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英語のfromとは、from Paris(パリから)やfrom 10 a.m.(10時から)などを典型的な用法とする前置詞である。
fromは複数の意味を持つ多義語であり、使い方を覚えるのが難しい。英語を勉強しているあなたは、「fromの用法がわからない」とお悩みではないだろうか?
そこでトイグルでは、前置詞fromの使い方について詳細を解説していく。fromと他の前置詞の違いも紹介するため、英語初級者から上級者まで、学習の役に立つはずだ。
1. 前置詞fromの中心的な意味は「起点」
fromを辞書で調べると、ジーニアス英和辞典には8、オックスフォード英英辞典には14、コウビルド英英辞典は20もの意味が掲載されている。「…から」の意味は覚えていても、正確な用法を知らない場合が多い。
実は、英語の前置詞は多くの場合、一つの核となる意味があり、それが比喩的に派生して異なる用法に発展している。fromの中核的な意味は「起点」であり、ほとんどすべての用法がこのイメージで解釈できる。
「起点」を理解するため、fromを使った2つの例を見てみよう:
- from London (ロンドンから)
- from my point of view (私に言わせれば)
「ロンドンから(from London)」はfromの典型的な用法であり、場所や位置といった物理的な対象を起点としている。「ロンドン発の電車(a train from London)」や「ロンドン出身の女性(a woman from London)」といった表現も同じ原理である。
次に、「from my point of view(私に言わせれば)」の例では、モノの見方(view)といった抽象的な存在を起点としている。私の視点を出発点とすることから、「私に言わせれば」の意味で解釈される。
これら2つの例を図にすると次のようになる。起点が物理的・観念的を問わず、fromは「起点」で共通することがおわかりいただけると思う:
fromには他にも複数の用法があるが、そのいずれも「起点」の意味の拡張で解釈できる。以下、fromの使い方の詳細を見ていこう。
2. 前置詞fromの使い方
前置詞fromは「起点」を中心的な意味として、そこから様々な用法に派生する。トイグルでは、前置詞fromの意味ネットワークを次のように定義した。
用法を1つずつ見ていこう。
2-1. 場所・時間を表すfrom
- (1) We had to walk from the station to Tokyo Tower. (私たちは駅から東京タワーまで歩かなければならなかった)
- (2) We are open from 9 a.m. to 5 p.m. everyday. (毎日9時から5時まで営業しています)
- (3) Prices range from $10 to $50. (価格は10ドルから50ドルまでです)
- (4) The light turned from red to green. (信号は赤から青になった)
(1)は場所の起点を表すfrom。駅(the station)を起点として、そこから歩いて東京タワーまで行ったことを意味する。
(2)は時間の起点を表すfrom。時間(9時)が起点として使われている。同様の考え方は、日にち(例: from today)や世紀(例: from the 20th centry)などにも応用できる。
(3)は数量の起点を表すfrom。場所や時間の例と同様に、fromは数を表す際も使える。例文では、10ドルから50ドルの価格があることがわかる。
(4)は変化・推移を表すfrom。これまでの例は起点(from)と着点(to)の範囲を示していたが、fromは状態変化を伴うケースにも使う。例文は「信号が赤を起点に変化して、青の状態に変わった」の意味。
2-2. 出所を表すfrom
- (5) I just received a phone call from a friend of mine. (ちょうど友人から電話を受けた)
- (6) I’m from France. (私はフランスから来ました)
- (7) This film is derived from Japanese folktales. (この映画は日本の民話に由来しています)
- (8) Paper is made from wood. (紙は木からできます)
(5)は出所を表すfrom。起点は何かの発生のもと(出所)としても解釈できる。例文は友人から電話がかかってきた(友人が出所)の意味。
(6)は出身を表すfrom。出身とは、すなわち人の出所の意味。
(7)は由来を表すfrom。映画、文学、ことばなどの起源を表す際に使える。「シェイクスピアからの引用(a quotation from Shakespeare)」など。
(8)は原料を表すfrom。原料・材料はモノの物質的な出所を指す。made ofとmade fromの違いについては、後ほど『3-2. 材料を表すmade ofとmade fromの違い』で説明したい。
2-3. 原因・理由を表すfrom
- (9) My wife died from cancer. (妻はがんで亡くなりました)
- (10) The questions arose from a sense of doubt. (質問は疑いの気持ちから起こった)
- (11) There are two ways you make money from investing. (投資からお金を稼ぐ方法が2つある)
- (12) From what I see, the device has been unlocked. (私の見たところでは, その装置はロックがかかっていなかった)
(9)は原因・理由を表すfrom。「がんを起点に亡くなった」は、がんが死去の原因・理由であることを示す。
(10)は動機を表すfrom。起点が物理的対象から考え方へと移った例。
(11)は手段を表すfrom。「投資という起点からお金を得た」は、手段と解釈できる。
(12)は判断の根拠を表すfrom。他にもFrom what I hear(私の聞いたところによると)やFrom what I understand(私の理解するところによると)などの定型表現がある。
2-4. 分離を表すfrom
- (13) Bake for 10 minutes and then remove it from the oven. (10分間焼き, そしてオーブンから取り出してください)
- (14) Children must be free from all forms of violence. (子供はあらゆる形の暴力から解放されなくてはならない)
- (15) Our hat will protect you from both sun and rain. (当社の帽子は日光と雨の両方からあなたを守ります)
- (16) Today’s hair salon is different from what it was before. (現代の美容室は以前のそれと異なります)
(13)は分離を表すfrom。起点となる「オーブン」に焦点が置かれ、そこから離れる様子が示されている。
(14)は解放を表すfrom。解放というと少し大げさだが、つまりは「ある概念からの分離」の意味。
(15)は防御を表すfrom。悪い状態から分離することで、結果的に防御となる例。prevent O from…(Oが…するのを妨げる)も防御・抑制を表すfromの一種。
(16)は区別を表すfrom。別のものから分離することは、区別・相違・比較をあらわす。
3. fromと他の前置詞の違い
fromは他の前置詞と比較することにより、用法の違いがいっそう際立つ。
ここでは、起点のfromと着点のtoの違い、材料を表すmade ofとmade fromの違い、時間を表すsinceとfromの違いについて説明していきたい。
3-1. 起点のfromと着点のtoの違い
fromは「…から」の意味で起点、toは「…へ」の意味で着点を表す。次の例文は名古屋が起点、京都が着点である:
- I travel from Nagoya to Kyoto. (私は名古屋から京都に移動します)
fromとtoは視点の違いを考える際にも役立つ。次の2つの文は本の貸し借りを表しているが、事態の捉え方が異なる:
- Kate lent the book to Jack. (ケイトはジャックに本を貸した)
- Jack borrowed the book from Kate. (ジャックはケイトから本を借りた)
上の例文(lent the book to Jack)は「貸す」という行為に焦点が置かれている。貸主ケイトの行動によって、本はジャックに到達した。
下の例文(borrowed the book from Kate)は「借りる」という為に焦点が置かれている。借り主ジャックの行動にかんして、本はケイトを起点に出発した。
このように、前置詞の選択は客観的状況だけで決まるものではなく、むしろ話し手が事態をどのように捉えるかに依存する。英語を話したり書いたりする予定のある方は、知識として覚えていきたい。
3-2. 材料を表すmade ofとmade fromの違い
ofとfromは共に材料を表す際に使えるが、ニュアンスが異なる。次の例を比較してみよう:
- The cabinet is made of wood. (その棚は木でできている)
- Yogurt is made from milk. (ヨーグルトは牛乳からできています)
上の例文(made of)は「まとまり」を表す前置詞ofが使われている。棚は完成後も木で作られたのがひと目でわかるように、原形をとどめる材料で構成される場合、前置詞ofが選択される。
下の例文(made from)は「起点」を表す前置詞fromが使われている。ヨーグルトは牛乳を加工して作られるが、製品となったヨーグルトに素材の姿形は見えない。このように、原形をとどめない材料でつくられる場合、前置詞fromが好まれる。
尚、筆者が見つけたユニークな実例として、複数の原料で構成される場合、made fromが使われていた:
- This protein-packed crepe recipe is made from four simple ingredients: quinoa, milk, eggs and salt. (このプロテイン入りクレープのレシピは4つの簡単な材料でてきています: キノア、牛乳、卵、塩です)
3-3. 時間を表すsinceとfromの違い
sinceとfromは共に時間を表す前置詞として使えるが、ニュアンスが異なる。次の2つの例を比較してみよう:
- George has lived in Tokyo since 2010. (ジョージは2010年から東京に住んでいる)
- George works from Monday to Friday. (ジョージは月曜日から金曜日まで働く)
上の例文(since 2010)には「…以来」を表すsinceが使われている。sinceはある過去の時点から現在(もしくは、ある過去の時点から別の過去の時点)までの継続を表すので、原則的に完了形で用いる。
下の例文(from Monday)には「起点」を表すfromが使われている。fromは着点を示さず、「(ある時間)から」の意味で始まりだけを示すため、完了形以外の時制で使用される。
ただし、Swanによれば、fromが「…の最初から」の意味で用いられる場合、完了形でも使用できる。次の2つの例文はどちらも使用可:
- From the moment they were married, they’ve quarrelled. (彼らが結婚した瞬間から喧嘩をしていた)
- Since the moment they were married, they’ve quarrelled. (彼らが結婚した瞬間から喧嘩をしていた)
病気など内的な理由で死ぬ場合はdie of, 怪我など外的な理由で死ぬ場合はdie fromを使うとされている. ただ, 現代ではdie from cancer(癌で死ぬ)と言うように、die of / die fromを区別せず使うことも多い.
4. まとめ
この記事では、英語の前置詞fromについて詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 前置詞fromは「起点」のイメージ
- 典型的な例は場所・時間の起点
- 出所、原因、理由、分離などにも使われる
- made ofは原料がわかる場合、made fromは原形をとどめない場合
- sinceは完了形と使う、fromは完了形以外の時制で使う
英語初級者の方は、基本的な用法である場所から覚えよう。中級者の方は比喩的に拡張された意味を理解すると良い。上級者の方は、他の前置詞との使い分けができると表現の幅が広がる。
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
of home , from home
E.
Ex. Halloween reminds me of home.
What’s your favorite festival event from home?
此処の of , from の使い方を教えてください。
>金子茂冨様
remind me of … ですが、「…の」の意味で、<属性・性質> をあらわします。
What’s your favorite festival event from home? に関しては、おそらく、「…からの」の意味で <出所> をあらわすものと思います。