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英語のlessの使い方!4つの用法と構文を詳しく説明します

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英語の less は、「より小さい」や「より少ない」の意味で使われる語である。

less は日常的な英会話でよく使われる。また、英文法を勉強していても、文中でよく見かける。

英語を学んでいるあなたは、次のような悩みを持っていないだろうか?

  • less の使い方がいまいちよくわからない…
  • 実際の英会話で less を使った文が作れない…
  • no less than などの構文がわからない…

less は英語を理解する上で重要な語だが、既存の文法書で取り扱われることが少なかった。less で悩んでいる方は多いと思う。

そこでトイグルでは、英語の less の使い方について、詳しく解説していく。本記事を読めば less に関する悩みが解決し、あなたの英語力が一歩上に上がるに違いない。ぜひ最後まで読んでほしい。

本記事の上手な使い方

本記事は less の用法を網羅的にまとめているため、長文です。初学者の方は『1. lessは「数や量がより少ない」をあらわす』だけ読めば、基本的な用法を理解できるでしょう。中級者の方は『2. lessの形容詞用法』と『3. lessの副詞用法』、上級者の方はさらにそれ以降を読むと、less の使い方が詳しく理解できるはずです。

1. lessは「数や量がより少ない」をあらわす

less には様々な用法があるが、その中心的な意味を一言でいえば、「数や量がより少ない」になる。

例を見てみよう。

  • (1) This computer is less expensive than that one. (このコンピュータはあれよりも安い)

(1)では、2台のコンピュータが、expensive(値段が高い)という観点で比較されている。

less が使用されているため、「このコンピュータ」は「あれ(= 別のコンピュータ)」より、価格の高さにおいて、程度がより低いことをあらわす。つまり、安いというわけである。

文法的には、less は形容詞用法、副詞用法、名詞用法、さらには前置詞用法など、幅広い使われ方をする。一覧にすると次のようになる。

用法
形容詞用法less salt(より少ない塩)
副詞用法less frequently(より少なく)
名詞用法less(より少ない量)
前置詞用法ten dollars less tax(税抜き10ドル)

それでは、各用法はどのように使われるのだろうか? 以下、詳細を見ていこう。

2. lessの形容詞用法

less の代表的な使い方の1つは、形容詞用法である。

例文とともに見ていこう。

2.1. less A (不可算名詞)

  • (2) Eat less meat. (肉を食べる量を減らしましょう)
  • (3) Children are spending less and less time outdoors. (子どもたちが屋外で過ごす時間がどんどん減っています)

less A は「より少ないA」の意味で使われる。Aには通例、不可算名詞が用いられる。

(2)は less meat(より少ない肉)の意味である。

(3)のように less and less A(ますます少量の…)の形で使われることがある。

2.2. S be less than O

  • (4) The journey time is less than an hour.
    (旅の所要時間は1時間よりも少ない)
  • (5) The Center is less than an hour’s drive from Lawrence.
    (センターはローレンスから車で1時間弱のところにあります)

S be less than O は「SがOより少ない…である」の意味で使われる。Oには数詞、または数詞に相当する語句が入る。

(4)はOが時間、(5)は距離をあらわす例である。

英語における「以下」と「未満」の区別

日本語では「以下」と「未満」を厳密に区別する。例えば、「100人以下」は100人の場合を含むが、「100人未満」は100人の場合を含まない。一方、英語ではこうした区別をあまり厳密にはしない。less than … と言う場合、基本的には日本語で言う「以下」の意味で捉えておくとよい。

2.3. the less

  • (6) The less sugar, the fewer calories.
    (糖質が少ないほど、カロリーが低くなります)

lessは「…が少ないほど、…になる」の意味で使われる。

こうした「相関比較」に関しては、別記事で説明している。より詳しく知りたい方は、ご参照いただきたい。

>> 英語の「the+比較級」とは?使い方や省略の法則を例文でわかりやすく説明!

2.4. fewer の代わりとしての less

  • (7) I’ve got less problems than I used to have.
    (以前よりも問題が少なくなりました)
  • (8) There are less people who speak good English.
    (きちんとした英語を話す人々が少なくなっています)

7: Practical English Usage

これまで見てきたように、形容詞用法の less は、通例、不可算名詞と共に用いられる。

ただ、インフォーマルな場面では、less を fewer の代わりとして、可算名詞複数形と共に使うこともある。

(7)は less が problems(可算名詞複数形)と共に使われている例である。

(8)の people のように、集合的な要素をあらわす名詞に使われる場合もある。

fewer と less の対応

fewer と less は意味的な対応関係もある。例えば、fewer cars(少ない車)と little traffic(少ない交通量)は、実質的に同じことを指す。

3. lessの副詞用法

less の代表的なもう1つの使い方に、副詞用法がある。

使い方を例文とともに見ていこう。

3.1. less A

  • (9) Frozen food is less expensive than fresh food.
    (冷凍食品は生鮮食品より安い)
  • (10) It actually happens less often than you think.
    (それは実際、あなたが思うより少ない頻度で起こっている)
  • (11) This sounds less exciting.
    (これは盛り上がりに欠けるように思える)

less A は「よりAでない」の意味で使われる。

(9)はAの位置に形容詞、(10)は副詞、(11)は分詞が使われている例である。

3.2. S V (O) less

  • (12) I read much less now than I used to.
    (以前よりも読書量が減りました)
  • (13) I couldn’t care less about what other people believe.
    (他の人が何を信じるかなんてまったく気にしません)

12: オックスフォード現代英英辞典 第10版

S V (O) less… は「Sがより少なく(Oを)Vする」の意味で使われる。

(13)の couldn’t care less は「まったく気にしない」の意味のイディオムである。

3.3. the less

  • (14) The less you sleep, the more you weigh.
    (眠る時間が少ないほど、体重が増加します)

lessは「その分だけ少ない程度に…」の意味で、相関比較でも用いられる。

3.4. less so

  • (15) SO2 is more stable than SO3, but H2SO3 is less so than H2SO4.
    (SO2はSO3より安定ですが、H2SO3はH2SO4より安定していません)

前の節の形容詞の繰り返しを避けるため、代用形として less so の形を用いられることがある。

(15)では、… is more stable…, … is less stable … と書くと、stable が重複してくどい印象を与える。

そのため、stable(安定性のある)を so で代用させることで、繰り返しを避け、整った文体にしている。

3.5. less+形容詞+不定冠詞+名詞

  • (16) It was less important a matter than I had thought.
    (それは私が考えていたほど重要な問題ではなかった)

16: 英語基本 形容詞・副詞辞典

less+形容詞+不定冠詞+名詞 の語順で用いられることもある。これは文語的な言い方とされる。

3.6. be less a(n) 名詞

  • (17) Smith is less a fool than I thought.
    (スミスは私が思っていたほどのばか物ではない)
  • (18) ‘Will you please come with me?’ It was less a request than a command.
    (「一緒に来てくれませんか?」それは、要求というより命令だった。)

18: Longman Dictionary of Contemporary English 6th

be less a(n) 名詞 の形で用いられることもある。

(17)は be less a(n) 名詞、(18)は be less a… than a … の形で用いられている例である。

less の直後に「不定冠詞+名詞」が使われている点において、一種の特殊用法と言える。

4. lessの名詞用法

ややマイナーではあるが、less には名詞用法もある。

例文とともに見ていこう。

4.1. less

  • (19) You need to drink less.
    (あなたは飲む量を減らす必要があります)

名詞用法の less には「より少ない量の物」の意味がある。

(19)は drink(…を飲む)とあるので、「飲む量を減らす」の意味になる。

4.2. less of A

  • (20) I’d like to spend less of my time answering emails.
    (メール返信に費やす時間を減らしたい)
  • (21) The 3D effect is less of a success than we had hoped.
    (その3D効果は私たちが期待したほどうまくいかなかった)

20: Practical English Usage

less of A の形で用いられることもある。

(20)は「より少ない量」、(21)は「…ほどAではない」の意味になる。

親が子供に向かって Less of that noise, please!(音を立てるのをやめてちょうだい!)のように言うこともある。

4.3. less and less of A

  • (22) Email is becoming less and less of a necessity.
    (Eメールの必要性がどんどん薄れています)

less and less of A の形で用いられることもある。

5. lessの前置詞用法

less には前置詞用法もある。

以下、使い方を見ていこう。

5.1. A less B

  • (23) 30 less 10 is 20.
    (30ひく10は20)

A less B は「…を差し引いて」の意味で使われる。

5.2. A, less B

  • (24) Send a cheque for the catalogue price, less 10% discount.
    (カタログの価格、ただしそこから10%割引を差し引いた金額を小切手でお送りください)

24: オックスフォード現代英英辞典 第10版

A, less B のように、less の直前に「,(コンマ)」を用いることもできる。

この場合、「A、ただしBを引く」の意味になる。

6. lessを使った慣用表現

less を使った慣用表現は数多く存在する。その代表的なものを紹介したい。

6.1. less A than B

  • (25) It’s less a book than a brochure.
    (それは本というより小冊子です)
  • (26) They were less surprised than regretful.
    (彼らは驚くというより後悔した)

less A and B は「AというよりむしろB」の意味で使われる。同じ人・物・事を比較対象とし、その性質を比べるものである。

(25)はAとBの位置に名詞、(26)は形容詞が使われている。

AとBの語の品詞

通例、AとBの位置には同じ品詞の語句が入る。名詞や形容詞のほか、副詞、動詞、不定詞が比較されることもある。

6.2. no less than A

  • (27) I wrote no less than 100 articles.
    (私は100もの記事を書いた)
  • (28) She’s having lunch with the Director, no less.
    (こともあろうに、彼女は監督とランチを食べている)

28: オックスフォード現代英英辞典 第10版

no less than A は「Aほど多くの」の意味で使われる。数量が予想以上に多いことを強調する。

(27)のように、数量表現の前にて、副詞的に用いられることが多い。

(28)のように、no less を文中、または文末に挿入することもできる。この場合、「こともあろうに」の意味で、驚きや皮肉の感情をあらわす。

6.3. no less A than B

  • (29) Teaching children is no less important than saving lives.
    (子供に教えることは命を守ることと劣らず重要です)
  • (30) This service is not any less professional than others.
    (このサービスは専門性にて他に劣っているわけではありません)
  • (31) The host was no less a person than the Duke of Wellington.
    (ご主人は他ならぬウェリントン公爵でした)

no less A than B は「Bと劣らずAで」の意味で使われる。

(29)は important (重要な)という点において、前後を比較している。

(30)のように、not any less A than B の形で用いることがある。no less… の場合より、やや意味が強くなる。

(31)のように、Aに a person(人)などの名詞を入れると、「なんとBほどのA」の意味になる。

6.4. A no less than B

  • (32) The climbers no less than the leader are to blame.
    (リーダーと同様、隊員たちにも責任はある)

32: 英語基本 形容詞・副詞辞典

A no less than B は「Bと同様にAも」の意味で使われる。

(32)にもあるように、動詞は A の名詞に一致する。

6.5. not less than A

  • (33) There are not less than 193 different countries in the world.
    (世界には少なくとも193の異なる国々がある)

not less than A は「少なくともA」の意味で使われる。

話し手の考える最低限の数量をあらわすことから、程度の多さを強調する。

(33)は「少なくとも193の異なる国々がある」の意味。

6.6. nonetheless

  • (34) There was still a long way to go. Nonetheless, some progress had been made.
    (まだ道のりは長い。それでも、いくらかの前進はあった)
  • (35) His face is serious but nonetheless very friendly.
    (彼女の表情は真剣だが、しかしとても親しみやすい)

34, 35: Collins Cobuild Advanced Learner’s Dictionary 9th

nonetheless は「それでもなお」や「それにもかかわらず」の意味で使われる。

(34)では、nonethelessが文頭に用いられることで、前の文と意味的な関係をつないでいる。

(35)のように、nonethelessを文中に挿入する場合もある。

nonetheless のつづり

nonetheless はもともと、none the less のように分けてつづられていた。ただ、現代では一語で表記することが多い。

6.7. nothing less than A

  • (36) It was nothing less than a miracle.
    (それは奇跡にほかならない)
  • (37) It was nothing less than fantastic.
    (それは素晴らしいの一言につきます)

nothing less than A は「Aにほかならない」や「まさにAそのもの」の意味で使われる。

(36)のように名詞を従えるのが普通。(37)のように形容詞が使われることがある。

6.8. S V (O), much less A

  • (38) You can’t convert VHS to HD, much less 4K.
    (VHSをHDに変換することはできません、まして4Kにもできません)
  • (39) They didn’t think I could read, much less write.
    (彼らは私が読めるとは思っていませんでした、まして書けるとも思っていませんでした)
  • (40) They are always short of water to drink, much less to bathe in.
    (飲水が不足しています、ましてや入浴する分もです)
  • (41) Do not think of your faults, still less of other’s faults.
    (自分の欠点を考えてはいけません、ましてや他の人の欠点もです)

40: Collins Cobuild Advanced Learner’s Dictionary 9th

S V (O), much less A は「まして(…ない)」の意味で使われる。

(38)はAの位置に名詞、(39)は動詞、(40)は不定詞が使われている。

(41)のように、much の代わりに still を用いる場合もある。

この構文は通例、否定文、あるいは否定的な意味の文で使われる。

7. lessに関する発展的な知識

本記事の最後として、lessに関して、その他の発展的な知識を少々、紹介したい。

7.1. lessを修飾できる副詞

  • (42) She has no feeling for you and even less for your son.
    (彼女はあなたに対して何の感情も持っていませんし、あなたの息子に対してはなおさらです)
  • (43) There’s no time to build anything, and still less time to rebuild it.
    (何かを作る時間はないし、再構築する時間もない)
  • (44) Small cars consume much less fuel.
    (小型車は燃料消費量が格段に少ない)
  • (45) This approach is far less expensive than others.
    (この方法は他の方法に比べてはるかに低コストです)

42: Collins Cobuild English Guides 10

lessを修飾できる副詞は、even、still、much、farなどがある。

他にも、considerably、somewhat、slightly、a lot(lots)、any、no、rather、little、a little などが less を修飾できる。

一方、very、just、quite、at least、too、so は less を修飾できない。

7.2. lessの使用が不自然になる場合

  • (46) Jack is taller than Jill (is).
    (ジャックはジルより背が高い)
  • (47) Jill is shorter than Jack (is).
    (ジルはジャックより背が低い)
  • (48) Jill is less tall than Jack (is).
    (ジルはジャックより背が低い)
  • (49) Jack is less short than Jill (is).
    (ジャックはジルより背が高い)

A Communicative Grammar of English

上の4つの例は、いずれも、「ジャックはジルより背が高い」の事実を示しているものの、言い方に違いがある。

(46)はジャックを主語にして、「高さ」の観点で比べている。(47)は逆に、ジルを主語にして、「低さ」の観点で比べている。

(48)はジルを主語にして、「高さの程度が小さい」の観点で比べている。また、(49)はジャックを主語にして、「低さの程度が小さい」の観点で比べている。

自然さという意味で文を比較すれば、(46)から(49)の順に一般的でなくなる。「高さ」を問題にするとき、わざわざ「高さの程度がより小さい」というのは、特別な意図のない限り、不自然だからである。

他にも、old – young、large – small、high – low など、同じ尺度に属する語がある場合、less を使わないほうが自然なことが多い。

7.3. lessの2つの用法

  • (50) This is less tall than that.
    (これはあれほど高くない)
  • (51) We have less money than we need.
    (我々の持ち金は要る分よりも少ない)

The Cambridge Grammar of the English Language

less には2つの用法がある。

1つは(50)のように、劣等比較をあらわす標識としての less である。X is taller than Y. という文がある時、Yを主語にするなら、Y is less taller than X. のように、less を使わければならない。

一方、(51)のように、little の比較級としての less がある。little tall とは言えないが、little money と言えることからも、この違いは明らかである。

less の語源

『英語語義語源辞典』によれば、形容詞 less は「より小さい」をあらわす語、副詞 less は「より少なく」をあらわす語が元になっている。この2つは語源的には別のものとなる。

8. まとめ

この記事では、英語の less について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. lessは「数や量がより少ない」をあらわす
  2. lessには形容詞用法と副詞用法がある
  3. lessは名詞用法や前置詞用法でも使われる
  4. no less than などの慣用表現がある
  5. lessを修飾できる副詞とそうでない副詞がある

less の用法は複雑なため、この記事を一度読んだだけですべてを理解するのは難しい。

もし、less に関してわからないことがあれば、またこの記事に戻ってきてほしい。きっと、あなたの探す答えが見つかるはずだ。

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

トイグル式英文法|英語文法の学習に必要な知識と情報のすべて

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