海外旅行や出張でホテルに滞在する時、部屋の不具合や予約の問題など、思わぬハプニングが発生することがあります。
日本のホテルなら気軽にスタッフに相談できることも、海外では「英語で説明できるかな…」と不安になってしまいますよね。
- シャワーが壊れた時、どう説明すればいいの?
- もし予約が見つからないって言われたらどうしよう…
- トラブルの電話をかけるなんて、考えただけで緊張する…
私も初めて海外旅行へ行った時、部屋の冷蔵庫が故障していてどう伝えればいいのかわからず、結局そのまま諦めてしまいました。せっかく現地で買った飲み物も冷やせないまま、我慢して過ごした苦い思い出があります。
しかしその後、様々な国のホテルを利用する中で、海外ホテルでのトラブルにはよくあるパターンと、スタッフに状況を伝える時に役立つ「基本のフレーズ」があることを発見しました。
この記事では、フロントスタッフとの電話での会話例を交えて、トラブルを伝える時の基本ステップと、シチュエーション別の英語フレーズを紹介します。
英語が苦手な人でも、今回紹介する「基本ステップ・フレーズ」を押さえれば、慌てることなくスタッフに状況を説明できるようになります。安心してホテルライフを楽しめるよう、一緒に準備していきましょう。
海外ホテルのトラブル対応!基本3ステップ
まずは、どんなトラブルにも対応できる基本の流れを把握しましょう。この3ステップを覚えておけば、慌てることなくスタッフに状況を伝えられますよ。
ステップ1:状況を簡潔に伝えよう
トラブルが発生した時に1番大切なのは「何が問題なのか」をシンプルに伝えることです。長々と説明しようとして混乱するより、要点を絞って伝える方がずっと効果的ですよ。
フロントに電話をかける時、以下のように伝えてみましょう。

Hello, this is room 123.
(こんにちは、部屋番号123です。)

Good evening. How can I help you?
(こんばんは。いかがなさいましたか?)

The air conditioner doesn’t work.
(エアコンが動きません。)
緊張して部屋番号を忘れてしまうことがあるため、キーカードやメモを手元に置いて確認できるようにしておきましょう。
\会話の音声を聞く/
ホテルの部屋番号は読み方は以下の通りです。
- 「123」:one twenty-three
- 「1205」:twelve oh five
- 「506」:five oh six
ステップ2:どうしてほしいのかを具体的に伝えよう
問題を伝えたら次に「スタッフにどうしてほしいのか」を明確に伝えましょう。

Could you send someone to fix it?
(修理担当者を送っていただけますか?)

Of course. The staff will be up right away.
(もちろんです。直ちに担当者が伺います。)

Thank you.
(ありがとうございます。)
“Could you〜?”という表現は、丁寧に依頼する時の定番フレーズです。ホテルでのさまざまな場面で応用できるので、必ず覚えておきましょう。
ほかにも以下のフレーズがあります。
- Could you change my room? (部屋を変更していただけますか?)
- Could you bring me another hair dryer? (別のヘアドライヤーを持ってきてもらえますか?)
\会話の音声を聞く/
ステップ3:所要時間の確認と感謝を伝えよう
最後に、どれくらいの時間で対応してもらえるかの確認と、感謝の気持ちを伝えましょう。

How long will it take?
(どのくらい時間がかかりますか?)

Within 5 minutes.
(5分以内には。)

Thank you for your help.
(ご協力ありがとうございます。)
時間の確認をしておくと部屋で待機する時間がわかり、それ以降の予定を立てやすくなります。また、感謝の気持ちを伝えることで、スタッフもより親身になって対応してくれるでしょう。
この3ステップを覚えておけば、どんなトラブルが起きても落ち着いて対応できるようになりますよ。
\会話の音声を聞く/
【シチュエーション別】ホテルでのトラブルを解決できるフレーズ集
具体的なトラブル場面で使える実践的なフレーズを紹介します。
1. 交通やアクセス面でのトラブル
土地勘のない海外で道に迷ったり約束の送迎が来なかったりすると、とても不安になりますよね。そんな時こそ、ここで紹介するフレーズが役に立ちます。
1-1. 空港送迎が来ない

I’m waiting at the airport now. Where should I wait?
(いま空港で待っています。どこで待てばいいですか?)
約束の時間を15分過ぎたらホテルへ連絡しましょう。待機する場所が間違っている可能性もあるため、スタッフに現在いる場所を伝えてください。
\音声を聞く/
1-2. ホテルの場所が分かりにくい

I can’t find your hotel.
(ホテルが見つかりません。)
GPSが正確でない場合もあるため、近くの大きな建物や看板を目印にして案内してもらいましょう。
\音声を聞く/
1-3. 現地で交通手段が限られている

Can I use the shuttle bus?
(シャトルバスは利用できますか?)
地方や離島では交通手段が限られることが多いため、ホテルのシャトルサービスや事前予約の送迎サービスの利用おすすめします。
\音声を聞く/
2. 予約に関するトラブルが起きた時
ここでは「予約したはずなのに…」と、戸惑う場面で使える表現を紹介します。
2-1. 予約がホテルに伝わっていない

No record of my booking? Here’s my email.
(予約の記録がありませんか?これがメールです。)
スマートフォンで予約確認画面(booking email)を見せるのが確実です。予約番号も一緒に伝えましょう。
\音声を聞く/
2-2. 予約した部屋タイプと違う部屋を割り当てられた

This room smells like smoke. Could you change my room?
(この部屋はタバコの匂いがします。お部屋を変えていただけますか)
予約確認メールやスクリーンショットを見せて実際に予約した部屋タイプを証明すると、スムーズに対応してもらえますよ。
\音声を聞く/
2-3. 返金不可プランなのにキャンセルしたくなる事態
家族の緊急事態などで予約をキャンセルしたい時、以下のようにお願いしてみましょう。

I need to cancel my reservation. Can I get a refund?
(予約をキャンセルしたいのですが、返金してもらえますか?)
完全な返金が無理でも、代替案(クレジット、日程変更など)を提案してもらえる可能性があります。
\音声を聞く/
3. チェックイン時のトラブル
ここではチェックイン時のトラブルを解決するフレーズを紹介します。
3-1. チェックインに遅れそうな時

I’ll be late. I will arrive around 9 PM.
(遅れています。午後9時頃に到着予定です)
到着が大幅に遅れる場合は、必ず事前に連絡を入れましょう。連絡なしのキャンセルと見なされ、予約が取り消される可能性があります。
大手海外ホテル予約サイトのBooking.comでも、以下のような注意書きがあります。
時間どおりに到着できない場合は、サービスプロバイダー(ホテル)に連絡して到着予定時刻をお知らせください。時間どおりに到着することはお客様の責任です。万が一時間に間に合わなかった場合、それに伴う費用(予約のキャンセル、サービスプロバイダーが請求する手数料など)については当社は責任を負いません。
特に深夜チェックインの場合は、フロントが無人になる時間帯もあるため、到着予定時刻を詳しく伝えておきましょう。
\音声を聞く/
3-2. 早朝や深夜でフロントが無人

Hello? Is anyone here? I need to check in.
(こんにちは。どなたかいらっしゃいますか?チェックインしたいのですが。)
多くのホテルではベルやインターフォンがあります。セルフチェックイン機があるかどうかも確認しましょう。
\音声を聞く/
3-3. デポジット(保証金)の説明が不十分

What is the reason for this deposit?
(この保証金は何のためですか?)
デポジットは部屋の破損やミニバー利用に備えた一時的な預かり金です。問題がなければチェックアウト後に返金されます。
チェックアウト時に請求書を見て、デポジットで払った分と同じ金額が含まれているかどうかを確認しましょう。
\音声を聞く/
英語でチェックインする方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。 ⇒ホテルのチェックイン、英語でちゃんとできる?初心者でも安心のフレーズと会話例 |
4. 部屋の設備・清掃のトラブル
部屋の設備の不具合についてはすぐに修理担当者を呼んでもらいましょう。時間がかかる場合は、他の部屋への変更を依頼できます。
4-1. エアコンなどの設備や機械が故障している

The air conditioner doesn’t work.
(エアコンが動きません。)
” X doesn’t work.”という表現を使うと、どんな設備や機械の故障にも対応できます。
- エアコン: air conditioner
- ドライヤー:hair dryer
- テレビのリモコン:TV remote
- バスルームの電気:The lights in the bathroom
\音声を聞く/
4-2. Wi-Fiがつながらない

The Wi-Fi doesn’t work in my room. Could you check the connection?
(部屋でWi-Fiが使えません。接続を確認していただけますか?)
\音声を聞く/
パスワードが見つからない場合は、以下のように聞いてみましょう。

May I have the Wi-Fi password?
(Wi-Fiのパスワードを教えていただけますか?)
\音声を聞く/
4-3. シャワーのお湯が出ない

The shower doesn’t have hot water.
(シャワーのお湯が出ません。)
多くの海外ホテルでは温水タンクの容量に限りがあり、連続で使用すると途中でお湯が出なくなることがあります。15〜20分程度で1度休憩を入れると、再びお湯が使えるようになりますよ。
\音声を聞く/
4-4. 部屋が掃除されていない

There’s hair in the bathroom. Could you clean it?
(髪の毛がバスタブやカーテンについています。清掃してもらえますか。)
こうした問題があった場合は、すぐにフロントに連絡して清掃や部屋の交換を依頼しましょう。
\音声を聞く/
5. 治安・安全面のトラブル
海外のホテルでは、盗難や詐欺などのトラブルに注意が必要な場合があります。しかし、基本的な対処法やフレーズを知っておけば、安心してホテル滞在を楽しめますよ。
5-1. 部屋で盗難被害にあった

My wallet was stolen from my room. I need to tell the police.
(部屋から財布が盗まれました。警察に届け出る必要があります。)
万が一盗難にあった場合はすぐにフロントに連絡して、警察への届け出も検討しましょう。ホテル側も調査に協力してくれます。
\音声を聞く/
5-2. ホテル周辺の治安が悪い

Is it safe to walk around this area at night?
(この辺りは夜歩いても安全ですか?)
治安の悪い地域では、安全なルートや避けるべき場所を事前に確認しておきましょう。
\音声を聞く/
5-3. 偽タクシー・ぼったくり業者を紹介される

Could you tell me some taxi companies?
(いくつかタクシー会社をおしえてもらえますか?)
3〜4つほど異なるタクシー会社を紹介してもらい、料金の相場を把握しましょう。
\音声を聞く/
6. 言葉や文化の違いで困った時
海外のホテルでは、英語や現地語が通じなかったり、文化的な価値観の違いで戸惑ったりすることがよくあります。しかし、ホテルスタッフは世界各国のお客様に慣れているので、分からないことがあれば必ず助けてくれますよ。
6-1. スタッフの言葉が聞き取りにくい

Could you speak more slowly, please?
(もう少しゆっくり話していただけますか?)
スタッフの言葉が聞き取りにくい場合、遠慮なく、ゆっくり話してくださいと伝えて構いません。
\音声を聞く/
6-2. 英語や現地の言葉が通じづらい

Can I use a translation app?
(翻訳アプリを使ってもいいですか?)
英語の会話が苦手な場合、翻訳アプリを使っても良いでしょう。
翻訳アプリを使う時は、上記のようにひとこと断りを入れてからのほうが良い印象を与えます。
\音声を聞く/
6-3. 騒音へのクレームの扱い

The room next to mine is very noisy.
(隣の部屋がとてもうるさいです)
歌やダンスが好きな文化圏の宿泊客によって、夜遅くまで音楽や歌声が聞こえてくることがあります。ホテルでの騒音はほかにも以下のケースが考えられます。
- The guests are talking loudly. (隣の宿泊客が大きな声で話しています。)
- The guests are banging on the wall. (隣の宿泊客が壁をたたき続けています。)
- The air conditioner is making strange noises. (エアコンから変な音がします。)
まずは騒音の原因に対処してもらい、それでも解決しない場合は部屋の変更を検討しましょう。
\音声を聞く/
7. チェックアウト時の料金トラブル
海外ホテルでは請求書をよく確認し、納得できない項目があれば遠慮なくスタッフへ説明を求めましょう。
7-1. 高額の追加請求がある

Could you explain these extra charges?
(これらの追加料金を説明していただけますか?)
ミニバーや電話代、税金、サービス料などが追加されることがあります。不明な項目は必ず確認しましょう。
\音声を聞く/
クレジットカードで支払う時、為替レートや海外手数料(日本のクレジットカードを海外で使用した際にカード会社が徴収する手数料)の影響で、宿泊費が予想以上に高額になることがあります。
支払い前に総額を確認するようにしましょう。
7-2. クレジットカードが使えない

I will pay with cash then.
(それでは現金で払います。)
\音声を聞く/
海外では一部のカードブランドが使えない場合があります。
私がアメリカやヨーロッパ各国で宿泊した際、VisaとMasterはほとんどすべてのホテルで使えました。一方で、JCB、Diners、Amexの場合は使用できないホテルもありました。
海外ホテルに泊まる時は、念のため複数の異なるクレジットカードを持っていきましょう。
7-3. 二重請求されている
たとえば、スパでマッサージを受けて現地で料金を支払い済みなのに、チェックアウト時の請求書にも同じマッサージ代が記載されている場合、以下のように伝えましょう。

I paid for the spa service yesterday. Here’s the receipt.
(昨日スパを利用した時に料金を払いました。これがレシートです。)
手続きミスなどで二重請求されることがあります。滞在中にもらったレシートは保管しておき、証明できるようにしましょう。
\音声を聞く/
7-4. 領収書がもらえない

Can I get a receipt for my stay? I need it for work.
(滞在の領収書をもらえますか?仕事で必要なんです。)
ビジネスで利用する場合は、詳細な内訳が記載された正式な領収書を依頼しましょう。
\音声を聞く/
チェックアウトで使うフレーズや、請求書のチェックポイントについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
⇒チェックアウト時に英語でスムーズにやり取りできる!初心者が押さえたい流れと会話例
まとめ:完璧に覚えなくても大丈夫!勇気を出して話しかけよう
海外のホテルでトラブルが発生しても、今回ご紹介した基本3ステップとフレーズを活用すれば、英語が得意でなくても問題を解決できます。
今回紹介したフレーズをすべて完璧に覚える必要はありません。単語を間違えても、文法が完璧でなくても、あなたの「困っている」という気持ちは必ずスタッフに伝わります。
勇気を出して声をかければ、きっと思っているよりもずっとスムーズに問題が解決し、安心してホテルライフを楽しめるようになりますよ。