英語前置詞の省略とは?省略の法則と見分ける方法を説明

前置詞の省略

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英語では一定の条件の下で前置詞の省略が起こる。

たとえば、I read a newspaper every day. (私は毎日新聞を読む)では、every dayの前に前置詞onが省略されている。

英語を勉強しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?

  • 前置詞はどのような条件で省略されるのか?
  • 前置詞の省略はなぜ起こるのか?
  • 前置詞の省略を見抜くにはどうすればいいか?

そこでトイグルでは、前置詞の省略について詳細を解説していきたい。学習の参考になるはずだ。

1. 前置詞の省略は義務的または随意的に起こる

英語の前置詞とは、at、on、inなどに代表される語(または句)である。前置詞は時間、場所、方向などをあらわす際に用いられる。

英語では場合によって前置詞が省略されることがある。例を見てみよう。

  • (1) I will try it again next Monday. (次の月曜日に再び試してみます)
  • (2) I will give you a call (on) Monday. (月曜日に電話をします)

(1)は本来あるべき前置詞onが省略されている例である。「next+名詞」では前置詞は必ず省略される。

(2)は前置詞onの省略が「可能」な例である。前置詞は省略してもしなくてもどちらでもよい。

このように、英語の前置詞は(1)のように省略が義務的な場合と、(2)のように省略が随意的な場合(= どちらでもよい場合)がある。

前置詞の省略を見抜くには、文構造を分析することで、本来前置詞があるべき箇所を見つけ出せばよい。

先ほどの例文をもう一度見てみよう(2は前置詞onを省略した状態である)。

  • (1′) I / will try / it / again / next Monday.
  • (2′) I / will give / you / a call / Monday.

(1′)は述語動詞try、目的語it、修飾語againが存在するため、next Mondayが浮いてしまっている状態だ。この直前には何かしらの前置詞があった(しかし’next’がつくので義務的に省略された)と考える。

(2′)も同様に、述語動詞give、間接目的語you、直接目的語a callが存在する。Mondayだけが浮いてしまっているので、前置詞の省略があると考える。

もっとも、(1)のnext Mondayなどは、ほとんど固定化されている表現である。学習上はフレーズとして覚えてしまって差し支えない。

以下、前置詞の省略について、義務的な場合と随意的な場合の例をより詳しく見ていく。

前置詞の省略は慣習による
以上に述べた前置詞の省略は、その多くがルールと言うより慣習によるものである。つまり「なぜ前置詞が省略されるのか?」と言えば、それは「長年英語が使われる中で徐々にそうなっていった」ということである。

2. 前置詞を義務的に省略する場合

いくつかの条件に当てはまる場合、文中の前置詞は義務的に省略される。

以下、例文とともに見ていこう。

2-1. last, next, thisなどがつく場合

  • (3) I saw him last Friday. (私は彼を先週の金曜日に見た)
  • (4) See you next year. (来年会いましょう)
  • (5) This morning all the windows were open. (今朝、全部の窓が開いていた)
  • (6) I was busy that afternoon. (私はあの午後忙しかった)
  • (7) My health is not so good these days. (近頃、私の健康は良くない)

「last/next/this/that/these+名詞」では、前置詞は義務的に省略される。

(3)はlast、(4)はnext、(5)はthis、(6)はthat、(7)はtheseが用いられている例である。

2-2. some, everyなどがつく場合

  • (8) I wish to go back there some day. (いつかそこに戻りたいと願っている)
  • (9) You may see him any day you like. (彼には好きな日に会えますよ)
  • (10) Every winter I make a trip to the U.S. (毎年の冬、私はアメリカに旅行する)
  • (11) That dream will come true one day. (その夢はある日叶うだろう)
  • (12) We worked all evening. (私たちは一晩中働いた)

「some/any/every/one/all+名詞」では、前置詞は義務的に省略される。

(8)はsome、(9)はany、(10)はevery、(11)はone、(12)はallが用いられている例である。

2-3. today, yesterdayなどがつく場合

  • (13) I had a wonderful time today. (私は今日、素晴らしい時を過ごした)
  • (14) I was there yesterday. (私は昨日、そこにいた)
  • (15) I’ll try that tomorrow. (明日それをやってみましょう)
  • (16) I’ll see you tomorrow morning. (明日の朝にお会いしましょう)
  • (17) I ordered it yesterday afternoon. (昨日の午後にそれを注文した)

today、yesterday、tomorrowなどが使われる時、前置詞は義務的に省略される。

tomorrow morningやyesterday afternoonのような表現も同様である。

2-4. that節の前

  • (18) Be aware that this idea is far from original. (この発想はオリジナルのものと程遠いことを自覚してください)

本来、前置詞があるべき位置の直後にthat節が用いられる場合、前置詞は義務的に省略される。

(18)はBe aware of…(…を自覚してください)が元の形だが、thatの存在により、ofが省略されている。

3. 前置詞を随意的に省略する場合

いくつかの条件に当てはまる場合、文中の前置詞は明示してもよいし、省略してもよい。

以下、例文とともに見ていこう。

3-1. 期間、時間、距離などをあらわす場合

  • (19) We stayed there (for) two weeks. (私たちはそこに2週間滞在した)
  • (20) (At) What time did you get home? (何時に家につきましたか)
  • (21) We walked (for) 4 kilometers. (4キロメートル歩きました)

前置詞を含む句が期間、時間、距離などをあらわす場合、前置詞は省略してもよい。

(19)は期間、(20)は時間、(21)は距離をあらわす例である。

用語の解説
こうした性質を持つ名詞句は「副詞的目的格」と呼ばれる。

3-2. 曜日を表す名詞の前

  • (22) The video was posted around 2 p.m. (on) Sunday. (その動画は日曜日の2時頃に投稿された)

曜日をあらわす名詞の前では前置詞が省略されることがある。省略がある場合、より<くだけた>言い回しになる。

尚、『2-2. some, everyなどがつく場合』で説明したように、曜日をあらわす名詞にeveryなどがつく場合、前置詞の省略は義務的となる。

  • (23) Every Saturday the park hosts the Green Market. (毎週土曜日、その公園はグリーンマーケットを開催する)

3-3. ofを用いて形容詞的な働きをする名詞句

  • (24) When I was (of) your age, I had long hair. (私があなたの年齢だった時、長髪だった)
  • (25) (Of) What color is your hair? (あなたの髪は何色ですか)

「of+名詞」が年齢・形・大きさ・種類などをあらわす場合、ofは省略されることがある。

記述の対格
「ofを用いて形容詞的な働きをする名詞句」は「記述の対格」とも呼ばれる。詳しくは別記事で解説しているので、より深く知りたい方は参照いただきたい。

3-4. 動名詞の前

  • (26) I spent my time (in) reading. (読書に時間を費やした)

前置詞の目的語に動名詞を用いる場合、前置詞が省略されることがある。

3-5. 不定詞の中

  • (27) London is a good place to live (in). (ロンドンは住むのに良い場所だ)

to不定詞の内部に前置詞が用いられる場合、省略されることがある。

3-6. 疑問詞が導く節

  • (28) I always worry (about) how I get along with my coworkers. (私はいつもどうやって同僚と仲良くすればいいか心配している)

疑問詞によって導かれる節が前置詞の目的語になる場合、前置詞は省略されることがある。

4. まとめ

この記事では、前置詞の省略について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. 英語の前置詞は省略されることがある
  2. 名詞にnextなどがつくと前置詞は義務的に省略される
  3. 期間や距離をあらわす場合に前置詞は随意的に省略される
  4. 省略の多くは慣習による

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

2 COMMENTS

When I was (of) your age, I had long hair. (私があなたの年齢だった時、長髪だった)
(Of) What color is your hair? (あなたの髪は何色ですか)

これは、例として元の文に直すと
When I was 12 years old. (old:形容詞) → of + 抽象名詞(age)で形容詞に
Your hair is red. (red:形容詞) → of + 抽象名詞(what color)で形容詞に

このような感じの理解で正しいでしょうか?

田邉竜彦

>悠様

When I was (of) your ageとWhen I was 12 years oldでは、文中の要素(語彙)が異なりますので、単純に比べるのは少し難しいですね。
(of your ageがもともとX years oldだったというわけではありません。)

はじめの英文に注目すると、When I was your ageという箇所にて、そこにはofの省略があり、of your ageが形容詞の働きをする(専門用語で「記述の対格」と言います)と考えられるとよろしいかと思います。

Your hair is red.の例も同様にお考えください。

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