英語の疑似関係代名詞とは、asやthanを関係代名詞のように使う用法を言います。
疑似関係代名詞について調べているあなたは、次のような疑問を持っていないでしょうか?
- 疑似関係代名詞とはそもそも、何なのか?
- 疑似関係代名詞を他と見分ける方法は何か?
- 疑似関係代名詞をどのように使えばいいのか?
疑似関係代名詞はマイナーな用法なので、英文法の教科書に載っていることが少ないです。
中上級レベルの英語力を目指す方にとって、名称を聞いたことはあっても、詳しい使い方まではわからないことが多いです。
そこでトイグルでは、英語の疑似関係代名詞について、詳細を解説していきます。例文や注意点についても詳しく書いたので、一歩上のレベルを目指す方に参考になるはずです。
この記事を読めば、一歩上の英語力を身につけられます。ぜひ最後までご覧ください。
1. 疑似関係代名詞はasやthanを関係代名詞的に用いる用法
ここでは、現代の学習で重要な as と than の関係詞的な用法を扱います。but にも古風な関係詞的用法があるが、通常の作文では使いません。
例を見てみましょう。
- (1) We give as much information as is required. (必要な分だけ情報を提供します)
この例文において、as is required の箇所に注目しましょう。
is required は「…が求められる」の意味で受け身の形になっています。主語は as であり、この部分に注目すれば、まるで主格の関係代名詞のように機能しています。
別の例も見てみましょう。
- (2) You must do more than is required. (要求された以上のことをしなければなりません)
ここでも、than is required の箇所に注目します。そうすると、asの場合と同様に、than がまるで主格の関係代名詞のような働きをしていることがわかります。
このように、関係代名詞と似た働きをするasやthanを、学校文法では疑似関係代名詞と呼んでいます。「疑似」とは「区別のつけにくいほどよく似ていること」(大辞林)のことであり、「asやthanの特殊用法」と言っても良いです。
注意が必要なのは、疑似関係代名詞は関係代名詞に似ているというだけで、純粋な意味での関係代名詞ではないことです。
それでは、疑似関係代名詞は純粋な関係代名詞と何が異なるのでしょうか? asやthanはどのような場面で用いられるのでしょうか? このあと、詳しく見ていきましょう。
2. 疑似関係代名詞asの使い方
疑似関係代名詞asには、制限用法と非制限用法の2種類があります。
制限用法ではsuch, the same, asなどの語と相関的に使われます。非制限用法では、単独にて主節の前(あるいは後ろ)に使われます。
一覧にすると次のようになります。
| 制限用法 | such … as |
| the same … as | |
| as … as | |
| 非制限用法 (単独用法) | As … |
| … as |
例文とともに1つずつ見ていきましょう。
2.1. such … as
- (3) We collect only such information as is necessary.
(私たちは必要な情報のみを収集します) - (4) You’re not nearly such a fool as you look.
(あなたは見かけほど愚かではありません) - (5) It was such a sight as I had never seen before.
(今まで見たこともないような光景でした) - (6) We will have no comment until such time as it is resolved.
(解決するまでノーコメントとします)
疑似関係代名詞asはsuchと相関して使われます。
(3)は先行詞がas節の主語、(4)は先行詞がas節の補語、(5)は先行詞がas節の目的語として使われている例です。
(6)のように until such time as… の形式で用いられることもあります。この場合、asは関係代名詞より、関係副詞に近い働きをします。
注: (4)に関して、lookは「…に見える」の意味で使われる場合、直後の名詞(または形容詞)は補語になります。
2.2. the same … as
- (7) I am not the same as I once was.
(私はかつての自分と違うんです) - (8) Nicole was wearing the same dress as my daughter was wearing.
(ニコールは私の娘が着ているのと同じドレスを着ていた)
疑似関係代名詞asはthe sameと相関して使われます。
(7)は先行詞がas節の補語、(8)は先行詞がas節の目的語として使われている例です。
2.3. as … as
- (9) He is as brave a man as ever lived.
(彼はかつてないほど勇敢な男です) - (10) We should spend as much money as is needed.
(必要な分だけのお金を使うべきです) - (11) Take as much time as you like.
(好きなだけ時間をかけてください)
(11: OALD10)
疑似関係代名詞asはasと相関して使われます。
(9)は先行詞がas節の主語として使われている例です。「as+形容詞+a/an+名詞+as」の順序になっている点に注意しましょう。
as much X asの形で用いられることもあります。(10)は先行詞がas節の主語、(11)は先行詞がas節の目的語になっている例です。
2.4. As…
- (12) As was often the case, nobody was home.
(よくあることですが、家には誰もいませんでした) - (13) As you know, Julia is leaving soon.
(ご存知のように、ジュリアはもうすぐ旅立ちます)
(13: OALD10)
疑似関係代名詞asは、非制限用法にて単独でも用いられます。
この場合、先行詞は主節全体、あるいはその一部となります。
(12)はas節の主語が欠落し、(13)はas節の目的語が欠落している例です。
これらの例にも見られるように、as節は主節の前に置くことができます。位置に関しては、このあと『4.1. as節は文に先行して使用できる』で詳しく解説します。
2.5. … as
- (14) I had some difficulties, as was expected.
(予想されたとおり、苦労しました) - (15) I’m not a people person, as everyone knows.
(誰もが知っているように、私は人付き合いの悪い人間です)
疑似関係代名詞asが非制限用法にて単独で用いられる場合、主節の後ろに置かれることがあります。
(14)はas節の主語が欠落し、(15)はas節の目的語が欠落している例です。
3. 疑似関係代名詞thanの使い方
疑似関係代名詞thanは、比較をあらわす語と相関的に用いられる点において、接続詞のような機能を持ちます。
一方、主語、補語、あるいは目的語が欠落した節で用いられることから、関係代名詞的なはたらきも持ちます。
言ってみれば特殊な用法を持つthanについて、以下、例をあげて説明します。
3.1. 先行詞がthan節の主語の場合
- (16) It took a little longer than had been expected.
(予想より少し時間がかかってしまった) - (17) No one wishes to pay more tax than is necessary.
(必要以上の税金を払いたい人はいない)
先行詞がthan節の主語の場合、文はややかためな響きになります。
(16)と(17)はいずれも、先行詞がthan節の主語の場合です。
3.2. 先行詞がthan節の補語の場合
- (18) She is more talented than I will ever be.
(彼女は私よりも才能があります)
(18)のように、先行詞がthan節の補語になることもあります。
3.3. 先行詞がthan節の目的語の場合
- (19) They gave me more flowers than I ordered.
(注文した以上の花をくれました)
(19)のように、先行詞がthan節の目的語になることもあります。
補足: than節内における動詞の一致
- (20) There were more people present than were expected.
(思ったよりも多くの人が出席していた) - (21) There were more people present than was expected.
(思ったよりも多くの人が出席していた)
than節内における動詞の数は、省略された主語と一致します。
(20)は were expected と複数名詞に呼応しているが、これは than there were people expected が省略されているからです。
(21)は was expected と単数名詞に呼応しているが、これは than it was expected there would be が省略されているからです。
省略を復元して書くと、以下のようになります。
- (20′) There were more people present than there were people expected.
- (21′) There were more people present than it was expected there would be.
尚、asを使った疑似関係代名詞では、asに続く語に一致します。例えば、as was the caseではwas(単数一致)、as were our intentionsではwere(複数一致)となります。
4. asとwhichの違い
asとwhichは、関係代名詞的な機能において、若干の相違があります。
学習上、注目すべき3つの点を説明します。
4.1. as節は文に先行して使用できる
asとwhichはいずれも、主節の後ろに置いて使えます。
次の2つの例文は、従属節(asやwhichに導かれる節)が主節の後ろに置かれています。
- (22) I decided to give up reading it, as is usual with me. (いつものように私は読むのを諦めることにした)
- (23) I decided to give up reading it, which is usual with me. (いつものように私は読むのを諦めることにした)
『2.4. As …』でも紹介したように、as節は主節の前に配置できます。
- (22′) As is usual with me, I decided to give up reading it. (いつものように私は読むのを諦めることにした)
一方、whichを主節の前に置くことはできません。次の例は文法的に誤りとなります。
- (23′) Which is usual with me, I decided to give up reading it. (✕)
4.2. as節では使える動詞に制約がある
whichは、通例、使える動詞に制限がありません。
一方、as が節内の主語に相当するこの用法では、be・appear・seem などと結び付く傾向があります。これは as 節全体に対する制限ではなく、as you know や as everyone knows のように別の主語を持つ用法では一般動詞も使えます。
したがって、次のasを使った例では、wasとwas expectedは適格だが、delighted(…を喜ばせる)を用いることはできません。
- (24) She has married again, as was/seemed natural. (当然のように彼女は再婚した)
- (25) She has married again, as was expected. (予想通りに彼女は再婚した)
- (26) She has married again, as delighted us. (✕)
(A Comprehensive Grammar of the English Language)
4.3. as節内に省略が起こることがある
as節の中で、一定の要素が省略されることがあります。
次の例文では、as is usualのbe動詞(is)が省略されています。
- (27) Rosario did an excellent job, as usual. (ロサリオはいつも通り素晴らしい仕事をした)
また、次の例文では、as is shownの中で、受け身を導くbe動詞(is)が省略されています。
- (28) You’ll get useful information, as shown below. (以下のような有益な情報を得られます)
一方、これらasにみられる省略は、whichでは不可です。
それぞれ、whichを使って書くならば、be動詞を省略せず使用しなくてはなりません。
- (27′) Rosario did an excellent job, which is usual.
- (27”) Rosario did an excellent job, which usual. (✕)
- (28′) You’ll get useful information, which is shown below.
- (28”) You’ll get useful information, which shown below. (✕)
5. まとめ
この記事では、英語の疑似関係代名詞について詳細を解説してきました。
内容をまとめると次のようになります。
- 疑似関係代名詞はasやthanを関係代名詞的に使うことです
- asはsuch, the same, asなどと相関的に用いられます
- asは制限用法と非制限用法があります
- thanは比較をあらわす語と相関的に用いられます
- asとwhichには様々な違いがあります
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Good luck!