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英語の文を読んでいると、in whichやto whomのような前置詞+関係代名詞に出くわすことがある。
英語を勉強しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 前置詞つき関係代名詞とはそもそも何?
- 前置詞つき関係代名詞はどんな構造になっている?
- どのような場面で前置詞つき関係代名詞を使うのか?
そこでトイグルでは、前置詞つき関係代名詞について詳細を解説していく。学習の参考になるはずだ。
1. 前置詞つき関係代名詞の仕組み
前置詞つき関係代名詞について理解するには、実際の使用例を使うのがよい。次の英文を見てみよう:
- (1) That is the house in which I lived. (あれが私の住んでいた家です)
前置詞つき関係代名詞in whichが使われている。これを関係代名詞を使わず2つに分けると、次のようになる:
- (1′) That is the house. I lived in the house. (あれがその家です。私はその家に住んでいました)
2つの文のthe house(その家)は同じ対象を指す。liveは「住む」の意味の動詞(自動詞)だが、住んでいる場所を示すにはlive inと言うのがふつう。
ここで登場するinが、in whichに用いられる前置詞の正体である。関係代名詞を使って文を1つにつなげたときも、前置詞inは文中のいずれかの位置に残留する。
先ほどの例文をつくる手順は次のとおりである:
- That is the house. I lived in the house. <元の文>
- That is the house. I lived in which. <the houseをwhichにかえる>
- That is the house in which I lived. <in whichが移動>
一般に、前置詞+関係代名詞は文章やスピーチなど、フォーマルな場面で用いるとされる。前置詞を関係代名詞の前に置く場合がもっともフォーマルで、前置詞を関係詞節の末尾に残すと、フォーマルさが薄れる。
- That is the house in which I lived. <フォーマル>
- That is the house which I lived in. <ややフォーマル>
- That is the house that I lived in. <ややカジュアル>
- That is the house I lived in. <カジュアル>
まとめると、前置詞つき関係代名詞において、前置詞は文中の何かしらの要素と対応する。その根拠を発見することが、文を正確に読むポイントになる。
イラストでわかりやすく解説!英語の関係代名詞の使い方まとめ
注: 手順2で示したI lived in which.は、文をつくる過程で論理的に仮定されるものなので、これ自体は正しい文ではない。
2. 前置詞つき関係代名詞の使い方
2-1. 名詞と前置詞の結びつきが強い場合
- (2) That is the purpose for which the book was written. (それが本が書かれた目的です)
「前置詞+関係代名詞」の前置詞は、関係詞節の中の動詞と常に対応するとは限らない。先行詞となる名詞と前置詞の結びつきによって、前置詞つき関係代名詞が出現することがある。
例文のfor the purpose(…の目的で)は、前置詞forと名詞句the purposeの関連性が強いため、forが関係詞と共に前置された。
文は以下の手順で作られると考える:
- That is the purpose. The book was written for the purpose.
- That is the purpose. The book was written for which.
- That is the purpose for which the book was written.
注: 2で示したThe book was written for which.は、文をつくる過程で論理的に仮定されるものなので、これ自体は正しい文ではない。
2-2. 数詞+前置詞+関係代名詞
- (3) The conference is accompanied by a press statement and related Q&A document, both of which are online. (会議はマスコミの声明と関連するQ&A資料が付属されます、その両方はオンラインにあります)
one(1つ)、both(両方)、some(いくつか)などの数詞(あるいは不定代名詞)は、「数詞+前置詞+関係代名詞」で使用できる。
例文のboth of whichは「その両方は」の意味で、a press statement(マスコミの声明)とrelated Q&A document(関連するQ&A資料)を指す。whichのみでも文は成立するが、両方とすることで文意が明確になる。
2-3. 最上級+前置詞+関係代名詞
- (4) Chess is a game in which players have titles, the highest of which is Grandmaster. (チェスはプレイヤーが称号を持つゲームで、そのうちもっとも高いものはグランドマスターです)
「the+最上級+前置詞+関係代名詞」で使うこともある。例文のwhichは直前の名詞titlesを先行詞とするので、「そのうち最も高いものは」と解釈するとよい。
注: in which…も前置詞つき関係代名詞である。
2-4. 名詞+前置詞+関係代名詞
- (5) World Studies was founded, the aim of which is to collect a complete library of works on history. (ワールド・スタディーズは創設された、その目的は歴史に関する研究の完全な蔵書を作るためです)
「名詞+前置詞+関係代名詞」で使うこともある。例文のwhichは「ワールド・スタディーズが創設された」の文全体を指し、「その目的は…である」としている。
2-5. 前置詞+whose
- (6) Carl Swift, with whose views I am fairly sympathetic, has written the article. (私がまあまあ共感する見解を持つカール・スイフトがその記事を書いた)
「前置詞+whose」で使うこともある。例文のwhose viewsは「カール・スイフトの見解」で、それに共感を覚えると言っている。
文は以下の手順で作られると考える:
- Carl Swift has written the article. I am fairly sympathetic with his views.
- Carl Swift has written the article. I am fairly sympathetic with whose views.
- Carl Swift, with whose views I am fairly sympathetic, has written the article.
注: 2で示したI am fairly sympathetic with whose views.は、文をつくる過程で論理的に仮定されるものなので、これ自体は正しい文ではない。
例: That is the restaurant I’m looking for. (あれは私が探しているレストランです)
3. まとめ
この記事では、前置詞つき関係代名詞について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 前置詞つき関係代名詞の前置詞は文の必須要素
- 前置詞は関係詞の前に置かれる時と、関係詞節の末尾に残留する時がある
- both of whichのような発展的な表現がある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
I am fairly sympathetic with whose views.
これが成り立たないのは、whose viewsであるからということですか?
I am fairly sympathetic with his views. であれば可能かと思うのですが、、
>蘭様
すいません、当方の説明不足だったのですが、2のI am fairly sympathetic with whose views.というのは、これ自体は独立した文ではなく、1から3の文を作る際の変化の過程において、内部的に生成されると考えられるものです。
つまり、1のwith his viewsのhisが2でwhoseへと変化し、それが3で前方に移動することで、例文として提示したCarl Swift, with whose views I am fairly sympathetic, has written the article. ができるという考え方です。
従いまして、2自体は文として正しい/正しくないといったものではなく、3に至るまでの経過を示したものとお考えください。
She put the dress (which) she wanted to wear on the bed
という例文を
She put the dress on which she wanted to wear the bed.
という形に言い換えられますか
よろしくお願い致します。