制限用法と非制限用法の違い!コンマつき関係代名詞の使い方をわかりやすく説明します

関係代名詞の非制限用法

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

英語の関係代名詞には、コンマがつかない場合(制限用法)コンマがつく場合(非制限用法)の2つがある。英語を学習中のあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?

  • コンマつき関係代名詞とは何か?
  • コンマなしとコンマつき関係代名詞の違いは?
  • コンマの判断をどのようにすればいい?

そこでトイグルでは、関係代名詞の非制限用法について詳細を解説していきたい。学習の参考になるはずだ。

1. 制限用法と非限定用法の違い

制限用法と非制限用法の違いは、概略、次のようになる。


  • 制限用法(コンマなし): 先行詞を限定・区別する
  • 非制限用法(コンマつき): 先行詞に追加的な説明をする


制限用法はコンマなし関係代名詞のことで、先行詞を限定・区別するはたらきを持つ。関係代名詞として習うものの多くが通常、これに該当する。非制限用法はコンマあり関係代名詞のことで、先行詞に追加的な説明をするはたらきを持つ。

例を見てみよう。次の2つの文は、コンマの有無によって、意味が若干異なる:

  • (1) My friend who is Taiwanese is coming to Japan. (台湾人の友人が日本に来る)
  • (2) My friend, who is Taiwanese, is coming to Japan. (私の友達が日本に来る、その人は台湾人です)

(1)は制限用法(コンマなし)が使用されている例。制限用法は先行詞を限定するはたらきを持つ。「他の国ではなく、台湾から来る友人」といったニュアンスで、その人物を特定している。

(2)は非制限用法(コンマあり)が使用されている例。非制限用法は先行詞に追加的な説明をするはたらきを持つ。「私の友人が日本に来る。そうそう、彼(彼女)は台湾人なんです」といったニュアンスである。

英語で制限用法と非制限用法を分ける理由は、このような意味の違いによって、話し手が意図する内容を的確に表現するためである。

制限用法と非制限用法の違い一覧は次のとおり。

制限用法と非制限用法の違い

会話ではポーズを入れる
文章では「, (コンマ)」を入れるが、会話ではポーズ(間)によって非制限用法を表現する。

関係代名詞一般の使い方はこちら
非制限用法について理解するには、まずは関係代名詞一般の知識が必要不可欠である。関係代名詞については別記事でまとめているため、英語初心者の方はこちらを参照いただきたい。

2. 非制限用法の使い方

2-1. 非制限用法は先行詞に追加的な説明をする

  • (3) The book, which won this year’s Book Prize, is out now in paperback. (今年の書籍大賞を受賞したその本は、現在ペーパーバックで出回っている)

非制限用法のもっとも基本的な使い方は、先行詞に追加的な説明をすることにある。「おまけ情報」を加えると言ってもよい。

例文は非制限用法の関係節が「今年の書籍大賞を受賞した」として、「その本」におまけ情報を加えている。

非制限用法はあくまで追加的な情報に過ぎないので、関係節を除いても文の話題は変わらない。

  • (3′) The book, which won this year’s Book Prize, is out now in paperback. (その本は現在ペーパーバックで出回っている)

2-2. 固有名詞が先行詞の時は非制限用法を使う

  • (4) Taro Yamada, who has worked in retail more than 30 years, is a store manager. (30年以上小売業で働いてきた山田太郎が、店舗のマネージャーです)

先行詞が固有名詞の場合、原則的に非制限用法を使う。例文は「30年以上小売業で働いてきた山田太郎」の意味。

固有名詞と非制限用法の相性が良い理由(= 固有名詞に制限用法を使えない理由)は、固有名詞がすでに「特定」されているからである。

制限用法(コンマなし関係詞)は先行詞の意味を「限定」する役割を持つことを思い出そう。山田太郎という名前の人物は世界に複数いるかもしれないが、そのアイデンティティを持つ者は一人しかいない。山田太郎をさらに限定することはできないから、制限用法は使用不可。

尚、固有名詞であっても、Theをつければ制限用法で使用することもある:

  • (5) I know the New York that created so much amazing music. (私はたくさんの素晴らしい音楽を作ったニューヨークを知っている)

New Yorkは固有名詞だが、定冠詞theによって「私の知っているニューヨーク」を指すので、制限用法の関係詞thatを使用できる。

とは言え、こうした使い方はやや特殊であるから、まずは「固有名詞を先行詞とするなら非制限用法の関係詞を使う」と覚えておくとよい。

2-3. コンマの有無で文の解釈が変わることがある

  • (6) I have two sons who live in the Bay Area. (私にはベイエリアに住んでいる息子が2人いる)
  • (7) I have two sons, who live in the Bay Area. (私には息子が2人いるが、彼らはベイエリアに住んでいる)

コンマの有無で文の解釈が変わることがある。(6)は2人の息子がベイエリアに住んでいるが、話し手には他にも子供がいる可能性がある。(7)は逆に、話し手には息子が2人しかいないことを示唆している。なぜこのような解釈になるのだろうか?

まず、制限用法は先行詞の意味を限定するはたらきがある。(6)は「ベイエリアに住んでいる2人の息子」を取り上げているだけなので、「他の2人の息子はロンドンに住んでいる」と文を続けることも可能。

  • (8) I have two sons who live in the Bay Area and two other sons who live in London. (私にはベイエリアに住んでいる息子が2人と、ロンドンに住んでいる別の息子が2人いる)

一方、非制限用法はおまけ情報に過ぎないから、関係節の箇所を削除しても話題は変わらない。

  • (7′) I have two sons, who live in the Bay Area.

「私には2人の息子がいる」と言い切っているのだから、(話し手が嘘をついていない限り)息子がそれ以上いる可能性は排除される。結果、息子は2人との解釈が生まれる。

非制限用法の句読法
非制限用法では「, (コンマ)」のかわりに「― (ダッシュ)」や「( )」が使われることがある。

3. 非制限用法の応用的な使い方

3-1.文を先行詞にする非制限用法

  • (9) Logan promised his wife that he had quit drinking, which was a lie. (ローガンはお酒はやめたと妻に約束した、それは嘘だった)

非制限用法の関係詞は、直前の文全体を先行詞に取れる。例文の「それは嘘だった」は前の文「ローガンはお酒はやめたと妻に約束した」全体を指す。

3-2. 非制限用法の継続用法

  • (10) Gabriel received a document, which he read carefully. (ガブリエルは書類を受け取った、そして彼はそれを注意深く読んだ)
  • (11) We called the owner, who was not at the office at the time. (私たちはオーナーに電話した、しかし彼はその時事務所にいなかった)

本記事でこれまで紹介した非制限用法は、副次的な情報を追加する挿入用法だった。これに対し、非制限用法は<接続詞+代名詞>に置き換えられるような継続用法もある。

(10)は「ガブリエルは書類を受け取った」の後、「それを注意深く読んだ」の動作が継続している。2つの動作は連続的なので、意味的にandの関係にあると言ってよい。

(11)は「オーナーに電話した」の後、「彼はその時事務所にいなかった」としている。2つの動作は逆説的なので、意味的にbutの関係にあると言ってよい。

2つの例文を関係詞を使わず接続詞であらわせば、次のようになる:

  • (10′) Gabriel received a document, and he read it carefully.
  • (11′) We called the owner, but he was not at the office at the time.

継続用法の焦点は関係節の部分
継続用法は話題の中心が関係節部分にあるといってよい。これは挿入用法の関係節が「おまけの情報」だった点と対照的である。

3-3.非制限用法のwhichに関する様々な用法

  • (12) Helen got a driving licence, which fact surprised us. (ヘレンは運転免許を取った、その事実は私たちを驚かせた)
  • (13) Max was a massive chain-smoker, which I am not. (マックスは重度のチェーンスモーカーだった、私はそうではないが)
  • (14) It’s cold outside. Which means riding season is coming to a close. (外は寒い。これは乗馬シーズンがもう少しで終わることを意味する)

関係詞whichの非制限用法について、細かな用法をダイジェスト的に紹介したい。

(12)はwhichが関係形容詞として使われている例。which factは「その事実」の意味。

(13)はwhichが文の補語に相当する例。関係節は「私は(重度のチェーンスモーカー)ではない」の意味。

(14)はwhichが接続詞のように使われている例。前の節全体を受けて「これは…である」としている。

3-4. 同格と省略

  • (15) David Bouschor, a founder of the event, said dancing outside reflects Scottish tradition. (このイベントの主催者であるDavid Bouschorは、外で踊ることはスコットランドの伝統を反映していると言った)

コンマで挿入される同格表現は、関係詞+beを削除したものと捉えることもできる。例文は次のように言ってもよい:

  • (15′) David Bouschor, who is a founder of the event, said dancing outside reflects Scottish tradition.

同格表現はTOEIC長文問題に頻出
コンマを使用した同格表現はTOEIC長文問題に頻出する。上述のような非制限用法の一部を削除したものと考えれば意味を捉えやすい。

制限用法・非制限用法という分類について
学習文法では伝統的に制限用法・非制限用法という分類をしているが、これに反する例もしばしば見受けられる。制限的・非制限的と2分類することは必ずしも妥当と言えないが、一般に広く受け入れられている点と、英語を使う上でのおおよその指標になると考え、本記事でもその分類を採用した。

まとめ

この記事では、英語の非制限用法について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. 関係代名詞には制限用法と非制限用法がある
  2. 制限用法は先行詞を限定・区別する
  3. 非制限用法は先行詞に追加的な説明をする
  4. 制限用法・非制限用法で意味が変わることがある
  5. 非制限用法には接続詞で書き換えられる継続用法がある

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

12 COMMENTS

Emi

今回もわかりやすい説明ありがとうございます!

かちぇ

The book, which won this year’s Book Prize, is out now in paperback
の例文が自分には制限用法(本の中でも受賞した奴に特定している)にしか見えず納得できません。
The book which won this year’s Book Prize is out now in paperback
というのは違うのでしょうか?追加で解説をしてほしいです。

田邉竜彦

>かちぇ様

コメントありがとうございます。
説明不足、申し訳ありません。

例文(3)は以下のようなニュアンスで使われています。

The book is out now in paperback. By the way, the book won this year’s Book Prize. (その本が現在ペーパーバックで出回っています。ところで、その本は今年の書籍大賞を受賞しました)

非制限用法(コンマあり)の関係詞を使うことから、「その本」に対して追加の説明をしています。

さて、この文を制限用法(コンマなし)で使うことも、おそらく可能です。
その場合、「(本の中でも)書籍大賞を受賞したその本」のように、特定的な意味になります。

この辺りの違いは訳出しづらいため、(3)の例文は制限用法にも受け取れるような訳になっています。
英語の構造としては、上記のような違いがあること、ご了承ください。

kazu1000

田邉社長様
ありがとうございます。
この制限用法と非制限用法の違いを先行詞の品詞違いから文法的に解説している参考書が多い中、固有名詞であっても制限用法を用いる上記の貴例文「the New York that created ・・・」はすばらしい解説だと思います。

先行詞が普通名詞でも限定(特定・制限)できる場合は、非制限用法を用いるので、やはり究極は「文脈」から判断ですね。

I visited Horyuji today. The temple, which was built in 607, is known to be the oldest wooden building in the world.

田邉竜彦

>kazu1000様

コメントありがとうございます。
お役に立てたようで嬉しく思います。

ご指摘のように、非制限用法は文脈による判断が大事ですね。

こうした微妙なニュアンスの違いがわかると、英語を学ぶことが楽しくなってきます:)

sk

まだ非制限用法は頭から訳すという説明が多いです。語順の問題でなく、先行詞が制限されるかされないかということですね。語順だけで考えると「東京に住んでいる私の母は」をMy mother who lives in Tokyo のように誤って訳すことになります。

whyに非制限用法はあるのですか?参考者には ない と書いてありました。NextStageです。

田邉竜彦

>あ様

ご質問ありがとうございます!

基本的には、whyに非制限用法はないものと思われます。

秀ちゃん

I know the New York that created so much amazing music. (私はたくさんの素晴らしい音楽を作ったニューヨークを知っている)

New Yorkは固有名詞なのに、定冠詞が使えるのは、a world filled with hate (憎しみで満たされている世界)と同じように、唯一物の一側面(一様相)を表しているからでしょうか?
今回の例であれば、ニューヨークという都市の”素晴らしい音楽を沢山作り出してきた”という様相(側面)を指している点

秀ちゃん

固有名詞の修飾繋がりなのですが、the+人名などの例外を除いて固有名詞に冠詞は付かないと習った記憶があります。

Eゲイト英和辞典に、that beautiful Mt.Fuji という表現がありました。固有名詞に”非制限の形容詞”は付くことは出来るので、beautiful Mt. Fujiには疑問がありません。

疑問なのは、that が固有名詞に付くことは出来るのかという点です。
that は”あの”と限定しているように感じるのですが、beautiful と同様に非制限的な意味での”あの(彼処に見える)”という意味なら使えるということでしょうか?

連続での質問申し訳ありません。
宜しくお願い致します。

田邉竜彦

>秀ちゃん様

固有名詞に冠詞がつくことはありますね。

これはご指摘にように、固有名としてのニューヨークではなく、「たくさんの素晴らしい音楽を作ったニューヨーク」と限定しているからです。

thatの例も、theと同様に、(単なる富士山ではなく)「あの美しい富士山」と言っているからだと思います。

その意味で、修飾語のつかない*the Mt. Fujiや*that Mt. Fujiは不可と思われます。

また、固有名詞に不定冠詞a/anをつけることで、「固有名詞の普通名詞化(…という人/物)」が行われることもあります。

例: There is a Mr. Brown downstairs. (階下にブラウンさんという人がいるよ)

尚、今回のご質問の趣旨とは異なりますが、人名以外にもtheをつけるタイプの固有名詞はあります。

例:
山脈: the Alps
河川: the Thames
海洋: the Pacific

ただ、たとえば山の名前でも、theのつく固有名詞(the Alps)があれば、theのつかない固有名詞(Everest)もあるので、我々非ネイティブには大変困難なところです…

このメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、『現代英語冠詞事典』に有益な情報が載っているので、当方でも研究をしていることろです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です