この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
TOEICリスニングセクションに苦手意識を持つ方は多い。
あなたは次のような悩みをお持ちではないだろうか?
- TOEICリスニングセクションの勉強法がわからない…
- TOEICリスニングの音声が速くて聞き取れない…
- 長文リスニングの途中でついていけなくなる…
多くの受験者がTOEICリスニングセクションに苦戦するのは「聞き取り能力」が足りないからである。英語と日本語は音の構造が異なるので、聞き取れないまま問題を解いてもスコアは上がらない。
そこでトイグルでは、TOEICリスニングセクションで成果を出す勉強法を紹介しよう。英語を正確に聞き取る「ディクテーション」、聞き取りと内容理解を同時に進める「シャドーイング」、そして正答率を上げる「不正解分析」のやり方を説明する。
筆者はTOEICスクールを運営しているが、ある生徒さまはこのトレーニングを3ヶ月行ったところ、リスニングセクションでほぼ満点を取り、TOEIC830点を取得した。
すぐにスコアを上げる3つのコツも取り上げるので、試験直前にも役立つ。この記事を読めば、TOEICリスニングセクションでスコアを上げる明確なイメージができるようになるだろう。
*筆者はTOEIC公開テストを毎回受験し最新の傾向を研究しています。当エントリーは筆者の受験経験および指導経験を踏まえ、2018年4月にリリースしました。
1. TOEICリスニングが苦手なのは「聞き取り力」が足りないから
TOEICリスニングセクションはPart1(写真描写問題)、Part2(応答問題)、Part3(会話問題)、Part4(説明文問題)の4パートからなる。所要時間は約46分間で、音声は一度しか放送されない。
Part1 | 写真描写問題 | 6問 |
Part2 | 応答問題 | 25問 |
Part3 | 会話問題 | 39問 |
Part4 | 説明文問題 | 30問 |
合計 | 100問 |
筆者はTOEIC対策スクールを運営しているが、多くの生徒さまから「リスニングができない」との悩みを聞く。TOEICリスニングセクションでよくある失敗は次のようになるだろう:
- 英語はbuild upが「ビルダップ」のように発音されるなど、音のつながりを聞き取れない…
- 長文リスニング問題(Part3/Part4)で理解できるのは最初の1〜2行だけで、その後音声についていけなくなる…
- 聞いた内容をすぐに忘れてしまい、設問を解けない…
これら失敗の原因は3つある。1つは音声識別能力が低いこと。2つ目は音の速さに内容理解がついていけないこと。3つ目は設問解答能力が足りないことだ。
音声識別能力 | RとLの聞き分けなど、英語の音を区別する力 |
内容理解 | 音声を聞きながら内容を理解する力 |
設問解答能力 | TOEICの設問を解く力 |
つまり、TOEICリスニングセクションでスコアを伸ばすためには、これら3つの力を全方位的に対策すれば良い。以下、具体的な勉強法を見ていこう。
現在のTOEICリスニングセクションは、長文問題(Part3/Part4)が設問数の約7割を占める。テクニックでスコアを上げられる余地は少なく、総合的なリスニング能力が求められる。
2. TOEICリスニングでスコアを上げる3つの勉強法
トイグルでは、TOEICリスニングセクションでスコアを上げる3つの勉強法を提唱している。
ディクテーション | 音を正確に聞き取れるようになる |
シャドーイング | 聞き取りと内容理解が同時にできるようになる |
設問分析 | 正しい選択肢を選べるようになる |
1つずつ説明しよう。
1. ディクテーションで英語を正確に聞き取る
ディクテーションとは、英語の音声を聞きながら書き取ることで、正確な聞き取り能力の向上を目指すトレーニングである。
手順は次のとおり:
- 市販のTOEIC問題集を用意する。
- 音声を何度か聞いて、耳を慣らしておく。
- 英文スクリプト(文字起こし)を読んで、全体像を把握する。
- 音声を聞きながら、紙に英文を書き取る。1度ですべて書き取るのは難しいので、3〜4回繰り返し聞いても構わない。
- 問題集の英文スクリプト(文字起こし)を読んで、聞き取れなかった箇所や間違いを赤ペンで修正する。
例を見てみよう。
ディクテーションは英文を丁寧に聞き取る作業だから、音を正しく識別する力を養える。知らない単語を推測する力や、文法に対する理解度も上がる。
ディクテーションは短い音声であっても時間がかかる。まずはPart1(写真描写問題)やPart2(応答問題)の一部分を使ってやってみよう。慣れてきたら、Part3(会話問題)やPart4(説明文問題)で進めたい。
ディクテーションで完璧を目指す必要はない。8割程度書き取れたら合格点と考えよう。
2. シャドーイングで聞き取りと内容理解を同時に鍛える
シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら口ずさむことで、聞き取りと内容理解を同時にできるようにするトレーニングである。
手順は次のとおり:
- 市販のTOEIC問題集を用意する。
- 音声を何度か聞いて、耳を慣らす。
- 英文を音読し、全体像を把握する。
- 英文スクリプト(文字起こし)を読んで内容を理解する。知らない単語の意味はここで調べておく。
- シャドーイングを行う。
例を見てみよう(7:16から再生)。
シャドーイングを成功させるポイントは、事前の準備を入念に行っておくことにある。初見の文章をいきなりシャドーイングするのではなく、音声を聞き、音読し、知らない単語の意味を調べ、内容を十分理解してから行うと効果的だ。
また、シャドーイングは現在の英語レベルよりもやや易しい文を使うと良い。TOEICであればPart1(写真描写問題)やPart2(応答問題)が良いだろう。中・上級者の方は、Part3(会話問題)やPart4(説明文問題)にチャレンジしてみよう。
シャドーイングは同じ音声を繰り返し使うと良い。暗唱できるくらいやり込めば、英文の意味がぐんぐん入ってくる感覚をつかめる。
3.「設問解答→丸つけ→不正解の分析」を丁寧に行う
TOEIC勉強法の王道は、問題集を使った「設問解答→丸つけ→不正解の分析」である。
- 市販のTOEIC問題集を解く。
- 解答編を見て丸つけを行う。
- 不正解だった問題の理由を分析する。
- 英文スクリプトを読みながら音声を再度聞く。
ここで重要なのは、問題集を解きっぱなしで終えないことだ。設問を解いた後、不正解だった問題、あるいは正解だったが自信のなかった問題を丁寧に復習する。
Part4(説明文問題)の例を見てみよう。設問を解いて丸つけを終えたら、知らない単語の意味を辞書で調べ、納得するまで音声を聞き直す。
設問分析が効果的な理由は、TOEICの出題傾向を理解できるからである。TOEICは毎回似たようなパターンで出題されるから、設問に慣れるだけで聞き取り能力は上がる。
この「設問解答→丸つけ→不正解の分析」は学習の基本なので、TOEICリスニングセクション全パートで実施しよう。
設問分析をした問題を使って、ディクテーションやシャドーイングを行うのも効果的。
3. TOEICリスニングですぐに成果が出る3つのコツ
TOEICは設問形式が決まっているので、頻出パターンを知れば短期間にスコアを上げられる。ここでは、TOEICリスニングセクションですぐに成果を出す3つのコツを紹介しよう。
コツ1. Part1は語順を意識して聴く
TOEIC Part1は写真描写問題である。写真をもっとも適切に表している選択肢を選ぶ。
例を見てみよう。
この写真に対して、次の4つの英文が読まれたとする。
正解は選択肢(C)で「男性のうち1人が何かを指している」となる。
表から明らかなように、TOEIC Part1で出題される英文はすべて「主語+動詞+目的語+追加情報」のシンプルな語順で構成されている。関係代名詞の省略、倒置、that節…といった、複雑な文は出てこない。
Part1を解く時は、頭の中で4要素の表を思い浮かべてみよう。文構造が整理できるので、聞き取りの向上を実感するはずだ。
筆者注: 簡略化のため補語(C)も目的語と表記しています。追加情報とは副詞語句など、主語・述語動詞・目的語以外の文の要素を指します。
コツ2. Part2は設問文と同じ語句の選択肢を選ばない
TOEIC Part2は応答問題である。英語のワンセンテンスを聞いて、自然な返答を選ぶ。
例を見てみよう。
- Where is the post office? (郵便局はどこですか?)
- (A) I went to my office.(私は自分のオフィスに行きました)
- (B) It is across the street.(その通りを越えたところにありますよ)
- (C) No, not at all.(いいえ、そんなことないです)
「郵便局はどこですか?」の返答として自然なのは、選択肢(B)の「その通りを越えたところにありますよ」となる。
ここで、不正解の選択肢(A)には、設問文にも含まれるoffice(オフィス)という語句が入っている。聞き取りがうまくできなかった時、「選択肢(A)もofficeと聞こえたから、これが正解かな」と、安易に選びがちだ。
実は、TOEIC製作者は受験者の心理を理解しているので、ここに引っかけ問題が多発する。TOEIC Part2を解く際、設問文と同じキーワードが入った選択肢は選ばないようにしよう。
筆者注: TOEIC内でこのテクニックが使えるのはPart2だけである。Part3(会話問題)とPart4(説明文問題)では重複語彙が正解になることもある。
コツ3. Part3とPart4は設問を先読みする
TOEIC Part3は会話問題、Part4は説明文問題である。
どちらのパートも、1つの音声に対して、内容に関する3つの設問が用意されている。設問は問題用紙に印刷されているので、会話音声を聞く前にこれら設問を先読みすれば、内容を予め推測できる。
先読みのタイミングは、前の設問が終わった後である。Part2が終わったら、Part3のQ32-Q34を先読みする。Q32-Q34を解き終わったら、Q35-Q37を先読みする。
先読みの文量は多いので、英語初心者の方は、選択肢だけを縦読みするようにしよう。選択肢の表現がそのまま音声に出れば、「拾い聞き」で正解を選べることもある。
- Q32.
Where most likely are the speakers?- (A) At a sport center
- (B) At a university
- (C) At a factory
- (D) At a grocery store
- Q33.
What does the woman mean when she says, “Absolutely”?- (A) The woman is willing to help the man.
- (B) The woman wants the man to buy a copy card.
- (C) The woman needs to stop by the academic office.
- (D) The woman is required to hire new staff members.
- Q34.
What will the man do next?- (A) Talk to job candidates
- (B) Consult with his supervisor
- (C) Purchase a new computer
- (D) Receive a document
(A)から(D)の選択肢の代わりに、3つの設問文だけを先読みする方法もある。相性の合う方法を試してみよう。
4. まとめ
この記事では、TOEICリスニングセクションの勉強法を紹介した。ディクテーション、シャドーイング、不正解分析の方法がお分かりいただけたと思う。
同時に、すぐにスコアを上げる3つのコツも説明した。本番直前の方はぜひとも試してみてほしい。
Good luck!