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英語の補語とは、SVC(第二文型)やSVOC(第五文型)のCに該当する要素である。
英語を勉強しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- そもそも補語とは何か、よくわからない…
- 補語の使い方よくわからない…
- 主語補語と目的語補語の違いがわからない…
そこでトイグルでは、英語の補語について詳細を解説したい。学習の参考になるはずだ。
1. 補語はSVCやSVOCの「C」に該当する要素
補語は「主語+動詞」あるいは「主語+動詞+目的語」だけでは文が不完全な時、その意味を補う役割を持つ語(句)である。
学校文法ではSVC(第二文型)やSVOC(第五文型)のCに該当する要素が補語と言われる。例を見てみよう。
- The dress looks amazing! (そのドレスは素敵に見えます!)
- The movie made me happy. (その映画は私を幸せな気持ちにした)
例文(上)はSVCの構造で、amazing(素敵な)が補語として使われている。補語は主語の性質を説明することから、主語補語と呼ぶ。
例文(下)はSVOCの構造で、happy(幸せな)が補語として使われている。補語は目的語の性質を説明することから、目的語補語と呼ぶ。
主語 | 述語 | 目的語 | 補語 |
The dress | looks | – | amazing |
The movie | made | me | happy |
補語の特徴は、それを省くと文が成り立たなくなる点にある。先ほどの例文をもう一度見てみよう。補語を削除すると、文自体が意味をなさなくなる。
- The dress looks
amazing. (そのドレスは見える?) - The movie made me
happy. (その映画は私を作った?)
補語が文に必要かどうかは、動詞の意味による。以下、補語を取る動詞の例を示す。
be (…である) | keep (…のままでいる) | remain (…のままでいる) |
seem (…のように思える) | appear (…に見える) | look (…に見える) |
become (…になる) | get (…になる) | come (…になる) |
2. 主語補語の使い方
主語補語はSVCのCに該当する要素である。
主語補語になる要素は主として名詞と形容詞だが、他にも代名詞、動名詞、分詞、不定詞、句、節などがなれる。以下、それぞれの使い方を見ていく。
2-1. 名詞
- (1) Kate became a doctor. (ケイトは医者になった)
- (2) William Adwell was elected chairman. (ウイリアム・アドウェルは議長に選ばれた)
- (3) He’s man enough to try to get what he wants. (彼は欲しい物を得ようと試みるほど男らしかった)
- (4) Installation was simplicity itself. (インストールは簡単そのものだ)
- (5) The propeller is the same size as the one on display.
主語補語としてよく使われるのは名詞である。
(1)は普通名詞が補語として使われている例。ケイト(S)は医者(C)になった(O)の構造。
(2)は補語に身分・役職などを表す名詞が用いられている例。名詞は無冠詞(=冠詞なし)で使われる。
(3)は補語に一般的な意味の可算名詞が無冠詞で用いられている例。manは「男性」の意味だが、名詞性が弱まり、形容詞的な意味合いが強くなった結果、「男らしい」の意味で無冠詞で使われた。
(4)は補語に抽象名詞が用いられている例。抽象名詞の場合、itself(それ自体)がつくか、主語か補語にallを使う必要がある。
(5)は記述の対格と呼ばれるもので、年齢・寸法・形状・色・価格などを表す名詞が、前置詞を伴わずに補語となる場合。
2-2. 形容詞
- (6) The sky is dark. (空は暗い)
形容詞も主語補語としてよく使われる。(6)は「空は暗い」の意味。
例: The hard work is over. (その辛い仕事が終わった)
2-3. 代名詞
- (7) “Who is it?” “It is I.” (誰ですか? – 私です)
- (8) “Who is it?” “It is me.” (誰ですか? – 私です)
代名詞も補語になれる。(7)のように主格の代名詞を用いる場合は格式的、(8)のように目的格の代名詞を用いる場合は略式的。
例: I’m twenty. (私は20際です)
2-4. 動名詞
- (9) My hobby is collecting stickers. (私の趣味はステッカーを集めることです)
動名詞も補語になれる。例文はcollecting(集めること)が補語。
2-5. 分詞
- (10) Keep going! (続けなさい!)
- (11) River, you look tired. (リバーさん、あなたは疲れて見えますよ)
分詞も補語になれる。(10)は現在分詞going、(11)は過去分詞tiredが補語の例。
2-6. 不定詞
- (12) The easiest way is to download a free app. (もっとも簡単な方法は無料アプリをダウンロードすることです)
- (13) All we have to do is make everything look pretty. (私たちはすべてを可愛くみせればよい)
不定詞も補語になれる。
(12)はto不定詞の例で、to download(ダウンロードすること)が補語。
(13)は原形不定詞の例で、make(…させる)が補語。この例のように、主語の位置にallがある場合、通常、原形不定詞を用いる。
2-7. 句
- (14) The 45,000-seat stadium is under construction. (45,000席あるスタジアムが建設中です)
句(とりわけ前置詞句)も補語になれる。(14)はunder construction(建設中)が補語。
2-8. 節
- (15) The issue is that we don’t generally have software engineering degrees. (私たちがたいていソフトウエア工学の学位を持っていないことが問題です)
- (16) She looks as though she’s just rolled out of bed. (彼女はまるでベッドから起きたばかりのように見えた)
- (17) The fact is, running a website costs money. (ウェブサイトの運営はお金がかかることが事実です)
節も補語になれる。(15)は名詞節(この場合はthat節)、(16)は副詞節(as though…)が補語の例。
(17)のようにThe fact is…(Fact is…)の場合、しばしばthatの省略および、コンマの挿入が起こる。
3. 目的語補語の使い方
目的語補語はSVOCのCに該当する要素である。
目的語補語になる要素は主として名詞と形容詞だが、他にも分詞、不定詞、句などがなれる。以下、それぞれの使い方を見ていく。
3-1. 名詞
- (18) People call me Fritz. (人々は私をフリッツと呼ぶ)
- (19) Karen appointed him manager of the building. (カレンは彼を建物のマネージャーに任命した)
名詞は目的語補語になれる。
(18)は普通名詞が目的語補語に使われている例。(19)は身分・役職などを表す名詞が目的語補語に使われている例。この場合、通例、無冠詞で用いる。
3-2. 形容詞
- (20) I found the movie interesting. (私はその映画を面白いと思った)
形容詞も目的語補語になれる。(20)は形容詞が目的語補語に使われている例である。
筆者注: interestingは語尾に-ingがついているが、品詞は形容詞である。
3-3. 分詞
- (21) I left her waiting in the car. (私は彼女を車の中で待たせた)
- (22) Mary heard her name called. (メアリーは彼女の名前が呼ばれるのを聞いた)
分詞も目的語補語になれる。(21)は現在分詞waiting、(22)は過去分詞calledがそれぞれ目的語補語である。
3-4. 不定詞
- (23) I saw him cross the yard. (私は彼が庭を横切っているのを見た)
不定詞も目的語補語になれる。(23)は原形不定詞crossが目的語補語として使われている例である。
3-5. 句
- (24) He always kept me at ease. (彼はいつも私を落ち着かせてくれた)
句(とりわけ前置詞句)も目的語補語になれる。(24)はat ease(気楽で)が目的語補語として使われている例である。
4. 準補語
補語が存在しなくても成立する文において、主語や目的語の性質を説明するため、補語のような役割の語(句)が付け加えられることがある。これを準補語(あるいは疑似補語)と呼ぶ。
真の補語に主語補語と目的語補語があるように、準補語にも準主語補語と準目的語補語がある。以下、例文を見てみよう。
4-1. 準主語補語
- (25) Charlene married young. (シャーリーンは若くして結婚した)
(25)はyoungが準主語補語として使われている例。Charlene married.(シャーリーンは結婚した)だけでも、一応、文として成立する。ここにyoung(若い)が加わることで、「シャーリーンは若くして結婚した」の意味になる。
(25)の構造がわかりにくければ、次のように考えるとよい。
- (25′) Charlene married when she was young. (シャーリーンは彼女が若い時に結婚した)
Collins Cobuild English Usageによれば、準主語補語を取る動詞の例は以下のようになる。
arrive | be born | die |
emerge | escape | grow up |
hang | lie | return |
sit | stand | stare |
survive | watch | – |
(Collins Cobuild English Usageより筆者作成)
4-2. 準目的語補語
- (26) I drink coffee black. (私はコーヒーをブラックで飲む)
(26)はblackが準目的語補語として使われている例。I drink coffee. (私はコーヒーを飲む)だけでも、一応、文として成立する。ここにblack(ブラック)が加わることで、coffeeの性質が「ブラック」だと説明している。
5. まとめ
この記事では、英語の補語について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 補語はSVCやSVOCのCに該当する要素
- 補語には主語補語と目的語補語がある
- 主語補語はSVCのCで、名詞や形容詞などを取れる
- 目的語補語はSVOCのCで、名詞や形容詞などを取れる
- 補語なしで成り立つ文において、補語のように使われる要素を準補語と呼ぶ
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
いつもためになる情報を提供してくださりありがとうございます。
この記事の「目的語補語の使い方の3-5」にある例文「He always kept me at ease.」の訳が「彼はいつも私を落ち着かせてくれる」とあるんですが、日本語訳の時間が現在であるのに、過去形の「Kept」が使われているのはなぜでしょうか。
コメントありがとうございます。
申し訳ありません、こちらは訳語に誤りがありました。
ご指摘のように、「…た」と過去形にするのが妥当でした。
(ただ今、本文を訂正しました。)
今後ともよろしくお願いします。