇条書きを用いる
- 図表を用いる
3-3. チャット
チャットはスマートフォンアプリだけでなく、ビジネス用のメッセージアプリやカスタマーサービスとのやり取りなど、様々な場面で使われる。
以下の点を押さえよう。
- 会話に近い口語的な表現になる
- 主語I(私)の省略が起きることがある(例: am thinking…)
- Greatをgr8、laugh out loud(笑)をLOLなど、チャット特有のスラングが使われることがある
- ビジネスシーンでは上記よりもフォーマルになる
英文ライティングで400 wordsと指定されたら、それは文字数(characters)ではなく語数(words)を指す。例えば、orange juiceは2 wordsで11 charactersだ。
4. ライティングに役立つツール
テクノロジーの発達により、一昔前では考えられなかったような様々な技術が、私たちの英文ライティングを手助けしてくれる。
ライティングに役立つ3つのツールを紹介しよう。
4-1. 英文添削アプリで文法ミスをチェックする
Grammarly(グラマリー)はパソコンやスマートフォンで使える英文添削アプリ。
例えば、We went for a walk along the river. (私たちは川沿いを散歩した)の英文を作成したとする。arong(正しくはalong)のようなスペルミスがあれば、その部分は訂正される。
wentをgoneにするような文法ミスがあれば、正しい文法の候補(went / have gone)が表示される。
長い英文を入れても構わない。ほとんど待つことなく瞬間的に添削が行われる。
この記事で紹介した点の多くは、Grammarlyを使えば解決できる。ビジネスやアカデミックなシーンで英文を書く人に必須のアプリだ。
4-2. 英英辞典で語句の意味を調べる
英英辞典は英単語の意味が英語で説明される辞書。
英和辞典や和英辞典も役に立つが、ライティング時に日本語の意味を翻訳して考えると、どうしても不自然な英文ができてしまう。英英辞典を使うことで、英語らしい自然な文を作るようにしたい。
英語学習者向けに作られた「ロングマン現代英英辞典プラス」がおすすめ。
4-3. コーパスで語彙の使われ方を知る
コーパスとは、英語の使用例が収録されたデータベースを指す。
例えば、contribution(貢献)をコーパスで検索すると、この語句を使ったたくさんの用例が表示される。
前後に現れる語句に注目をすると、contributionは次のような使われ方をすることがわかる。
- outstanding contribution
- possible contribution
- significant contribution
contributionはoutstanding, possible, significantなど、程度を表す語句と相性が良いようだ。とりわけ、ポジティブな文脈で使われることが多い。
このように、語句の実際の使い方がわかるのがコーパスの特徴である。コーパスは新聞、小説、インタビュー、Webサイトなどのジャンルに分かれているため、自分の書きたい文章に近いものを選んでほしい。
まとめ: ライティングは英語力向上の役に立つ
この記事では、ライティング力を向上させる方法を紹介してきた。
内容をまとめると次のようになる。
- 英文ライティングは何よりも体裁を整えることが重要。
- 大文字・小文字の区別、スペースの使い方、ピリオドやクエスチョンマークなどに気をつける。
- 英語は長文だけでなく、メールやチャットなどの短文による利用機会が増えている。
- ライティングを手助けしてくれるツールを使う。
実際にライティングを行うと、英語に関する様々な「気づき」が生まれる。
アウトプットをするには高いレベルの理解が必要だから、単語やリーディングといったインプットの質が高まり、結果としてライティングが向上するという好循環が生まれるだろう。
ライティングは英語力向上の役に立つ。この記事を読んだらぜひともライティングを実践してみてほしい。英語に対する感覚が変わっていくのを実感できるはずだ。
Good luck!
(例文の一部はLongman Dictionary of Contemporary English (6E) Paperback & Online (LDOCE)より引用)