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TOEIC Part5は、短文内の空白に最も適した語句を入れる、文法・リーディング問題である。
中でも-ing/-ed動詞を入れる分詞構文は、動詞問題の一部として問われる。「分詞がまったくわからない!」とお困りの方は多いだろう。
そこでトイグルでは、Part5の分詞構文問題に特化し、対策と勉強法を解説をしていきたい。
*目次
1. 分詞構文問題の解き方
はじめに、分詞構文問題を解く5つのステップを紹介しよう。
例題はこちら。
Sean Hiller, _____ in collaboration with the West Union wholesale project, developed new inventory management software.
- (A) work
- (B) works
- (C) worked
- (D) working
(トイグルオリジナル問題)
ステップ1: 4つの選択肢を1〜2秒程度で把握
まずは、4つの選択肢を1〜2秒程度で眺める。
- (A) work
- (B) works
- (C) worked
- (D) working
選択肢には、動詞workの形違いが並んでいる。ここから、この設問は動詞問題であることがわかる。
ステップ2: 設問文を読む
次に、空白を含む設問文全体を読む。
この時、文中の語句を意味のまとまりで分け、それを英語の語順のまま頭から理解すると良い。
先の例文は次のように解釈できる。
- Sean Hiller, / _____ in collaboration with the West Union wholesale project, / developed / new inventory management software.
- 「Sean Hiller氏、ウエストユニオン卸売プロジェクトでコラボレーションを◯◯、は開発した、新しい在庫管理ソフトウェアを」
ここで、設問文には主たる動詞developed(開発した)が使われていることに気がつく。接続詞や関係代名詞などがない限り、1つの文には動詞が1つであるはずだ。
よって、この問題は動詞問題の中でも、分詞構文の知識が問われていると考えられる。
ステップ3: -ingと-ed動詞以外を除外
分詞構文とは、主たる動詞のポジション以外の箇所に、動詞の-ing形あるいは-ed形を入れる英文法である。
よって、-ingと-ed以外の動詞は、この時点で除外してしまおう。
(A) work(B) works- (C) worked
- (D) working
ステップ4: 意味の面から選択肢を選ぶ
最後に、意味の面から正解を絞り込む。
-ing形と-ed形には、大きく次の2つの違いがある。
- -ing形: 〜する(能動)
- -ed形: 〜される(受動)
先の設問では、Sean Hiller氏はプロジェクトを「する」と「される」、どちらが正しいかを考える。常識的に、人「が」プロジェクトを「する」のだから、-ing形が良いだろう。
よって、正解は(D) workingとなる。
「Sean Hiller氏、ウエストユニオン卸売プロジェクトでコラボレーションをしている、は開発した、新しい在庫管理ソフトウェアを」の意味となる。
2. 分詞構文とは?
これまで、設問解答の手順を説明してきた。
しかし、分詞構文と呼ばれる英文法が腑に落ちない方も多いだろう。簡単に説明したい。
まず、英語ではand(また)やwhen(〜の時)などの接続詞を使い、2つの文を1つの文章につなぐことができる。
- I was cooking when the earthquake happened. (地震が起きた時、私は料理をしていた)
分詞構文も文と文とつなぐパーツの1つだ。分詞構文では、動詞の現在分詞形(-ing形)か過去分詞形(-ed形)のどちらかを使い、2つの文を1つに結合する。
- -ing形の例: Walking on the street, I found the woman I met yesterday. (道を歩いている時、私は昨日会った女性を見つけた)
- -ed形の例: Established in 2003, our company focuses on educational activities. (2003年に設立され、我々の会社は教育活動にフォーカスしてきた)
分詞構文をより深く学ぶため、現在分詞形(-ing形)と過去分詞形(-ed形)の用法を紹介しよう。
2-1. -ing形は動作の最中を表す
動詞の-ing形は現在分詞と呼ばれる。しかし、この名称はわかりづらいため、以後は-ing形と呼ぶことにしよう。
動詞の-ing形の基本イメージは「動作の最中」である。「〜している」の意味で、何かの動作がその時点でまさに行われている途中であることを示す。
-ing形は単体で使用することで、接続詞のように2つの文章をつなぐことができる。これが分詞構文である。
先の例文は、2つの文を-ing形で接続したと考えよう。
- I was walking on the street. (私が道を歩いていた)
- I found the woman I met yesterday. (私は昨日会った女性を見つけた)
- ⇒ Walking on the street, I found the woman I met yesterday. (道を歩いている時、私は昨日会った女性を見つけた)
2-2. -ed形は受け身を表す
過去分詞形は動詞の活用の1つだ。work(働く)であれば、現在形がwork、過去形がworked、過去分詞形がworkedとなる。
しかし、過去分詞という用語はわかりづらいため、以後は-ed形と呼ぶことにしよう。go-went-goneのように一部の動詞は過去分詞形でも-edとならないが、ここでは便宜的に-ed形と表現したい。
さて、動詞の-ed形の基本イメージは「受け身」である。「〜された」の意味で、主語は動作の対象となる。
-ed形は単体で使用することで、接続詞のように2つの文章をつなぐことができる。-ing形と同じく、これも分詞構文の用法の1つである。
先の例文は、2つの文を-ed形で接続したと考えよう。
- Our company was established in 2003. (我々の会社は2003年に設立された)
- Our company focuses on educational activities. (我々の会社は教育活動にフォーカスしてきた)
- ⇒ Established in 2003, our company focuses on educational activities. (2003年に設立され、我々の会社は教育活動にフォーカスしてきた)
3. -ing形と-ed形の見分け方
Part5分詞問題を実際に解く最大のポイントが、-ing形/-ed形動詞の見極めである。選択肢にはこれら両方が入っていることが多いので、意味の面から正しい形を選ばなくてはならない。
-ing形/-ed形の見分け方は、動作主を特定すれば簡単だ。動作主とは、その分詞構文の主体となるヒト・モノである。
*動作主が分かりやすい例
まず、動作主が特定しやすい例から見ていこう。
The CEOs, _____ in the banquet hall, agreed to launch the new campaign together.
- (A) meet
- (B) meets
- (C) met
- (D) meeting
(トイグルオリジナル問題)
文の主たる動詞はagreedのため、空白には動詞の-ing形か-ed形のどちらかが入ることがわかる。
ここで、分詞構文の箇所に注目する。_____ in the banquet hall (宴会場で◯◯)の主体は、その直前のThe CEOs(CEOたち)だろう。「CEOたちが宴会場で◯◯する」の意味となる。
CEOは「会われる」のではなく「会う」のだから、正解は(D)meetingだ。
*動作主がわかりにくい例
動作主を特定しにくい例を検証する。
_____ in 2003, our company focuses on educational activities.
- (A) Establish
- (B) Establishes
- (C) Establishing
- (D) Established
(トイグルオリジナル問題)
分詞構文は文の冒頭に位置する。「誰が」あるいは「何が」Establish(設立する)するのか、ひと目見ただけではわからない。
このような場合、分詞構文の動作主は文の主語になることが多い。今回の例ではour company(私たちの会社)だ。
よって、our companyは「設立する」ではなく「設立される」が自然である。正解は(D)Establishedで「2003年に設立され、我々の会社は教育活動にフォーカスしてきた」の意味となる。
4. 分詞構文問題の出題パターン
Part5分詞構文問題、3つの出題パターンを紹介しよう。
4-1. 文頭
分詞構文の箇所が文頭にあるパターン。動作主は文の主語であることが多い。
- Watching the movie, I remembered my old friends. (その映画を観ていた時、私は旧友を思い出した)
- Established in 2003, our company focuses on educational activities. (2003年に設立され、我々の会社は教育活動にフォーカスしてきた)
4-2. 文中
分詞構文の箇所が文中にあるパターン。「, (コンマ)」でつながれている場合がある。空白直前の名詞が動作主であることが多い。
- The CEOs, meeting in the banquet hall, agreed to launch the new campaign together. (大宴会場で集まったCEOたちは、新しい企画を共に立ち上げることで同意した)
- Total Solution, an in-house finance team established in 2000, aims to cut wasteful spending and balance the budget. (2000年に設立された社内ファイナンスチームのトータルソリューションは、無駄な出費を削減し、予算を均衡化させることを目的としている)
4-3. 文末
分詞構文の箇所が文末にあるパターン。「, (コンマ)」でつながれている場合がある。空白直前の名詞、あるいは文全体が動作主となる。
- Tsunami destroyed the city, causing the economic downturn. (津波は街を破壊し、経済停滞を引き起こした)
5. 応用的な分詞構文問題
ハイスコアを狙う上級者向けに、Part5分詞構文問題の応用編を紹介しよう。
5-1. havingが使用される場合
having+-ed形の分詞構文が使用されることがある。
例を見てみよう。
Having _____ for the company before, Mr. Littman knows its operations.
- (A) work
- (B) works
- (C) working
- (D) worked
(トイグルオリジナル問題)
文の主たる動詞knowsがあるため、空白の箇所は分詞構文であることがわかる。
ここで、Havingは分詞であると同時に、現在完了のhaveとして使われている点に注目しよう。つまり、have workedを分詞構文として用いるため、haveに-ingをつけ、having workedの形に変化させている。
よって答えは(D)worked。「その会社で以前働いていたので、リットマン氏はそのオペレーションを知っている」の意味となる。
5-2. 独立分詞構文
これまでの例は、すべて分詞構文の主語と、文の主たる主語が同一の場合であった。
一方、分詞側の主語と文の主たる主語が異なる分詞構文を作ることもできる。その場合、分詞の直前には、分詞側の主語が明示される。
- 現在分詞の例: Other things being equal, shorter code is easier to read. (他の条件が同じであれば、より短いコードは読むのが楽だ)
- 過去分詞の例: All things considered, she did a good job. (あらゆることを考慮すれば、彼女は良い仕事をした)
Part5で出題されることは滅多にないが、念のため覚えておくと良いだろう。
5-3. withと共に使う分詞
文頭あるいは文末を中心に、「with+名詞+分詞」を使用することができる。これは「AしながらBする」のように、異なる動作が同時に起こる様子を表す。
Sean waited for two hours with his bag _____.
- (A) opener
- (B) opens
- (C) opened
- (D) opening
(トイグルオリジナル問題)
文の主たる動詞waitedがあるため、空白の箇所は分詞であることがわかる。
文の主語はSeanだが、空白の直前はhis bag(彼のバッグ)だ。彼のバッグは「(何かを)開けている」ではなく「開けられた(状態だった)」だろう。
よって、正解は(C)opened。「ショーンは彼のバッグが空いた状態で2時間待っていた」の意味となる。
5-4. 前置詞+-ing形
分詞構文ではないが、-ing形の知識が問われる難問として、前置詞との併用を紹介する。
If a winner does not respond to the promoter within 7 days of _____, then the promoter will be entitled to select another winner.
- (A) notified
- (B) notifying
- (C) be notified
- (D) being notified
(トイグルオリジナル問題)
空白はif節の中にあるため、if節の部分だけを取り上げてみよう。
- a winner does not respond to the promoter within 7 days of _____
前置詞直後に空白があることがわかる。
まずは文法面から選択肢を検証する。前置詞直後に動詞を入れる場合、動詞は-ing形を使用する。ここから、-ingでない選択肢を除外できる。
(A) notified- (B) notifying
(C) be notified- (D) being notified
次に、空白の動作主を特定する。空白はあくまで前置詞のため、動作主は主語a winner(勝者)と考えられる。
notifyは「通知する」の意味。文全体の意味的に、「勝者」自身が「通知する」のではなく「通知される」が妥当だろう。
正解は(D)being notifiedとなる。前置詞直後なので-ing形を使用する都合上、beingが挿入されている。かつ、be+-edで「〜される」にもなっているため、「通知される」の意味が完成する。文法・意味の両面から正しいと判断できるだろう。
6. まとめ
当エントリーでは、Part5分詞構文問題の解き方を解説してきた。
分詞構文問題の出題頻度は少ないが、ハイスコアを狙うには落とせない問題だ。コツをつかんで着実に正解していこう。
当記事を読んでもっと知りたい!と思った方は、こちらの記事も参照いただきたい。
- TOEIC勉強法⇒TOEIC勉強法まとめ!プロ講師が教えるスコアアップの全手法
Good luck!
5-2に関して、まず「文の主語」という表現の仕方はやめたほうがよろしいのかと。言うのであれば、「主節の主語」ですよね。
また、主語が一致しない場合は、付帯状況ではなく、独立分詞構文のほうが正しいと思います。付帯状況では、becauseやwhenのニュアンスは出せませんよね?
皆さまの誤解を招かないような投稿をお願いします。
>Kさま
ご指摘ありがとうございます。
独立分詞構文の件、修正いたします。
仰るとおり、ご指摘の箇所は「文の主語」より「主節の主語」が妥当なのは間違いありません。
しかしながら、多くの学習者が、英文法そのものより「用語の解釈」に苦戦している現状があります。
トイグルの読者の多くは、英語を数十年ぶりに学ぶ社会人の方です。
一般の学習者には「この文の主語が…」と説明したほうが、納得度は高いです。「主節」とか「従属節」という言葉を知らなくても、文の意味が解釈できれば、文法を学ぶ目的は達成していると考えます。
そのため、上級者の方から見ればあいまいさは残るものの、あえてくだいた表現を使用していること、何卒ご理解いただきたく思います。
そのような意図があるのであれば良いかもしれませんね。申し訳ありませんでした。
別に私は田邊様のサイトを荒らしたり非難したりするつもりは全くないのですが、変換ミスなどを除いても正直誤りが多すぎると感じてしまいました。すみません。
>Kさま
ご返信ありがとうございます。
解説のミスや誤植は当方に責任があります。今回のようにご指摘をいただくと、公の場に投稿する以上、きちんとした情報を伝えなくてはならない責任を感じます。
しかしながら、当方の浅学、およびサイトの企画・運営・執筆・編集をすべて1人で行っているため、お恥ずかしいながらチェックが間に合っていないのが現状です。
今後は過去の記事を見直すと共に、お読みいただく方すべてに満足いただけるような記事を書いていきたいと、改めて実感した次第です。
5-2の修正に関して、付帯状況≠独立分詞構文ですよ。独立分詞構文の欄を別に作られたほうが良いかと。何度もコメントしてしまって申し訳ないのですが、正しい情報をお願い申し上げます。
しかしながら、前置詞の図解は非常にためになりました。本当に見やすかったです。ありがとうございます!
>Kさま
前置詞の図解、お褒めのお言葉ありがとうございます。
独立分詞構文のところですが、再度構成を練り直す必要がありますね…
少々お時間いただきます、すいません。
修正拝見させていただきました。
非常に納得のいく内容になっており、説明もわかりやすいです!
これからもぜひ頑張ってください!
>Kさま
大変ご足労をおかけしました。
ご納得いただける内容になったこと、嬉しく思います。
今後ともトイグルをよろしくお願いします。
[…] 分詞構文問題→Part5 分詞構文問題の解き方 […]
いつも参考に為せていただいております。
5-3 付帯状況に関する問題なのですが、
まず表記が分詞構文となっているのは付帯状況は分詞構文の一部という概念であろうと思うのですが、多くの参考書などでは両社は別物とされていることが多いので、混乱を招くように思います。
ちなみにこれは正解は(A)openではないでしょうか。
たとえば,
He left the door open.という例文は可能ですが、この場合openedは誤りであるとされていると思います。
「2時間ドアが”開けられる”という動作が続く」というのは不自然だと感じますので。。。
私の不勉強ということも考えられますので、ぜひ教えていただけないでしょうか。
>S.O.様
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
付帯状況に関しては、確かに分詞と付帯状況は異なる概念のため、誤解を招く表現がありました。
ご指摘を受け、記事内容を訂正しました。
(続く)
>S.O.様
He left the door open.は、たしかにopenedよりopenのほうが適切かと思います。
ここでは「he」が力を及ぼし、「the door → open」の状況を作り上げ、その状態をleftした、と私は解釈します。
(実際、コーパスと呼ばれる言語のデータベースで調べたところ、left the door openは153件、left the door openedは0件の結果でした)
一方、「with the bag open/opened」では多少状況が変わってきます。
付帯状況では、必ずしも文の主語がwith以下の名詞句(ここではthe bag)に作用を及ぼすわけではありません。
むしろ、付帯状況は「ある状況が状況にプラスされる(英文法解説P428)」ものです。
よって、「バッグが開かれた状態」という別の状況が付帯されているため、やはり(C)opened(開けられた状態)が適切かと思いました。バッグは通常、バッグそのものが何かを開ける(open)、あるいは開けている(opening)とは考えません。
ただ、openを形容詞と捉えればwith the bag openも可能です。実際、with the bag openという表現が使用されることはあるようです(コーパスで発見しました)。
したがって、状況によってどちらの解答もありえるという点で、設問としては不適切でした。
こちらも訂正させていただきます。
私自身がまだ未熟なため、今後ともぜひコメントいただければと思います。