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TOEIC Part5は、短文内の空白に最も適した語句を入れる、文法・リーディング問題である。
中でも、I, my, me, mineなどに代表される人称代名詞問題は難易度が低いため、TOEIC初心者の方でも解きやすい。
当エントリーでは人称代名詞問題に特化し、対策を解説していきたい。
*目次
1. 人称代名詞問題の解き方
まずは、人称代名詞問題を解く5つのステップを紹介しよう。
使用する例題はこちら。
As soon as Thiago Lima became a manager, _____ changed the start time of regular meetings.
- (A) he
- (B) his
- (C) him
- (D) himself
(トイグルオリジナル問題)
ステップ1: 4つの選択肢を1〜2秒程度で把握
はじめに、4つの選択肢を1〜2秒程度で眺める。
- (A) he
- (B) his
- (C) him
- (D) himself
選択肢にはhe, hisなどの代名詞が並んでいる。これは代名詞問題、より詳細に言うなら人称代名詞問題であることがわかる。
ステップ2: 設問文を読む
次に、空白を含む設問文全体を読む。
この時、文中の語句を意味のまとまりで分け、それを英語の語順のまま頭から理解すると良い。
先の例文は次のように解釈できる。
- As soon as / Thiago Lima / became / a manager, / _____ / changed / the start time / of regular meetings.
- 「〜するとすぐに、Thiago Limaが、〜になる、マネージャーに、◯◯は、変更した、開始時刻、通常のミーティングの」
空白は「, (コンマ)」の直後かつ動詞の前にある。コンマの前までは接続詞が使われていることから、空白は文の主たる主語の位置にあることがわかった。
ステップ3: 明らかに不正解な選択肢を除外する
この時点で、明らかに不正解と思われる選択肢を除外する。
TOEIC上級者の方であれば、(B)his, (C)him, (D)himselfが誤りであることに、すぐ気がつくだろう。
しかし、初級・中級者の方であれば、まだ判断ができないかもしれない。
ここはひとまず次のステップに進む。
ステップ4: 文法的に入りうる選択肢を選ぶ
Part5は文法と意味の両面からアプローチする。まずは、文法的に使用可能な選択肢を選ぶ。
空白は主語の位置にある。主語として使えるのは主格の人称代名詞、および所有代名詞だ。
- (A) he→主格
- (B) his→所有格
- (C) him→目的格
- (D) himself→再帰代名詞
主格の代名詞(A)heが正解候補となる。
ステップ5: 意味で選択肢を絞り込む
最後に、意味から正解の選択肢を絞り込む。
- As soon as / Thiago Lima / became / a manager, / _____ / changed / the start time / of regular meetings.
- 「〜するとすぐに、Thiago Limaが、〜になる、マネージャーに、◯◯は、変更した、開始時刻、通常のミーティングの」
- (A) he→彼/彼が
- (B) his→彼の
- (C) him→彼に
- (D) himself→彼自身
「彼が通常ミーティングの開始時刻を変更した」が意味的にも自然だろう。よって、正解は(A)heとなる。
このように、Part5では複数の人称代名詞から、文脈に合った適切な形を選ぶ力が問われる。
2. 人称代名詞一覧表
代名詞とは、this(これ)やit(それ)のように、名詞の代わりとして用いられる特定の語句を指す。中でも、人を指す代名詞は人称代名詞と呼ばれる。
以下、人称代名詞およびその関連語句一覧を表で見てみよう。
一覧表から明らかなように、人称代名詞は以下の4要素の組み合わせから決定する。
- 人称: 一人称(わたし)・二人称(あなた)・三人称(それ以外)
- 数: 単数・複数
- 性: 男性・女性・モノ
- 格: 主格・目的格・所有格
一見複雑に見えるが、一度慣れたら以後は直感的に選ぶことができる。
3. 人称代名詞問題 5つの出題パターン
人称代名詞一覧表を元に、それぞれの用法の出題パターンを解説していこう。
尚、再帰代名詞は人称代名詞とは異なるものの、選択肢に出現することが多々ある。同時に説明していきたい。
3-1. 主格が問われる問題
主格とは、人称代名詞が文の主語として使われる際の形である。
TOEICでは、主語の位置に空白があれば、主格が正解になる可能性が高い。
- 主語の位置が空白→主格の可能性
冒頭の例をもう一度見てみよう。
As soon as Thiago Lima became a manager, _____ changed the start time of regular meetings.
- (A) he
- (B) his
- (C) him
- (D) himself
(トイグルオリジナル問題)
主語の位置に空白がある。よって、正解は主格の(A)he。
「Thiago Limaはマネージャーになったらすぐに、通常ミーティングの開始時間を変更した」の意味となる。
3-2. 目的格が問われる問題
目的格とは、人称代名詞が動詞の目的語として使われる際の形である。
TOEICでは、動詞の直後、あるいは動詞+前置詞の直後に空白があれば、目的格を正解候補に入れよう。
- 目的語の位置が空白→目的格の可能性
例を見てみよう。
Smith told _____ that he was getting a new car.
- (A) we
- (B) us
- (C) our
- (D) ours
(トイグルオリジナル問題)
動詞told(話す)は、話す相手を目的語に取る。ちょうど目的語の位置が空白のため、正解は目的格の(B)us。
「スミスは新しい車を得ようとしていたと言った」の意味となる。
尚、目的語の位置には所有代名詞・再帰代名詞も入りうる。それらは後述する。
3-3. 所有格が問われる問題
所有格とは、人称代名詞が名詞の所有を表す用法である。例えば、my carなら「私の車」の意味となる。
TOEICでは、名詞の直前、あるいは形容詞+名詞の直前に空白があれば、所有格を正解候補に入れよう。
- 名詞の直前が空白→所有格の可能性
- 形容詞+名詞の直前が空白→所有格の可能性
例を見てみよう。
All employees are advised to bring _____ wallet while going out for lunch.
- (A) they
- (B) their
- (C) them
- (D) themselves
(トイグルオリジナル問題)
空白は動詞bringの目的語の位置にある。目的格(C)themはそれ単体で用いるため、空白+walletの位置には不適格。
よって、walletの所有者を表す(B)theirが正解。their wallet(彼らの財布)が動詞bringの目的語となる。
意味は「すべての従業員は、昼食に出る間、彼らの財布を持っていくよう助言される」
3-4. 所有代名詞が問われる問題
所有代名詞は「〜のもの」の意味で、主語の所有物を表す用法である。
TOEICでは、主語あるいは目的語が空白で、意味的に「〜のもの」に合う場合、所有代名詞の可能性を検討しよう。
- 主語が空白→所有代名詞の可能性
- 目的語が空白→所有代名詞の可能性
それぞれ、簡単な例を見てみよう。
- 主語に所有代名詞: Yours is better. (あなたのはより良い)
- 目的語に所有代名詞: I took mine. (私は自分のものを取った)
尚、所有格と所有代名詞の違いは、所有格が名詞と共に使われるのに対し、所有代名詞はそれ単体で使用する。
- 所有格: This is my wallet. (これは私の財布)
- 所有代名詞: This is mine. (これは私のもの)
3-5. 再帰代名詞が問われる問題
再帰代名詞は「〜自身」の意味で、行為の対象が主語自身、あるいは主語の行為を強調する際に使う。
TOEICでは、以下のような場面で再帰代名詞が問われる。
- 動詞の目的語が空白
- 前置詞の目的語が空白
- 完全文+空白
- 主語と動詞の間が空白
それぞれ、例を見てみよう。
- 動詞の目的語: We’ll hurt ourselves if we are not careful. (私たちは私たち自身を傷つける、もし注意していなければ)
- 前置詞の目的語: We made something for ourselves. (私たちは私たち自身のために何かを作った)
- 完全文+再帰代名詞: We planned this project ourselves. (私たちはこのプロジェクトを私たち自身で計画した)
- 主語と動詞の間: We ourselves have tested the plan. (私たち自身でその計画をテストした)
尚、再帰代名詞と目的格を混同してしまう受験者は多い。
1つの目安として、主語と空白の代名詞が同じ人物であれば再帰代名詞が使える、と覚えておこう。
- 再帰代名詞: We made something for ourselves. (We = ourselves)
- 目的格: Smith told us that he was getting a new car. (Smith ≠ us)
4. まとめ
当エントリーでは、Part5 人称代名詞問題の解き方を解説してきた。
当記事を読んでもっと知りたい!と思った方は、こちらの記事も参照いただきたい。
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