海外のメンバーとSlackやTeamsでやり取りすることになり、「英語でなんて書けばいいの?」「この返信、失礼になっていない?」と、送信ボタンを押す前に手が止まってしまう人は多いでしょう。
筆者自身も、アメリカ企業でのインターンシップを経験する中で、英語でのチャットコミュニケーションに戸惑う場面がありました。
メールと同じ感覚で丁寧に書こうとすると、かえって要点がぼやけてしまい、チャットならではの書き方との違いを実感しました。
しかし、英語のビジネスチャットには「暗黙のルール」と「定番パターン」があり、それさえ知れば、短い英語でも問題なくやり取りできます。
この記事では、イギリスの大学院で経営学修士号(MBA)を取得し、アメリカ企業でのインターンシップを経験した筆者が、英語チャットの暗黙ルール、場面別フレーズ、そして実際のやり取りの実例をわかりやすく紹介します。
SlackやTeams、Google Chatなど、どのツールでも使える内容です。自信を持ってメッセージを送れるよう、一緒に準備していきましょう。
英語ビジネスチャットで知っておきたい3つの暗黙ルール
英語のビジネスチャットには、日本語のメールとは異なる暗黙のルールがあります。
相手の簡潔な返信を冷たく感じたり、丁寧さを意識するあまり冗長になって要点が伝わりにくくなったりしないよう、まずは英語チャットでよく見られる3つのルールを確認していきましょう。
1. メールのような形式的な挨拶は不要
英語のビジネスチャットでは、メールで使う “Dear Mr. Smith” や “I hope this email finds you well.” のような形式的な挨拶は使いません。
チャットは「会話」の延長と考えられているからです。
“Hi Tom,” のひと言だけ、あるいは挨拶なしでいきなり用件から入っても、失礼にはあたりません。
日本語の「お疲れ様です。お忙しいところ恐れ入りますが…」にあたる前置きを英訳して送ると、かえって本題が伝わりにくくなってしまいます。
まずは、「挨拶は短く、すぐ用件に入る」のがチャットの基本と覚えておきましょう。
挨拶が短くて良いとはいえ、“Hi” や “Hello” だけを送って相手の返事を待つのは、避けたほうが無難です。
相手は用件がわからないまま返信を求められるため、英語圏では “no hello”(挨拶だけのメッセージはやめよう)と呼ばれ、敬遠される傾向があります。
“Hi Tom, quick question about the report.”(トムさん、レポートについてちょっと質問です)のように、挨拶と用件をセットで送るのがスマートです。
2. 要件は短く、結論から伝える
英語のビジネスチャットでは、長文のメッセージは最後まで読まれないことがあります。
チャットの多くは、仕事の合間に流し読みされるからです。
伝えたいことがある時は、結論やお願いごとを最初の1文で伝え、詳細を後から補足するのが基本です。詳細が多い場合は、箇条書きにしましょう。
また、メッセージの冒頭に「これが何の連絡か」を示すラベルをつけると、相手は一目で内容を判断できます。
- FYI: …(ご参考まで:共有のみで返信不要)
- Quick question: …(ちょっとした質問です)
- Heads-up: …(事前のお知らせです)
3. 絵文字リアクションも立派な返信
英語圏のビジネスチャットでは、👍などの絵文字リアクションが「読みました」「了解です」という正式な返答として機能します。
日本の感覚だと「絵文字だけでは軽すぎるのでは」と不安になるかもしれませんが、ビジネスの場でも普通に使われています。
逆に、相手から👍だけが返ってきても、雑に扱われているわけではありません。「了解しました、返信は不要です」というサインです。
よく使われるリアクションの例は、以下の通りです。
- 👍(了解しました/OKです)
- ✅(対応しました/完了です)
- 🙏(ありがとうございます/お願いします)
- 👀(いま確認しています)
チャットは本来、お互いの好きなタイミングで返信する「非同期コミュニケーション」が前提のツールです。
集中して作業する時間を確保するために、通知を一時的にオフにする文化も広く受け入れられています。
すぐに返信できなかった時は、後から “Sorry for the late reply.”(返信が遅くなってすみません)とひと言添えれば十分です。
ただし、相手が返答を待っている依頼や質問の場合は、“I’ll get back to you by tomorrow.”(明日までにお返事します)のように、目安だけ先に伝えておくと親切です。
そのまま使える場面別チャットフレーズ集
ここでは、英語のビジネスチャットでそのまま使える基本フレーズを、6つの場面別に紹介します。
どれも短くシンプルな表現なので、コピーして使ううちに、自然と手が覚えていきます。
1. あいさつ・声をかける時
同僚に相談ごとがある時は、いきなり長文を送るのではなく、まずひと言声をかけましょう。
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Hi Tom, do you have a minute?
(トムさん、今ちょっといいですか?)
急ぎでない場合は、“No rush.”(急ぎではありません)を添えると、相手は自分のタイミングで返信できます。
2. 依頼する時
何かをお願いする時は、“Could you ~?” を使うと、チャットでも丁寧さを保てます。
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Could you take a look at this file when you get a chance?
(手が空いた時に、このファイルを確認してもらえますか?)
期限がある場合は、“by EOD”(今日の終業まで)や “by Friday”(金曜まで)のように、期限をはっきり書くのがチャットのマナーです。曖昧にすると、お互いの認識がずれてしまいます。
3. 質問・確認する時
認識のズレを防ぎたい時は、“Just to confirm, ~”(確認ですが〜)が便利です。
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Just to confirm, the deadline is this Friday, right?
(確認ですが、締め切りは今週の金曜ですよね?)
ちょっとした質問なら、冒頭に “Quick question:” とつけると、相手も気軽に答えやすくなります。
4. 承諾・感謝を伝える時
依頼を引き受ける時は、長い文章は必要ありません。短い定番フレーズでテンポよく返しましょう。
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Sounds good. Will do!
(いいですね。やっておきます!)
“Will do.” は「やっておきます」を表す定番の返事です。感謝を伝える時は “Thanks for the quick reply!”(早速の返信ありがとうございます!)もよく使われます。
5. 離席・不在を伝える時
離席や休暇の予定は、先に共有しておくとお互いに安心です。
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I’ll be away tomorrow. I’ll reply to your message on Thursday.
(明日は不在にします。メッセージへの返信は木曜に行います。)
OOOは “out of office”(不在)の略です。ランチなどの短い離席なら、“Stepping out for lunch. Back in an hour.”(ランチに出ます。1時間で戻ります)のように伝えましょう。
6. 話を切り上げる・締める時
やり取りが終わったら、次のひと言で締めると、印象良く会話を終えられます。
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Thanks, that’s all I needed!
(ありがとうございます、知りたいことは全部わかりました!)
軽いやり取りなら、👍のリアクションだけで締めても問題ありません。
英語ビジネスチャットの実例3選
実際のチャットのやり取りをイメージできるよう、3つのシーン別に会話の実例を紹介します。
フレーズ単体ではなく、「やり取りの流れ」ごと頭に入れておくと、実際の場面でも自然に対応できるようになります。
1. 仕事を依頼された時のやり取り
シチュエーション
海外の同僚から、チャットでレポートの更新を依頼されました。不明点を質問してから引き受け、完了を報告するまでの流れです。
\会話の例/

Hi, could you update the sales report by end tomorrow?
(明日の終業までに、売上レポートを更新してもらえますか?)
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Sure, will do. Should I include the Q2 numbers as well?
(了解です。第2四半期の数字も入れたほうがいいですか?)

Yes, please. Just the summary is fine.
(はい、お願いします。サマリーだけで大丈夫です。)
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Got it. I’ll share it here when it’s ready.
(わかりました。できたら、ここで共有しますね。)
作業が完了したら、同じスレッドで報告します。
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Done! Here’s the updated report. Let me know if anything is missing.
(完了しました!こちらが更新版のレポートです。足りないものがあれば教えてください。)

Perfect, thanks! 👍
(完璧です、ありがとう!👍)
完了報告は “Done!” のひと言から始めるのが定番です。“Let me know if anything is missing.”(足りないものがあれば教えてください)と添えると、丁寧な印象で締められます。
2. 進捗を聞かれた時のやり取り
シチュエーション
作成中のプレゼン資料について、海外の同僚から進捗を聞かれました。遅れそうな状況を正直に伝え、新しい目処を共有する流れです。
\会話の例/

Hi, how’s the presentation going?
(プレゼン資料の進み具合はどうですか?)
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It’s about 70% done. I’m still working on the budget section.
(7割ほど終わっています。予算のセクションをまだ作成中です。)

OK. Will it be ready by Friday?
(わかりました。金曜までに間に合いそうですか?)
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To be honest, I might need one more day. I’m waiting for the data from the finance team.
(正直なところ、あと1日かかりそうです。財務チームからのデータ待ちです。)

No problem. Monday morning works too.
(問題ないですよ。月曜の朝でも大丈夫です。)
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Thanks! I’ll have it ready by then.
(ありがとうございます!それまでに仕上げます。)
遅れを伝える時は、理由と新しい目処をセットで伝えるのがポイントです。“To be honest,”(正直なところ)と切り出せば、率直に状況を共有する姿勢が伝わります。
3. 会議の日程調整のやり取り
シチュエーション
新しいプロジェクトについて相談するため、海外の同僚と打ち合わせの日程を調整します。候補日を出し合い、確定するまでの流れです。
\会話の例/
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Ed, could we set up a quick call to discuss the new project?
(エドさん、新しいプロジェクトについて、短い打ち合わせをお願いできますか?)

Sure! How about Wednesday at 2 pm?
(もちろんです!水曜の14時はどうですか?)
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Sorry, I have another meeting then. Would Thursday morning work for you?
(すみません、その時間は別の会議があります。木曜の午前中はいかがですか?)

Thursday at 10 am works for me.
(木曜の10時なら大丈夫です。)
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Great, I’ll send you an invite. Talk to you then!
(よかったです。招待を送りますね。当日よろしくお願いします!)
“Would ~ work for you?”(〜はご都合いかがですか?)は、日程調整の定番表現です。時差のあるメンバーとやり取りする時は、“10 am JST” のようにタイムゾーンを明記しましょう。
英語チャットで頻出の略語15選
英語のビジネスチャットでは、タイピングの手間を減らすために略語が頻繁に使われます。
知らないと「何のこと?」と戸惑ってしまうため、よく使われる15個をまとめました。
| 略語 | 元の英語 | 意味 |
|---|---|---|
| FYI | for your information | ご参考まで(返信不要の共有) |
| ASAP | as soon as possible | できるだけ早く |
| EOD | end of day | 今日の終業まで |
| EOW | end of week | 今週末まで |
| TBD | to be determined | 未定 |
| LMK | let me know | 教えてください |
| OOO | out of office | 不在・休暇中 |
| WFH | working from home | 在宅勤務 |
| BRB | be right back | すぐ戻ります |
| IMO | in my opinion | 私の意見では |
| TL;DR | too long; didn’t read | 長文の要約 |
| btw | by the way | ちなみに |
| np | no problem | 問題ありません・どういたしまして |
| thx | thanks | ありがとう |
| ICYMI | in case you missed it | 見逃した方のために |
略語は「受け手として理解できる」ことが最優先です。自分から使うのは、FYIやASAPなどの定番だけで十分です。BRBやthxはカジュアル度が高いため、気心の知れた同僚とのやり取りに向いています。
まとめ:暗黙ルールと定番パターンを覚えて、気軽に英語チャットできるようになろう
英語のビジネスチャットは、メールとは違う「会話」のためのツールです。
まずは、この記事で紹介した3つの暗黙ルールを押さえておきましょう。
- 形式的な挨拶は不要。挨拶は短く、すぐ用件に入る。
- 要件は結論から。長くなる時は箇条書きにする。
- 絵文字リアクションも、立派な返信として使われる。
チャットで評価されるのは、完璧な英文よりも、「速く、短く、わかりやすい」コミュニケーションです。
今回紹介したフレーズや実例を参考に、まずは短いひと言から、気軽にやり取りを始めてみてくださいね。