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TOEIC Listening & Reading Test(以下、TOEIC)は英語の資格試験である。
2017年に国内の受験者は約250万人となった。学生だけでなく、キャリアアップを目的とする大人の受験者も多い。
TOEIC600点について調べているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- TOEIC600点の英語レベルを知りたい
- TOEIC600点を目指すおすすめ参考書を知りたい
- TOEIC600点の勉強方法を知りたい
TOEICを人事評価に導入している企業では、600点が一定の基準になることが多い。新卒採用や転職で英語力をアピールする場合も、TOEIC600点の取得は必須だ。
そこでトイグルでは、TOEIC600点取得の具体的なプロセスを明らかにしていきたい。はじめに社会人学習者の成功事例を紹介した後、難易度、勉強方法、おすすめ参考書を解説する。
本書を読めばTOEIC600点を取得する明確なイメージができる。これから英語を学ぶ人だけでなく、既に学習に取り組んでいる方にも役立つはずだ。
- 筆者はTOEIC公開テストを毎回受験し、最新の傾向と対策を研究しています。当エントリーはそれを踏まえて2018年7月に全面改訂しました。
1. TOEIC600点を達成した社会人学習者の事例
TOEIC600点達成をイメージするため、2人の成功事例を紹介したい。
どちらもトイグルが主催するTOEICスクールで英語を学んだ社会人で、わずか3ヶ月間でTOEIC600点超えを達成した。
1-1. TOEIC未経験者が3ヶ月で625点を取得
こちらの学習者はTOEICが未経験だったにもかかわらず、わずか3ヶ月間の学習期間でTOEIC625点を取得した。会社の人事評価で求められたTOEIC600点をクリアし、キャリアアップを実現した。
英語学習は学生時代以来20年ぶりだったので、英語力の基礎からやり直す学習計画を立案した。
入会から目標達成期限まで3ヶ月というタイトなスケジュールの挑戦だったが、文字通り寝る間を惜しんだ努力が成果に結びついた。
1-2. 伸び悩みを脱しTOEIC660点を取得
こちらの学習者は、トイグル入会前に3年ほど独学でTOEICを行っていた。TOEIC600点を目標にしていたものの、400点台後半でスコアに伸び悩んでいた。
独学で学習をしていた時の一番の悩みが、勉強の仕方がわからないことだった。
そのため、参考書の使い方からリーディング時間管理まできっちりとTOEICをやり直した結果、わずか3ヶ月間でスコアが約200点向上し、TOEIC660点を取得。目標スコアを達成し、キャリアアップを実現した。
2. TOEIC600点のレベル
TOEICはリスニングセクションとリーディングセクションの二科目で構成される。結果は合否ではなくスコアで表示され、最低スコアは10点、最高スコアは990点、日本人の平均スコアは約580点である。
トイグルでは、TOEIC600点を英語中級者レベルと考えている。英語に対する基礎ができあがり、幅広い表現に触れる準備が整った段階だ。
TOEIC600点達成時点の感覚は、「TOEICに手応えを感じられるようになってきた。パートごとの得意・不得意も見えてきた。英語は楽ではないけれど、次に何をすればいいかわかる」といった状態となる。
TOEIC600点台は受験者の約18%が該当する。
2-1. TOEIC600点は英検2級レベル
TOEIC600点の難易度をイメージするため、私たちが慣れ親しんでいる実用英語技能検定(以下、英検)とスコアの比較をしてみよう。
次の図は、TOEICと英検のスコア換算を表している。
TOEIC600点は英検2級(高校卒業程度)には合格できるものの、英検準1級(大学中級程度)には及ばないレベルだ。
もちろん、TOEICと英検は形式がまったく異なる試験なので、特定の級を取れば直ちに該当のスコアを取得できるわけではない。あくまで目安として、参考程度に捉えていただきたい。
2-2. TOEIC600点に必要な勉強時間
次の表はTOEICスコアを上げるために必要な勉強時間を表している。
目標スコア | ||||||
現在のスコア | 450 | 550 | 650 | 750 | 850 | 950 |
350 | 225 | 450 | 700 | 950 | 1,225 | 1,550 |
450 | – | 225 | 450 | 700 | 975 | 1,300 |
550 | – | – | 225 | 450 | 725 | 1,050 |
650 | – | – | – | 225 | 500 | 825 |
750 | – | – | – | – | 275 | 600 |
850 | – | – | – | – | – | 325 |
(出典: Saegusa 1985)
仮にあなたがTOEIC未経験であり、現在のスコアを450点程度と想定すると、650点達成には約450時間の学習が必要である。現在の実力が550点(平均レベル)なら、650点達成は225時間だ。
もし平日に毎日1時間、土日に5時間ずつの学習を行うと、1週間で15時間の学習機会を確保できる。勉強が順調に進めば225時間には約4ヶ月、450時間には約8ヶ月で達成できる。
参考までに、日商簿記検定2級の平均勉強時間は250時間、宅地建物取引主任者は400時間と言われている。もちろん、異なる試験を学習時間だけで比較するわけにはいかないが、おおよその目安にはなるだろう。
TOEIC600点は決して楽ではないが、適切な勉強を行えば英語未経験者でも達成できる。
3. TOEIC600点を目指す勉強方法
TOEIC600点を達成する勉強方法について解説したい。
まず、トイグルではTOEIC試験対策をリスニング対策、リーディング対策、本番試験対策の3つに分けている。
リスニング対策はリスニングセクション(Part1からPart4)の勉強、リーディング対策はリーディングセクション(Part5からPart7)の勉強、本番試験対策は実際の試験で2時間連続に耐えられる集中力づくりが学習対象だ。
TOEICでスコアを上げるには、これら3つを総合的に改善する必要がある。それぞれの詳細を説明しよう。
3-1. リスニング勉強法
TOEICリスニングセクションは4つのパートで構成される。
Part1 | 写真描写問題 | 6問 |
Part2 | 応答問題 | 25問 |
Part3 | 会話問題 | 39問 |
Part4 | 説明文問題 | 30問 |
*TOEIC Part1はセンテンスを4要素に分けて聞き取る
TOEIC Part1は写真描写問題である。問題用紙に記載された写真をもっとも適切に表す選択肢を選ぶ。
人物、乗り物、風景などの様々な写真が出るが、どの選択肢にも共通して、使われる英文は「主語+動詞+目的語+その他」のシンプルな文型である。thatの省略や分詞構文といった複雑な文は出てこない。
そのため、TOEIC Part1はこれら文の4要素の書き取りを練習してみよう。以下のような表を作り、音声を聞いて書き取るトレーニングをすれば、正答率の向上が実感できるはずだ。
*TOEIC Part2は最初の一語を絶対に聞き取る
TOEIC Part2は応答問題である。短い英文を聞いた後、その返答として最も適切なものを1つ選ぶ。
Part2の英文は短文であるものの、発話のスピードは速く、現時点でそのすべてを聞き取るのは容易ではない。そこで、TOEIC600点を目指す段階では最初の一語を逃さない意識で設問を解く。
例を見てみよう。
Where is the post office? (郵便局はどこですか?)
(A) I went to my office.(私は自分のオフィスに行きました) |
「郵便局はどこですか?」に対して選択肢B「その通りを越えたところにありますよ」が正解。
はじめのワンセンテンス 「Where is the post office?」の全文が聞き取れなくても、疑問詞Where(どこ?)がわかれば、場所に関して述べるBが正解になるとわかる。
この方法を使えば、TOEIC Part2の半分近い設問に答えられる。難易度の高い一部の設問に適応するのは難しいが、TOEIC600点は全体のおおよそ60%に正解すればいいので、完璧を目指す必要はない。
ぜひとも試してみてほしい。
*TOEIC Part3/Part4は設問の先読みをする
TOEIC Part3は会話問題、Part4は説明文問題である。どちらも30秒から60秒程度の長文を聞き、内容に関する3つの設問に答える。
Part3とPart4はどちらも、設問文と選択肢が問題用紙に印字されている。そのため、音声を聞く前にこれらを先読みすることで、事前に問われる内容を把握し、効率的に解答を進める。
先読みのタイミングは、現在の設問を解き終わり、次の音声を聞くまでの数秒間である。時間が限られているので、設問と選択肢のどちらかを重点的に読むようにしたい。
1. 設問だけを先読みする方法
- Q32. Where most likely are the speakers?
(A) At a sport center(B) At a university(C) At a factory(D) At a grocery store
- Q33. What does the woman mean when she says, “Absolutely”?
(A) The woman is willing to help the man.(B) The woman wants the man to buy a copy card.(C) The woman needs to stop by the academic office.(D) The woman is required to hire new staff members.
- Q34. What will the man do next?
(A) Talk to job candidates(B) Consult with his supervisor(C) Purchase a new computer(D) Receive a document
2. 選択肢だけを先読みする方法
- Q32.
Where most likely are the speakers?- (A) At a sport center
- (B) At a university
- (C) At a factory
- (D) At a grocery store
- Q33.
What does the woman mean when she says, “Absolutely”?- (A) The woman is willing to help the man.
- (B) The woman wants the man to buy a copy card.
- (C) The woman needs to stop by the academic office.
- (D) The woman is required to hire new staff members.
- Q34.
What will the man do next?- (A) Talk to job candidates
- (B) Consult with his supervisor
- (C) Purchase a new computer
- (D) Receive a document
筆者のTOEICスクールでは、600点を目指す段階では選択肢だけを先読みする方法を好んだ方が多かった。両方を試し、自分に合った方法を選択してほしい。
3-2. リーディング勉強法
TOEICリーディングセクションは3つのパートで構成される。
Part5 | 短文穴埋め問題 | 30問 |
Part6 | 長文穴埋め問題 | 16問 |
Part7 | 長文読解問題 | 54問 |
*TOEIC Part5はチャンクに分けて考える
TOEIC Part5は短文穴埋め問題である。空白のある英語のセンテンスに、文法あるいは意味的に最も適した選択肢を入れる。
語彙問題、品詞問題、前置詞問題など様々な形式の設問があるが、TOEIC600点を目指す段階では、すべてに共通して使えるチャンクに分ける読み方を推奨したい。
チャンクとは意味のカタマリを指す。Part5を解く時は、英文を頭の中でチャンクに分けて解釈をする。
例を見てみよう。
- The ________ businessperson always wakes up early.
この例文は次のように分ける。
- The ________ businessperson / always / wakes up / early.
The ________ businesspersonが主語、alwaysが追加情報(=その他)、wakes upが述語動詞、earlyが追加情報2(=その他)である。空白は主語の中にあり、名詞businesspersonの直前だから、名詞か形容詞が入る可能性が濃厚だ。
このように文を切り分ける力を身につければ、Part5の理解度が上がる。これまでよりもロジカルに解けるようになるだろう。
*TOEIC Part6はすぐ解ける設問だけに手を付ける
TOEIC Part6は長文穴埋め問題である。各文章に4つの空白があり、文法・意味的に最も適した選択肢を入れる。
TOEIC600点を目指す段階では、Part6は時間調整パートと捉える。Part5に時間を使いすぎてしまった時はPart6を思い切って飛ばし、次のPart7に時間を使えるようにしたい。練習時はPart6の優先順位は低めで良い。
*TOEIC Part7は設問と本文の順番が概ね一致する
TOEIC Part7は長文読解問題である。英語の長文を読み、内容に関する2つから5つの設問に答える。
TOEIC Part7では、設問と本文の順番が概ね一致する。1つの文章に2つの設問があるなら、設問1は本文の上部から中部、設問2は本文の中部から下部にヒントがあることが多い。
Part7はこのようにして、本文を読む前にヒントの予測をつけると読解が楽になる。問題集を解いたら、解説編を読んでヒントの位置を確認しよう。慣れれば長文読解を驚くほど迅速に解けるようになるはずだ。
3-3. 本番試験対策
TOEIC本番試験はリスニング・リーディングセクションを200問連続で解答する。試験時間は約120分で、途中の休憩はない。
TOEICがはじめての方によくある失敗は、練習時にパート別の設問を丁寧に解くものの、まとまった設問を解く練習を事前にしなかったため、本番で集中力が切れてしまい、スコアが上がらないことだ。
そのため、試験が近くなったら模試を使い、リスニング・リーディングを100問連続で解く練習をする。集中力の管理と時間配分を勉強しよう。TOEIC600点を目指すなら学習時間の半分は本番試験対策に当てても良い。
参考: 単語勉強法
TOEIC600点を目指す最大の課題が単語力だ。各パートの解き方をいくら習得しても、単語力がなければ設問を解けるようにならない。
英単語を習得する効率的な勉強法は単語帳の使用である。後ほど紹介するTOEIC用の単語帳を使い、英単語と日本語訳を紙に書いて覚えよう。
単語学習は継続が力となる。大変な労力がかかるが、少しずつ進めよう。
英語学習はダラダラ60分より集中30分で成果が出る。休日など疲労の少ない時間に勉強するようにしよう。
4. おすすめ参考書
TOEIC600点を取得するのにおすすめの教材(参考書・問題集)について説明しよう。
まず、TOEICスコアアップにはリスニング・リーディング・本番試験対策の他に、これらを支える単語力・文法力が必要である。
1冊の教材ですべてをカバーすることは難しいため、TOEIC600点を取るには複数の教材を組み合わせるのが効果的だ。
トイグルでは、TOEIC600点向けの参考書を5冊選んだ。
単語帳 | |
文法問題集 | |
リスニング問題集 | |
リーディング問題集 | |
模試 |
1つずつ見ていこう。
4-1. 単語帳
『TOEICテスト スーパー英単語』はTOEIC試験によく出る語彙をまとめた単語帳。5人の著者が分析した3,000語が収録されている。
本書のユニークな点が、英単語がレベル別でも出る順でもなく、重要度順に並んでいる点にある。
TOEIC600点を目指す段階では「最重要の180語」と「必須の227語」を優先して勉強する。時間があれば「要注意238語」と「差がつく239語」もやってみよう。必ず持っておきたい1冊だ。
4-2. 文法参考書
『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』はTEX加藤氏による文法問題集。Part5(短文穴埋め問題)の設問が1,049問収録されている。
本書は品詞問題や動詞問題など文法項目別に学べる点が良い。本番のような複合問題も13回分含まれているため、時間配分の練習もできる。
TOEIC600点を目指す段階では、設問の難易度はやや高めに感じられるかもしれないが、英語に触れる機会を増やすには絶好の1冊だ。
4-3. リスニング問題集
『TOEIC L&R TEST 初心者特急 パート1・2』は、リスニングセクションの問題集。Part1(短文穴埋め問題)とPart2(応答問題)の設問を解いて学べる。
本書は英語初心者向けに調整された設問を使っているため、リスニングに苦手意識を持つ方に向いている。本は小さく薄いので圧迫感も少ない。
同シリーズでPart3(会話問題)とPart4(説明文問題)も販売されているため、こちらも併せて活用されたい。
4-4. リーディング問題集
『新TOEIC TEST 初心者特急 読解編』はPart7(長文読解問題)の問題集。こちらも初心者向けに難易度の低めな文章で構成されている。
初心者の方は本書で長文に慣れるところから始めよう。
4-5. 模試
『世界一わかりやすいTOEIC L&Rテスト総合模試』は、TOEIC試験の模試。リスニングセクション100問+リーディングセクション100問が2セット収録されている。
一般に、模試と言えば『公式問題集』を想像する。ただ、公式問題集は本番レベルで難易度が高いため、英語初心者の方には負担が強い。
一方、本書はTOEIC600点を目指す方向けに難易度が調整されているため、公式問題集よりも使いやすい。本書を使ってTOEICを解ける感覚を養成しよう。
まとめ: TOEIC600点はキャリアに差がつくボーダーライン
本書はTOEIC600点を取得するプロセスを紹介してきた。
内容をまとめると次のようになる。
- TOEIC600点は英語中級者レベル。
- TOEIC600点は英検2級程度の難易度。225時間から450時間の学習が必要。
- リスニング対策、リーディング対策、本番試験対策の3つを行う。単語力と文法力も必要。
- TOEICは複数の教材を組み合わせて学習する。
英語を久しぶりに学ぶ方にとって、TOEIC600点は大変高い目標に感じられるだろう。しかし、冒頭にも紹介したように、適切な対策を行えば数ヶ月の短期間で600点を達成することは可能である。
TOEIC600点は平均よりも上のスコアであり、キャリアアップの差がつくボーダーラインである。もし600点を目指して勉強をすると決めたら、英語を自己投資だと思って全力で取り組んでほしい。十分な努力をすれば必ず達成できる。
トイグルでは、英語学習やTOEIC試験対策に役立つ情報を発信している。本書が「役に立った!」と思う方は、ぜひ他の記事も参照いただきたい。
Good luck!
(「TOEIC」は米国Educational Testing Service(ETS)の登録商標です。記事内のAmazonリンクはアソシエイトリンクを使用しています。)
大阪でも対策講座を開いてください。
>のの様
コメントありがとうございます。
直近のセミナーはすべて東京で開催予定ですが、ゆくゆくは大阪でもぜひ講座を開きたいと考えております。