英語の
inは複数の意味を持つ多義語であり、使い方を覚えるのが難しいです。英語を勉強しているあなたは、「inの用法がわからない」とお悩みではないでしょうか?
そこでトイグルでは、前置詞inの使い方について詳細を解説していきます。inと他の前置詞の違いも紹介するため、英語初級者から上級者まで、学習の役に立つはずです。
1. 前置詞inの中心的な意味は「内部」

inを辞書で調べると、ジーニアス英和辞典には18、オックスフォード英英辞典にも18、ロングマン英英辞典には28もの意味が載っています。一般参考書にも複数の用法が掲載されており、inは英語学習の壁の一つです。
実は、英語の前置詞は多くの場合、一つの核となる意味があり、それが比喩的に派生して複数の用法に発展しました。inの中核的な意味は「内部」であり、ほとんどすべての用法がこのイメージで解釈できます。
「内部」の概念を理解するため、inを使った2つの例を見てみましょう:
- in a park (公園の中で)
- in a house (家の中で)
上の例文(in a park)は、公園の広い敷地を「面」と見立て、その内部にいる様子を示します。ここから、「公園の中で」の解釈が生まれます。
下の例文(in a house)は、家を立体感のある「空間」と見立て、その内部にいる様子を示します。ここから、「家の中で」の解釈が生まれます。
inには他にも複数の用法があるが、いずれも「内部」の拡張で理解できます。以下、inの使い方の詳細を見ていきましょう。
2. 前置詞inの使い方
前置詞inは「内部」を中心的な意味として、そこから様々な用法に派生します。トイグルでは、前置詞inの意味ネットワークを次のように定義しました。

用法を1つずつ見ていきましょう。
2-1. 場所や位置を表すin

- (1) She arranged the flowers in a vase. (彼女は花びんに花を生けた)
- (2) I live in Japan. (私は日本に住んでいる)
- (3) The sun rises in the east. (太陽は東から昇る)
- (4) Customers are waiting in line. (客が列になって並んでいる)
(1と3はOALD)
inの持つ「内部」のイメージがもっとも典型的に用いられるのが、場所や位置を表すinです。
(1)は物理的空間(小)を表すinです。花は花びんの中にあります。
(2)は物理的空間(大)を表すinです。日本を1つの面(空間)として捉え、その中に住んでいる様子を表します。
(3)は方向を表すinです。日本語は「太陽は東から昇る」と言うが、英語ではinを使う点に注意しましょう(fromは誤りです)。
(4)は配列を表すinです。列を遠目から見れば空間のように見えることから、inが使われます。
2-2. 時間を表すin

- (5) The academic year usually starts in September. (年度はたいてい9月に始まる)
- (6) Attendances at the pool always fall in winter. (プールの入場者は冬に落ちる)
- (7) She learnt to drive in three weeks. (彼女は運転を3週間で学んだ)
- (8) We’re meeting in two days. (私たちは2日後に会うだろう)
(5, 6, 7はOALD)
inは「内部」のイメージは比喩的に解釈され、時間を表す用法にも使われます。時間的な長さが空間として捉えられ、その中にいる感じです。
(5)は月を表すinです。他にも、in 1974というように、inは年を表す際にも使われます。
(6)は季節を表すinです。冬という季節が1つのまとまりを持った時間として捉えられています。
(7)は終点(過去)を表すinです。例文の「3週間」は、彼女が運転を始めてから経過した時間を示します(現在から過去にさかのぼって3週間前、ではありません)。
(8)は終点(未来)を表すinです。例文は、今から数えて2日目の期間が終わった時点(=あさって)を示しています(2日以内、ではありません)。
2-3. 服装や色を表すin

- (9) You look very smart in that suit. (あのスーツを着るときちんとして見えます)
- (10) Who is that man in the hat? (あの帽子の男性は誰ですか?)
- (11) Do you have this shirt in an extra large size? (このシャツのXLサイズはありますか?)
- (12) She was dressed all in white. (彼女は全身白い服を着ていた)
(9, 11, 12はOALD)
inの持つ「内部」のイメージは、服装や色を表す際にも使用します。
(9)は服装を表すinです。スーツという服装を空間に見立て、人がその中にいるといったニュアンスで捉えられます。
(10)は帽子を表すinです。He went out in his blue shoes. (彼は青い靴で出かけた)のように、靴にもinが使えます。
(11)はサイズを表すinです。small(S)、medium(M)、large(L)などに使えます。
(12)は色を表すinです。他にも、in black(黒)、in green(緑)、in blue(青)のように言えます。
2-4. 状態や心理を表すin

- (13) He’s in deep trouble. (彼は大変なトラブルの真っ只中だ)
- (14) She was in love with him. (彼女は彼に恋をしていた)
- (15) She works in marketing. (彼女はマーケティングの仕事をしている)
- (16) Oranges are rich in vitamin C. (オレンジはビタミンCが豊富だ)
(Oxford Advanced Learner’s Dictiinary)
inの持つ「内部」の意味は、モノの状態や、ヒトの心理を表すことにも使えます。
(13)は状態を表すinです。「大変なトラブル」が空間として捉えられ、その内部にいる様子が示されています。
(14)は心理を表すinです。「彼を好き」の心理状態の中にいる、の意味です。
(15)は従事を表すinです。マーケティングという分野の中にいることから、その仕事に従事していると解釈されます。
(16)は範囲を表すinです。オレンジが、ビタミンCという範囲の中で、rich(豊富な)状態であるの意味です。
3. inと他の前置詞の違い
inは他の前置詞と比較することにより、用法の違いがいっそう際立ちます。
ここでは、inとintoの違い、inとwithinの違い、inとduringの違い、時間帯を表すinとonの違い、場所を表すinとonの違いについて説明します。
3-1. inとintoの違い
inと似た用法の前置詞にintoがあります。どちらも様々な用法があるが、inは静的、intoは動的な様子を表すことが多いです。例を見てみましょう。
- He ran in the room. (彼は部屋の中で走った)
- He ran into the room. (彼は部屋に走って入った)
(The Semantics of English Prepositions)
上の例文(ran in the room)は前置詞inが使われています。彼が既に部屋にいて、その内部で走り回った様子が示されます。
下の例文(ran into the room)は前置詞intoが使われています。彼ははじめ部屋の外にいたが、走って部屋の内部に移動した様子がうかがえます。
3-2. 時間を表すinとwithinの違い
時間を表すinと似た用法に、withinがあります。次の例文を比較してみましょう:
- Mark will be back in 10 minutes. (マークは10分後に戻る)
- Mark will be back within 10 minutes. (マークは10分以内に戻る)
上の例文(in 10 minutes)は前置詞inが使われています。inは「…後」の解釈になるので、マークは今から10分経った後に戻ってきます。
下の例文(within 10 minutes)は前置詞withinが使われています。withinは「…以内」の解釈になるので、マークは10分以内のいずれかの時点に戻ってきます(3分後でも7分後でも良い)。
ただし、場合によって、inも「…以内」の解釈で捉えられることもあります。次の例文は、5分経たないうちに夕食ができる可能性を含んでいます:
- Dinner will be ready in five minutes. (あと5分で夕食です)
3-3. 時間を表すinとduringの違い
inとduringはどちらも、「…の間」の意味で、特定の時間内のある時を表します。次の例文はどちらも、「私は夏の2週間入院していた」の意味で変わりません:
- I was in hospital for two weeks in the summer.
- I was in hospital for two weeks during the summer.
during は、出来事や活動が続く時間内であることを明示する際によく使います。ただし、in a meeting や in a lecture のように、その活動への参加やその場にいることを表す in も使えます。両者は排他的な規則ではありません。
- Brad slept during the lecture. (ブラッドは講義の間寝ていた)
尚、この文は「講義の一部の時間」と「講義の間ずっと」の2通りの解釈ができます。どちらの解釈になるかは、前後の文脈から判断するほかありません。
3-4. 時間帯を表すinとonの違い
朝や夕方などを示す時は通常、前置詞inを用います。これは、まとまりのある時間を空間として捉え、その中にいると考える比喩的な表現です:
- We have to get up early in the morning. (私たちは朝早く起きなければならない)
ただし、「5月19日の朝」など、特定の日の時間を表す場合、前置詞onを用います:
- When Oliver woke up on the morning of May 19, his temperature had dropped. (オリバーが5月19日の朝に起きた時、彼の体温は下がっていた)
このような使い分けをする理由は定かではないが、特定の日にちは心的距離が近くなるので、onが好まれるのではないでしょうか。
3-5. 場所を表すinとonの違い
前置詞onは「接触」を表し、これは線への接触(例: on the border)と、表面への接触(例: on the table)があります。前置詞inは「内部」を表し、これは面の内部(例: in a park)と空間の内部(例: in a house)があります。
| 線 (1次元) | on the border |
| 表面 (2次元) | on the table |
| 面 (2次元) | in a park |
| 空間 (3次元) | in a house |
表面を表すonと面を表すinは共に2次元だが、違いは何でしょうか? これについて、Quirk et al.は以下のような例を提示しています:
- The frost made patterns on the window. (霜は窓に模様を作った)
- A face appeared in the window. (顔が窓の中にあらわれた)
(A Comprehensive Grammar of the English Language)
上の例文(on the window)は、窓が「ガラスの面」として捉えられ、霜がついている箇所に焦点が置かれます。下の例文(in the window)は、窓が「枠のある範囲」として捉えられ、ガラス枠の内部に顔が映っています。
つまり、2次元の場合は「接触」に焦点が置かれれればon、「範囲の中」に焦点が置かれればinが好まれる、というのが1つの可能な解釈でしょう。
onとinの違いは、以下の例文にも見て取れます:
- Adam was sitting on the grass. (アダムは芝生の上に座っていた)
- Adam was sitting in the grass. (アダムは芝生の中に座っていた)
grassは「芝生」の意味だが、on the grassは芝生との接点が注目されるので、丈の短い草だったことが示唆されます。一方、in the grassは芝生の内部が注目されるので、丈の長い草だったことが示唆されます。
4. まとめ
この記事では、英語の前置詞inについて詳細を解説してきました。
内容をまとめると次のようになります:
- 前置詞inは「内部」のイメージです
- 内部は「面の内部」と「空間の内部」があります
- inのもっとも基本的な用法は場所です
- inは比喩的に拡張されて時間、状態などにも使われます
- 異なるニュアンスの他の前置詞があります
英語初級者の方は、基本的な用法である場所から覚えましょう。中級者の方は比喩的に拡張された意味を理解すると良いです。上級者の方は、他の前置詞との使い分けができると表現の幅が広がります。
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆しています。興味のある方はぜひご覧ください。
Good luck!
It is possible to finish this work in an hour.
この仕事は1時間以内で終えることができます (ジーニアス英和和英辞典)
Dinner will be ready in five minutes.
あと5分で夕食です (ジーニアス英和辞典)
これらは記事中にあるように、…以内の意味を含んでいます。
これらでwithinが使われていないのは何故でしょうか。
私は、上の英文を例にすれば、「今から1時間経つまでの間に終えられる」というよりは「今から一時間後には終わっている、一時間あれば終えられる」というニュアンスというか思考があるから⇒”今から1時間後までの間で”がポイントではなく、”遅くとも1時間後には”がポイントになっている。
下の英文なら、「(遅くとも)5分後には夕食になる」という期限がポイントで、「今から5分後までの間の何処かで」という範囲はポイントではない⇒範囲の中でも、終わり(期限)に重点が置かれている
このように考えましたが、どうでしょうか
>蘭様
おそらく、意味的には within でも大丈夫なはずです。
ただ、within のほうが仰々しい言い方になるので、in のほうが自然に感じられるというところだと思います!