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英語の過去進行形とは、過去のある時点で進行中だった出来事をあらわす。
たとえば、I was working.(私は仕事をしていました)のwas workingが過去進行形である。
英語を学習しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 過去進行形がなんだかわからない…
- 過去進行形を使う場面がわからない…
- 過去進行形と単純過去形の違いがわからない…
過去進行形はマイナーな時制のためか、学習参考書で扱われることが少ない。調べても情報が出てこず、困っている方も多いと思う。
そこでトイグルでは、過去進行形について詳細を説明していく。学習の参考になるだろう。
1. 過去進行形はある時点で進行中だった出来事を示す
過去進行形の使い方をひとことで言えば、「ある時点で進行中だった出来事」である。
例を見てみよう。
- (1) I was reading a newspaper when he knocked the door. (彼がドアをノックした時、私は新聞を読んでいる最中だった)
この例文では、was reading(読んでいる最中だった)が過去進行形である。彼がドアをノックした時点において、話し手は新聞を読むという動作をしている最中だった。
過去進行形を図にすると次のようになる。ノックがあったのは瞬間的な出来事だが、新聞を読んでいたのは継続的な動作である。
過去進行形は単純過去形と比較するとわかりやすい。次の例文を比べてみよう。
- (2) I watched a movie last night. (昨晩、映画を観た)
- (3) I was watching a movie last night. (昨晩、映画を観ていた)
(2)は単純過去形の使われている例文である。単純過去形は過去の時点における動作をあらわすので、映画を観たという事実を述べているだけである。
一方、(3)は過去進行形の使われている例文である。過去進行形は、映画を観るという行為が、ある程度の時間、継続していたことを示す。
過去時をあらわす用法として頻度が高いのは、単純過去形と言われる。過去進行形は「…していたところだった」のような、進行の意味を強調したい際に使うと考えよう。
2. 過去進行形の基本的な使い方
過去進行形の基本的な使い方を説明していく。
2-1. 過去のある時点で継続中の動作
- (4) I was watching TV when the phone rang. (電話がなったときテレビを観ていた)
- (5) While I was sleeping, my son cleaned my house. (寝ていた時、息子が家を掃除してくれた)
過去進行形は過去のある時点で継続中の動作をあらわす。
(4)は電話がなった時点でテレビを観ている最中だったことを示す。
(5)のように、when(…の時)やwhile(…の間)の中の動詞が過去進行形になることもある。
2-2. 過去に同時進行で起きていた出来事
- (6) While I was waiting for a reply, John was reading the manual. (私が返事を待っている間、ジョンはマニュアルを読んでいた)
過去進行形は過去に同時進行で起きていた動作をあらわすことがある。
(6)は「私が返事を待っていた」と「ジョンはマニュアルを読んでいた」が同時に起きていたことを示している。
2-3. 過去にだんだん進行した出来事
- (7) It was getting darker. (だんだん暗くなっていった)
過去進行形は過去にだんだん進行した出来事をあらわすことがある。
(7)は、明るかった空が徐々に暗くなっていった様子を示している。比較級を伴うことが多い。
2-4. 何かが起こる前に始まっていた行為
- (8) It was raining when we arrived in Los Angels. (ロサンゼルスに着いたとき雨が降っていた)
- (9) At eight he was having breakfast. (彼は8時に朝食を食べていました)
(9: 実例英文法)
過去進行形は何かが起こる前に始まっていた出来事をあらわすことがある。
(8)では、「雨が降っていた」のは、話し手が「ロサンゼルスに着いた」より以前から続いていたことである。単純過去形と過去進行形が同一の文中にある場合、過去進行形の出来事は単純過去形のそれよりも前に起きていた場合が多い。
(9)は過去進行形のみで構成される文だが、朝食を食べ始めたのは、8時になるよりも以前である。
3. 過去進行形の発展的な使い方
過去進行形の発展的な使い方を説明していく。
3-1. 過去の反復動作や一時的習慣
- (10) Someone was knocking on the door. (誰かがドアを叩き続けていた)
- (11) Throughout my childhood, I was reading novels. (幼少期を通じて私は小説を読んでいた)
- (12) She was always working. (彼女はいつも仕事ばかりしている)
過去進行形は反復動作や一時的な習慣をあらわすことがある。
(10)は過去の反復動作をあらわす。ドアを叩く動作は瞬間的に行われるものなので、それが2回、3回…と繰り返し行われていたことを示す。
(11)は過去の一時的な習慣をあらわす。話し手は幼少期に小説を習慣的に読む習慣があった。24時間、ずっと本を読み続けていたという意味ではない。
(12)のようにalways(いつも)などの副詞(あるいは副詞句)を伴うと、「…してばかりいた」の解釈になることがある。この用法は中立的と言うより、話し手の苛立ちや不快な気持ちを示唆することが多い。
3-2. 過去から見た近い未来
- (13) I was visiting my mother the next day. (翌日、母親のところを訪れる予定になっていた)
- (14) The bus was stopping. (バスは止まろうとしていた)
過去進行形は過去から見た近い未来をあらわすことがある。
(13)では、過去のある時点において、翌日に母親を訪れる予定になっていたと述べている。母親を訪れる予定は過去のことなので、過去から見た近い未来をあらわす用法となる。
(14)も同様に過去から見た近い予定だが、「バスは(今にも)止まろうとしていた」の意味から、差し迫った未来をあらわしている。
3-3. 丁寧な依頼
- (15) I was hoping you could give me some advice. (助言をいただけたらと思っていたのですが)
- (16) I was wondering if you could help me out. (あなたの力をお借りできればと思っていたのですが)
過去進行形はためらいを伴う丁寧な表現で使われることがある。
(15)はhope(…と期待する)、(16)はwonder(…ではないかと思う)が過去進行形で使われている例である。
現時点でそう考えていることであっても、過去進行形にすることで、「いま述べていることは以前、一時的にそう思っただけですが…」のようなニュアンスになる。結果、丁寧さをあらわす表現になる。
3-4. 時制の一致
- (17) I think you are studying law. (あなたが法律を勉強していると思っています)
- → I thought you were studying law. (あなたが法律を勉強していると思っていました)
時制の一致とは、従属節の動詞の時制を、主節の動詞の時制に一致させることを言う。
従属節が現在進行形の場合、主節が過去形になると、従属節も過去進行形になる。
英語の時制の一致とは?使い方のポイントは「文の時間的枠組み」の視点で見ること
4. 単純過去形と過去進行形の違い
過去進行形について知るには、単純過去形と比べるとわかりやすい。以下、これら2つの違いについて述べていく。
4-1. 完結した行為と未完結の行為
- (18) We crossed the road. (私たちは通りを渡った)
- (19) We were crossing the road. (私たちは通りを渡っているところだった)
単純過去形と過去進行形の顕著な違いは、動作の「完結性」に見られる。
(18)の単純過去形による文では、通りを渡るという行為が「完結」したことを示す。
一方、(19)の過去進行形による文では、通りを渡るという行為が「未完結」だったことを示す。
4-2. 1回限りの出来事と進行中の出来事
- (20) When we arrived, she washed the dishes. (我々が着くと彼女は皿を洗ってくれた)
- (21) When we arrived, she was washing the dishes. (我々が着くと彼女は皿を洗っていた)
単純過去形と過去進行形は、出来事の起きた順序に異なる解釈を与えることがある。
(20)は単純過去形が使われている文である。「我々が到着した」が先にあり、次に「彼女が皿を洗った」が起きた。
一方、(21)は過去進行形が使われている文である。「我々が到着した」のは、「彼女が皿を洗っていた」の最中である。
4-3. 永続的習慣と一時的習慣
- (22) I went to work by bus. (私はバスで通勤していた)
- (23) I was going to work by bus. (私は当時バスで通勤していた)
単純過去形と過去進行形は、習慣をあらわす意味において、永続的と一時的な解釈に分かれることがある。
(22)は単純過去形が使われている文である。バスで通勤していたのは過去において繰り返し行われていた習慣だったことが示唆される。
一方、(23)は過去進行形が使われている文である。バスで通勤していたのは、過去におけるほんの一時的な習慣だったこっとが示唆される。
4-4. 意図的な行為と非意図的な行為
- (24) I talked to Tom the other day. (先日トムと話をした)
- (25) I was talking to Tom the other day. (先日トムと話をしていた)
(実例英文法)
トムソン&マーティネットは、過去進行形は何気ない非意図的な動作を示す際に使われることがあると言う。
(24)は単純過去形が使われている文である。ここでは「私」の方から先にトムに話しかけたと解釈される。
一方、(25)は過去進行形が使われている文である。「たまたまトムと話をしていた」という程度のものであり、どちらが先に話しかけたのかは問題にならない。
参考: 過去進行形のつくり方
I | was | -ing |
You | were | -ing |
He | was | -ing |
She | was | -ing |
It | was | -ing |
We | were | -ing |
You | were | -ing |
They | were | -ing |
過去進行形はbe動詞の過去形(was/were)に動詞の-ing形(現在分詞)を組み合わせて使う。
たとえば、wait(待つ)を単純過去形と過去進行形にすれば、以下のようになる。
- I waited. (私は待った/単純過去形)
- I was waiting. (私は待っていた/過去進行形)
まとめ: 過去進行形を正しく理解する
この記事では、英語の過去進行形について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 過去進行形はある時点で進行中だった出来事を示す
- 過去進行形が反復動作をあらわすことがある
- 過去進行形は丁寧な依頼をあらわす際にも用いる
- 過去進行形は時制の一致で使われることがある
- 過去進行形は未完結性をあらわす
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
Throughout my childhood, I was reading novels. (幼少期を通じて私は小説を読んでいた)
過去の一時的な習慣をあらわす。話し手は幼少期に小説を習慣的に読む習慣があった。24時間、ずっと本を読み続けていたという意味ではない。
この場合、過去形も使うことができると思いますが、何か違いはあるのでしょうか?
childhoodが過去の一時的期間だと考えてその間の反復を強調するなら過去進行形、ある程度長い期間だと考えて習慣とすれば過去形という感じでしょうか?
>蘭様
おそらく、過去形(=単純過去形)でも良いと思います。
ただ、単純過去形にも、過去の反復的行為を示すものがあるようです。
例:
In those days, I often met Japanese, both young and old, who, like me, were traveling all over America alone.
(出典: コーパス英文法 p7)
反復の意味における、単純過去形と過去進行形の違いは詳らかにはわかりませんが、単純過去形のほうが幅広い用法がある分、過去進行形のほうが、反復の意を明確にできるのではないかと思われます。