入国審査の英語のやり取りをスムーズに!質問とそのまま使える回答例

入国審査とは、外国に入国する時や、自国に帰国した時に空港(または港)で行われる公式な手続きのことです。

海外旅行がはじめての方にとっては「入国審査って何をするの?」「英語で質問されたら答えられるか不安…」とドキドキしますよね。

私もイギリス留学の時、空港の入国審査が厳しいという噂を聞き「もし入国できなかったらどうしよう…」と、不安だったことを覚えています。

しかしその後、20ヶ国以上の国を旅したところ、入国審査にはどの国にも共通する「基本的な流れ」と「質疑応答のパターン」があることに気づきました。

本記事では、飛行機を降りてから荷物を受け取るまでの7ステップと、入国審査でよく聞かれる英語フレーズを紹介します。

英語に自信がない方でも、この記事を読めば安心して入国審査にのぞめます。

自信をもって審査を通過できるように、一緒に準備していきましょう!

はじめてでも安心!入国審査の流れ7ステップ

ここでは、空港に到着してから入国審査を受けて荷物を受け取るまでの流れを、7つのステップに分けて紹介します。

ステップ1:飛行機を降りたら入国審査場へ向かう

飛行機を降りたら「Immigration(入国審査場)」と書かれた案内表示に従って進みます。

多くの空港では、人の流れに沿って歩いていけば、自然と入国審査場にたどり着けるようになっています。

途中にトイレや案内カウンターがある場合は、必要に応じて立ち寄っても大丈夫です。

入国審査場に着いたら、“Foreign Passports(外国籍パスポート)”と書かれた列に並びましょう

スムーズに入国審査を受けるために、順番が近づいたら、パスポート(必要な国では入国カードやビザも含む)を手に持ち帽子やフード・サングラスは外しておきましょう。

家族で一緒に旅行している場合は、入国審査は基本的に家族全員まとめて対応してもらえます

子ども用のパスポートも、他の必要書類と一緒にすぐ出せるように準備しておきましょう。

質問されるのは、通常は大人(保護者)に対してのみです。お子さんに直接質問されることはほとんどありません。

ステップ2:入国カードの用意

入国審査場に着いたら、国によっては入国カード(Arrival Card)の提出が必要となります。

入国カードは飛行機の中で配られるか、入国審査場の前の記入台に設置されています。

入国カードに記入する項目は、主に以下のとおりです。

項目記入例
Family name
(姓)
TANAKA
Given name
(名)
YUKI
Nationality
(国籍)
JAPAN
Occupation
(職業)
Engineer
(エンジニア)
Flight Number
(フライト番号)
DL 1854
Address in country
(滞在先の住所)
Hilton Hotel, New York
Purpose of visit
(渡航目的)
Sightseeing(観光)

滞在先は「ホテル名+都市名」で足りる場合が多いですが、国によっては番地や郵便番号まで必要です。

スマートフォンに保存するか紙にメモしておきましょう。あわせて、記入用にボールペンも手荷物に入れておくと安心です。

  • Engineer(エンジニア)
  • Teacher(教師)
  • Nurse(看護師)
  • Sales manager(営業マネージャー)
  • Hairdresser(美容師)
  • Chef(料理人/シェフ)
  • Accountant(会計士)
  • Student(学生)
  • Retired(退職済み)

ステップ3:パスポートとビザの提出

自分の順番が来たら、入国審査官のいるブースに進みましょう。まず、パスポートと入国カード、そして必要な国ではビザを手渡します。

\会話の例/

あなた
あなた

Hello.

(こんにちは。)

入国審査官
入国審査官

Hello. Passport, please.

(こんにちは。パスポートをお願いします)

あなた
あなた

Here you are.

(はい、どうぞ。)

\音声を聞く/

ビザ(visa)は入国許可証のようなものです。観光目的であれば、ビザが不要な国もあります。出発前に必ず確認しましょう。

ステップ4:入国審査官との質疑応答

書類に問題がなければ、次は入国審査官とのやり取りです。

ここでは「なぜこの国に来たのか」「どのくらい滞在するのか」など、いくつか簡単な質問をされます

質問される項目は、おもに以下の4つです。

質問項目
  1. 入国・滞在の目的
  2. 職業
  3. 滞在期間
  4. 滞在場所

英会話のやり取りの例は、本記事の後半「入国審査でよく聞かれる質問と回答例」で解説します。

会話例に沿って練習しておくと、本番で自信をもってやり取りできますよ。

ステップ5:顔写真と指紋の採取(必要な国)

画像の出典:出入国審査で顔認証、米国民も対象に|CNN

国によっては、顔写真の撮影や指紋の採取が行われます

一般的に指紋は、ブース内の専用スキャナーに片手ずつ指を置くよう指示されます。

審査官からは、次のようなフレーズで指示されるため、覚えておくと安心です。

  • Look at the camera. (カメラを見て。)
  • Put your right hand on the scanner. (右手をスキャナーに置いて。)
  • Now your left hand, please. (次は左手をお願いします。)

Sure. (わかりました。)” や “OK.“と返事をして、指示に従いましょう。

ステップ6:スタンプまたは許可サイン

質疑応答や本人確認が終わり、入国に問題がなければ、パスポートにスタンプや許可サインが押されます

スタンプが押される国もあれば、電子的な入国記録のみで処理される国もあります。

イスラエルなど一部の国では、入国スタンプの代わりに入国許可番号が印字されたレシートのような紙を渡されます。

無くさないよう、パスポートに挟んで保管しましょう。

ステップ7:荷物の受け取り

入国審査を終えたら、案内表示に従ってバゲージクレーム(Baggage Claim)へ進みます

ここでは、出国時に預けたスーツケースなどの荷物を受け取ります。

自分のフライト番号が表示されたベルトコンベアを探し、その周辺で荷物が流れてくるのを待ちましょう。

荷物を受け取ったあとは、最後に税関(Customs)を通ります

ほとんどの旅行者は「申告するものはない(Nothing to declare)」に該当するため、緑レーンに沿って進みましょう

係員がいる出口を通過すると、ついに到着ロビーへ。

ここから先は、あなたの旅が本格的にスタートします。新しい土地の空気を吸いながら、一歩ずつ目的地へ向かいましょう。

多くの空港では「緑レーン=申告なし」「赤レーン=申告あり」という色分けが採用されています。現地の案内表示に従って進みましょう。

税関は、危険物や持ち込み禁止品がないかを確認する場所です。たとえばアメリカでは、以下のような物に注意が必要です。

  • 処方薬・サプリメント・注射器など(処方箋の提示が必要な場合あり)
  • 多額の現金(1万ドル相当以上)
  • 肉・果物などの生鮮食品
  • アルコール類など

参照:禁止・制限品目|U.S. Customs and Border Protection

処方薬やサプリは「個人使用の範囲内」であれば許可されることが多いですが、念のため英文の処方箋や説明書を用意しておくと安心です。

入国審査でよく聞かれる質問と回答例

入国審査官からの質問は決まったパターンが多くシンプルな英語で答えられます

スムーズに通過できるよう、練習しておきましょう。

1. 入国・滞在の目的

まずは渡航目的を聞かれます。はっきりと簡潔に答えましょう。

\会話の例/

入国審査官
入国審査官

What’s the purpose of your visit?

(訪問の目的はなんですか?)

あなた
あなた

For sightseeing.

(観光です。)

\音声を聞く/

ほかにも以下のような答え方があります。

  • For business. (仕事です。)
  • To study English. (英語を学ぶためです。)
  • To visit my friend. (友人に会いに来ました。)

2. 職業

国によっては、入国審査で職業を聞かれます。

\会話の例/

入国審査官
入国審査官

What is your occupation?

(職業はなんですか?)

あなた
あなた

I’m an engineer.
(エンジニアです。)

\音声を聞く/

別の例を挙げると、以下のような表現もあります。

  • I’m a student.(学生です)
  • I’m a teacher.(教師です)
  • I’m a freelance graphic designer.(フリーランスのグラフィックデザイナーです)

仕事について聞かれた時、日本語では「会社員です」や「パートです」のように【雇用形態】を答えることが一般的です。

一方、英語の世界では engineer(エンジニア)や accountant(会計士)のように【職種】を答えることが普通です。

そのため、英語で “I’m an office worker.(会社員です)” と言うのは、文法的には間違ってはいないものの、答え方としては、やや不自然に聞こえます。職種を答えるようにしましょう。

3. 滞在期間

滞在期間は、「For+期間」で表現します。

\会話の例/

入国審査官
入国審査官

How long will you stay?

(どのくらい滞在しますか?)

あなた
あなた

For five days.
(5日間です。)

\音声を聞く/

期間に応じて、以下のような答え方もあります。

  • For two weeks. (2週間です。)
  • For one month. (1ヶ月です。)
  • For a half year. (半年です。)

4. 滞在場所

滞在場所は「At+場所」で伝えます。ホテル名+都市名で伝えるのが一般的です。

\会話の例/

入国審査官
入国審査官

Where will you stay?

(どこに滞在しますか?)

あなた
あなた

At Hilton Hotel in New York.
(ニューヨークのヒルトンホテルです。)

\音声を聞く/

別の例を挙げると、以下のような表現もあります。

  • At my friend’s house.(友人の家です。)
  • At the university dormitory.  (大学の寮です。)
  • At a business hotel downtown.  (ダウンタウンのビジネスホテルです。)

入国審査は「語学テスト」ではないため、英語力が低いことで、入国審査が通らないということは、通常、ありません。


聞き取れなかった場合は、ためらわずに聞き返し、必要に応じて書類を提示すれば問題ありません。

審査官は、英語が得意でない旅行者にも慣れているため、落ち着いて対応すれば大丈夫です!

入国審査をスムーズに乗り切るためのポイント

入国審査をスムーズに通過して気持ちよく旅をスタートできるように、以下3つのポイントをおさえましょう。

  • 渡航前にESTAなどの事前手続きを忘れずに
  • スマ-トフォンで必要書類を保存しておこう
  • 質疑応答で聞き取れなかったら質問しよう

渡航前にESTAなどの事前手続きを忘れずに

アメリカ・カナダ・オーストラリアなどでは、短期滞在でも電子渡航認証(ESTA・eTA・ETAなど)が必です。

自分の渡航先が対象かどうか、出発前に必ず確認しましょう。

たとえばアメリカの場合、観光や出張で90日以内の滞在には、出発の72時間前までにESTAの申請が必要です。

ただし、システムエラーや入力ミスもあるため、1週間前には済ませておきましょう。

申請は政府公式サイト「https://esta.cbp.dhs.gov/」からオンラインで行います。

申請に必要なもの
  • 有効なパスポート
  • クレジットカードまたはデビットカード
  • メールアドレス
  • 滞在先の住所など基本情報

申請の流れは以下のとおりです。手続きは20分程度で終了します。

  1. 公式サイトにアクセス
  2. 右上の言語設定で「日本語表示」に切り替える
  3. 個人情報・パスポート情報・滞在先などを入力
  4. クレジットカードで21ドルを支払う(2025年時点)
  5. 申請完了メールが届く

通常は数分〜72時間以内に結果が通知されます。

「承認済み」になっていることを必ず確認し、承認番号とステータスをスクリーンショットかPDFで保存しておきましょう。

紙で印刷してパスポートと一緒に持っておくと安心です。

検索エンジンで「ESTA 申請」と入力すると、代行業者の高額なサイトが上位に表示されることがあります。必ず政府公式サイトから申請しましょう。

スマートフォンで必要書類を保存しておこう

入国審査では、ホテルの予約確認書や帰りの航空券の情報を見せるよう求められることがあります。

以下の書類をあらかじめスクリーンショットなどで保存しておきましょう。

スマートフォンに保存しておくと安心な書類リスト
  • 滞在先の住所
  • ホテルの予約確認メール
  • 飛行機のeチケット(電子航空券)
  • ビザまたはESTA申請の控え(該当国のみ)

国によっては審査ブース周辺で、電子機器の使用が制限されていることもあります。

その場合に備えて、紙でのコピーも持参しておくと安心です。

質疑応答で聞き取れなかったら質問しよう

入国審査で質問が聞き取れなかった場合は、ためらわずに以下のように聞き返してOKです。

  • Sorry?(すみません?)
  • Could you say that again?(もう一度言ってください)
  • Could you speak more slowly? (もう少しゆっくり言ってくれますか?)

空港によっては、審査官がマスクを着けていたり、ガラス越しに声がこもったりすることもあります。

聞き返すのは必要な対応で、失礼にはあたらないので安心してください。

また、審査官は業務的な対応をすることが多く、ぶっきらぼうに感じるかもしれません。

しかし、それはあなたに原因があるわけではないので、気にする必要はありません。

まとめ:英語が苦手でも大丈夫!入国審査を安心して乗り切ろう

この記事では、入国審査の流れ7ステップと、よく聞かれる質問への英語フレーズを紹介しました。

入国審査は、その国に「入国してよいか」を確認するためのシンプルな手続きです。

難しい英語を使わなくても、基本的なやり取りができれば大丈夫。

不安を減らすために、以下のポイントを押さえておきましょう。

  1. よくある質問に、シンプルな英語で答える練習をしておく
  2. 必要書類は紙に控えるか、スマートフォンに保存しておく
  3. ESTAなどの電子渡航認証は早めに申請する

入国審査をスムーズに終えれば、いよいよ旅が本格的にスタートします。

焦らず落ち着いて手続きをこなし、すてきな旅の第一歩を踏み出しましょう。

ホテルのチェックインでそのまま使えるフレーズを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
ホテルのチェックイン、英語でちゃんとできる?初心者でも安心のフレーズと会話例

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