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英語のshallは「必ずや…する」や「…するでしょう」を意味する助動詞である。
英語を学習中のあなたは次のような疑問を持っていないだろうか?
- shallの使い方を知りたい…
- shallとwillの違いは何…?
- shallの上手な訳し方を知りたい…
現代英語でshallを使う場面は少なく、助動詞の中で存在感は少ない。だからこそ、時折shallが出現した時、その解釈にこまる方は多いだろう。
そこでトイグルでは、英語の助動詞shallについて、詳細を解説していく。
この記事を読めばshallの使い方がわかる。文を正確に読み書きできるので、あなたの英語力が一歩向上するに違いない。ぜひ最後まで読んでほしい。
1. shallの中心的な意味は「不可避」
shallには様々な意味があるが、その中心的なイメージは「不可避」である。ある出来事が不可避的に起こる、あるいは起こるかどうか尋ねる際に用いる。
不可避な状況は大きく分けて2種類ある。1つは話し手の意志をあらわすものである。次の例文を見てみよう。
- (1) Shall we dance? (踊りませんか)
話し手は、聞き手の意志を尋ねることから、提案や申し出といった意味になる。
shallの用法の2つ目には単純未来がある。これは話し手の意志が介入せず、その状況が必然的に起こることを示す。次の例文を見てみよう。
- (2) I shall be 40 next month. (私は来月、40歳になる)
話し手が来月40歳になることは、時が経てば自然にそうなることであり、意志とは無関係である。
ここまでの話をまとめると、shallの基本用法は次の2つとなる。
意志 | 提案、申し出、約束 |
単純未来 | 必然的に起こること |
2. shallの使い方
shallは「意志」と「単純未来」から、さらに9つの使い方にわけられる。
1つずつ見ていこう。
2-1. 提案・申し出
- (3) Shall we begin? (はじめましょうか)
- (4) Shall I go? (行ってあげましょうか)
- (5) What shall I do? (どうしたらよいのだろう)
- (6) Let’s start at the beginning, shall we? (最初からはじめましょうか)
現代英語でshallが使われるとすれば、そのほとんどは、提案や申し出をあらわす時である。
(3)はShall we…?(…しましょうか)で提案、(4)はShall I…?(…してあげましょうか)で申し出をあらわしている。
(5)のようなWH疑問文は「自問自答」をすることになるので、話し手の困惑の気持ちが込められる。
(6)のようなLet’s…に続く付加疑問にもshallは出現する。
2-2. 相手の意向
- (7) Shall Jane go there for you? (あなたの代わりにジェーンにそこに行かせましょうか)
三人称を主語にしたshallの疑問文では、「(人に)…させましょうか」の意味で、相手の意向を尋ねられる。
ただし、この用法は現代では<まれ>である。
2-3. 強い意志
- (8) We shall overcome. And yes we can. (私たちはきっと乗り越えられる. そうさ, できる)
- (9) I shall never forget that journey. (あの旅を決して忘れない)
shallは「必ずや…する」の意味で、強い意志を述べる際にも使われる。
(8)は肯定文、(9)はneverを用いた否定文である。
ただし、この用法はかたい響きを持ち、古めかしい感じがする。
2-4. 弱い意志
- (10) I shall look forward to hearing from you. (あなたからのお便りを楽しみにしています)
- (11) We shall discuss this in detail later in the article. (この点の詳細は論文の後半で述べます)
shallは「…するつもりだ」の意味で、弱い意志を述べる際にも使われる。
この用法は(11)のような、学術的な文章でも用いられる。
2-5. 命令・規制
- (12) You SHALL do your homework now, whether you like it or not! (やりたいかどうかにかかわらず、いま宿題をしなさい!)
- (13) All employees shall adhere to these restrictions. (全従業員はこれらの規則を遵守すること)
shallは「…しなければならない」や「…するものとする」の意味で、命令や規則を述べる際にも使われる。
(12)は親が子供に対して宿題するよう叱りつけている場面である。(13)のように、法令や規則を記す際にも用いられる。
2-6. 約束
- (14) You shall have a piece of cake. (おまえにケーキを1切あげよう)
shallは「…してよい」や「…させてあげよう」の意味で、約束をあらわす際にも使われる。
ただし、この用法は尊大な響きがあるため、子供やペット等に対してのみしか用いない。
2-7. おどし
- (15) You shall pay for this! (この代償を払ってもらうぞ)
shallは「…することになるぞ」の意味で、おどし(警告)をあらわす際にも使われる。
2-8. 単純未来
- (16) I shall be 37 next month. (来月、37歳になります)
- (17) I hope that I shall be better tomorrow. (明日、良くなっていることを願います)
- (18) I shall be going to Vienna this afternoon. (今日の午後にビエナに向かっているでしょう)
- (19) I shall have finished my work by tomorrow. (明日までには仕事を終えているでしょう)
shallには単純未来の用法もある。
(16)は話し手の意志とは関係なく、時間が経てば自然に特定の状態になるニュアンスがある。一方、(17)には話し手の認識的判断が加わっている。
(18)のshall be doingは「(未来のある時に)…しているだろう」、(19)のshall have doneは「…しているだろう」の意味となる。
2-9. 予言
- (20) The earth shall be filled with God’s glory. (大地は神の栄光で満たされよう)
(現代上級英文法)
古風な英語では、shallが「…することとなろう」の意味で予言をあらわすことがある。
3. shallと他の助動詞の違い
shallと他の助動詞の違いについて、述べていく。
3-1. Shall I…?とWill I…?の違い
- (21) Shall I paint it over in another color? (もう一度別の色で塗りましょうか)
- (22) Will I paint it over in another color? (私がもう一度別の色で塗るのですか)
(英語の法助動詞)
Shall I…?とWill I…?にはニュアンスの微妙な違いがある。
Shall I…?は話し手の申し出をあらわす。(21)は「もう一度別の色で塗りましょうか」と、聞き手の希望を尋ねる文である。
一方、Will I…?は未来をあらわす。(22)は「私がもう一度別の色で塗るのですか」と、未来の出来事を尋ねる文である。
3-2. Shall we…?とShould we…?の違い
- (23) Shall we dance? (踊りましょうか)
- (24) Should we dance? (踊るべきでしょうか)
意志の意味において、willとwouldは「現在 – 過去」の対応関係がある。
それに対して、shallとshouldを単純に入れ替えることはできない。
(23)は「踊りましょうか」と誘っているのに対し、(24)は「踊るべきでしょうか」と疑問をなげかける文である。
3-3. 間接話法におけるshall, should, would
- (25) “Where shall I park the car?” he said.
- (25′) He asked where he should park the car.
- (26) Joe said, “I shall see you later.”
- (26′) Joe said the he would see us later.
(英語の法助動詞)
直接話法の疑問文を間接話法の文に書き換える場合、shallはshouldに変化する場合と、wouldに変わる場合がある。
(25)および(25′)はshallがshouldを変える場合である。(25)は「車をどこに停めておきましょうか」と話し手の意向を述べているので、間接話法でも、shouldで「どこに車を停めるべきか…」で意味が通る。
(26)および(26′)はshallをwouldに変えないと、意味が通らなくなる場合である。(26)のshallは単純未来なので、(26′)でshouldを使ってしまうと合わない。よって、wouldで代用する。
4. まとめ
この記事では、英語の助動詞shallについて詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- shallの中心的な意味は「不可避的に起こること」
- shallは主に提案や申し出に用いられる
- shallが意志や約束をあらわすことがある
- shallは単純未来でも用いる
- shallは現代英語ではあまり使われない
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!