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就職活動に向け、TOEICに挑戦しようと考えている学生は多いだろう。
そこでトイグルでは、TOEICを生かして就活を成功させる方法を説明したい。IT企業の人事だった筆者の経験をふまえ、就活とTOEICの関係を詳細に検証する。
*「TOEIC」は米国Educational Testing Service(ETS)の登録商標です。
1. 就職活動はあなたのポテンシャルを買ってもらう場
企業側から見ると、採用試験とはあなたが企業に入社した後、どれだけの貢献ができるかを見極める場となる。
営業職なら売上、事務職ならスムーズな業務の処理、研究職なら開発などが「貢献」を表すバロメーターだ。
しかし、新卒採用の対象は大学生だ。学生に実務経験はなく、スキルも持ち合わせていない。そこで企業は、書類選考や面接を通じてその学生のポテンシャル(=潜在能力)を測ることで、将来会社にもたらす貢献度を見極める。
よって、学生のポテンシャルが企業が求めるポテンシャル以上であれば内定、逆の場合は見送りとなる。
- 内定: 学生のポテンシャル>企業が求めるポテンシャル
- 内定見送り: 学生のポテンシャル<企業が求めるポテンシャル
ポテンシャルは将来の伸びしろと言い換えてもいい。筆者が人事として面接を行っていた時、以下のような項目を使って学生のポテンシャルを判断していた。
- 大学名
- 思考力
- コミュニケーション力
- 行動力
- キャリアビジョン
- リーダー経験
- 成功体験
- 勉強熱心さ
- 研究実績(大学院生あるいは理系の場合)
2. TOEICはあなたのポテンシャルの一部
TOEICはあなたのポテンシャルの一部である。TOEICでハイスコアを持っていることは、あなたが優秀な人材であることを示すシグナルとなる。
ここで、TOEICとポテンシャルの関係について考えてみよう。下の図で縦軸はあなたのポテンシャル、横軸はあなたのTOEICスコアを示している。
2×2の表のため、4つのマスが出来上がった。1つずつ解説しよう。
- ハイスペック(右上): ポテンシャルが高く、かつ高いTOEICスコアを持っているハイスペック人材。採用試験で最も高く評価される。全体の約5%。
- 優良人材(左上): 英語力に課題が残るものの、高いポテンシャルがあるため市場での価値は高い。大手企業の内定をいくつももらうタイプ。全体の約15%。
- 資格バカ(右下): 高いTOEICスコアは持っているもののポテンシャルに難がある。軸が定まらないので色々な業界を受けながら四苦八苦する。やる気はあるため最終的には内定をもらえる。全体の約30%。
- 要努力(左下): 現状ではポテンシャル・スキルに乏しく、TOEICスコアも低い。全体の約45%。
このように、高いTOEICスコアはあなたの市場価値をさらに高めてくれる一方、スコアを持っていてもポテンシャルが低ければ意味が無い。
企業はTOEICであなたを採用するわけではない。TOEICでハイスコアが取れるくらいやる気と地頭があるから、あなたに魅力を感じるのだ。
「TOEIC800点を持っていれば内定が出る」とか「TOEICを自己アピールすると落ちる」などの話は、就活の本質を捉えていないことがわかるだろう。
3. TOEICを就活に活かすための5ステップ
ここまで、就活におけるTOEICの役割を説明してきた。
次に、TOEICを実際の就職活動に活かすための5つのステップを紹介したい。
ステップ1: TOEICを自己アピールに加えるか決める
書類選考も面接も、アピールできる項目数には限りがある。TOEICを自己アピールに加えるなら、他にPRできる能力・経験を犠牲にしなくてはならない。
よって、1つ目のステップでは、TOEICを就活の中でどの程度自己アピールに含めるか決定する。
例えば、あなたが志望する業界・企業が英語にあまり力を入れておらず、かつTOEIC以外で自己PRができるネタがあるなら、無理をしてTOEICスコアを取得する必要はないだろう。
「よくわからないけど、就活が始まるからTOEICでもやっておくか」の発想は危険だ。時間をかけてでもいいので、きちんと自己分析をするようにしよう。
ステップ2: TOEICを採用時に重視している企業を探す
TOEICをアピールするなら、TOEICスコアを重要視している企業を受けたい。
TOEICは主に、大手企業が導入している場合が多い。TOEICを持っていること自体が加点になる場合もあるため、あらかじめ調べておく必要がある。
対照的に、中小企業はTOEICに対する価値が低いことが多い。「わたしはTOEIC900点を持っています、キリッ」と言ったところで、「お、おぅ」のような反応になるのは容易に想像できる。
ステップ3: 就活で差別化できるTOEICスコアを知る
TOEICは990点満点の試験であり、リスニングとリーディングの2科目で構成されている。
国際ビジネスコミュニケーション協会によれば、全TOEIC受験者のうち大学生の平均は558点、国内上場企業228社が新卒応募者に求めるスコアは565点である。
ただ、TOEICをポテンシャルの一部である以上、上場企業が求める565点を持っているだけでは、PRの材料として弱い。
学生がTOEICで自己アピールをするのであれば、最低でも650点は持っておくべきであろう。650点であれば、全TOEIC受験者の上位35%に入ることができる。
就職活動において履歴書に書いて良い最低点: 650点
(トイグル)
もちろん、外資系企業や大手企業の海外部門への配属を希望するのであれば、より高いスコアが必要になる。
ステップ4: 目標スコアを取得する
ここまで準備が出来たら、あとは目標スコアに向けて努力するだけだ。
学生時代はサークル、飲み会、ゼミ、アルバイト、時々の授業(?)で忙しいかもしれないが、やると決めたら他の用事をいったんやめてでも、TOEICに集中すべきである。TOEICの優先順位を1位にすれば、時間は十分に取れるはずだ。
ステップ5: TOEICの見せ方を決める
努力の成果が実り目標スコアを取得できたら、次はTOEICスコアの「見せ方」を決める。
例えば、あなたが将来英語を使った仕事に就きたいと考えているなら、キャリアとTOEICを関連付けて説明できると良い。
- 自分は将来英語を使った仕事がしたい
- そのために英語を勉強し、TOEICで◯◯点を獲得した
- 御社◯◯部門は自分のキャリアビジョンと一致しており、これまでの努力が生かせる
- だから御社を志望した。入社後も向上心を高く持って、会社に貢献できる自信がある
面接では、本に書かれているような「模範解答」を読み上げるよりも、ストーリーを自分の言葉で語ることが重要である。人事を感動させれば、あなたは間違いなく内定を手にするだろう。
4. まとめ
当エントリーでは、TOEICを生かして就職活動を行う方法について説明してきた。
就職活動は、あなたのポテンシャルを企業にアピールする一連のプロセスを指す。高いポテンシャルとTOEICスコアが組み合わされば絶大な効果を発揮する。
*当記事を読んでもっと知りたいと思った方は、次のエントリーも参考にしていただきたい。
- TOEICスコアの仕組みはこちら⇒TOEIC受験者が必ず知っておくべきスコアの仕組み
- TOEIC勉強法はこちら⇒現役TOEIC講師が教える成果が120%出る勉強法
Good luck!