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英語の過去完了形とは「had+動詞の-en形」であらわされる動詞の形である。
例えば、It had started to rain.(雨が降ってきた)が過去完了形を使った文となる。
英語を学習しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 過去完了形が何なのかよくわからない…
- 過去完了形の訳し方で困っている…
- 「大過去」という用語の意味を知りたい…
そこでトイグルでは、現在完了形について詳細をまとめていく。図やイラストを使って直感的にわかりやすいようにした。学習の参考になるはずだ。
1. 過去完了形は「過去の基準点より前に起きたこと」をあらわす
過去完了形の使い方をひとことで言えば、それは「過去の基準点より前に起きたこと」である。
例を見てみよう。
- (1) I knew what had happened. (何が起きたか知っていた)
「(出来事が)起こった」は「知っていた」よりも前である。したがって、had happened(起きた)と過去完了形にすることで、過去の基準点より前の過去をあらわせる。
過去完了形のイメージはイラストにすればわかりやすい。
例文は「知っていた」が過去、「(何かが起こった)」が出来事の発生時、この発言をしているのが発話時ということになる。
過去完了形は様々な場面で用いられるが、とりわけよく見られるのが小説である。小説は主として過去を基準にするので、過去の基準点より前に起きたこと、すなわち過去完了形がよく使われる。
次の例文は三島由紀夫の小説、『金閣寺』の英語版The Temple of the Golden Pavilionの冒頭部分の引用である。
- (2) Ever since my childhood, Father had often spoken to me about the Golden Temple. (幼時から父は、私によく、金閣のことを語った)
(The Temple of the Golden Pavilion)
2. 過去完了形の使い方
過去完了形は「過去の基準点より前に起きたこと」をあらわす用法だが、より細かく分類すれば、次の2つに分けられる。
用法 | 例文 |
---|---|
過去の時点から見た現在完了(完了・継続・経験) | (3), (4), (5) |
過去の時点から見た過去(大過去) | (6) |
それぞれの詳細を見ていこう。
2-1. 過去のある時点に完了していたこと
- (3) When I got there everyone had just left. (そこに着いたときみんなは帰ってしまっていた)
過去完了形は過去のある時点に完了していたことをあらわす際に使われる。
例文をイラストで見てみよう。
皆が帰ってしまったのは話し手が到着する直前である。その時点で帰るという動作が完結していたことから、過去完了形を用いる。
2-2. 過去のある時点まで継続していたこと
- (4) She had lived in New York for ten years before moving to London. (ロンドンに引っ越すまでニューヨークに10年間住んでいた)
過去完了形は過去のある時点まで継続していたことをあらわす際に使われる。
例文をイラストで見てみよう。
ロンドンに引っ越したのは過去の出来事だが、その時点までの10年間、ニューヨークに住んでいたことを示す。
2-3. 過去のある時点までに経験したこと
- (5) We had never been to this restaurant so we were very excited to go. (このレストランには行ったことがなかったのでとても楽しみにしていた)
過去完了形は過去のある時点までに経験したことをあらわす際に使われる。
例文をイラストで見てみよう。
レストランに行こうとしていたのは過去の出来事だが、その時点では行った経験がなかったことを示す。
2-4. 過去のある地点よりも以前の過去
- (6) I lost the new umbrella that I had bought the previous day. (私は前の日に買った傘をなくした)
過去完了形は過去のある地点よりも以前の過去、いわゆる大過去をあらわす際に使われる。
例文の示す時間関係はイラストにするとわかりやすい。
例文で「傘を買った」のは「傘をなくした」よりも以前のことである。「傘をなくした」を基準時にすることで、それより以前(= 大過去)の「傘を買った」を振り返って述べている。
尚、大過去は過去からそれより前の過去を振り返る場合に用いられるので、過去の出来事を時間順に並べる際には使わない。
- (7) I bought a new umbrella, but lost it shortly afterwards. (新しい傘を買ったが、すぐになくしてしまった)
(7)は「新しい傘を買った→すぐになくした」という時間の連続示すものなので、たとえ「新しい傘を買った」がより以前に起きた出来事であったとしても、過去時制を用いる。
2-5. 実現しなかったこと
- (8) Iceland had expected to win, but the result was disappointing. (アイスランドは勝利を期待していたが、結果は残念なものだった)
- (9) I had not expected to retire before 65. (65歳になる前に引退するなんて思ってもいなかった)
expect(…を期待する)やhope(…を望む)などが動詞の過去完了形は、実現しなかったことをあらわす。
(8)は「勝利を期待した(しかし、結局実現しなかった)」の意味になる。一方、否定文の(9)は「引退するなんて思ってもいなかった(のに、した)」の意味になる。
2-6. 仮定法過去完了
- (10) If we had left earlier, we would not have been caught the storm. (もしもっと早く出ていれば、嵐に見舞われることはなかっただろうに)
- (11) I wish I had bought this jacket sooner. (このジャケットをもっと早く買っておけばなぁ)
仮定法過去完了は「もし〜だったら、…だったのに」の意味で、過去の事実に反する仮定をあらわす用法である。
(10)は過去の事実に反対の仮定、(11)は過去の事実に反対の願望を伝えている。
3. 時制の一致による過去完了形
時制の一致とは、従属節の動詞の時制を、主節の動詞の時制に一致させることを言う。
過去完了形は時制の一致によって出現することがある。以下、3つのパターンを見ていこう。
3-1. 現在完了形→過去完了形
- (12) I think Chris has been busy with his homework. (クリスは宿題で忙しいと思っています)
- → I thought Chris had been busy with his homework. (クリスは宿題で忙しいと思っていました)
従属節が現在完了形の場合、主節が過去形になると、従属節は過去完了形になる。
3-2. 過去時制→過去完了形
- (13) I think he lived in New York. (彼はニューヨークに住んでいたと思っています)
- → I thought he had lived in New York. (彼はニューヨークに住んでいたと思っていました)
従属節が過去形の場合、主節が過去形になると、従属節は過去完了形になる。
3-3. 過去完了形→過去完了形
- (14) I think he ordered new glasses because he had received a cash bonus. (彼はボーナスを得たので新しいメガネを注文したと思っています)
- → I thought he had ordered new glasses because he had received a cash bonus. (彼はボーナスを得たので新しいメガネを注文したと思っていました)
従属節が過去完了形の場合、主節が過去形になっても、従属節は過去完了形のままになる。過去完了形はそれ以上変われないからである。
参考: 過去完了形のつくり方
I | had | -en |
You | had | -en |
He | had | -en |
She | had | -en |
It | had | -en |
We | had | -en |
You | had | -en |
They | had | -en |
まとめ
この記事では、英語の過去完了形について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 過去完了形は「過去の基準点より前に起きたこと」をあらわす
- 過去の時点から見た現在完了では完了・継続・経験をあらわす
- 大過去は過去のある地点よりも以前の過去を示す
- 過去完了形は仮定法過去完了で使われることがある
- 過去完了形は時制の一致によって生じることがある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!