関係代名詞の省略はなぜ起こる?仕組みと見分け方を説明

関係代名詞の省略

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英語の関係代名詞は、しばしば省略して使われる。

英語を勉強中のあなたは次のような悩みを持っていないだろうか?

  • 関係代名詞の省略があると文を読めなくなる
  • 関係代名詞の省略が起こる仕組みを知りたい
  • 関係代名詞の省略を見抜けるようになりたい

そこでトイグルでは、関係代名詞の省略について詳細をまとめた。学習の参考になるはずだ。

1. 関係代名詞の省略を見抜く方法

関係代名詞の省略について理解を深めるには、実際の例を見るとよい。

次の例文には関係代名詞の省略がある。どの位置に隠れているだろうか?

  • The thinnest smartphone I’ve ever owned is the JetPhone 2. (私がこれまで所有したもっとも薄いスマートフォンはJetPhone 2です)

結論的に言えば、smartphoneI’veの間に関係代名詞that(あるいはwhich)が省略されていると考える。関係代名詞を復元すると次のようになる。

  • The thinnest smartphone that I’ve ever owned is the JetPhone 2. (私がこれまで所有したもっとも薄いスマートフォンはJetPhone 2です)

関係代名詞の省略を見抜くもっとも確実な方法は、文構造から逆算して考えることにある。関係代名詞が表面に出現していなくとも、関係代名詞なしでは文が成立しない場合、いずれかの位置に省略が起きているはずである。

先ほどの例文をもう一度見てみよう。文を読み始めるとまず、The thinnest smartphone(もっとも薄いスマートフォン)が主語のように見える。

  • The thinnest smartphone: 主語?

英語では通常、主語の後ろには述語動詞が来る。そこで動詞を求めて文を読み進めると、直後にI’ve ever owned(私がこれまで所有した)が出現する。

仮にhave ever owned(これまで所有した)を文の動詞と捉えると、「主語+主語+動詞」のような構造になってしまう。これは英語では許容されない。

  • The thinnest smartphone / I / ‘ve ever owned: 主語+主語+動詞?

さらに文を読み進めると、動詞is(..です)があらわれる。先の仮定のままでは、今度は「動詞+動詞」で重複が生じる。

  • The thinnest smartphone / I / ‘ve ever owned / is: 主語+主語+動詞+動詞?

論理が破綻してしまったので、角度を変えて文を読んでみよう。主語はThe thinnest smartphone(もっとも薄いスマートフォン)のままにして、直後に関係代名詞の省略があると捉えるのである。

つまり、I’ve ever ownedThe thinnest smartphoneを修飾する関係詞節(= 関係代名詞が導く節)で、関係代名詞thatwhich)が省略されている。このように考えれば、文全体の整合性が取れる。

  • The thinnest smartphone / that (which) I’ve ever owned / is / the JetPhone 2.
  • 主語: The thinnest smartphone that (which) I’ve ever owned
  • 動詞: is
  • 補語: the JetPhone 2.

以上、文構造から逆算することによって、関係代名詞の省略を見抜くことができた。省略が起こるパターンはほぼ一定なので、ある程度練習をすれば、迷わずできるようになる。

関係代名詞の省略はなぜ起こるのか?
筆者は関係代名詞の省略が起こる理由を「それがなくても文解釈に影響を与えず、また文意から復元可能だから」と考えている。

関係代名詞の使い方
関係代名詞の基本的な使い方は別記事で解説している。「関係代名詞の基礎からおさらいしたい!」と思った方は、別記事もご参照いただきたい。

2. 目的格の関係代名詞の省略

関係代名詞の省略が起こる場合、圧倒的に多いのが、目的格の省略である。

したがって、これを見抜けるようになることが、関係代名詞の省略を理解する上で何よりも重要である。2つのケースを見ていこう。

2-1. 動詞の目的語に相当する場合

  • The man I met in Austria is an architect. (私がオーストラリアで会った男性は建築士です)

関係代名詞の元の位置が動詞の目的語の場合、関係代名詞は省略されることが多い。

例文の関係代名詞を復元すると、次のようになる(^は関係代名詞の元の位置。)

  • The man (that/who/whom) I met ^ in Austria is an architect.

関係代名詞の使い分け
目的格の関係代名詞が人を先行詞にする場合、that、who、whomのいずれも使用できる。whomは堅い書き言葉特有の表現。

2-2. 前置詞の目的語に相当する場合

  • The woman I was speaking with told me a different price. (私が話していた女性は異なる価格を言った)

目的格の関係代名詞は前置詞の目的語に相当する場合もある。この場合も、関係代名詞は省略されることが多い。

例文の関係代名詞を復元すると、次のようになる(^は関係代名詞の元の位置。)

  • The woman (that/who/whom) I was speaking with ^ told me a different price.

構造がわかりにくい場合、文を2つに分割して考えるとよい。

  • I was speaking with a woman. The woman tole me a different price.

3. 主格の関係代名詞の省略

原則的に、主格の関係代名詞は省略されない。

例えば、次の例文の関係代名詞whoは省略不可。

  • I saw a woman who wears glasses. (私はメガネをかけた女性を見た)

ただし、いくつかの少数のケースでは、主格の関係代名詞が省略される。5つのケースを見ていこう。

3-1. there isに続く場合

  • Amanda, there’s a man wants to see you. (アマンダ、あなたに会いたい男がいますよ)

there isの後に先行詞+関係詞節と続く場合、主格の関係代名詞は省略されることがある。

例文の関係代名詞を復元すると、次のようになる。

  • Amanda, there’s a man (that/who) wants to see you.

3-2. 関係詞節内にthere is/wasがある場合

  • You simply record your video and upload it. That is all there is to it. (単に動画を撮影して、それをアップロードしましょう。それだけのことです)

関係詞節の中にthere is/wasがある場合、主格の関係代名詞は省略されることがある。

例文の関係代名詞を復元すると、次のようになる。

  • That is all (that) there is to it.
    (直訳: それ(that)がそのこと(it)に対してあるすべてのこと)

thereは副詞
thereの品詞は副詞であり、there is XはX is thereが倒置されたもの。all there isはall is thereの構造と考えるとよい。

3-3. it is/wasに続く場合

  • It is the answers are in my hands. (その答えですよ、私の手の中にあるものは)

it is/wasの後に先行詞+関係詞節と続く場合、主格の関係代名詞は省略されることがある。

例文の関係代名詞を復元すると、次のようになる。

  • It is the answers (that) are in my hands.

強調構文
It is … that …は強調構文と考えてもよい。

3-4. 関係代名詞の直後にI thinkなどが挿入されている場合

  • This is something I think is totally okay. (これが私が思うに完全によいものです)

関係代名詞の直後にI think(私が思うに)などが挿入される場合、主格の関係代名詞は省略されることがある。

例文の関係代名詞を復元すると、次のようになる。

  • This is something (that) I think is totally okay.

構造がわかりにくければ、I think(私が思うに)をいったん抜いて考えてみるとよい。

  • This is something (that) is totally okay.

3-5. 関係代名詞がbe動詞の補語の場合

  • Duncan is not the man he used to be. (ダンカンは彼がそうであったような男性ではない)

関係代名詞がbe動詞の補語の場合、主格の関係代名詞は省略されることがある。

例文の関係代名詞を復元すると、次のようになる。

  • Duncan is not the man that he used to be.

先行詞は文の補語
この例は一見すると目的格に見えるが、the manはbe動詞の補語なので、分類上は主格の関係代名詞となる。

4. まとめ

この記事では、関係代名詞の省略について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. 関係代名詞は省略をして使われることがある
  2. 関係代名詞の省略は文構造を逆算して見抜く
  3. 省略があっても文構造は変わらない
  4. 目的格の関係代名詞はしばしば省略される
  5. 主格の関係代名詞が省略されることもある

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

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