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英語の現在分詞とは、動詞の原形に-ingをつけるものを指す。
例えば、running water(流水)であればrunning(流れる)が現在分詞(形容詞用法)に該当する。
現在分詞は用語が複雑で混乱しやすい。英語の学習をしているあなたは、次のような悩みを持っていないだろうか?
- 現在分詞とはそもそも何なのか…
- 「現在分詞が正解」と言われるとわからなくなる…
- TOEICで現在分詞を選ぶ問題が苦手…
そこでトイグルでは、英語の現在分詞について詳細を解説していく。よくある質問はQ&A形式にまとめたので、学習の参考になるはずだ。
1. 現在分詞のポイントは「形」と「使い方」を分けて考えること
- (1) I was walking on the treadmill for 20 minutes.
(20分間トレッドミルで歩いていた/進行形) - (2) This English translation is confusing.
(この英語翻訳はわかりにくい/形容詞) - (3) Waiting at the bus stop, I met Oliver.
(バス停で待っている時、オリバーに会った/分詞構文) - (4) Emma went to bed without taking a bath.
(エマは風呂に入らずに寝た/動名詞)
現在分詞とは<動詞の原形+-ing>を様々に使う用法を指す。現在分詞そのものは品詞ではなく、準動詞の一部に分類されることがある。
(1)は現在分詞が進行形として使われている例。進行形は「…しているところだ」の意味。(2)は現在分詞が形容詞として使われている例。現在分詞のもっとも典型的な用法。
(3)は分詞構文と呼ばれ、現在分詞の導く句が、文全体に情報を付け加えるはたらきをするもの。(4)は動名詞で、<動詞の原形+-ing>が名詞として用いられている。
学習中に現在分詞で混乱する理由は、すべて<動詞の原形+-ing>にもかかわらず、場面によって異なるニュアンスで説明されるからである。次のポイントをおさえておこう:
- (狭い意味の)現在分詞は<動詞の原形+-ing>の形を指す(ただし動名詞は除く)
- (広い意味の)現在分詞は動詞用法・形容詞用法・副詞用法などの使い方を指す
- 動名詞と現在分詞は共に<動詞の原形+-ing>で一緒だが、両者は文法上区別される
例えば、市販の問題集で「a sleeping lion(眠っているライオン)のsleepingは現在分詞」とあれば、それは狭い意味ではsleepingという語の形を指し、広い意味では形容詞用法という使い方を指す。
本記事ではこの後、現在分詞の中でも形容詞用法に限って説明していく。
2. 名詞修飾語としての現在分詞
現在分詞(形容詞用法)は名詞を修飾するはたらきを持つ。
2つの用法を見ていこう。
2-1. 現在分詞の前置修飾
- We watched the rising sun. (私たちは日の出を見た)
現在分詞は修飾する名詞の前に置かれる(前置修飾)。例文はrising(上昇する)がsun(太陽)を修飾して「日の出」の意味で使われている。
2-2. 現在分詞の後置修飾
- A woman carrying a shopping bag came through the front door. (買い物袋を持っている女性が入口を通り抜けた)
現在分詞は修飾する名詞の後ろに置かれることもある(後置修飾)。この用法は、現在分詞の後ろに他の語句を伴う場合が多い。
例文は以下の構造で解釈するとよい:
- [A woman carrying a shopping bag] came through the front door. (買い物袋を持っている女性が入口を通り抜けた)
該当の箇所がわかりにくければ、さらに以下のように解釈してもよい:
- [A woman who is carrying a shopping bag] came through the front door.
3. 補語としての現在分詞
現在分詞(形容詞用法)は文の補語として使用できる。3つの用法を見ていこう。
3-1. S+be+現在分詞
- The garden tours were very interesting and informative. (庭園のツアーはとても興味深く有益だった)
現在分詞は連結動詞の補語として使われる(主語補語)。この用法では、現在分詞が主語の状態を説明する役割を果たす。
例文はThe garden tours(庭園のツアー)がinteresting and informative(興味深く有益)だったと言っている。
3-2. S+V+現在分詞
- One of my friends came running to me yesterday. (友人の1人が昨日私のところに駆けつけてきた)
現在分詞はcome, stand, runといった一部の自動詞の補語としても使える(準主語補語)。この用法は「…しながら…する」の意味で、2つの動作が同時に起こる様子をあらわす。
3-3. S+V+O+現在分詞
- I saw a woman lying on the ground. (地面に横たわっている女性を見た)
- Mary offered advice on how to get that old train running again. (メアリーはその古い電車を再び走らせる方法について助言を述べた)
現在分詞は「SVO+現在分詞」の構造でも使える(目的語補語)。この用法について理解するには、文構造を次のように解釈すればよい:
- I saw [a woman lying on the ground].
- Mary offered advice on how to get [that old train running] again.
例文上は「地面に横たわっている女性(a woman lying on the ground)」を見た(saw)、例文下は「その古い電車を走らせる(that old train running)」方法について助言を求めたの意味。
現在分詞Q&A: よくある3つの疑問とその答え
現在分詞の学習中によくある3つの疑問とその答えを述べていく。
Q1. 現在分詞と過去分詞の違い
現在分詞と過去分詞の違いを見るため、ここでは一時的に動詞の-ing形、動詞の-ed形と呼ぶことにする(理由は後述)。
-ing形と-ed形の違いは以下のとおり:
- -ing形-1: a sleeping baby (寝ている赤ちゃん)
- -ing形-2: a sleeping car (寝台車)
- -ed形-1: a broken computer (壊れたパソコン)
- -ed形-2: fallen leaves (落ち葉)
「-ing形-1」は現在分詞(形容詞用法)で、a sleeping baby = a baby that is sleeping(眠っている赤ちゃん)。「-ing形-2」は動名詞で、a sleeping car = a car that is used for sleeping(眠るために使われる車両 = 寝台車)と解釈する。
「-ed形-1」は過去分詞(受動)で、a broken computer = a computer that was broken(壊れたパソコン)。「-ed形-2」は過去分詞(完了)でfallen leaves = leaves that have fallen(落ちた葉っぱ)と解釈する。
- 現在分詞: a sleeping baby = a baby that is sleeping
- 動名詞: a sleeping car = a car that is used for sleeping
- 過去分詞(受動): a broken computer = a computer that was broken
- 過去分詞(完了): fallen leaves = leaves that have fallen
冒頭で-ing形/-ed形と分けた理由は、-ing形には現在分詞と動名詞、-ed形には過去分詞(受動)と過去分詞(完了)が、それぞれ存在するからである。
「現在分詞と過去分詞の違い」を純粋に示せば、定義によって動名詞が省かれてしまう。一方、過去分詞には受動と完了の意味があるから、現在分詞との比較がややこしい… といった、用語の使い方で混乱してしまう。
そのため、「現在分詞と過去分詞の違い」より、「-ing形と-ed形の違い」としたほうが、学習上の目的は達成されるのではないかと考えた次第である。
Q2. 現在分詞と進行形の違い
現在分詞の形容詞と動詞の分詞形(進行形)の違いは何だろうか? 例文を比較してみよう:
- That movie is interesting. (その映画は面白い)
- Mary is sleeping. (メアリーは寝ている)
現在分詞(形容詞)と進行形を見分ける1つの方法は「veryで修飾できるかテスト」をすることにある。veryは「非常に」の意味の副詞だが、形容詞を修飾するはたらきを持つので、veryで修飾できれば形容詞用法となる。
先ほどの例文にveryを挿入すると、次のような結果が得られる:
- 正: That movie is very interesting. (その映画はとても面白い/形容詞)
- 誤: Mary is very sleeping. (メアリーはとても寝ている?/動詞)
したがって、interestingは現在分詞の形容詞、sleepingは動詞の分詞形と判断する。
Q3.「SVO+動詞の原形」と「SVO+動詞のing形」の違い
『3-3. S+V+O+現在分詞』で取り上げた目的語補語としての現在分詞であるが、-ing形のほかに、動詞の原形を用いることもできる。次の例文を比較してみよう:
- I saw a woman enter the room. (私はその女性が部屋に入るのを見た)
- I saw a woman entering the room. (私はその女性が部屋に入っているのを見た)
例文上は原形enter(入る)が使われている。原形は女性が部屋に入る様子を一定時間見ていたことを示唆する。文は過去形なので、女性が部屋に入る動作は終了したと解釈される。
例文下は-ing形のenteringが使われている。-ing形には時間の区切りがあるから、女性がまさに部屋に入っている瞬間を一時的に見ていた感じがする。
どちらの場合も、文構造は変わらない:
- I saw [a woman enter the room]. (私はその女性が部屋に入るのを見た)
- I saw [a woman entering the room]. (私はその女性が部屋に入っているのを見た)
*まとめ
この記事では、英語の現在分詞について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 現在分詞は<動詞の原形+-ing>
- 現在分詞は進行形・形容詞・分詞構文などに使われる
- 形容詞用法の現在分詞は名詞修飾に使われる
- 形容詞用法の現在分詞は補語として使われる
- 現在分詞は様々な注意すべき使い方がある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!