英語の分詞とは?現在分詞と過去分詞の違いをわかりやすく説明します

英語の分詞

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英語の分詞とは、動詞の語尾に-ingをつけるもの、あるいは-enをつけるものを言う。分詞は進行形、完了形、受動態ほか、形容詞的用法として名詞を修飾する役割を持つ。

分詞は学習中に必ずぶつかる壁の1つである。英語を勉強しているあなたは、次のような悩みを持っていないだろうか?

  • そもそも分詞がなんだかわからない…
  • 現在分詞と過去分詞の使い分けが難しい…
  • TOEICで分詞を選ぶ問題が苦手…

そこでトイグルでは、英語の分詞について詳細を解説していく。よくある疑問はQ&A形式でまとめた。学習の参考になるはずだ。

1. 分詞は形・意味・使い方で分ける

英語の分詞

学習中に分詞で混乱する場合、形・意味・使い方の3点にわけて考えるとよい。

  • 形: 分詞の語形
  • 意味: 分詞の持つ意味
  • 使い方: 文中でどのような機能をもつか

1つずつ説明していこう。

1-1. 分詞の形

分詞の形

現在分詞の語形は単純で、<動詞+-ing>にすればよいだけである。sleeping(寝ること)、working(働くこと)、buying(買うこと)などはすべて現在分詞である。

過去分詞は動詞によって語形が変わる。規則変化動詞は<動詞+-ed>をつけるもので、worked(原形はwork/働く)などがこれに該当する。

不規則変化動詞は語によって様々な形を取るが、もっとも典型的なのは<動詞+-en>のタイプ。beaten(原形はbeat/打ち破る)やtaken(原形はtake/取る)などが該当する。

現在分詞・過去分詞は時と関係ない
「現在分詞」や「過去分詞」といった名称で呼ばれるものの、分詞に時のニュアンスは含まれない。現在分詞は現在だけでなく過去や未来のことも表せるし、過去分詞も同様である。本来は-ing分詞や-en分詞と呼んだほうが適切だが、本記事では慣習に従って現在分詞・過去分詞の名称で使用していく。

1-2. 分詞の意味

分詞の意味

現在分詞は「…している/…させる」で能動の意味がある。sleeping baby(寝ている赤ちゃん)やinteresting story(興味深い話)など。

過去分詞は2つの意味がある点に注意。1つ目はstolen wallet(盗まれた財布)など、「…される」で受動の意味。2つ目はfrozen food(凍った食品 = 冷凍食品)など、「…した」で完了の意味がある。

現在分詞と過去分詞の意味については、後ほど『2. 現在分詞と過去分詞の使い分け方』で詳しく取り扱う。

過去分詞は最終段階
過去分詞は「最終段階」のイメージを持つ。動作の及ぶ最終段階は受動(例: メールを送る→メールは送られる)、時間的な意味の最終段階は完了(例: メールを送る動作の最終段階=送ったところ)となる。受動と完了という一見異なる意味が併用されるのはこのためである。

1-3. 分詞の使い方

分詞の使い方

現在分詞と過去分詞は共通する使い方があるため、用法別に分けた。

まず、分詞の動詞的用法は進行形(be+現在分詞)、完了形(have+過去分詞)、受動態(be+過去分詞)が該当する。私たちが「動詞の進行形」と習うものは、分詞の動詞的用法と考えるとよい(完了形や受動態も同様。)

分詞の形容詞的用法は、分詞を形容詞のように扱うもので、名詞を修飾する限定用法と、文の補語になる叙述用法がある。

限定用法rising sun(昇る太陽)やbroken door(壊れたドア)のように<分詞+名詞>で前置修飾するものと、a woman carrying a bag(バッグを持ち運んでいる女性)やan e-mail written by Tom(トムによって書かれたメール)のように<名詞+分詞>で後置修飾するものがある。

叙述用法はSVCのC(補語)に該当するもので、This story is very confusing.(この話はとても混乱させる)やI am very confused.(私はとても混乱した)などが該当する。

最後に、分詞の副詞的用法は分詞構文と呼ばれるもので、分詞によって導かれる句が、文全体に意味を付け加えるはたらきをする。

要するに、分詞とは「動詞の-ing/-enが様々な使われ方をするもの」と覚えておくとよい。分詞そのものは品詞ではなく、動詞の下位分類である。

分詞でつまずく原因は形容詞的用法
筆者の経験上、学習者がつまずくのは分詞の形容詞的用法が多い。文中に形容詞的用法の分詞が使われている時、「意味的に現在分詞と過去分詞のどちらがよいのか」と「なぜこの位置に分詞が使われるのか」で混乱しがちである。この2点を乗り越えれば分詞の苦手意識は克服できる。以下に詳しく説明する。

注: 形容詞的用法は他にも、分詞が準主語補語や目的語補語として使われる用法があるが、ここでは省略した。

2. 現在分詞と過去分詞の使い分け方

現在分詞…している/…させる
過去分詞…される(受動)/…した(完了)

現在分詞は「…している/…させる」で能動、過去分詞は「…される」で受動と「…した」で完了の意味がある。

分詞がわからない場合、これら4つのいずれかに当てはめれば、自然な意味を導けることが多い。以下、例文とともに見ていく。

2-1. excitingとexcited

  • (1) Liverpool played an exciting game. (リバプールはわくわくするような試合をした)
  • (2) The excited audience shouted “no more”. (興奮した観客は「もういい!」と叫んだ)

exciteは「わくわくさせる」の意味の他動詞。

(1)のan exciting gameは「わくわくする試合」と訳されるが、「わくわくさせる試合」のほうが英語本来のニュアンスに近い。試合が人をわくわくさせるのであり、試合そのものがわくわくしているわけではない。

(2)のThe excited audienceは「興奮した観客」の意味。exciteは上述のように他動詞なので、観客は「(何かの原因によって)興奮させられた」と考える。The exciting audienceとすると「興奮させている観客」で、文意に合わない。

ポイントは現在分詞が「…させる」の意味を持っている点を理解することにある。現在分詞を「…している」の意味だけで捉えると「試合そのものはわくわくしないな」と思ってan excited gameと言いそうになるが、これは上述の理由で不可。

2-2. requiringとrequired

  • (3) We are requiring Mark to address these issues. (私たちはマークにこれらの問題を言及するよう求めている)
  • (4) Students are required to purchase their own laptop computer. (学生たちは自身のノートパソコンを購入するよう求められる)

requireは「求める」の意味の他動詞。

(3)は「私たち」が「マーク」に対して言及するよう求めているので、現在分詞requiringが適切。

(4)は「学生たち」がノートパソコンを買うよう求められているので、過去分詞requiredが使われている。仮にStudents are requiring to…とすると、動詞の目的語が欠けるので容認されない。

be required toはTOEICに頻出
(4)のrequiredが空白になっており、require、required、requiring等から選ぶ問題はTOEIC文法問題に頻出する。初級学習者の多くは現在分詞requiringを選んで不正解となるため、過去分詞requiredを確実に選べるようにしたい。

2-3. fallingとfallen

  • (5) A falling stone may cause injury. (落石が傷害を引き起こすかもしれない)
  • (6) Gather fallen leaves. (落ち葉を集めなさい)

fallは「落ちる」の意味の自動詞。

(5)のA falling stoneは「落下している石(=落石)」の意味。現在分詞の「…している」のイメージがそのまま使われている。

(6)のfallen leavesは「落ちた葉っぱ(=落ち葉)」の意味。完了の用法で使われている。「落とされた葉っぱ(受動)」ではない点に注意。

過去分詞が完了で使われることは少ない
過去分詞が完了で使われるのは変移動詞(=状態の変化を示す動詞)に限られる。
例: a faded dress(色あせたドレス)、an escaped prisoner(逃亡犯)

2-4. speakingとspoken

  • (7) Zambia is an English-speaking country. (ザンビアは英語を話す国です)
  • (8) Good written and spoken English is essential. (よい書き言葉と話し言葉の英語は不可欠です)

(7)のan English-speaking countryは「英語を話す国」の意味。「英語を話す国」と「英語が話される国」で迷うが、通例、現在分詞が妥当。

(8)はWritten English(書き言葉)とSpoken English(話し言葉)の2つが等位接続詞andで結ばれている。仮にSpeaking Englishとすると「英語を話すこと」の意味で動名詞と判別される。

(7)のようなハイフンつき分詞は、この後『Q5. ハイフンつき分詞の使い方』で詳しく取り扱う。

2-5. retiringとretired

  • (9) Dr. John J. Sbrega, the retiring president of the College, will speak today. (近く引退する学長、John J. Sbrega博士は、本日公演をします)
  • (10) Dawson is the retired president of Brunswick Recreation Group. (ドーソンはBrunswick Recreationグループの引退した社長だ)

retireは「引退する」の意味の自動詞。

(9)のretiringは「近く引退する」の意味。retire(引退する)に-ingがついていることから、「引退をするところ」のニュアンスになる。

(10)のretiredは「引退した」の意味。retire(引退する)に-edがついていることから、完了の意味で使われる。

現在分詞は人、過去分詞は物とは限らない
この例のように、人物が主語でも現在分詞と過去分詞の両方を使える場合がある。

分詞Q&A: 必ずぶつかる5つの疑問とその答え

分詞およびそれに関連する項目について、学習中にかならずぶつかる5つの疑問とその答えを述べていく。

Q1. 受動態がよくわからない

受動態(受身形)とは、「be+過去分詞」で「…される」を意味する使い方である。例えば、An e-mail will be sent to you.は「Eメールはあなたに送られる」の意味。

一般的に、何かの動作をするのは人間が多く、動作の対象となるのは物が多い。Eメールは人によって送られるものであり、Eメール自体が何かを運搬するわけではない。

それでは、人が主語なら常に能動態で、物が主語なら常に受動態になるかと言えば、それは正しくない。以下のような文は英語で自然に使われる。

  • I was given a 360 degree camera as a present. (私はプレゼントとして360度カメラをもらった)
  • The microSD adapter enables you to use the card in full-size SD slots.(マイクロSDアダプターはカードをフルサイズSDスロットに使うことを可能にする)

上の例文は人が主語の受動態。カメラをもらった「私」が主語、「与えられた」の意味で受動態が使われている。

下の例文は物が主語の能動態。「マイクロSDアダプター」は物であるが、ある状態を可能にする性能を持つから、これを主語にした能動態が使用できる。

要するに、主語が人であっても物であっても、動作をする側が主体になれば能動態、動作をされる側が対象になれば受動態を用いる、ということである。受動態を使う理由は受動者を話題にするため、と覚えておこう。

「ドアはEメールによって壊された」と言えるのか
それでは、「ドアはEメールによって壊された(The door was broken by an e-mail.)」のような文を作れるかと言えば、それはよほど特別な場合を除いて容認されない。私たちの世界の常識では、Eメールはドアを壊せないからだ。正しい文とは文法的に可能なだけでなく、意味的にも自然でなくてはならない。

受動態の使い方
受動態の使い方は以下の記事で詳しく解説している。

Q2.「過去分詞の後ろは目的語を取らない」は正しいのか?

私たちは「過去分詞の後ろは目的語を取らない」と教えられる。たしかに、受動態の多くは目的語を取らない(= 目的語が主語になる)ので、この法則は受動態を見分ける1つの指針として採用される。

一方、受動態であっても目的語を取ることはある。これは、動詞が2つの目的語を必要とする、いわゆるSVOOの文の場合である。例を見てみよう。

  • Olivia was given the books by George. (オリビアはジョージによって本を与えられた)

例文は「オリビアはジョージによって本を与えられた」の意味で、動詞was givenの後に目的語the booksがあらわれている。

また、「過去分詞の後ろは目的語を取らない」は、しばしば学習上の誤解を生み出す。次の例を見てみよう。

  • the broken window (割れた窓)

broken(壊れた)は過去分詞であり、形容詞的用法としてwindow(窓)を修飾している。windowは言うまでもなく名詞であり、目的語ではない。

実際、the broken windowは主語にも目的語にもなれる:

  • The broken window was repaired. (割れた窓が修理された)
  • The children are looking at the broken window. (子どもたちは割れた窓を見ている)

これは筆者の経験にすぎないが、「過去分詞の後ろは目的語を取らない」を「過去分詞の後ろは名詞を取らない」という誤って解釈してしまうことが、分詞を混乱させる1つの原因になっている気がする。

先ほどのSVOOの例でも見たように、受動態が目的語を伴うこともある。「過去分詞の後ろは目的語を取らない」という覚え方はあまり有益でない気がするのだが、いかがだろうか?

では、どうやって受動態を見分ければよいのか?
能動態-受動態は何か機械的なルールのもと行われるのではなく、意味的により自然な方が選ばれるだけである。詳しくは『Q1. 受動態がよくわからない』を再度参照。

Q3. 動名詞とは? 動名詞と現在分詞の違いは?

動名詞とは、<動詞の-ing形>を含む文を名詞として使う用法である。動名詞と現在分詞はどちらも-ingで共通しているが、使い方で区別される。例を見ていよう。

  • This article is interesting. (この記事は興味深い/現在分詞)
  • My hobby is collecting board games. (私の趣味はボードゲームを集めることです/動名詞)

例文上のinteresting(興味深い)は現在分詞(形容詞的用法)。「興味深い(という状態)」という形容詞で使われている。

例文下のcollecting board games(ボードゲームを集めること)は動名詞。「ボードゲームを集めること」という名詞で使われている。

動名詞と現在分詞の違いが紛らわしいのは、以下のような場合である。

  • a moving truck (引越し用トラック)
  • a moving target (動く標的)
  • a moving book (感動的な本)

moveは「移動する/自動詞」と「移動させる/他動詞」があるため、場面によって様々な解釈が生まれる。

a moving truckmovingは「引越し」の意味の動名詞なので、「引越し用トラック」。a moving targetは自動詞moveの現在分詞(形容詞的用法)なので、「動く標的(=標的そのものが動いている)」。a moving bookは他動詞moveの現在分詞(形容詞的用法)なので、「感動的な本(=人の心を動かす本)」と解釈する。

  • a moving truck = a truck that is used for moving
  • a moving target = a target that is moving
  • a moving book = a book that moves someone

私たちが英文を読んだり書いたりする際、「これは動名詞だろうか、現在分詞だろうか」と悩む時間は通常ない。ただ、こうした背後の知識を理解しておけば、英文をより速く、そして確実に読めるようになるに違いない。

動名詞の使い方
動名詞の詳しい使い方は別記事で解説している。より深く知りたい方はぜひともご覧いただきたい。

注: a moving truckは「動いているトラック」と解釈できなくもない。動名詞と現在分詞は常に明確に分類できるわけではなく、むしろ曖昧さが残ることもある。

Q4. 分詞構文とは何か?

分詞構文とは、現在分詞や過去分詞ではじまる句が、文全体に情報を付け加えるはたらきをするものを言う。この記事の冒頭で「分詞の副詞的用法」と分類したものである。

分詞構文を使った例文を見てみよう。

  • Watching the movie, I remembered my old friends. (映画を見ている時、私は旧友を思いたした)
  • Used economically, one case will last for 10 days. (節約して使えば1ケースは10日もつ)

(1)はWatching the movie(映画を見ている時)、(2)はUsed economically(節約して使えば)が分詞構文に該当する。

分詞構文の使い方
分詞構文の詳しい使い方は別記事で解説している。

Q5. ハイフンつき分詞の使い方

分詞の中にはハイフンを使った複合語がある。例を見てみよう。

  • a time-saving tool: 時間の無駄を省く道具
  • the above-mentioned point: 上で述べたポイント

a time-saving toola tool that saves time(時間の無駄を省く道具)のことで、目的語timeがハイフンでつながれて修飾語と化している。

the above-mentioned pointthe point that was mentioned above(上で述べられたポイント)のことで、aboveがハイフンでつながれて修飾語と化している。

ハイフンつき分詞の例は次のとおり:

breath-taking beauty
(息をのむような美しさ)
English-speaking country
(英語を話す国)
good-looking man
(かっこよい男性)
quick-growing market
(急成長しているマーケット)
government-controlled university
(政府運営の大学)
home-made ice cream
(自家製アイスクリーム)
time-honored tradition
(昔からの伝統)
well-built car
(頑丈な車)

まとめ: 分詞は上級者への第一歩

この記事では、英語の分詞について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. 分詞には現在分詞(-ing)と過去分詞(-en)がある
  2. 分詞は形・意味・使い方で分ける
  3. 現在分詞と過去分詞の区別に注意する
  4. 動名詞と現在分詞は使い方が異なる
  5. ハイフンつき分詞も使われる

分詞は進行形、受動態、完了形、形容詞的用法、分詞構文などを「横断」する概念なので、完全に理解するには時間がかかる。

ただ、分詞がわかれば英文法の悩みの多くは解決する。困った時はぜひこの記事に戻ってきてほしい。きっと答えが見つかるはずだ。

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

25 COMMENTS

理屈っぽい人が好き昭和のじいさん

・「分詞」について検索した結果、当サイトにたどり着きました。
・私が、求めていた回答をしてくれた、まったく素晴らしい、一番のサイトと感じました。
・「ただ単に、分類だけをして、全て覚えて下さい式」「こう言う言い方もあります式、例羅列式」のサイトが多く、うんざりしている自分にとって、非常に感銘深いものでした。
・形が同一ならば、共通のの何かが、あるはずで、それを日本人である自分は知りたいと常々考えています。
・理屈っぽい表現が嫌いな人(恐らく、文系が得意なひと、暗記が得意な人、物事にこだわらない人)もいるとは思います。しかし、それと同等以上に、理屈っぽい思考が好きな人(理系が好きな人、考えてからしか話せない人、物事の真理を探究する人)もいます。
・今後もがんばって下さい。

田邉竜彦

>理屈っぽい人が好き昭和のじいさん様

コメントありがとうございます。
お役に立てたようで、大変光栄です。

「ただ単に、分類だけをして、全て覚えて下さい式」と「こう言う言い方もあります式、例羅列式」は、大変鋭い指摘であり、ハッとしました。
今後も納得できる説明を心がけ、記事を書いていきたいと感じた次第です。応援ありがとうございます。

本間

今分詞を勉強中でこちらにたどり着きました。
分かりやすくとても頭に入ります!

間違っていたらごめんなさい。
「2-2. -ing形が使われていれば共通のイメージがある」の
太字は動名詞と現在分詞は逆ですか?

田邉竜彦

>本間様

コメントありがとうございます。
お役に立てたようで光栄です。

さて、ご指摘の点について確認をしました。
おそらく現在のままで大丈夫かと思いますが、いかがでしょうか。

現在分詞: sawの目的語がa manで、walking down…がそれを後ろから修飾
動名詞: loveの目的語

ご不明な点があればお気軽にご相談ください。

sfl

2、3の解説は、自分のふわっとしていたイメージがしっかり固まりました。加えて、4-1、4-2については大変わかりやすい解説で、自分も参考にさせていただきたいと思いました。

ただ、4-3の解説についてですが、そちらの違いは「前置修飾と後置修飾の違い」というより「冠詞の違い」によるものだと思うのですが、いかがお考えでしょうか。

田邉竜彦

コメントありがとうございます。

4-3に関して、ご指摘のように、冠詞が異なるのは分詞を説明する例文としてわかりづらいのですね…
筆者の意図としては、(この例のような限られた文脈においては)、冠詞は分詞によってある程度決まる側面もあるため、この例文を起用しました。

例えば、分詞barkingが名詞dogを前から修飾する「barking dog」は、たくさんの犬の中の不特定の一匹を指すので、この意味においては不定冠詞aが必然的に選ばれます。

他方、分詞barkingが名詞dogを後ろから修飾する「dog barking」は、特定の犬を指すので、この意味においては定冠詞theが必然的に選ばれます。

より良い例文があれば、適宜修正していきたいと思います。

ハロー

I saw a woman singing a song.
I saw a woman までは普通のSVOで理解できます。
僕がわからないのは
①singingはa songを修飾する形容詞ですか?
singingを形容詞として扱うのであれば
singingがa songと I saw a womanの2つを同時に修飾していないと
意味が通じないです。
しかし、異なる2つの名詞句を一つの形容詞で同時に修飾できる
なんて聞いたことがないです。
もし、womanとsingingの間にthatが省略されている。
カンマのうち忘れ。もしくはisが省略されている。なら理解できるのですが。
そうでないなら、どうしてなのか説明お願いします。

次にsingingを動詞として捉える場合
I saw a womanが主節で
singing が動詞
a songが目的語になりますが、
これはI saw まででSVと考え
a woman singing a song をsawの対象節としてOで考える。
これもやはり、sawの後ろかwomanの後ろにthatを入れないと
a womanという名詞句がsawの目的語とsingingの主語の意味を同時に成り立たせていることになります。こんなことがありえるのでしょうか?
結局、現在分詞がなんなのか、わからないです。
動詞由来の形容詞と教わりましたが、だとしたらthatが省略されているんだと思います。

田邉竜彦

ご質問ありがとうございます。
singingの解釈についてですね。長文になりますが、以下回答いたします。

1. singingは形容詞かどうか
・ご指摘のように、この場合のsingingを形容詞と捉えると、様々な矛盾が生まれます。
・また、関係代名詞thatを使うならI saw a woman that is singing a song.のようにisが必要ですし、この場合のthatは省略できません。
・いったん、2つ目の質問に移ります。

2. singingは動詞かどうか
・現在分詞とは、語尾に-ingがつく語句を指します。-ingはもともと動詞に使われるものなので、-ing形の語句は広い意味ですべて動詞の範疇です。
・ただ、一部の-ing形の語句は、形容詞の位置に頻繁に使われることがあります。そういった語句はもはや動詞ではなく、形容詞と分類されることもあります(例: following)。この辺の境界は語句によって異なります。

例:
現在分詞が動詞の進行形として使われる場合: He is working now.
現在分詞が形容詞化して名詞の前に使われる場合: The following day is…
現在分詞が名詞の後ろに使われる場合(補語): The story is boring.

・singingに話を戻すと、今回はご指摘のようにsawがSVOのV(述語動詞)に当たるため、singingをVと捉えることはできません。
・用法としては「形容詞用法」ですが、以下のように解釈すると、学習上は便利です:

I saw [a woman = singing a song].

・singingはa womanの述語動詞のような役割を果たしています。しかし、文の述語動詞としてsawが存在するので、a womanの直後にisが使われず、直でsingingが来ます。
・このsingingを一言で表すのは難しく、簡単に言えばおまけパーツであり、難しく言えば埋め込み文の述語として用いられています。
・「このsingingは動詞かどうか」の返答は、「動詞ではあるが、文の述語動詞(V)ではない。ただ、非定型動詞(=分詞)として、a womanの述語動詞のような役割を果たしている」となります。ややこしいですね…

*補足:

英文法の学び方は様々ですが、スムーズに理解するコツは、できるだけ分析しないことだと考えています。
例えば今回の例は、

I saw [a woman = singing a song].

と解釈すれば大変シンプルなのですが、これを「分析」すると、動詞・形容詞・述語動詞・現在分詞など、たくさんの用語を使わなくてはなりません。

-ing形が使われると、それが形容詞でも動詞でも、意味としては「〜している最中」になります。なので、英文はできるだけ分析せず、意味から捉えるのがおすすめです!

yujiro

初めてこちらのサイトページ拝見しました.英語を使って論文を書いている者です.
こちらの説明,すごいですね.高校生(今の時勢なら小学生もいるかも)から使えます.イラスト付きで分かりやすい.それだけでなく,安藤貞雄先生の『現代英文法講義』のレベルまで書かれていることにびっくりしました.

田邉竜彦

>yujiro様

お褒めのコメントありがとうございます。

故・安藤貞雄先生と小生ではまったく比較できるレベルにも至りませんが、わかりやすい英文法を伝えて行きたいと思って書いている所存です。
今後ともよろしくお願いします。

なお

まさしく私が英文読む時にいつも混乱しているところです。学校で習った記憶があまりないのですが、、今やり直し学習中ですが、学生時代に知りたかった。分かりやすい解説ありがとうございます。

田邉竜彦

>なお様

お褒めのコメント、ありがとうございます!
問題が解決したようで何よりです。

ゲスト

複数の現在分詞による後置修飾を行いたいのですが…
man running a race + man wearing sunglassesを
man running a race wearing sunglasses とすると,raceを修飾してしまう様にも見えます.
(ネット上には存在しますが)
ネイティブはどう使っているのでしょうか?

田邉竜彦

>ゲスト様

ご質問ありがとうございます。

ご指摘の文が実際に使われる可能性は否定できませんが、教科書的には不可ではないかと感じました。

分詞を二重に使うことはあまり一般的ではないので、関係代名詞を使った以下の文はいかがでしょうか?

A man who wears sunglasses is running a race. (サングラスをかけた男性が競走している)

Marcy

いつもこらちのサイトで有益な情報を得ている者です。
『理屈っぽい人が好き昭和のじいさん様』同様、私も「なぜこういう言い回しになるのか?」を常に理詰めで考えることに喜びを見出しておる次第です(笑)。
さてハローさんの質問 ”I saw a woman singing a song.”について、参考になればよいなと思う良い事例がありましたので皆様にご紹介させて頂きます。
『英語の歴史から考える 英文法のなぜ』(朝尾 幸次郎 著/大修館)
p183 15.3 関係代名詞は省略されたのか
この項目の中で文法学者イェスペルセンの話として、彼は2つの文が接触するように一つにまとまったものを『接触節』として解釈しているようです。
上記の”I saw a woman singing a song.”で言うと、I saw a woman/ a woman singing a songの2文がa womanを介して一つに纏まったものと考えればよいということです。
なるほど実に自然な捉え方だなあと思えたので、長文ながらこちらにコメントさせて頂きました。
今後も田邉様の記事を愉しみにしております。

田邉竜彦

>Marcy様

コメントありがとうございます。
お役に立てたようで幸いです。

英文法を英語の歴史から紐解くという視点、大変重要だと思います。
私自身、英語の歴史については理解が甘いため、今後いっそう勉強しなければならないと感じました。

今後ともトイグルをよろしくお願いします。

金谷

It will be roasting hot tomorrow.
  ※roasting「焼けつくような」
It was biting cold last Sunday.
  ※biting「身を切るような、痛烈な」

これらは分詞の副詞的用法に該当するのでしょうか?

田邉竜彦

>金谷様

この場合のroastingやbitingは紛れもなく副詞です。

従いまして、副詞用法と呼んで差し支えありません。

記事内で副詞用法と呼んでいたのは、純粋に分詞構文のみを指すものでした。

ですので、roastingは記事内で呼ぶところの副詞用法とは異なりますが、(純粋な意味での)副詞用法と呼んで間違いありません。

ゆう

分詞を形容詞の限定用法として使用する場合、自動詞の過去分詞であれば完了、他動詞の過去分詞であれば受動を意味していると習いました。
ここで疑問なのですが、自動詞と他動詞両方の意味を持つmoveの過去分詞を使い、
the thing moved とすると、動いた物、動かされた物 のどちらを意味することになるのでしょうか?

田邉竜彦

>ゆう様

この例で言いますと、受動で「動かされたもの」ではないかと思います。

ただ、前後の文脈次第なところもありますね。

分詞についてです。
英文法詳解には、抜粋ですが以下のように述べられています。
原則「副詞や目的語を伴う分詞は後置する」
単独の場合の規則「副詞や目的語を伴わない分詞(単独の分詞)は、習慣性や永続性や持続性がある場合は前置し、それ以外は後置する」「前置の条件に該当しない単独の分詞の場合でも、副詞を加えると前置される場合がある」

a man speaking loudly 後置
the army led by the king 後置
a very reassuring man 前置
the successfully resolved problem 前置
(前置の例は、副詞抜きでは不可)

Q1
基本的には、副詞を伴う分詞は後置する。しかし、副詞を伴った分詞(の塊)であっても、例外的に前置される場合がある。

このように、例外的な組み合わせがあると、捉えるしかないのでしょうか?

Q2
例では、前置されているのは副詞+分詞の塊で、後置されているのは、分詞+副詞(句)となっていますが、これは関係があるのでしょうか?
二語以上の分詞句が後置されやすいのは、名詞との結びつきが分かりにくくなるため、と説明した参考書があったので、気になりました。

何か見分け方などあれば、教えてください

田邉竜彦

>蘭様

Q1に関して、『現代英文法講義』(安藤貞雄)には、以下のようにあります。

————
前位修飾: 名詞の「恒常的・分類的特徴」を表す分詞は、修飾する名詞の前に置かれる (p.232)
後位修飾: 名詞の「一時的な状態」を表す分詞は、修飾する名詞の後に置かれる (p.234)
————

a man speaking loudly は、今、あるいはその時、一時的に大きな声で話している人という意味になります。おそらく、他の例も上記の分類で解釈できます。

副詞については、同書に以下のようにあります。

————
分詞が副詞語句や目的語を伴う場合は、義務的に修飾する名詞のあとに置かれる (p.235)
————

尚、a very reassuring man の reassuring は、形の上では分詞ですが、品詞としては形容詞なので、「冠詞+副詞+形容詞+名詞」の順になっています。the successfully resolved problemも同じです。

形容詞かどうかの判断は、その後が辞書に形容詞として掲載されているかでわかります。

(a man speaking loudlyでは、speaking は明らかに、形容詞ではありませんね。a man who is/was speaking loudly の関係詞の部分が省略されたものなので、動詞的な性質を持っています。)

Q2 ですが、上記のように、その分詞が形容詞的なのか、それとも動詞的なのかで変わってくるでしょう。

ただ、動詞的な使い方と言っても、自動詞を元にしているのか、あるいは他動詞なのかで異なる判断になると思います。

当方の研究が不足しているため、これ以上の分類はなんともわからないですね…

分詞については 『現代英文法講義』(安藤貞雄)の第15章に詳しく書かれていますので、こちらをご覧になると、参考になると思います。

ありがとうございます。以下のように理解しましたが正しいでしょうか

現代英文法講義「分詞が副詞語句や目的語を伴う場合は、義務的に修飾する名詞のあとに置かれる (p.235)」
a man speaking loudly 後置
the army led by the king 後置

以下の reassuring や resolved は分詞形ではあるが、形容詞と見なされるため、副詞+形容詞+名詞の順番になれる
a very reassuring man 前置
the successfully resolved problem 前置
ただし、英文法詳報によれば意味的には一時性を表すため、副詞が無い場合は後置

田邉竜彦

> 蘭様

おそらく、現段階ではそのような理解で良いと思います。

ただ、当方は分詞についてあまり詳しくないので、もしかしたらこちらと相反する場合もあるかもしれません…

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