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英語の比較変化とは、比較をあらわすために、形容詞・副詞を変化させることを言う。
比較変化は、語尾に -er / -est をつける場合と、more / most を伴う場合がある。
また、good が better や best になるといった、不規則な変化もある。
英語を学習しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 比較級・最上級の作り方を知りたい…
- 「y を i に変えて -er / -est」などの詳しい用法を学びたい…
- -er / -est と more / most の両方が使える語があると聞いたが…
そこでトイグルでは、英語の比較変化について、詳細を解説していく。
市販の参考書で扱われるより詳しくまとめたため、網羅的な知識が得られると思う。学習の参考になるはずだ。
本記事は比較変化の詳細を述べているため長文です。英語初学者の方は『1. 比較級・最上級の作り方は規則変化と不規則変化がある』を読むだけでも、比較変化の全体像がつかめるでしょう。詳細は目次から知りたい項目を御覧ください。
1. 比較級・最上級の作り方は規則変化と不規則変化がある
英語で比較をあらわすには、形容詞または副詞に対して、何らかの方法で変化を加える必要がある。
この時、形容詞・副詞の元の形を原級、「AはBより…である」をあらわす形を比較級、「Aはもっとも…である」をあらわす形を最上級と呼ぶ。
- 原級: 形容詞・副詞の元の形
- 比較級: 「AはBより…である」をあらわす形
- 最上級: 「Aはもっとも…である」をあらわす形
比較級・最上級の作り方には大きく2種類ある。1つは規則比較変化で、これは語尾に -er <比較級>、-est <最上級> をつける場合と、原級の前に more <比較級>、most <最上級> をつける場合の2つがある。
例えば、high(背が高い)は、higher(より背が高い/比較級)、highest(もっとも背が高い/最上級)のように変化する。
また、careful(気をつける)は、more careful(より気をつける/比較級)、most careful(もっとも気をつける/最上級)のように変化する。
比較級・最上級の作り方のもう1つは不規則比較変化で、これは、good(良い)が better(より良い/比較級)、best(もっとも良い/最上級)のように、元の形を変えて比較変化するものである。不規則比較変化する語は限られている。
これまでの話をまとめると、次の表のようになる。
例 | |
---|---|
規則比較変化 | high – higher – highest careful – more careful – most careful |
不規則比較変化 | good – better – best |
語がどのパターンで比較変化するかは、その語によって決まっている。例えば、上記の high については、higher / highest のように言うが、*more high / *most high のようには言わない。
私たちが英語を学ぶ際、比較変化には上記のような複数パターンがあることを承知した上で、ある語がどのように変化するか、1語ずつ覚えていくのがよい。
ある語がどのように比較変化するか確かめるには、辞書を参照しよう。例えば、high(背が高い)を辞書で引くと、「~er; ~est」の表記がある。これはすなわち、higher / highest のように比較変化することを示している。
専門的には、-er / -est をつけるものを屈折比較変化、more / most をつけるものを迂言比較変化と呼ぶ。
2. 規則比較変化(単音節の形容詞)の作り方
規則比較変化(単音節の形容詞)について、説明していきたい。
2.1. 大部分の単音節の形容詞は原級に -er, -est
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
low | lower | lowest |
tall | taller | tallest |
cheap | cheaper | cheapest |
大部分の単音節の形容詞は、原級に -er / -est をつけることで、比較級・最上級をつくる。
語注: low(低い)、tall(背が高い)、cheap(安い)
2.2. 語尾が-eで終わる形容詞は -r, -st
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
large | larger | largest |
free | freer | freest |
語尾が -e または -ee で終わる単音節の形容詞は、原級に -r / -st をつけることで、比較級・最上級をつくる。
語注: large(大きい), free(無料の)
このタイプについて、参考書によっては「e をとった形に -er / -est をつける」と書いているものもある。いずれにしても、例えば large なら larger – largest と変化する事実に相違はない。
2.3. “強勢のある短母音+1子音字” で終わる形容詞は子音字を重ねて-er, -est
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
big | bigger | biggest |
hot | hotter | hottest |
thin | thiner | thinest |
単音節の形容詞が「強勢のある短母音+1子音字」で終わる場合、その子音字を重ねて、-er / -est をつけることで、比較級・最上級をつくる。
語注: big(大きい)、hot(暑い)、thin(薄い)
2.4. “子音字+-y” で終わる1音節形容詞は y を i に変えて -er, -est
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
dry | drier | driest |
単音節の形容詞が「子音字 + – y」で終わる場合、y を i に変えて -er / -est をつけることで、比較級・最上級をつくる。
このタイプは、より典型的には、2音節語で見られる現象である。詳細は『3.1. 語尾が -y で終わる2音節形容詞は y を i に変えて -er, -est』にて、この後、解説する。
語注: dry(乾いた)
2.5. more, most をとる単音節語
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
like | more like | most like |
real | more real | most real |
right | more right | most right |
wrong | more wrong | most wrong |
いくつかの限られた単音節の形容詞は、more / most をつけることで、比較級・最上級になる。
語注: like(同様な)、real(実在する)、right(正しい)、wrong(間違った)
3. 規則比較変化(2音節の形容詞)の作り方
規則比較変化(2音節の形容詞)について、説明していきたい。
3.1. 語尾が -y で終わる2音節形容詞は y を i に変えて -er, -est
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
happy | happier | happiest |
early | earlier | earliest |
pretty | prettier | prettiest |
2音節の形容詞が「子音字 + – y」で終わる場合、y を i に変えて -er / -est をつけることで、比較級・最上級をつくる。
語注: happy(幸せな)、early(早い)、pretty(かわいい)
3.2. 語尾が-le, -ow, -erで終わる形容詞は -er, -est
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
simple | simpler | simplest |
narrow | narrower | narrowest |
clever | cleverer | cleverest |
語尾が -le, -ow, -erで終わる2音節形容詞は、-er / -est をつけることで、比較級・最上級をつくる。
語注: simple(単純な)、narrow(狭い)、clever(利口な)
clever は -er / -est だけでなく、more clever / most clever も容認されはじめている。
3.3. more, most をつける2音節形容詞
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
useful | more useful | most useful |
famous | more famous | most famous |
selfish | more selfish | most selfish |
useless | more useless | most useless |
exact | more exact | most exact |
recent | more recent | most recent |
honest | more honest | most honest |
その他、多くの2音節形容詞は、more / most をつけることで、比較級・最上級をつくる。
語注: useful(役立つ)、famous(有名な)、selfish(利己的な)、useless(役に立たない)、exact(正確な)、recent(最近の)、honest(正直な)
afraid – more afraid – most afraid のように、a- で始まる2音節形容詞にも more / most をつける。
3.4. -er, -est と more, most の両方をとる形容詞
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
common | commoner more common | commonest most common |
handsome | handsomer more handsome | handsomest most handsome |
polite | politer more polite | politest most polite |
いくつかの2音節形容詞は、-er / -est と more / most の両方を取る。
語注: common(普通の)、handsome(ハンサムな)、polite(礼儀正しい)
時代が変わるにつれ、-er / -est のタイプの語が、more / most に変化していくことがあると言う。この変化は2音節語に顕著だが、単音節語にあらわれることもある。
4. 規則比較変化(3音節以上の形容詞)の作り方
規則比較変化(3音節以上の形容詞)について、説明していきたい。
4.1. 3音節以上の形容詞は more, mostをつける
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
beautiful | more beautiful | most beautiful |
intelligent | more intelligent | most intelligent |
通例、3音節以上の形容詞は、more / most によって比較級・最上級をつくる。
語注: beautiful(美しい), intelligent(知能の高い)
4.2. unではじまる3音節以上の語は -er, -estをつける
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
unhappy | unhappier | unhappiest |
否定の接頭辞 un- がついている語は例外で、3音節以上であっても、-er / -est をつける。
5. 不規則比較変化の作り方
形容詞・副詞の中には、good – better – best のように、形を大きく変えて、比較変化するものがある。こうしたタイプのものを不規則比較変化という。
不規則比較変化する語は種類が限られており、それらを覚えるだけで対処できる。以下、説明していきたい。
5.1. 不規則変化する形容詞・副詞の一覧
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
good well | better | best |
bad badly | worse | worst |
ill | worse | worst |
many much | more | most |
little | less lesser | least |
old | older elder | oldest eldest |
late | latter later | last latest |
far | farther further | farthest furthest |
不規則比較変化する語の一覧は、主に上記の表のとおりである。
日常的に使用する頻度の高い語が多い。
不規則比較変化は、異なる語がある1つ形に変化する場合(例: good / well → better)と、1つの語が異なる別々の形に変化する場合(例: far → further / farther)がある。
5.2. elder, eldest と older, oldest の使い分け
- My elder / older sister is an artist.
(私の姉は芸術家です) - His eldest / oldest son is still at school.
(彼の長男はまだ在学中です) - My sister is three years older than me.
(私の姉は私より三歳年上です)
出典: A Comprehensive Grammar of the English Language
old は older – oldest と elder – eldest の2つのタイプに比較変化する。
elder – eldest は主にイギリス英語で、兄弟、姉妹、子供などの関係において「年上の/一番年上の」の意味をあらわす。アメリカ英語では、この意味でも older – oldest を用いることが多い。
一方、elder は than を伴って使用することはできない。例文3の older を elder に変えることは不可。
Quirk et al. は、elder は than を伴わないとい点で、本当の意味での比較級ではないと述べている。
5.3. farther, farthest と further, furthest の使い分け
- I can’t go any farther.
(これ以上進めません) - I’m too tired to go any further.
(疲れすぎてこれ以上進めません) - Costs must be further reduced.
(コストはさらに削減されなければなりません)
far は farther – farthest と further – furthest 2つのタイプに比較変化する。
farther – farthest は「距離」に対して用いる。一方、further – furthest は「距離」と「程度」のいずれも可能である。
尚、more、most、less の使い方に関しては、別記事で詳しく説明している。より深く知るには参照されたい。
6. 比較変化で注意すべき点
その他、比較変化にて注意すべき点を述べていきたい。
6.1. -ly副詞には more, most をつける
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
quietly | more quietly | most quietly |
ほとんどの種類の -ly副詞は、more / most によって比較級・最上級をつくる。
語注: quietly(静かに)
badly(まずく)は例外で、badly – worse – worst と不規則比較変化する。
6.2. 形容詞と同形の副詞は形容詞と同じ変化をする
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
fast | faster | fastest |
early | earlier | earliest |
形容詞と同形の副詞は、その形容詞と同じように比較変化する。
例えば、fastは「速い/形容詞」と「速く/副詞」があるが、どちらも同じ比較変化(fast – faster – fastest)をする。
soon(もうすぐ/副詞)に同形の形容詞はないが、この類として soon – sooner – soonest の比較変化をとる。
6.3. 分詞形容詞にはmore, mostをつける
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
interesting | more interesting | most interesting |
wounded | more wounded | most wounded |
worn | more worn | most worn |
分詞形容詞は通例、more / most によって比較級・最上級をつくる。
worn(使い古した)のように、-ed/-en の形でない過去分詞も同様である。
分詞形容詞は tired(疲れた)のような単音節、wounded(傷ついた)のような2音節、frightening(恐ろしい)のような3音節、interested(興味を持っている)のような4音節など、音節数は語によって様々である。
6.4. good-looking と well-known
原級 | 比較級 | 最上級 |
---|---|---|
good-looking | more good-looking better-looking | most good-looking best-looking |
well-known | more well-known better-known | most well-known best-known |
good-looking(美形の)と well-known(よく知られている)は、2種類の比較変化がある。
例えば、good-looking は more がつくもの(more good-looking / most good-looking)と、語形が変わるもの(better-looking / best-looking)がある。
6.5. 二重比較変化は避けるべきだが, 会話ではしばしば使われる
- Life looks more easier for us.
(人生は私たちにとってもっと楽なものに見える) - This is the bestest one you can read.
(これは最高の読み物です)
例文2: Longman Grammar of Spoken and Written English
more easier のような二重比較変化は、正しい言い方ではないものの、くだけた会話ではしばしば用いられる。
また、不規則比較変化する最上級に -est がつくことで、結果的に二重比較変化になることがある。
二重比較変化は無教養な言葉づかいに見られるため、使用には注意が必要。
私たち非母語話者はあまり積極的に使わないほうがよい。
6.6. ラテン語比較表現
- Smith is senior to me.
(スミスは私の先輩です)
superior(…より優れている)、senior(上位の)、prior(以前の)など、ラテン語に由来する一部の語は、ラテン語比較表現と呼ばれる。
ラテン語比較表現は、意味的には比較をあらわすが、形の上では原級である。そのため、比較の対象をあらわす際、than は用いられない。
ラテン語比較表現の詳細は別記事で解説している。より詳しく知りたい方は参照いただきたい。
7. まとめ
この記事では、英語の比較変化について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 比較変化は比較級・最上級をつくる形
- 規則比較変化には -er / -est をつけるタイプと、more / most のタイプがある
- 比較変化は語の音節数で変わる場合が多い
- good – better – best のような不規則比較変化もある
- ほとんどの-ly副詞には more / most をつける
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
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