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英語にはsomeとanyという語がある。どちらも「いくつか/いくらか」のように訳されるが、その使い方が異なる。
英語を勉強しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- someとanyの違いがわからない…
- someとanyの使い分け方を知りたい…
- 疑問文のsomeや肯定文のanyなど、例外的な用法の理由を知りたい…
そこでトイグルでは、someとanyの使い方について詳細をまとめた。学習の参考になるはずだ。
1. someとanyの違い: 存在を前提とするかどうかで使い分ける
はじめに、someとanyの違いを簡潔にあらわせば、次のようになる。
この違いはどのようにあらわれるのだろうか? 以下、例文を使いながら見ていこう。
1-1. someは存在を前提にする場合に用いる
someは「いくつかの/いくらかの」の意味で使われる語である。someは「対象の物がいくつかあることはわかるが、それが実際どのくらいあるか、はっきりとわからない」といった状況で用いられる。
例を見てみよう。someは対象物が「ある」ことが前提である。よって、次のような肯定文と相性が良い。
- (1) I need to save some money. (私はいくらかのお金を貯める必要がある)
存在を前提とする場面であれば、someを疑問文に用いることもできる。次の例を見てみよう。
- (2) Would you like some coffee? (コーヒーはいかがですか?)
例文はレストラン等で、ウエイターが客にコーヒーを勧める場面である。ウエイターは客がコーヒーを当然飲むだろうと期待しているので、「ある」ことが前提のsomeを使用する。
1-2. anyは存在を前提にしない場合に用いる
anyは「いくらかの」の意味で使われる語である。anyは「対象の物がひょっとしたらあるかもしれないが、実際はないかもしれない」といった状況で用いられる。
例を見てみよう。anyは対象物が「ない」ことが前提である。よって、次のような否定文と相性が良い。
- (3) I don’t have any money to donate. (私には寄付をするお金がない)
anyは存在を前提としないので、疑問文で用いられることも多い。
- (4) Is there any reason to limit coconut milk? (ココナッツミルクを制限する理由はありますか?)
1-3. 例文で見るsomeとanyの使い分け
someとanyを使い分けることによって、文のニュアンスに影響を与えることがある。
次の2つの例文は日本語訳こそ同じだが、文のニュアンスが異なる。
- (5a) If you need any help, feel free to let me know. (もし助けがいるようだったら、遠慮なく言ってください)
- (5b) If you need some help, feel free to let me know. (もし助けがいるようだったら、遠慮なく言ってください)
(5a)は存在を前提としないanyが使われている。助けがいるかどうか現時点ではわからないが、もしそうであれば声をかけてください、といったニュアンスである。
(5b)は存在が前提とされているsomeが使われている。状況的に助けが必要なのが明白なので、言ってくれれば助けますよ、といったニュアンスが込められている。
次の例文もsomeとanyの間に違いがある。
- (6a) I don’t know any of my team mates. (私は自分のチームメートはだれも知りません)
- (6b) I don’t know some of my team mates. (私は自分のチームメートのうち、何人かは知りません)
(6a)は存在を前提としないanyによって、「だれも知らない」と解釈される。一方、(6b)は存在を前提とするsomeによって、「(何人か存在する)特定の人を知らない」の意味になる。
2. someとanyの使い方
some | any | |
---|---|---|
代名詞用法 | ◯ | ◯ |
形容詞用法 | ◯ | ◯ |
副詞用法 | ◯ | ◯ |
someとanyには代名詞用法、形容詞用法、副詞用法の3つがある。それぞれの用法を見ていこう。
2-1. 代名詞用法
- (7) We still have cookies on the table if you want some. (もしあなたが少し欲しいならクッキーはテーブルにありますよ)
- (8) Some of the health benefits are explained below. (健康上の利益の一部は以下に説明されています)
- (9) I said I didn’t want any. (私は何も欲しくないと言った)
- (10) Any of the memory cards on this list would be a good choice. (このリストのメモリーカードはどれも良い選択です)
someとanyは代名詞として用いることができる。
(7)はsomeが単独で使われている例である。文中でsomeは「いくつかのクッキー」を指す。(8)はsome of Xの形で使われている例である。「健康上の利益の一部」と捉えると良い。
(9)はanyが単独で使われている例である。否定文の中で「何も欲しくない」の意味になる。(10)はany of Xの形で使われている例である。「Xのうちのどれでも」と解釈すると良い。
2-2. 形容詞用法
- (11) I met some students from Taiwan. (私は台湾から来た何人かの学生に会った)
- (12) Is there any soup left? (スープは残っていますか?)
- (13) Some idiot didn’t lock the door. (あるバカがドアを施錠しなかった)
- (14) Any computer can have a hard drive failure. (どんなコンピュータでもハードドライブの故障が起こりえる)
someとanyは形容詞として用いることができる。
(11)はsome、(12)はanyが名詞の前に使われている例である。どちらも可算名詞・不可算名詞を問わずに用いられる。
(13)のように「some+可算名詞の単数形」が「ある〜」の意味で使われることがある。話し手が知らない人、あるいは話題にしたくない人などに用いられることが多い。
(14)のように「any+可算名詞の単数形」が「どんな〜でも」の意味で使われることがある。
2-3. 副詞用法
- (15) There were some thirty people. (約30人の人々がいた)
- (16) I’m not feeling any better. (気分が少しも良くない)
someとanyは副詞として用いることができる。
(15)はsomeが「約/およそ」の意味で使われる例である。この場合のsomeが副詞的と考えられるのは、通常、数詞の前には副詞を用いるからである(例: approximately thirty people/およそ30人。)
(16)はanyが比較級の修飾語として用いられている例である。any+比較級は、否定文では「少しも〜ない」、疑問文および条件文では「いくらかは」と解釈するとよい。
3. まとめ
この記事では、someとanyについて詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- someとanyの違いは存在を前提とするかどうか
- someは存在が「ある」ことを前提にする
- anyは存在が「ない」ことを前提にする
- someとanyで文のニュアンスが変わることがある
- some/anyは代名詞用法、形容詞用法、副詞用法がある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
マクドナルドのドライブスルーの看板で、「any time any line」とありまして、中1の娘が何故someじゃないん?と。
納得出来る説明が出来ないので教えて欲しいです。
ご質問ありがとうございます。
some timeは「いつか」、any timeは「いつでも」の意味で解釈されるからではないかと存じ上げます。
ご参考まで…