この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
英語の時制とは、出来事がいつ起きたかをあらわす用法である。
たとえば、いま起きていることは現在時制、過去に起きたことは過去時制を用いる。また、それぞれの異なる様子を示すのに、進行形、完了形、完了進行形なども使われる。
英語を学習しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 英語の時制がよくわからない…
- 時制を感覚で理解したい…
- 似た時制の使い分け方を知りたい…
時制は英語でもっとも重要な文法の1つである。しかし、市販の英文法書は説明がわかりにくく、苦手意識を持っている人が少なくない。この記事をご覧のあなたは、時制を正しく理解したいと思って本記事にたどり着いたのではないだろうか。
そこでトイグルでは、英語の時制についてわかりやすく解説していく。説明を丁寧に行い、イラストや図を多用した。初心者の方でも直感で理解できると思う。
本記事を読めば英語時制の全体像がわかる。読み終えた後、「なるほど!」と納得感を得られ、英語レベルが一段階上がる感覚をつかめるだろう。
1. 時制は動詞の形を変えることによってあらわす
時制とは「出来事がいつ起こるか(起きたか)」をあらわす際に用いる文法である。
まず、私たちに身近な日本語の例をみてみよう。
- (1) 太郎は寿司を食べる
- (2) 太郎は寿司を食べた
(1)は太郎が(習慣的に)寿司を食べることが述べられている。「食べる」という動詞の形から、私たちはこの文が現在の習慣を述べていると理解できる。
(2)は太郎が(過去のある時点で)寿司を食べたことが述べられている。「食べた」という動詞の形から、私たちはこの文が過去の出来事を述べていると理解できる。
続いて、英語の例を見てみよう。
- (3) Taro eats Sushi. (太郎は寿司を食べる)
- (4) Taro ate Sushi. (太郎は寿司を食べた)
(3)の英文は(1)の日本語文に相当するもので、太郎は寿司を食べる習慣があることを示している。同様に、(4)の英文は(2)の日本語文に相当するもので、太郎は寿司を食べたことを示している。
ここで注目をしたいのが、時制は動詞の形を変えることによってあらわされるという事実である。
(3)の英文をもう一度見てみよう。この文では「毎日」とか「週に1度」など、頻度をあらわす語句は使われていない。しかし、私たちがこれを現在の習慣と解釈できるのは、動詞eat(この場合はeats)が現在時制だからである。
(4)も同様に「昨日」とか「2週間前に」などの語句は含まれていない。しかし、私たちがこれを過去の出来事と解釈できるのは、動詞ateが過去時制だからである。
このように、時制はその話題がどの時間軸上で起きたか理解する上での重要な手がかりとなる。時制への理解度を高めることは、正確な英文を発信するのに欠かせない。
それでは、英語の時制にはどのような種類があり、どのような使い方をするのだろうか? 以下、詳細を見ていこう。
2. 英語時制の使い方
英語の時制は動詞の形を変化させることによって作る。
たとえば、work(働く)という動詞を8つのパターンにすれば、次のようになる。
単純現在形 | work |
現在完了形 | have worked |
現在進行形 | be working |
現在完了進行形 | have been working |
単純過去形 | worked |
過去完了形 | had worked |
過去進行形 | was working |
過去完了進行形 | had been working |
以下、それぞれの用法を見ていこう。
2-1. 単純現在形
- (5) I usually have breakfast with my family. (いつも家族と朝食をとる)
単純現在形の主な使い方は「いつでも成り立つこと」である。
例文を見てみよう。ここでは、家族と朝食を取ることが「いつも」成り立つという事実が述べられている。昨日、今日、さらには明日であっても、この状況は永続的に続くことが前提となる。
もちろん、場合によって例外的な日はあるだろう。たとえば、話し手が出張で不在とか、家族の誰かに用があっていないとか、そういう状況では直食をひとりで取るしかない。
しかし、そうした例外を除けば、話し手が家族と朝食を取るのは常に起きる出来事である。「あなたは◯月◯日に誰と朝食を取りましたか?」と聞かれたら、「家族と取りました」答えられるに違いない。
単純現在形はこのように、「いつでも成り立つ状態」を述べる際に使われる。英語のもっとも基本的な時制の1つである。
三単現のs(三人称単数現在のs)はなぜ使う?仕組みを解説します
2-2. 現在完了形
- (6) I‘ve just finished the homework. (ちょうどいま宿題が終わりました)
現在完了形の主な使い方は「過去の出来事を現在の視点で見る」である。
例文を見てみよう。ここでは、話し手がたった今、宿題を終えたばかりと述べている。
厳密に言えば、宿題を終えたのは過去の出来事である。たとえそれが10秒前だったとしても、少なくともいま起こっていることではない。
しかし、話し手が宿題を終えたのは今さっきなので、話し手のまわりにはその「余韻」が残っている。例えば、机の上には教科書が置いてあったり、手に鉛筆の跡がついているかもしれない。
こうした状況を観察すれば、宿題を終えたという出来事は、決して過去の話として切り分けられるものではない。むしろ、その余韻が今でも残っている以上、現在の視点で述べたほうが、状況を的確にあらわせられる。
現在完了形はこのように、「過去と現在のつながり」を述べる際に使われるものである。
2-3. 現在進行形
- (7) I‘m writing a letter now. (私はいま手紙を書いているところです)
現在進行形の主な使い方「いままさに起きていること」である。
例を見てみよう。話し手はいま手紙を書いている最中だと述べている。聞き手が話し手と一緒の場所にいるならば、今まさに目の前で手紙を書いているのが見て取れるだろう。
この発話は電話やメールによって行われたものかもしれない。それでも、現在進行形により、話し手が執筆をしている様子がいきいきと伝わってくる。
単純現在形が「静止画」だとすれば、現在進行形は「動画」のイメージと考えよう。
2-4. 現在完了進行形
- (8) I‘ve been waiting for two hours. (2時間も待ち続けています)
現在完了進行形の主な使い方は「過去に始まり現在も継続している動作」である。
例を見てみよう。話し手が待つという動作を開始したのは、過去のある時点である。その状態が継続して、今なお続いている。待ち時間は現時点で2時間となった。
現在完了進行形は完了(過去の出来事の現在への影響)と進行(出来事の継続)の2つが混ざり合った使い方と言える。
2-5. 単純過去形
- (9) We had lunch at the hotel yesterday. (私たちは昨日、そのホテルで昼食を取った)
単純過去形の主な使い方は「過去のある時点における出来事」である。
例を見てみよう。話し手たちが昨日、あるホテルで昼食を取った。昨日の来事は、発話をしている現時点とは時間的に切り離されている。現在と昨日には時間的な距離感がある。
このように、単純過去形は距離感によって過去のある時点をあらわす用法である。
2-6. 過去完了形
- (10) When we arrived, the party had already started. (私たちが到着したとき、パーティーは既に始まっていた)
過去完了形の主な使い方は「過去の基準時よりも前に起きた出来事」である。
例文では、話し手たちが到着したよりも前にパーティーは始まっていた。発話時点から見ればいずれも過去の出来事だが、その発生には明確な順序の違いがある。
- パーティーの開始→話し手たちの到着
過去の基準時は話し手たちの到着で、パーティーが始まったのはその基準時よりも前の出来事である。こうした「過去の過去」をあらわすものが過去完了形である。
2-7. 過去進行形
- (11) I was watching a movie when you knocked the door. (あなたがドアをノックした時、私は映画を観ていた)
過去進行形の主な使い方は「過去のある時点で進行中の出来事」である。
例文では、ドアのノックがあったとき、話し手が映画を観ている最中だったと述べている。
話し手の意識の中では、映画の鑑賞は時間的に幅のある行為である。映画の開始、途中、終了といった一連の流れの中で、ドアをノックされるという出来事が発生した。
過去のある時点(ドアのノックがあったとき)、過去の動作は進行中だった(映画をみていた)ので、過去進行形が使われるのである。
2-8. 過去完了進行形
- (12) I had been living in London until 15. (わたしは15歳までロンドンに住んでいた)
過去完了進行形の主な使い方は「過去の基準時までの動作の継続」である。
例文では、話し手はある過去の時点でロンドンでの居住をはじめた。話し手はいま何歳なのかは不明である。しかし、15歳だったのは過去の話なので、今は少なくとも16歳以上の年齢である。
話し手がロンドンに住んだのは、15歳という過去の基準時までにおける出来事である。過去にはじまった状態(ロンドンに住む)が過去の基準時(15歳)まで継続した。このような出来事をあらわすのが過去完了進行形である。
3. 時制の違いと使い分け方
時制は現在・過去を中心とした8つのパターンがあるが、中には似た使い方をするので、区別に困ることがある。
ここでは似た時制の違いと使い分け方を紹介していこう。
3-1. 単純現在形と現在進行形の違い
- (13) I live in Toronto. (私はトロントに住んでいる)
- (14) I‘m living in Toronto. (私はトロントに住んでいる)
単純過去形と現在進行形には、「常に起きている出来事」と「一時的な出来事」といったニュアンスの違いがある。
(13)は単純現在形が使われている例である。単純現在形のイメージは「いつでも成り立つこと」なので、話し手はいま現在だけでなく、過去や未来にわたって、ある程度継続的にトロントに住むつもりなのがわかる。
(14)は現在進行形が使われている例である。現在進行形のイメージは「いままさに起きていること」なので、話し手はいま現在だけ、一時的にトロントに住んでいる。
3-2. 現在完了形と単純過去形の違い
- (15) Tom has lost his key. (トムは鍵をなくした)
- (16) Tom lost his key. (トムは鍵をなくした)
現在完了形と単純過去形には、「出来事の影響が今でも続いているか」にニュアンスの違いがある。
(15)は現在完了形が使われている例である。現在完了形のイメージは「過去と現在のつながり」なので、トムが鍵をなくした状態はいまでも続いている。要するに、鍵はなくなったまま見つかっていない。
(16)は単純過去形が使われている例である。単純過去形のイメージは「過去のある時点における出来事」なので、例文はトムが鍵をなくしたという過去の出来事を述べているだけである。その後、鍵が見つかったのか、なくなったままなのか、この文だけでは判断できない。
3-3. 単純過去形と過去進行形の違い
- (17) He wrote a novel several years ago. (彼は何年か前に小説を書いた)
- (18) He was writing a novel several years ago. (彼は何年か前に小説を書いていた)
(A Communicative Grammar of English)
単純過去形と過去進行形には、「動作が完結したかどうか」にニュアンスの違いがある。
(17)は単純過去形が使われている例である。単純過去形のイメージは「過去のある時点における出来事」なので、執筆を過去のある時点における出来事ととして捉えている。男性は小説を書くという動作を完結させた。
(18)は過去進行形が使われている例である。過去進行形のイメージは「過去のある時点で進行中の出来事」なので、男性が小説を書くという動作をしている最中だったことを強調している。執筆が完結したのか、未完結でやめたのか、この文だけでは判断できない。
3-4. 過去完了形と過去完了進行形の違い
- (19) When I got home, I found that Jill had painted her room. (私が家についた時、ジルは部屋に塗装をし終えていた)
- (20) When I got home, I found that Jill had been painting her room. (私が家についた時、ジルは部屋に塗装をしていた)
過去完了形と過去完了進行形には、「動作が完了していたかどうか」にニュアンスの違いがある。
(19)は過去完了形が使われている例である。過去完了形は動作の完了をあらわすので、話し手が家についた時点で、ジルは塗装作業を終えていた。
(20)は過去完了進行形が使われる例である。過去完了進行形は動作の未完了をあらわすので、話し手が家についた時点で、ジルは塗装をまだしている間だった。
参考: 時制に関するさらにくわしい解説
本記事では時制に関する8つのパターンを説明してきたが、個々の用法は別記事でさらに詳しく解説している。
英作文や英文の精読など、より正確な文法知識を必要とする方はぜひとも参照いただきたい。
- 英語の単純現在形とは?使い方のポイントは「幅のある時間」にあり
- 英語の現在完了形とは?使い方のポイントは「過去と現在のつながり」を理解すること
- 英語の現在進行形とは?使い方のポイントは「未完了で一時的」のイメージをつかむこと
- 英語の現在完了進行形とは?使い方のポイントは「出来事の継続」を知ること
- 英語の単純過去形とは?使い方のポイントは「距離感」のイメージにあり
- 英語の過去完了形とは?使い方のポイントは「過去の基準点より前に起きたこと」を理解すること
- 英語の過去進行形とは?使い方のポイントは「過去に進行中だった出来事」を理解すること
- 英語の過去完了進行形とは?使い方のポイントは「過去の基準点までの継続」を理解すること
まとめ: 時制を極めて英語力を上げる
この記事では、英語の時制について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 時制は出来事がいつ起こるかをあらわす文法
- 時制は動詞の形を変えてあらわす
- 時制には現在時制と過去時制の2種類がある
- 事態の捉え方によって完了形、進行形、完了進行形が使われる
- 似た時制に異なるニュアンスが含まれることがある
時制はリスニングやリーディングといったインプットだけでなく、スピーキングやライティングなどのアウトプットでも重要になる。時制でわからないことがあればこの記事に戻ってきてほしい。きっと、あなたの求める答えが見つかるはずだ。
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
[…] 尚、時制に関しては「[図多数]英語の時制は超シンプル! 感覚でわかる4つの用法」で詳細をまとめている。より深く知りたい方は、こちらもご覧頂きたい。 […]
[…] [図多数]英語の時制は超シンプル! 感覚でわかる4つの用法 […]
[…] 尚、時制に関しては『[図多数]英語の時制は超シンプル! 感覚でわかる4つの用法』で詳細を説明している。 […]
[…] [図多数]英語の時制は超シンプル! 感覚でわかる4つの用法 […]
[…] [図多数]英語の時制は超シンプル! 感覚でわかる4つの用法 […]
[…] [図多数]英語の時制は超シンプル! 感覚でわかる4つの用法 […]
[…] 時制とは|イメージ図でわかる英語の時制全8用法の使い方 […]
[…] 時制とは|イメージ図でわかる英語の時制全8用法の使い方 […]
[…] 時制とは|イメージ図でわかる英語の時制全8用法の使い方 […]
[…] 時制とは|イメージ図でわかる英語の時制全8用法の使い方 […]
[…] 時制とは|イメージ図でわかる英語の時制全8用法の使い方 […]
[…] 時制とは|イメージ図でわかる英語の時制全8用法の使い方 […]
[…] 時制とは|イメージ図でわかる英語の時制全8用法の使い方 […]
>>
I will go to the gym when I have finished my homework. (わたしはジムに行きます、宿題が終わったら。)<<
完了形はこういう条件節にも成りえるんですか?恥ずかしいけど知らなかったです。普通の動詞原型の条件節を使う場合とどんなに大きな差がありますか? すみません。説明が私には理解しにくいです。
現在完了形は条件説には使えないのではないでしょうか?
>ななお様
このような表現は十分可能です。
比較してみましょう。
・I will go to the gym when I have finished my homework. (私はジムに行きます、私が宿題が完了した状態を持つ時)
・I will go to the gym when I finish my homework. (私はジムに行きます、私が宿題を完了した時)
1つ目のhave finishedのほうでは、「宿題というプロセスの完了時点」が強く意識されています。
一方、2つ目のfinishでは、「宿題が終わる」という状況を淡々と述べている感じです。
この辺り、文脈や対象の語句によってニュアンスの変化もあるので、あくまで目安として捉えてください。
>ななお様
意味的におかしくなければ、使用することはできます。
本件に限らずすべての英文法に言えることですが、文法とは決められたルールの元で運用されるのではありません。
条件節には◯◯が使えて、××は使えない、という規則が定まっているわけではないのです。
文法には意味があります。現在完了形であればhave+動詞の過去分詞形で、「〜が完了した状態を今持っている」が基本イメージです。
これが、文章の意味に合致するのであれば、現在完了形を用いて問題ありません。
多くの文法参考書は、こういった文法成立の過程を解説せず、結果のみを箇条書きで伝えます。
なので、条件節には◯◯が…という論調が多いですが、トイグル式で文法の使い方を学ぶことで、ルールの暗記から解放された英文法を学習いただけると幸いです。