英語前置詞の後置とは?種類と使い方を説明

前置詞の後置

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

英語の前置詞は、しばしば文末に後置される。

たとえば、That is the computer I was referring to.(あれは私が言及していたパソコンだ)では、前置詞toが文末に残って置かれている。

この記事では、こうした前置詞の後置と呼ばれる現象について、詳細を解説していく。学習の参考になるはずだ。

1. 前置詞の後置が起こる理由

英語の前置詞とは、at、on、inなどに代表される語(または句)である。

前置詞はその名称のとおり、基本的には目的語となる名詞の「前」に置いて使われる。たとえば、in the room(その部屋の中で)は、「in+the room」で句が形成される。

ここで、何らかの事情で前置詞が目的語から離れた位置に置かれることがある。例を見てみよう。

  • (1) Who are you talking with? (あなたは誰と話しているのですか)

(1)において、Who(誰)は前置詞withの目的語である。疑問文ではWhoが文頭に来るため、withがそこから離れて(厳密に言えば元の位置に残留して)、結果的に後置される構造になる。

このことをより直感的に理解するため、前置詞の目的語が本来あるべき位置を空白で示してみよう。

  • (1′) Who are you talking with ___ ?

(1′)においてwithの目的語はWhoである。withの後ろには目的語が存在しないわけではなく、前置詞と目的語が離れて置かれている、という構造なのである。

前置詞の後置について知ると、ライティング(英作文)でより正確な文が書けるようになる。スピーキング(会話)においてもネイティブらしい発話ができるだろう。

以下、前置詞の後置に関して、その具体的な例を見ていこう。

前置詞の後置は「誤った英文法」ではない
前置詞の後置は伝統的に「誤った英文法」と言われ、その使用を避けるよう指導されてきた。しかし、実際は日常的によく使われる「正しい英文法」なのである。

2. 前置詞の後置: 種類と使い方

前置詞の後置が起こる場合について、種類と使い方を述べていく。

2-1. 疑問詞

  • (2) What are you looking for? (あなたは何を探しているのですか)
  • (3) Tell us what you are looking for. (あなたが何を探しているか教えて下さい)

前置詞の目的語が疑問詞の場合、前置詞は後置される。

(2)は疑問文、(3)は間接疑問文の例である。

2-2. 関係詞節

  • (4) You are the most remarkable person (whom) I have ever worked with. (あなたは私がこれまで一緒に仕事をした中でもっとも注目すべき人です)
  • (5) That was the house (which) I lived in. (あれは私が住んでいた家です)
  • (6) That is what I am against. (あれが私の反対していることです)

前置詞の目的語が関係代名詞の場合、前置詞は後置される。

(4)は関係代名詞who(m)、(5)は関係代名詞which、(6)は関係代名詞whatの例である。

尚、「前置詞+関係代名詞」のほうがよりフォーマルな文体になる。たとえば、(5)は次のように書いてもよい。

  • (5′) That was the house in which I lived. (あれは私が住んでいた家です)

前置詞つき関係代名詞
前置詞つき関係代名詞の仕組みは別記事で解説している。より詳しく知りたい方はご覧いただきたい。

2-3. 疑似分裂文

  • (7) What we are talking about is the future of the country. (私たちが話していることはこの国の未来についてです)

いわゆる疑似分裂文の中でも、前置詞は後置される。

2-4. 感嘆文

  • (8) What a lot of trouble I’m in! (なんて面倒なことになってしまったのだろう)

(Practical English Usage)

感嘆文の中でも前置詞は後置される。

2-5. to不定詞

  • (9) I don’t have anyone to talk with. (話す相手がいない)
  • (10) Tokyo is easy to live in. (東京は住みやすい)

to不定詞の中でも前置詞は後置される。

2-6. 句動詞の受動態

  • (11) That house has been paid for. (その家代は支払い済みです)

「動詞+前置詞」の句動詞を受動態にする時、前置詞は後置される。

2-7. worth -ingの文

  • (12) Those reasons are worth listening to. (それらの理由は聞くに値する)

「worth+-ing」の中において、前置詞は後置される。

2-8. 倒置文

  • (13) Your father, I’m even more deeply indebted to. (あなたの父に私は心から恩義を感じている)

(The Cambridge Grammar of the English Language)

強調のため、目的語が前に出る場合の倒置文では、前置詞は後置される。

3. まとめ

この記事では、前置詞の後置について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. 前置詞が文末に後置されることがある
  2. 後置された前置詞は目的語が離れた位置にある
  3. 前置詞の後置は「誤った英文法」ではない
  4. 前置詞の後置は疑問詞や関係詞節でよく起こる
  5. 不定詞の中や句動詞の受動態で前置詞の後置が起こることがある

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です