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英語のandは「…と」の意味で使われる語である。
英語を勉強しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- andが苦手… 使い方がいまいちわからない…
- 長文にandが出ると文構造がわからなくなる…
- 英作文でandを上手に使いたい…
andは英語の重要語彙にもかかわらず、市販の参考書ではあまり詳しく触れられていない。解決策が見つからず困っている方も多いだろう。
そこでトイグルではandについて詳細を解説していく。本記事を読めばandに関するあらゆる疑問が解決する。そして、自信を持って英語を読み書きできるようになるはずだ。
1. andは同じ要素をつなぐ等位接続詞
英文法において、andは等位接続詞と呼ばれる分類の語である。等位接続詞は文中で複数の要素を等しく接続する機能を持つ。
まずは例を見てみよう。
- (1) Jill and Chris are watching a movie. (ジルとクリスは映画を観ている)
この文では、Jill(ジル)とChris(クリス)という語が、それぞれandによって連結されている。構造を分解してみよう。
- (1′) [Jill] and [Chris] are watching a movie.
図にすると次のようになる。
別の例に移りたい。次の文はどのような要素がandによって連結されているだろうか?
- (2) We arrived at the station and we boarded a train for Tokyo. (私たちは駅につき、そして東京行きの電車に乗った)
この文で連結されているのは、We arrived at the station(私たちは駅についた)とwe boarded a train for Tokyo(私たちは東京行きの電車に乗った)という節である。
- (2′) [We arrived at the station] and [we boarded a train for Tokyo].
こちらも図にすれば次のようになる。
このように、andは同じ性質を持つ要素を対等の関係で結ぶものである。andは単に「…と」と訳すだけでなく、上記のような立体的な構造をイメージできるようにすると良い。文構造をより正確に理解できるはずだ。
以下、andのさらに詳しい用法を説明していく。
2. 意味別に見るandの使い方
andの使い方を意味別に見ていこう。
2-1. 対等の関係
- (3) I lost my phone and my wallet. (私は電話と財布をなくした)
andのもっとも基本的な意味は「対等の関係」である。(3)はmy phone(私の電話)とmy wallet(私の財布)が対等に並んでいる。
2-2. 時間的連続
- (4) I entered the building and took the elevator. (建物に入り、エレベーターに乗った)
andは「時間的連続」をあらわすことがある。(4)は「建物に入った」の後、「エレベーターに乗った」という出来事が起こった。
時間的連続では、and then(すると)と書けば意味がより明確になる:
- (4′) I entered the building and then took the elevator.
2-3. 因果関係
- (5) I gave up and canceled the interview. (私は諦めてしまったので、面接を辞退した)
andは「因果関係」をあらわすことがある。(5)は「諦めた」ことが原因で「面接の辞退」が起こった。
因果関係では、and therefore(したがって)と書けば意味がより明確になる:
- (5′) I gave up and therefore canceled the interview.
2-4. 目的
- (6) Try and do it. (さあやってごらんなさい)
- (7) Be sure and include your telephone number. (必ず電話番号を含めてくださいね)
- (8) Come and see us today. (遊びにいらっしゃい)
- (9) I will go and take a look at your blog. (あなたのブログを見に行ってみましょう)
andは「…するために」の意味で「目的」をあらわすことがある。
(6)はTry and…(…してごらん)、(7)はBe sure and …(必ず…してください)、(8)はCome and …(…にしいらっしゃい)、(9)はgo and …(…しに行く)の意味である。
この場合の「and+動詞」はto不定詞に近い役割を果たす。例文をto+動詞で書き換えると次のようになる:
- (6′) Try to do it.
- (7′) Be sure to include your telephone number.
- (8′) Come to see us today.
- (9′) I will go to take a look at your blog.
注: Swanによれば、try and … / be sure and… / wait and …は原形および命令形のみで使用可能だが、come and … / go and … / run and … / hurry up and … / stay and …は変化形で用いてもよい。
2-5. 同時進行
- (10) We sat and had a meal. (私たちは座って食事していた)
andは「…しながら」の意味で「同時進行」をあらわすことがある。(10)は「座って食事していた」の意味である。
この場合の「and+動詞」は現在分詞のような役割を果たす。例文を現在分詞で書き換えると次のようになる:
- (10′) We sat having a meal.
注: この用法は動詞がsit、lie、walkなどの場合に限られる。
2-6. 条件
- (11) Work hard and you will be successful. (一所懸命に働きなさい、そうすれば成功するでしょう)
- (12) One more click and the video will start downloading. (もう1クリックで動画のダウンロードが始まります)
andは「そうすれば」の意味で「条件」をあらわすことがある。この場合、andの前の節が後の節の条件になる。
(11)は「命令文+and」の構文で、「一所懸命に働けば成功する」としている。(12)のように「名詞句+and」の構文を用いることもある。
「命令文+and」はif節を使って、ほぼ同義の文をつくれる:
- (11′) If you work hard, you will be successful.
2-7. 反復
- (13) It got colder and colder. (だんだん寒くなってきた)
- (14) We walked and walked. (私たちはどんどん歩いた)
- (15) Mary thanked him again and again. (メアリーは彼に何度も感謝した)
- (16) Jasmine waited for hours and hours. (ジャスミンは何時間も何時間も待った)
- (17) There are computers and computers. (パソコンにもいろいろある)
andの前後に同じ語を繰り返すことで、反復の意味をあらわすことがある。
(13)は比較級の形容詞、(14)は動詞、(15)は副詞、(16)は名詞の例である。
There is/areやYou can findの後、同一の名詞をandでつなぐことにより、「多様性」の解釈になることがある。(17)は「パソコンには(良いものも、悪いものも)色々ある」の意味になる。
2-8. 強調
- (18) It’s nice and warm here. (ここはとても暖かい)
andの前の形容詞・副詞が、andの後の形容詞・副詞を強調する用法がある。(18)はnice(十分に…である)がwarm(暖かい)を強調している例である。
2-9. 対比
- (19) He took a driver’s test and he failed. (彼は運転免許試験を受けたが、不合格になってしまった)
andは「…が/…なのに」の意味で、対照的な内容をあらわすことがある。(19)は「運転免許試験を受けたが、不合格になってしまった」の意味。
この場合、andはbutに置き換えてもよい。(19)をbutを用いて書くと次のようになる:
- (19′) He took a driver’s test but he failed.
2-10. 挿入
- (20) It only took a few minutes, and as mentioned before, I only needed a small sponge to dry them off. (それには僅かな時間しかかからなかった、また前に述べたように、乾燥させるのに小さなスポンジが必要だった)
- (21) There’s only one thing to do now – and that’s to apologize. (いますべきことは1つ – それは謝罪することです)
(21: 現代英語文法大学編)
andは節に情報を挿入する際にも使われる。(20)は文中、(21)は文末にコメントが付け加えられている例である。
3. 構造別に見るandの使い方
andは語と語、句と句、節と節、文と文などを結ぶことができる。
以下、語と語のまとまりを中心に、andの構造別の使い方を見ていこう。
3-1. 名詞+and+名詞
- (22) Justin and Joe are good friends. (ジャスティンとジョーは仲が良い)
- (23) I ordered a cup of coffee and a muffin. (コーヒーとマフィンを注文した)
- (24) Bill, Tim, and Ken are working together. (ビル、トム、そしてケンが一緒に働いている)
andは名詞(あるいは名詞句)を連結できる。(22)はJustin(ジャスティン)とJoe(ジョー)、(23)はa cup of coffee(コーヒー1杯)とa muffin(マフィン)をつないでいる例である。
(24)のように「A, B, and C」の構造でも使用できる。andの前のコンマは必須ではないが、曖昧さを避けるため、コンマを入れたほうが良い。
3-2. 代名詞+and+代名詞
- (25) He and I went to Stanford University. (彼と私はスタンフォード大学に通っていた)
- (26) Me and my wife love traveling. (私と妻は旅行が大好きです)
andは代名詞を連結できる。A and BにI(私)を含む場合、(25)のようにI(私)をBの位置に置くことが多い。
くだけた言い方では、(26)のようにMe and …(私と…)と言うことがある。
3-3. 動詞+and+動詞
- (27) Wait and see what happens. (何が起きるか見てみよう)
- (28) I want to know and understand. (私は知りたいし、理解したい)
- (29) We knocked and knocked. (私たちはノックし続けた)
- (30) We walked and walked. (私たちは歩きに歩いた)
andは動詞を連結できる。(27)はwaitとsee、(28)はto不定詞の例である。
(29)のknock(ノックする)のように、動詞の動作が瞬時に完結する場合、「ノックし続けた」と反復の意味になる。
一方、(30)のwalk(歩く)のように、動詞の動作が瞬時に完結しない場合、「歩きに歩いた」と継続の意味になる。
3-4. 形容詞+and+形容詞
- (31) John is handsome and smart. (ジョンはハンサムでかしこい)
andは形容詞を連結できる。(31)は文の補語の形容詞が連結されている例である。
形容詞の限定用法(= 形容詞を名詞の前に置く用法)では、2つの異なる形容詞を連結させる場合、andを用いないことが多い:
- (32) We had to stay in a small expensive room. (私たちは小さくて高い部屋に滞在せざるを得なかった)
一方、限定用法の形容詞でもandを用いる場合がある:
- (33) Tokyo is the political and economical centre of Japan. (東京は日本の政治と経済の中心地だ)
- (34) She is a warm and wonderful person. (彼女は温かく素晴らしい人です)
- (35) He had worked for large and small companies. (彼は大企業や中小企業で働いてきた)
- (36) I bought a black and white printer. (モノクロプリンターを買った)
(33)は同じ種類の形容詞が使われる場合、(34)は類似した意味の形容詞が使われる場合、(35)は複数の形容詞が1つのものの異なる部分を表現する場合、(36)は色をあらわす複数の形容詞が使われている場合である。いずれもandを用いる。
3-5. 副詞+and+副詞
- (37) You can quickly and efficiently write notes. (素早く効率的にノートを取れます)
- (38) We walked up and down. (私たちは上がったり下ったりした)
andは副詞を連結できる。(37)は語尾に-lyのつく副詞、(38)は句動詞を構成する副詞が連結されている例である。
3-6. 前置詞+and+前置詞
- (39) There are buses that go through the tunnel and across the bridges. (トンネルを通過して、橋を渡っていくバスがある)
andは前置詞を連結できる。(39)はthrough the tunnel(トンネルを通過して)とacross the bridges(橋を渡って)が連結されている例である。
3-7. 節+and+節
- (40) I met my friends and we decided to get some lunch. (私は友人に会い、私たちはランチを取ることに決めた)
- (41) Keep going and you will get there in a minute. (進み続けてください、そうすれば数分以内にそこに着けます)
andは節(あるいは文)を連結できる。(40)は節と節、(41)は命令文と平叙文を連結している例である。
3-8. 異なる要素の連結
- (42) He was sad and feeling sorry for himself. (彼は悲しくて、自分を可哀想だと感じた)
- (43) She signed the papers reluctantly and with much hesitation. (彼女はしぶしぶ、躊躇しながら書類にサインした)
andが連結するのは同じ品詞の語句だけではない。たとえ品詞が異なっても、近い役割を持つものは連結の対象となる。
(42)は形容詞と分詞、(43)は副詞と前置詞に導かれる句が連結されている例である。
4. 談話の中で用いられるand
談話(= 発話の連続)の中においても、andは用いられる。使い方を見ていこう。
4-1. 先行の話題を続ける
- (44) I wanted to win. And I thought I could win. (私は勝ちたかった。また、勝てると思っていた)
先行の話題に続く話をする時、andを文頭に置いて使う。
(44)は「私は勝ちたかった」に対して、「勝てると思っていた」と話題を続けている。
4-2. 相手の話に関連する質問をする
- (45) “He said hello and goodbye.” “And what did you answer?” (「彼は挨拶とお別れをしてくれました」「それでなんて答えたの?」)
andは相手の話に関連する質問をする際にも使われる。
(45)は「彼は挨拶とお別れをしてくれました」に対して「それでなんて答えたの?」と、関連する内容を続けている。
4-3. 相手の話を続けるよう促す
- (46) “I waited.” “And?” (「待っていました」「それで?」)
andは相手の話を続けるように促す合図としても使われる。
(46)は「待っていました」に対して「それで?」と話を促している。
4-4. 相手に代わって話を完結させる
- (47) “l passed out!” “And you called the ambulance? (「私は失神してしまったんです」「それで救急車を呼んだんですか?」)
andを使って発話を続けることで、相手の話を完結させるような発言をできる。
(47)は「私は失神してしまったんです」と言った話し手に対し、聞き手が「それで救急車を呼んだのですか」として、相手の話の補足している。
4-5. 驚きの気持ちをあらわす
- (48) Wow that’s really surprising. And you completed the course last year! (それは本当にびっくりしました。しかも去年コースを終えたんですね!)
andは「しかも」や「それで」の意味で、驚きの気持ちをあらわす際にも用いられる。
5. andに関するさらにくわしい知識
andに関するさらにくわしい知識を紹介していく。
5-1. 主語と動詞の一致
- (49) Sue and I are good friends. (スーと私は仲良しです)
- (50) Fish and chips is awesome. (フィッシュ・アンド・チップスは最高だ)
andによって連結した複数の名詞が主語になる場合、動詞は複数で一致する。(49)のSue and I(スーと私)は2人の人物なので、当然複数扱いとなる。
一方、(50)のFish and chips(フィッシュ・アンド・チップス/イギリスの料理)のように一体の物をあらわす場合、動詞は単数で一致する。
構造をわかりやすく示すと次のようになる:
- (49′) [Sue] and [I] are good friends.
- (50′) [Fish and chips] is awesome.
注: 安藤はSue and Iのような構造はAとBが文法的に対等だが、fish and chipsの構造はBがAに対して従属的であると指摘している(p.591)
5-2. 省略
- (51) I run and swim a lot. (たくさん走って泳いだ)
- (52) I cooked and ate dinner. (夕食を料理して食べた)
- (53) Use a computer and high-quality printer. (コンピュータと高品質のプリンターを使ってください)
- (54) This is a group of young men and women. (こちらは若い男女のグループです)
andによる等位接続では、重複する要素はしばしば省略される。
(51)は主語の省略、(52)は目的語の省略、(53)は冠詞の省略、(54)は形容詞の省略の例である。
それぞれ、省略された要素を復元して書くと次のようになる:
- (51′) I run and I swim a lot.
- (52′) I cooked dinner and ate dinner.
- (53′) Use a computer and a high-quality printer.
- (54′) This is a group of young men and young women.
5-3. 位置
- (55) I bought rice, fish and eggs. (米、魚、卵を買った)
- (56) It’s a simple, classic formula. (シンプルで定番の公式です)
andによって結ばれる要素が3つ以上ある場合、通例、andは最後の要素の前に置かれる。(55)はA, B and Cの構造になっている。
等位接続をするのに、andなどの接続詞が使われない場合もある。(56)はandが使われていないが、意味的に2つの要素(simpleとclassic)が等位接続されている。
5-4. 否定
- (57) He doesn’t have a guitar or a piano. (彼はギターもピアノも持っていない)
- (58) He doesn’t have a guitar and a piano. (彼はギターもピアノも持っていない)
通例、「AでもBでもない」と言う場合、等位接続詞にはorを使う。(57)は「ギターもピアノも持っていない」の意味である。
(58)のように否定の文脈でandを使うこともある。この場合は意味が曖昧で、2つの解釈が可能となる:
- (58a’) It is not true that he has both a guitar and a piano. (彼がギターとピアノの両方を持っているわけではない)
- (58b’) It is true that he has either a guitar or a piano. (彼はギターとピアノのいずれかを持っている)
(参考: The Grammar Book)
5-5. 空所を含む等位構造
- (59) One girl has written a poem, and the other a short story. (一人の女の子が詩を書き、他の一人が短編小説を書いた)
- (60) Smith completed the course in thirty-five minutes, and Johnson in thirty-seven. (スミスはそのコースを35分、ジョンソンは37分で終わらせた)
- (61) Jane has looked more healthy, and Maurice more relaxed, since their vacation. (彼らの休暇以来、ジェインはより健康そうに、そして、モーリスはよりゆったりとしているようにみえる)
andによって接続された節において、重複する要素を省略した結果、文中に空所が生じることがある。
(59)は述語動詞has writtenが省略された結果、述語動詞が空所となり、「主語+目的語」の構造になっている。
(60)と(61)も同様に、述語動詞の省略により、それぞれが「主語+副詞類」と「主語+補語」の構造になった。
わかりやすいように空所を「△」で示すと、次のようになる:
- (59′) One girl has written a poem, and the other △ a short story. <主語+目的語>
- (60′) Smith completed the course in thirty-five minutes, and Johnson △ in thirty-seven. <主語+副詞類>
- (61′) Jane has looked more healthy, and Maurice △ more relaxed, since their vacation. <主語+補語>
まとめ: andを知れば文が正しく読める
この記事では、英語のandについて詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- andは同じ要素をつなぐ等位接続詞
- andは対等の関係のほか、時間的連続や因果関係を示す
- andは語と語、節と節などをつなぐ
- andは談話の中で用いられることもある
- 重複する要素を省略したり、空所を含む構造になることもある
andは話し言葉、書き言葉を問わず様々な場面で使われる。とりわけ、複雑な英文を読む際、andの解釈は大変重要なものになる。
andについてわからないことがあれば、またこの記事に戻ってきてほしい。きっと、あなたの求める答えが見つかるはずだ。
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
参考になりました。
一つ質問があります。
There are not enough staff and not enough funds to hire them.
という文に出会いました。
この文は and の前後で “not enough”も重複しておりますが、省略はできないのでしょうか?
andの機能から 単語(staff) and 単語(funds[to hire them]) が可能だと思うのですが、意味が違ってしまうのでしょうか。
例:否定では staff か fundsのいずれかが不足という意味になり両方否定したいなら orを使用する必要があるとか(とするとはわざわざandで使ってる意味が不明)
>中級者をめざす者様
記事をご覧いただき、ありがとうございます!
こちらの英文ですが、not enough は重複しているため、省略しても良いと思います。
尚、本件とはやや話が異なりますが、「スタッフが十分におらず、そして彼らを雇うお金もありません。」といった意味であれば、以下のように言うとより伝わりやすくなると思います。
We don’t have enough staff, and we don’t have the money to hire them.