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worth は主に「…の価値がある」の意味で使われる形容詞です。S be worth O や It is worth doing などの形で用いられます。会話では worth it(それだけの価値がある)などのイディオムで使用されることも多くあります。
worth の読み方
worth
ワース
/wəːrθ/
【worth の発音(男性声)】
【worth の発音(女性声)】
worth の使い方(形容詞用法)
1. …の値打ちのある(S be worth O)
- That vintage car is worth $200,000.
(その年代物の車は20万ドルの価値がある) - My friend just got a new job that pays a salary worth $50,000 a year.
(友人は年間5万ドル相当の給与を支払う新しい仕事に就いたばかりです) - How much is your jewelry collection worth?
(あなたのジュエリーコレクションはどれくらいの価値があるのでしょうか)
“S be worth O” は「…の値打ちがある(= 金に換算して…に相当する)」の意味で使われます。この場合、O には金額をあらわす語が入ります。2つ目の例文のように、後置修飾されることもあります。
2. …の財産を所有して(S be worth O)
- She is worth over $100 million.
(彼女には1億ドル以上の財産があります) - What is he worth?
(彼の財産はどれくらいですか)
“S be worth O” は「…の財産を所有して」の意味でも使われます。
注: million は「百万」の意味。100 million は「1億(= 100 × 100万)」となります。
3. …の価値がある(S be worth O)
- The new bakery is worth a try.
(その新しいパン屋は試してみる価値があります) - Learning a new language is worth your time.
(新しい言語の学習は時間をかける価値があります) - Trying to fix your phone yourself isn’t worth your while.
(自分で携帯電話を直そうとするのは割に合いません)
“S be worth O” は「…の価値がある」の意味でも使われます。Oの位置には try や visit などの名詞が入ります。
2つ目の例文のように、Oの直前に your などの所有格の代名詞が入ることがあります。また、3つ目の例文のように、worth one’s while の形で使われることもあります。
否定文の場合、意味を強めるため、worth a damn などの表現が使われることがあります。
例: I spent a lot of money on that cheap camera, but it turned out it wasn’t worth a damn. (安物のカメラに大金をつぎ込んだが, その価値はないことが判明しました)
4. …する価値がある(S be worth doing)
- The advice of a financial advisor is worth listening to.
(ファイナンシャルアドバイザーの助言は傾聴に値する) - The last season of that TV show was hardly worth watching.
(そのテレビ番組の最終シーズンはほとんど見る価値がなかった) - Is London worth visiting?
(ロンドンは訪れる価値があるのでしょうか)
“S be worth doing” は「…する価値がある」の意味で使われます。2つ目の例文の hardly(ほとんど…ない)のように、否定をあらわす副詞と共に使われることもあります。
この構文において、doing の代わりに to do を使うことは、通例、認められません。
5. …することは価値がある(It is worth doing)
- It’s worth making time for exercise.
(運動の時間を作ることに価値があります) - It isn’t worth repairing this old computer.
(この古いパソコンを修理する価値はありません) - Is it worth buying a car for city living?
(都会暮らしのために車を買う価値はあるのでしょうか)
“It is worth doing” は「…することは価値がある」の意味で使われます。
この構文において、-ing を文の主語にすることはできません。例えば、× Making time for exercise is worth. は不可となります。
6. …することは価値がある(It is worth while doing / to do)
- It’s worth while visiting the national park.
(その国立公園を訪れる価値はあります) - It’s worth your while reading that book.
(その本を読んでみる価値はありますよ) - It’s worth while to visit the national park.
(その国立公園を訪れる価値はあります) - It’s worth your while to read that book.
(その本を読んでみる価値はありますよ)
“It is worth while doing / to do” は「…することは価値がある」の意味で使われます。-ing のほか to do を取ることができます。to do のほうがやや堅い表現になります。worth your while のように、代名詞を入れる場合もあります。
この構文は目的語補語の位置で用いられる場合もあります。
例: If you help me move this weekend, I’ll make it worth your while with some free pizza and beer. (今週末の引っ越しを手伝ってくれたら, ピザとビールを無料で提供しますよ)
worthの使い方(名詞用法)
1. …相当(の金額・分量)
- The accident caused thousands of dollars worth of damage to the cars.
(この事故により車には数千ドル相当の損害が発生した) - I bought ten dollars’ worth of snacks at the convenience store.
(コンビニで10ドル分のお菓子を買いました)
worth の名詞用法には「…相当(の金額・分量)」の意味があります。2つ目の例文のように、直前の名詞が所有格になることもあります。
2. ある期間分(の食料など)
- We need to prepare ten days’ worth of food and water for our camping trip.
(キャンプに行くのに10日分の食料と水を用意する必要がある)
worth の名詞用法には「ある期間分(の食料など)」の意味があります。
3. 価値, 重要性
- He worked hard to prove his worth.
(彼は自分の価値を証明するために頑張りました) - Her knowledge is of great worth.
(彼女の知識は大きな価値がある)
worth の名詞用法には「価値(重要性)」の意味もあります。かたい用法です。
4. 財産, 資産
- Mike has a personal net worth of $250 million.
(マイクの個人的な純資産は2億5千万ドルです)
worth の名詞用法には「財産(資産)」の意味もあります。
worth と value は「価値」をあらわす点で共通しています。ただし、value は金、品物、サービスに対する価値に用いられることが多いのに対して、worth は倫理的、精神的、美的な価値という意味でも使用されます。(参考:『英語類義語辞典』)
worth を使ったイディオム
1. worth it
- Sushi for lunch was definitely worth it.
(ランチのお寿司は間違いなく価値がありました)
“worth it” は「それだけの価値がある」の意味で使われるイディオムです。
2. for all it is worth (= for what it is worth)
- For what it’s worth, I heard that the new restaurant is amazing.
(役に立つかどうかわからないけれど, 新しいレストランがすごいらしいです) - Here’s the list of names, for what it’s worth.
(こちらが名前のリストです, お役に立つかわかりませんが)
例文(下)の出典: Longman Dictionary of Contemporary English
“for all it is worth”(= for what it is worth)は「役に立つかどうかわからないけれど」の意味で使われるイディオムです。
3. for all one is worth
- She ran for all she was worth, trying to catch the last train home.
(彼女は最終電車に間に合わせようと全力で走った)
“for all one is worth” は「全力で」の意味で使われるイディオムです。
4. worth his(her) salt
- As a seasoned chef, he is definitely worth his salt in the kitchen.
(経験豊富なシェフとして, 彼は厨房で間違いなく一人前の仕事をします)
“worth his (her) salt” は「給料だけの働きがある(仕事を完全にやる)」の意味で使われるイディオムです。
5. worth your/its weight in gold
- Investing in a good education is worth its weight in gold in the long run.
(良い教育に投資することは, 長い目で見ればとても役立つのです)
“worth your (its) weight in gold” は「とても役立つ」の意味で使われるイディオムです。
worth を修飾する語
1. well worth
- Kyoto is well worth visiting.
(京都は訪れる価値があります)
worth は well によって修飾されます。
worth が「…の財産を所有して」の意味で使われる場合、well による修飾は認められません。この意味では段階的な意味を持たないからです。
2. very much worth
- It’s very much worth a try.
(試してみる価値は大いにあります)
“very much” による修飾も可能です。ただし、☓ very worth や ☓ much worth と言うことはできません。
3. all worth
- I wondered if it was all worth it.
(それだけの価値があるのかと思います)
all による修飾も可能です。
備考: worth は形容詞、前置詞?
worth を形容詞と前置詞のどちらに分類するかは、判断が分かれるところです。
海外の辞書、例えばオックスフォード現代英英辞典(第10版)やコウビルド英英辞典では、worth を形容詞としています。
安藤貞雄著『現代英文法講義』では、worth(および like や near) を「目的語をとる形容詞」として説明しています(p474)。
一方、学習英和辞典では、worth を前置詞と考えるものも少なくありません。
例えば、ウィズダム英和辞典(第4版)やジーニアス英和辞典(第6版)では、worth を前置詞としています。
ただし、いずれの辞書にも「元来は形容詞であったので比較変化をする」(ジーニアス英和辞典 第6版)のような注記が見られることから、相応の配慮がなされていることもわかります。
厳密な分類はさておき、学習上の観点では、「worth は分類上は形容詞になる。ただ、辞書や文法書によって、worth を前置詞扱いするものもある」と考えておけば十分でしょう。
本記事では、worth を形容詞と考えました。
worth は形容詞のため、more worth, most worth, less worth などによる比較変化も可能です。比較変化があることは、worth を形容詞と認めることの1つの証拠になります。