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英語の目的格とは、主に目的語の名詞に対して付与される格である。
英語を勉強しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 目的格とはそもそも何…?
- 目的格はどのような場面で使う…?
- 目的格を学ぶ際の注意点とは…?
そこでトイグルでは、英語の目的格について詳細を解説していく。学習の参考になるはずだ。
1. 目的格は主に目的語に使われる格
英語の格とは、名詞や代名詞の語形が、文中での使われ方によって変化することである。
学習英文法では一般に、主語に用いられる格を主格、目的語に用いられる格を目的格、所有をあらわす格を所有格として区別する。
この記事で扱うのは目的格である。例を見てみよう。
- (1) I met Susan. (私は昨日スーザンに会った)
(1)では動詞の目的語であるSusan(スーザン)に目的格が付与されている。これは、Susan(スーザン)を代名詞で置き換えた時、目的格が選択されることからも明らかである。
- (2) I met her. (私は彼女に会った)
現代英語の名詞では、主格と目的格の語形は変わらない。したがって、格を判断するのは、もっぱら文中での位置である。
例えば、同じSusan(スーザン)という語でも、それが主語の位置にあるときは主格、目的語の位置にあるときは目的格が付与されていると考える。
- (3) Susan met Keith. (スーザンはキースに会った)
- (4) Keith met Susan. (キースはスーザンに会った)
以下、目的格の詳しい用法を見ていこう。
2. 目的格の使い方
目的格は動詞の目的語、前置詞や形容詞の目的語、形容詞的なはたらき、副詞的なはたらきなどをする。
2-1. 動詞の目的語
- (5) We discussed the issue yesterday. (私たちは昨日その問題を話し合った)
- (6) I gave him a call. (彼に電話しました)
目的格は、動詞の目的語となる名詞に付与される。(5)は他動詞の目的語、(6)は二重目的語構文(SVOO)の直接目的語の例である。
2-2. 前置詞や形容詞の目的語
- (7) My cat sleeps in my room. (飼い猫は私の部屋で寝ます)
- (8) This type of credit card is worth considering. (このタイプのクレジットカードは検討に値します)
目的格は、前置詞や形容詞の目的語となる名詞にも付与される。(7)は前置詞の目的語、(8)は形容詞の目的語の例である。
注: worth(…の価値がある)やlike(…のような)のような一部の形容詞は、直後に目的語となる名詞をとる。辞書によってはこれらは前置詞扱いされることもある。
2-3. 形容詞的な働きをする目的格
- (9) When I was your age, I would sleep half the day. (私があなたの年齢の時、一日の半分は寝ていたものだ)
- (10) We call her Momo. (私たちは彼女をモモと呼ぶ)
- (11) I have a daughter about your age. (あなたと同い年ぐらいの娘がいます)
年齢、色、形、大きさなどをあらわす名詞が、補語や他の名詞の修飾といった具合に、形容詞的な働きをすることがある。この時の名詞は一般に目的格と言われる。
(9)はyour age(あなたの年齢)が主語補語として使われている例である。of your age(あなたの年齢)のofが省略されたものと考えるとよい。
(10)はMomo(モモ)が目的語補語として使われている例である。いわゆるSVOCのC(補語)に当たる。
(11)のabout your age(あなたと同い年ぐらい)は直前のa daughter(娘)を後ろから修飾しているものである。
注1: 斉藤・安井が『講座・学校英文法の基礎 名詞・代名詞』で指摘するように、ofが省略された後の名詞を「目的格」と捉えるのは、いささか無理があるように思える。むしろ、主格と言っても良いかもしれない。
注2: こうした区別は、学問的な観点から英語を正確に分類するには役立つ。ただし、英会話にせよTOEICにせよ、使える英語を身につけたい一般学習者にとっては、あまりこだわらなくてもよいものである。
2-4. 副詞的な働きをする目的格
- (12) I read your book last night. (私は昨晩あなたの本を読みました)
- (13) We walked four miles. (4マイル歩いた)
- (14) James is four years old. (ジェームスは4歳です)
- (15) Think about it this way. (この方法で考えなさい)
- (16) I am trying to solve this problem step by step. (この問題を一歩一歩解決するようにしている)
時間、距離、程度、方法などをあらわす名詞は、副詞のような使われ方をすることがある。この時の名詞は目的格である。
(12)は時間、(13)は距離、(14)は年齢、(15)は方法をあらわす例である。(16)のように対句表現で用いられることもある。
2-5. 目的格の他の用法
- (17) We had no objection to her going forward. (彼女が前進することに異論はなかった)
- (18) I like him to be successful. (私は彼に成功してほしい)
- (19) I heard my name called. (私は名前を呼ばれるのを聞いた)
(17)は目的格の名詞が動名詞の意味上の主語として使われている例である。動名詞つき対格とも呼ばれる。
(18)は目的格の名詞が不定詞の意味上の主語として使われている例である。不定詞つき対格とも呼ばれる。
(19)は目的格の名詞が分詞の前にあらわれている例である。分詞つき対格とも呼ばれる。知覚動詞が用いられることが多い。
3. まとめ
この記事では、英語の目的格について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 目的格は主に目的語に付与される格
- 目的格は他動詞の目的語に使われる
- 目的語は前置詞や形容詞の目的語にも使われる
- 目的格が形容詞や副詞的な働きをすることがある
- 目的格が動名詞や不定詞の意味上の主語になることがある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!