英語勉強法まとめを公開しました

圧倒的な英語リスニング力を身につける5つの勉強法

リスニングに苦手意識を持つ人は多い。

英語の学習を行なっているあなたは、次のような状態になっていないだろうか?

  • 「早口の音声についていけず、英文を聞き取れない」
  • 「短文はかろうじて聞き取れるが、長文になると途中から意味が理解できなくなる」

筆者は社会人向けのTOEIC対策スクールを運営しているが、このようなリスニングに関する相談をよく受ける。英語に熱心な人ほど、様々な勉強法を場当たり的に試しては、成果が出ずに悩んでいるように見える。

実は、私たちが外国語の音声を聞き取り、その内容を理解するメカニズムは、ここ数年で大きく研究が進んでいる。リスニングの仕組みを知れば、聞き取りに苦戦する理由がわかり、どんな勉強法が効果的か明らかになるだろう。

実際、筆者のTOEICスクールでは個別指導を行った結果、TOEICリスニングセクションでほぼ満点を取った社会人学習者リスニングスコアを上げてTOEIC830点を取得した社会人学習者など、数々の成功事例を出してきた。

この記事では、トイグルが実践する英語リスニングの勉強法を紹介したい。TOEIC、ビジネス英語、日常会話、留学、海外駐在など、様々な場面で役立つはずだ。

*目次

1. リスニング上達で得られること

人は、起きている時間の70%から80%を何かしらのコミュニケーションに費やしている。そのうち、書く時間は9%、読む時間は16%、話す時間は30%だが、聞く時間は実に45%を占めるに至っている(参考)。

私たちは日常生活において「聞く」行為を避けて通れない。英語でも同様に、あなたが英語圏で暮らす、あるいは日本国内で英語を使った仕事をする場合、聞き取りは絶対的に必要なスキルだろう。

リスニングができれば世界中の人の話が聞けるようになる。ビジネスで英語を使う人は販路を拡大したり、海外勤務をするチャンスを得られる。プライベートでは映画を字幕なしで観られるようになり、TOEICなどの資格試験ではスコアが上がる。

さらに、私たちはリスニングを習得する過程において、リスニング以外の英語力を向上させられる。リスニング上達で得られる3つのメリットを紹介しよう。

1-1. リスニングの上達で英語に対する自信がつく

リスニングができることで、私たちの英語学習に対する不安が取り除かれる。リスニングが「できない」から「できる」に変わるから自己に対する評価が上がる。学習に対するモチベーションが向上し、英語に取り組む姿勢そのものに変化が生じる。

リスニングができるようになると英語への関心が高まる。筆者の英語スクールでは、自発的に英語の動画を観たり、一歩上のレベルの英文法書を購入するなど、英語そのものを好きになる方が相次いでいる。

リスニングができるようになると、これまで苦手に感じていた英語が楽しみへと変わるだろう。

1-2. リスニングの上達で単語力が上がる

ある程度英語に慣れると、リスニングが英語という雑音の処理から、意味を持ったメッセージのカタマリとして理解できるようになる。

文全体の大意が理解できれば、知らない単語の意味を文脈から推測できる。既に知っている語句も、新たな表現の仕方を学ぶことで語彙の幅を広げられる。

理解可能なリスニングは英語の経験値を積む絶好の機会である。リスニング力の向上を通じて単語力の強化が期待できる。

1-3. リスニングの上達で英会話ができるようになる

スピーチなどの特殊な場面を除き、私たちが英会話をする時は通常、自分と相手が交互に発話を交換する。会話は相手の話を聞いて、それに適切な返答をすることで成り立つものである。

英会話が失敗する理由は様々だが、日本人は話せないことよりも、聞き取りが問題になる場合が多い。どうにかして自分の意見を発信しても、その後相手の言っていることがわからず、会話が止まってしまった経験のある人は多いだろう。

逆に言えば、リスニング力が向上すれば、英会話の悩みの8割は解決する。リスニングを伸ばすことで会話がスムーズになり、コミュニケーションの質が向上する。

リスニングとリーディング

リスニングとリーディングは音声と文字の違いがあるが「英語を理解する」というプロセスにおいては共通している。リーディングを勉強することでリスニング力の向上も期待できる。

2. リスニング勉強法の全体像

学習者の多くは、リスニングを「英語の音を耳で聞く」行為だと考えている。

確かに、リーディングが「読む」、ライティングが「書く」、スピーキングが「話す」であれば、リスニングが「聞く」と認識することに間違いはない。

しかし、私たちは言語を使った聴力検査をしているわけではない。私たちが目指しているのは、単に英語の音を聞き分けるだけでなく、音声を通じて話し手の意図を理解することである。

考えてみてほしい。あなたが日本語で何かの話を聞いた時、文中の単語を一言一句暗記するのは稀だろう。それでも相手とのコミュニケーションができるのは、私たちが記憶するのは実際のことばではなく、ことばから発せられるメッセージだからである。

これは英語でも同じである。リスニングとは発話を聞き、状況や背景知識など様々な情報を活用しながら、話し手のメッセージを解釈するプロセスに他ならない。

リスニング: 英語を音としてインプットしながら、話し手のメッセージを解釈するプロセス

(トイグル)

つまり、音声の識別能力をはじめ、英文の処理能力やメッセージの理解力などを同時に高めることで、リスニング能力の向上が期待できる。

リスニングの仕組みをより深く理解するため、英語の音声を聞いた時に脳内で起こる2つのプロセスを説明しよう。

2-1. ボトムアップリスニング

ボトムアップリスニングとは、英語の音を識別しながら、意味を理解していくプロセスを指す。

例として、次の英文を聞くとしよう。

  • Do you speak English?(あなたは英語を話しますか?)

リスニングはリーディングと違って文字が目に見えるわけではないため、はじめから「Do / you / speak / English」と単語の切れ目を意識できるわけではない。

私たちは先の音声を聞く際、「ド」の音、「ゥ」の音、「ユ」の音など、音素と呼ばれる音の最小単位から識別を行う。続いて、speak Englishなら「スピィ/キング/リッシュ」のようなシラブルと呼ばれる音のまとまりを作る。

さらに単語や文法の知識、リズムやイントネーションなどを手がかりに、最終的に文を「Do you speak English?」であると認識して、話し手のメッセージをくみ取る。

このように、小さな単位から大きな単位へと理解を積み上げていく方法がボトムアップリスニングである。ボトムアップの中心的な能力が、いま説明をした英語音声を識別する力だ。

もしあなたが、ゆっくりな速度なら聞き取れるが、速く話されると追いつかない。あるいは、短文なら理解できるが長文で理解が止まってしまうのは、ボトムアッププロセスに課題があり、英語音声の処理が追いついていないためである。

日本語と英語は音の構造が大きく異なるため、英語初級者および中級者は、ボトムアップリスニングを優先的に改善させたい。

2-2. トップダウンリスニング

トップダウンリスニングとは、状況や背景知識などの情報を活用し、意味を理解していくプロセスを指す。

今、あなたが渋谷駅にいたところ、外国人と見られる人に英語で話しかけられたとする。聞き取りがうまくできないので、相手が何を言っているのか理解できない。

この時、話し手がスマートフォンを取り出し、地図アプリを見せながら「Harajyuku(原宿)」と発言した。そうすれば、話し手が原宿に関して聞いていると推測できる。

さらに、「Station(駅)」や「Train(電車)」など、部分的に聞き取れる語句も手がかりにすれば、話し手が原宿駅への行き方を尋ねていると判断できるだろう。

このように、状況(駅で話しかけられた)や背景知識(原宿駅は鉄道の駅である)などの大きな単位を活用し、意味を理解していく方法がトップダウンリスニングである。

騒音のある場所での会話、途中から見始めたテレビ、強い訛りのある人の話など、文を完全に聞けなくてもメッセージを理解できるのは、トップダウン処理のおかげである。

2-3. 実際のリスニングは両プロセスが同時に行われる

ボトムアップリスニングとトップダウンリスニングは、どちらか片方だけが個別に働くわけではない。私たちが英語の音声を知覚すると、コンマ数秒の世界でこれら2つのプロセスが同時に作用し、意味を理解しようとする。

私たち学習者にとって大切なのは、英語リスニングはボトムアップとトップダウンの両方の要素があり、どちらか一方だけを学ぶのではなく、両方のプロセスを伸ばすことがリスニング能力の向上につながると理解することである。

今あなたがリスニングで難しいと感じるのはどのプロセスだろうか? ボトムアップとトップダウンのどちらに課題があるだろうか?

あなたが英語初心者で、音の聞き取りがまったくできない場合、まずはボトムアップの改善が望まれる。英語中級者は聞き取りと理解力の両方を向上させ、英語上級者はトップダウンを中心に英語のインプット量を増やすと良いだろう。

これらの議論を踏まえ、トイグルでは英語リスニング力を高める5つの勉強法を提案する。これらはボトムアップを中心としつつ、トップダウンの力をつける学習法を含んでいる。

勉強法 目的
音のつながりを学ぶ 聞き取りを改善
発音の練習 聞き取りを改善
ディクテーション 音を正確に聞き取る
シャドーイング 英語処理能力の向上
多聴 英語のインプット

以下、これら5つの方法の詳細を説明しよう。

ヒアリングとリスニングの違い

かつての「ヒアリング」が現在「リスニング」と呼ばれるのは、単に音を聞き取るという受動的な動作ではなく、音からメッセージを理解するという能動的な動作へと、学習方法のパラダイムが移ったからである。

3. 音のつながりを学ぶ

英語では、単語と単語がつながって発音されることが多い。

例えば、How are you?が「ハゥ/アー/ユー」のようにぶつ切れで発音されることは稀で、実際は「ハゥワァユゥ」のように音がつながることが多い。

音が連結する仕組みを知らなければ、文中の単語を正しく識別できない。結果、「英語が早口で聞き取れない」と感じてしまうだろう。

音のつながりに関して、4つのルールを学んでおこう。

3-1. 子音と母音のつながり

前の単語の語尾が子音で終わり、かつ次の単語の語頭が母音で始まる場合、音がつながることがある。

stop it

「ストップ/イット」ではなく、「ストッピット」のように発音される。

played on

「プレイド/オン」ではなく、「プレイドョン」のように発音される。

3-2. 子音と子音のつながり

前の単語の語尾が子音で終わり、かつ次の単語の語頭が別の子音で始まる場合、音がつながることがある。

stop trying

「ストップ/トライイング」ではなく、「ストッパトゥライイン」のように発音される。

let down

「レット/ダウン」ではなく、「レッダウン」のように発音される。

3-3. 同じ子音のつながり

前の単語の語尾が子音で終わり、かつ次の単語の語頭が同じ子音で始まる場合、音がつながることがある。

black cat

「ブラック/キャット」ではなく、「ブラッキャット」のように発音される。

delayed darts

「ディレイド/ダーツ」ではなく、「ディレイダーツ」のように発音される。

3-4. 母音と母音のつながり

前の単語の語尾が母音で終わり、かつ次の単語の語頭が別の母音で始まる場合、音がつながることがある。

be on time

「ビー/オン/タイム」ではなく、「ビーヨンタイム」のように発音される。

grow up

「グロウ/アップ」ではなく、「グロゥワップ」のように発音される。

check it outの発音

check it outが「チェケラ」のように聞こえる理由も音の連結である。このような例は無数に存在する。

4. 発音の練習で聞き取り能力を改善する

発音の練習はリスニングの上達に有効である。

英語の発音の仕組みを知れば、リスニング時の音声識別の能力が高まる。ボトムアップ処理がスムーズに進むため、聞き取り能力の向上が期待できる。

日本人学習者はとりわけ、弱形と呼ばれる弱く発音される音を練習したい。3つの例を紹介しよう。

4-1. andは「エン」か「ン」

andは常に「アンド」と発音されるとは限らない。むしろ、多くの場合は「エン」や「ン」のように弱く発音される。

次の3つの音声を聴き比べてみよう。

and(アンド)

black and white(ブラックエンホワイト)

rock’n’roll(ロッケンロール)

4-2. ofは「アブ」か「ブ」

ofは常に「オブ」と発音されるとは限らない。むしろ、多くの場合は「アブ」や「ブ」のように弱く発音される。

次の3つの音声を聴き比べてみよう。

of(アブ)

an increase of 3%(アンインクリースアブスリーパーセント)

a friend of mine(アフレンダブマイン)

4-3. toは「ト」か「タ」

toは常に「トゥ」と発音されるとは限らない。むしろ、多くの場合は「ト」や「タ」のように弱く発音される。

to(トゥ)

an attempt to escape(アンアテンプトエスケィプ)

want to(ウォントゥ)→ wanna(ワナ)

4-4. リスニングのための発音の教材

『機関銃英語が聴き取れる』は、リスニングを上達させるために必要な発音を学べる教材。英語の聞き取りに不可欠なシラブル(リズム)、音のつながり、そして発音の仕組みを練習できる。初心者から中級者向け。

同著者の『英語喉』は英語の発音をより本格的に学べる教材。中級者から上級者向け。この2冊があれば海外でも通用するリスニング力を養えるだろう。

弱形の表記法

辞書で/ə/と表記される発音記号が弱形である。a, ar, ate, o, or, e, er, u, ough, ouなどのスペルの音が、場合によって/ə/と発音される。

5. ディクテーションで音を正確に聞き取る

ディクテーションとは、英語の音を紙に書き取る練習法である。

聞こえた音を正確に書き取るので、ディクテーションを通じて音声識別能力の向上が期待できる。同時に、スペルの正確さ、語彙力の改善、文法力の向上などにも貢献する。

ディクテーションの手順は次のとおりである。

手順1. 音声を用意する

はじめに、ディクテーションをするための音声を用意する。TOEICスコアアップを目指している人はTOEIC問題集、日常会話が目的の人はYouTubeビデオなど、目的に合った教材を選ぶと良い。

ディクテーションは正確性が要求されるので、今の自分のレベルより少し易しめな教材を選ぶのがポイントだ。音声の短いもの、あるいは既に聞いたことのある教材でも構わない。

紙とペンも同時に用意しよう。

手順2. 音声を何度か聞いて耳を慣らす

ディクテーションの準備段階として、音声を2度から3度ほど聞いて、耳を慣らしておく。

市販の教材などで英文の文字起こしがある場合、軽く目を通しておいても良いだろう。

手順3. ディクテーションを行う

ここまで準備ができたら、実際にディクテーションを行う。

音声を再生し、聞こえてきた文を紙に書き取っていく。話す速度は書く速度よりも速いのが普通なので、センテンスごとに音声を止め、筆記が追いつくようにしたい。

1度ですべてを正確に書き取るのは難しい。慣れていないとセンテンスの半分も書き取りができないこともある。そのため、音声は3回から4回程度繰り返して聞いても良い。

手順4. 書き取った文の見直しをする

ある程度書き取りができたら、見直しを行う。

市販の教材なら文字起こしを読み、聞き取れなかった箇所や間違いを赤ペンで修正する。YouTubeなら英文字幕を出して内容を確かめる。

ディクテーションの例

手順5. 新たな学習課題を発見する

ディクテーションを通じて様々な学習課題を発見できる。

日本人学習者に多く見られるのは、次のようなポイントだ。

  1. a, the, toなど、弱く発音される語句を聞き取れない
  2. 知らない単語はスペルを推測しながら聞くため、リスニングの負担が増える
  3. 不慣れな文法構造があるとリスニング力が落ちる

ディクテーションを繰り返し行い、ボトムアップのリスニング力を改善していこう。

ディクテーションは短文で行う

ディクテーションは大変時間のかかる作業なので、使う英文は短文で良い。

6. シャドーイングで英語の処理能力を上げる

シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら口ずさむ勉強法である。

例を見てみよう(7:16から再生)。

シャドーイングはもともと通訳のトレーニングで使われる学習方法である。1秒あるいはそれ以下の時間差ではあるが、英語の音声が流れている状態で直前のことばを声に出すため、音を瞬間的に処理する力が養われる。

シャドーイングの手順は次のとおりである。

手順1: 教材を用意する

はじめに、シャドーイング用の教材を用意する。TOEICスコアアップを目指している人はTOEIC問題集、日常会話が目的の人はYouTubeビデオなど、目的に合った教材を選ぶと良い。

シャドーイングがはじめての方は『決定版 英語シャドーイング』を使ってみよう。初級レベルの英文を中心に、シャドーイングに適した英文が豊富に収録されている。

手順2: 教材を何度か聞いて耳を慣らす

シャドーイングには事前準備が欠かせない。よほどの英語上級者を除いて、シャドーイングで使う教材は事前に何度か音を聞き、英文の全体像を掴んでおこう。

手順3: 音声を聞きながら英文を読む

市販の英語学習教材など、英文の文字起こしのあるものを使い、音声を聞きながら英文を2回から3回ほど読む。シャドーイングの予行演習と考えよう。

手順4: 英文の意味を確認する

辞書を使い、知らない単語の意味を調べる。文法構造も把握し、英文の意味も理解しておく。

手順5: シャドーイングを行う

ここまで準備ができたら、実際にシャドーイングを行う。教材を閉じ、音声を流し、聞こえた単語を口ずさんで文を完成させよう。

はじめてシャドーイングを行う際は、誰もが最初の数行でつまずいてしまうだろう。その際は音声を頭から再度流し、同じ箇所を何度もシャドーイングをすれば、スムーズに口に出せるようになる。

集中力を高めるには、目をつぶってシャドーイングするのが効果的だ。聞こえてきた英単語を頭の中でイメージできるようになれば、英文処理がうまくできている証拠だ。

シャドーイングは短期集中で行う

シャドーイングは高い学習負荷がかかるので、長時間行うのは難しい。1日30分など時間を短く区切り、集中的に取り組みたい。

7. 動画・映画・アプリで多聴を行なう

多聴とは、英語の音声をたくさん聴く勉強法である。

これまで紹介した4つの勉強法は、音の聞き取りや英文処理能力など、英語の言語的な側面に焦点を当てたものだった。一方、多聴は音声のコンテンツ(内容)そのものに関心を移し、楽しみながら英語力を伸ばすことを目的とする。

現在、スマートフォンの普及により、低コストで質の良い英語を聞ける環境が整っている。代表的な3つの方法を紹介しよう。

7-1. YouTube動画を観る

YouTubeなどの動画配信サービスを利用すれば、英語圏で発信されている情報を無料で視聴できる。

*大学の講義

大学の講義は多聴の教材に最適だ。講義は話す速度がゆっくりで、カジュアルな表現が少なく、特定のテーマに沿った内容が話されるので、理解しやすい。

*日本文化の紹介

海外の方が作った日本文化の紹介は、私たち日本人にとっても興味深いものである。日本に関することは事前知識があるので、内容を理解しやすい。

*スピーチ

スピーチも多聴に適した題材である。スピーチは往々にしてゆっくり丁寧に話し、内容が一貫しているため、聞き取りやすい。

7-2. 映画を観る

映画鑑賞は英語リスニング力を改善する。英語の学習とエンターテイメントを同時に味わえるのは、映画ならではのメリットだろう。

*英語字幕ありの洋画

多聴に慣れていない方、映画に慣れていない方、あるいはその洋画をはじめて観る場合、英語字幕をつけて観るのが良いだろう。

英語字幕があれば、聞き逃した語句があっても、文の意味を目で確かめられる。字幕のある安心感から、リラックスして映画を観られるだろう。

尚、日本語字幕をつけると、意識が英語から日本語に戻ってしまうため、使うのは英語字幕にしよう。

*字幕なしの洋画

洋画に慣れている方、あるいは同じ映画を複数回観る時は、字幕なしで視聴しよう。「字幕なしで洋画を観られる」は英語上級者のステータスである。

映画を観るならAmazon Prime Videoがおすすめだ。わざわざレンタルビデオ店に行かなくても、スマートフォン1つでたくさんの洋画を観られる。

7-3. スマートフォンアプリ

現在、リスニングの勉強をできるスマートフォンアプリが増えている。おすすめを2つ紹介しよう。

*英会話リスニング

英会話リスニング

『英会話リスニング』は1,460シーンの英会話を聞けるリスニングアプリ。日本語訳がついているので、初心者の方でも内容を理解しやすい。

  • 価格: 無料
  • レベル: はじめて〜初級者向け

App Storeからダウンロード

*ListenUp – 英会話リスニングチャレンジ

ListenUp – 英会話リスニングチャレンジ

『ListenUp』は20秒から30秒程度の短い英会話を聞いて、内容に関する質問に答えるリスニングアプリ。

イギリスの企業ReallyEnglishが作成しているので、日本のアプリとは違う雰囲気を味わえる。ある程度英語を学んだ方向け。

  • 価格: 無料
  • レベル: 中級者〜上級者向け

App Storeからダウンロード

多聴の効果

多聴ができるようになると、英語学習が「苦行」から「楽しみ」へと変わる。

8. 間違ったリスニング勉強法は存在しない

この記事を終える前に、英語リスニングを上達させる心構えについて述べておきたい。

英語初級者および中級者は音の識別に苦戦することが多い。聞き取りが満足にできず、暗号解読のような気持ちでリスニングを行っても、学習を苦痛に感じるだろう。

そんな時、私たちは往々にして「間違った方法で勉強をしているから聞き取りができない。正しい方法で勉強をすればリスニングができるようになる」と、学習の方法論に目を向けがちである。

確かに、本書でも述べてきたように、英語レベルに合わせた適切な学習方法はあるだろう。しかし、学習内容が少しでも英語に関連している限り、間違った勉強法と直ちに断定できるものは少ない。

例えば、英語音声を聞きながら日本語訳を読む方法は「やってはいけない」と言われる。しかし、学習者が英語に慣れておらず、日本語訳を読むことでリスニングに安心感を得られるなら、それは本人にとって何ら否定されるものではないだろう。

大切なのは、ある学習法を盲目的に「正しい/間違っている」と信じ込むことではなく、いまの自分に必要な勉強法を試し、その成果を随時見直す自己管理能力である。

筆者はこれまで200名を超える方に、TOEICを中心とした英語学習指導を行ってきた。学習開始時点の英語力は人それぞれだが、目標を達成する人は自己管理能力が高く、その勉強をなぜ行うのか、目的意識を明確にしている特徴があった。

絶対的に正しいリスニング勉強法、あるいは絶対的に間違ったリスニング勉強法は存在しない。今のあなたに必要であり、実践することで「腑に落ちる」と感じるものが、最高のリスニング勉強法である。

まとめ: 圧倒的な英語リスニング力を習得しよう

もう何年も前のことになるが、筆者がアメリカ・イギリスに社会人留学をした際、英語でもっとも不便を感じたのは、話すことでも読むことでもなく、相手の話を聞き取ることだった。

日本で英語学習をしていた時、おおよそ困ることがなかったリスニングにこれほど苦戦するとは思わず、その体験で得た知識を多くの人に伝えたいと考えたのが、この記事を書いた動機である。

本記事の内容をまとめると次のようになる。

  1. リスニングとは話し手のメッセージを解釈するプロセスである。
  2. ボトムアップリスニングは音の識別から意味を理解するプロセス。
  3. トップダウンリスニングは状況背景知識から意味を理解するプロセス。
  4. 効果的なリスニング勉強法: 音のつながりを学ぶ、発音の練習、ディクテーション、シャドーイング、多聴。
  5. 間違ったリスニング勉強法は存在しない。

英語を習得する上でリスニングは欠かせない要素である。上達の過程で困ったことがあれば、ぜひとも本記事に戻ってきてほしい。学習が順調な時も本記事をもう一度読み、一段高いレベルへと自己を引き上げてほしい。

圧倒的なリスニング力を身につけた時、あなたの英語学習は変わる。

(「TOEIC」は米国ETSの登録商標です。わかりやすさを重視して英語をカタカナ表記している箇所があります。記事内のAmazonリンクはアソシエイトリンクを使用しています。)

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