英語のused toの使い方!wouldとの違い・使い分けもわかりやすく解説

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英語の used to とは、「以前はよく…した」の意味で使われる表現である。

used to は中級レベルの表現とされるため、やや難易度の参考書に掲載されている。

ただ、詳細が説明されていることは少なく、困っている方は多いだろう。

英語を学習しているあなたは、used to に関して、次のような疑問を持っていないだろうか?

  • used to の使い方がよくわからない…
  • used to と would の違いを知りたい…
  • used to と単純過去形の使い分けがわからない…

ネイティブ・スピーカーにこれらの点を聞いても、「used to と would が違うのはなんとなくわかる。だけれども、どう使い分けすればいか説明はできない」といった答えになることが多い。

そこでトイグルでは、英語の used to について、詳細を解説していきたい。市販の参考書より詳しく説明しているため、初学者から上級者まで、すべての方の参考になると思う。

used to は会話だけでなく、書き言葉でも使われる。正確な使い方を知れば、あなたの英語表現の幅が一歩広がるに違いない。ぜひ、最後まで読んでいただきたい。

本記事は used to の用法を網羅的に扱っているため長文です。初学者の方は『1. used to は「やめになった習慣」をあらわす』だけご覧になれば、used to の概要がつかめるでしょう。中級者の方は『2. used to の使い方』と『3. used to と would の違い』を読めば、より詳しい情報が手に入ります。上級者の方は全文に目を通すことで、used to の体系的な理解が得られるでしょう。

1. used to は「やめになった習慣」をあらわす

used to は「以前はよく…した」の意味で、過去の習慣や状態について述べる際に使われる。

まずは、例文とイラストを見てみよう。

  • (1) I used to go running every morning.
    (以前は毎朝ランニングをしていました)

話し手は、かつてランニングする習慣があったと述べている。

それが習慣化していたということから、ランニングは定期的に、繰り返し行われていたものと推測できる。

ここでのポイントは、話し手がランニングしていた習慣は、あくまで過去のことであり、現在はそれが実施されていないことである。

このように、used to は「やめになった習慣」をあらわす点に注意しよう。

used to と単純過去形の違いに注意しよう。used to は「以前はよく … した(そして、現在は異なる)」という、過去の習慣をあらわす。したがって、I went to London last year.(昨年, ロンドンに行った)のように、特定の過去時を述べる際は、単純過去形を使用したい。

2. used to の使い方

used to は、直後に動作動詞を伴い「以前はよく…した」を意味する用法と、状態動詞を伴い「以前は…だった」を意味する用法がある。

used to do (動作動詞)以前はよく…した
used to do (状態動詞)以前は…だった

2.1.「以前はよく…した」

  • (2) I used to go for a walk every day.
    (毎日散歩に出ていました)
  • (3) We’re eating out more often than we used to.
    (以前より外食の回数が増えました)
  • (4) She doesn’t play tennis as well as she used to.
    (彼女は以前ほどテニスが上手ではありません)

3: Longman Dictionary of Contemporary English
4: 実例英文法

used to は「以前はよく…した」の意味で使われる。

この用法では、used to は動作動詞を伴い、過去、定期的に繰り返されていた様子をあらわす。

(2)は S used to do の形で使われている例である。

(3)のように、… than S used to do の比較構文で用いられることも多い。

(4)は as well as S used to do の形で使われている。

現在の習慣は単純現在形を使う

used to は常に過去時を示すため、現在の習慣について述べる場合、単純現在形を使う。

例: I go for a walk every day. (私は毎日散歩に行く)

2.2.「以前は…だった」

  • (5) I used to be a waiter, but now I’m a taxi-driver.
    (私はかつてウエイターでしたが, 今はタクシー運転手です)
  • (6) There used to be a library here.
    (ここにはかつて図書館がありました)
  • (7) John is not what he used to be.
    (ジョンは昔とは違う)

5: ロングマン・アレクサンダー英文法

used to には「以前は…だった」の意味もある。

この用法では、used to 状態動詞を伴い、過去の状態をあらわす。

(5)は S used to do の形で使われている例である。

(6)のように、there構文で使用される場合もある。

(7)の what S used to be もしばしば、使用される。

used to が状態動詞をしたがえる場合、単純過去形にしても意味の違いが出ないことがある。

例えば、I used to live in Hawaii. と I lived in Hawaii. はあまり大きな意味の差がない。

3. used to と would の違い

used to は、場合によって would と交換可能なことがある。

例えば、次の例文では、used to と would のいずれを使用しても、意味は変わらない。

  • (8) When we were children we used to (would) go skating every winter.
    (子供の頃, 毎年冬になるとスケートに行っていました)

8: Practical English Usage

一方、used to と would はまったく同じなわけではなく、条件によっては、どちらか片方しか使えない。

以下、used to と would の違いについて、述べていきたい。

違い1: used to は過去の習慣的行為がいま続いていない前提がある

  • (9) I remember you used to listen to reggae.
  • (10) I remember you would listen to reggae.
    (あなたがかつてレゲエを聞いていたことを覚えていますよ)

9, 10: 現代英文法総論

used to は過去と現在の対比をあらわす。used to が使われるときは、通例、過去の出来事が現在は行われていないことを暗示する。

(9)では used to が使われているため、聞き手が現在、レゲエを聞く習慣を現在は持っていないと、話し手が考えていることを示している。

一方、would は過去と現在の対比という点では中立的である。

(10)では、聞き手がその習慣をやめたかどうか、何も述べていない。

ただし、場合によって、used to が過去だけでなく現在も続いている出来事をあらわすことがある。詳しくは『4.3. 過去の習慣が現在でも行われている場合』で議論したい。

違い2: 状態動詞を伴う際は would ではなく used to を用いる

  • (11) I used to have an old Rolls-Royce.
    (私はかつてロールス・ロイスを持っていました)

11: Practical English Usage

used to は直後に、動作動詞と状態動詞のいずれも取れる。

(11)は、used to の後に状態動詞が続いている例である。

一方、would は直後に、動作動詞しか取れないので、この英文を I would have … とするのは不可である。

動作動詞は would / used to のいずれも可能

動作動詞は would と used to のいずれとも使用できる。

例: In those days I used to (would) get up at six every morning. (その当時は毎朝6時に起きたものでした)

(上記の例文は『実例英文法』より引用)

違い3: used to に時の表現は不要だが would は必要となる場合が多い

  • (12) I used to get up early.
    (昔は早起きしたものです)
  • (13) I would get up early last year.
    (去年は早起きしていたものです)

12, 13: 英語基本動詞辞典

used to は漠然とした過去の習慣をあらわすため、通例、時の副詞は伴わない。

(12)は時の副詞がない例である。ここで、used to の代わりに would を使うのは不可である。

一方、would は、それが行われていた時を明示することが多い。

(13)は時の副詞を伴う例である。ここで、would の代わりに used to を使うのは不可である。

ただし、漠然とした期間をあらわすものであれば、used to に時の副詞(語句)を用いることもできる。詳しくは『4.2. used to は具体的な期間や回数を示す副詞と一緒に使えない』で議論したい。

違い4: 長期にわたる習慣には used to を用いる

  • (14) He is living in the same house as he used to live in when he was young.
    (彼は若いころに住んでいた家と同じ家に住んでいる)

14: 現代英文法総論

would は通例、比較的短期間における、反復的動作をあらわす。

そのため、過去の長期的な状態については、used to を用いる。

(14)は used to が使われている例である。ここから、彼は長い間、その家に住んでいたことがわかる。

違い5: 文中に両方あらわれる時は used to → would の順番で用いる

  • (15) They used to nod to each other when they met, and now and then they would exchange a word or two.
    (彼らは会えば互いにうなずき合い, またときどきは一言二言ことばを交わすのであった)

15: 現代上級英文法

used to は過去の出来事について、どちらかと言うと、その大枠を述べる。一方、would は細部に言及する際に使われる。

そのため、1つの文中に両方が出現する場合、文頭には used to が使われ、その後 would と続けると、自然な響きになる。

文体における used to と would の違い

どちらかと言うと、used to は口語、would は堅い文体で用いられることが多い。

4. used to に関する発展的な知識

used to に関する、発展的な知識を説明していきたい。

4.1. used to は頻度の副詞と共起できる

  • (16) I always used to be afraid of dogs.
  • (17) I used always to be afraid of dogs.
    (かつてはいつも犬が怖かったんです)

16, 17: Practical English Usage

used to は always(いつも)、often(しばしば)、usually(たいてい)、sometimes(ときどき)など、頻度をあらわす副詞と一緒に使える。

頻度をあらわす副詞は、(16)のように、used to の前に置くのが普通である。

ただ、(17)のように、used to の後ろに置くこともできる。この場合、よりフォーマルな響きになる。

4.2. used to は具体的な期間や回数を示す副詞と一緒に使えない

  • (18) I lived abroad for one and a half years.
    (私は1年半ほど海外に住んでいました)
  • (19) For many years Billy used to believe in Santa Claus.
    (ビリーは長い間, サンタクロースを信じていた)
  • (20) He used to go home for several weeks during the summer.
    (彼は夏には数週間, 実家に帰っていました)

18, 19: 現代英文法総論
20: Meaning and the English Verb (3rd)

used to は過去の漠然とした期間の習慣を表す。そのため、特定の期間や回数を示す副詞と一緒に使うことはできない。

(18)は「1年半」という特定の期間を示している。used to は不可で、lived のように、過去形を使わなければならない。

(19)の「長い間」のように、漠然とした期間・回数であれば、used to を使用できる。

ただし、期間をあらわす副詞と used to を一緒に使用できる場合もある。(20)の「夏には」は特定の期間を示しているが、「数週間」に見られるように、その出来事が連続して起こっている。このような場合、used to は容認される。

used to は since とも共起しない

上記のような理由から、used to は since と共起しない。これは特定の期間をあらわすからである。

4.3. 過去の習慣が現在でも行われている場合

  • (21a) Bill used to smoke a pipe.
    (ビルは昔, パイプを吸っていた)
  • (21b) Bill used to smoke a pipe. In fact, he still does.
    (ビルは昔, パイプを吸っていた. 実際, 今でもそうである)
  • (21c) Bill used to smoke a pipe. Perhaps he still does.
    (ビルは昔, パイプを吸っていた. おそらく, 今でもそうである)

21: 現代英文法総論

『3. used to と would の違い』でも述べたように、used to には「かつてはそうだったが、今はそうではない」のニュアンスがある。例えば、(21a) では、ビルはかつてパイプを吸っていたが、今はおそらくそうではない。

一方、過去の習慣が現在でも行われていることを意味することもある。

例えば、(21b) や (21c) では、ビルのかつての習慣が、現在でも行われている(可能性がある)ことを示している。

4.4. used to を代用形として使える場合

  • (22) I don’t type my letters now, but I used to.
    (今では手紙をタイプすることはしませんが, 以前はそうしていました)
  • (23) He used to live in Manchester and so did I.
    (彼はかつてマンチェスターに住んでいて, 私もそうでした)

23: ロングマン・アレクサンダー英文法

used to を代用形として使う場合、置き換えられる動詞句の中に、used to が含まれない際のみ可能になる点に注意したい。

例えば、(22) は置き換えられる動詞句(type …)にused to を含んでいない。

一方、(23)のように置き換えられる動詞句に used to を含む場合、代用形としての used to は不可で、so … S の型になる。

4.5. used to における主語の省略

  • (24) A: “Are you a professor?” (「あなたは教授ですか」)
    B: “Used to be. Retired.” (「元教授です. 退職しました」)

24: ジーニアス英和辞典 (第6版)

会話などでは、文脈から明らかな場合、used to の主語は省略されることがある。

(24)では、Bのセリフの主語が I(私)であることは、文脈から明らかである。

5. used to による疑問文・否定文の作り方

used to を含む文を疑問文、または否定文にする場合、語形に関して、少々の注意が必要になる。

以下、詳しく述べていきたい。

5.1. used to を用いたYes-No疑問文

  • (25) Did she use to play?
    (彼女はかつて遊んでいたのでしょうか)
  • (26) Did she used to play?
    (彼女はかつて遊んでいたのでしょうか)

25, 26: Fowler’s Dictionary of Modern English Usage

used to do をYes-No疑問文にする場合、(x)のように use to とする形と、(x)のように used to のまま使う形があり得る。

文中に時制要素が2つ出現することはないので、厳密には(x)のような Did … use to が正しい。ただ、実際の英語使用場面では、(x)のような Did … used to の形も、しばしば使われる。

used to による Yes-No疑問文への返答

Did you use to smoke? に対して、Yes, I did. あるいは No, I didn’t. のように答える場合と、Yes, I used to. あるいは No, I didn’t use to. のように答える場合の2通りが可能である。(参考: ロングマン・アレクサンダー英文法)

伝統的には Used she to play? のような形も用いられてきた。ただし、現在、これは英国語法の堅苦しい表現で、使われることはまれと言われる。

Swan (4th) は “did … use” の代わりに “did … used to” が使われることがしばしばあるが、多くの人が誤用と感じていると述べている。Greenbaum and Whitcut は “Did they use(d) to? が普通” として、これら2つを区別していない。Wood, Flavell&Flavell は “did … use” の例のみを挙げている。デクラークは疑問文では通例、did use to が用いられるとした上で、do が used to と結合するものを「非常にくだけた(そしてほとんど無教養の人々の用いる)」と述べている。

5.2. used to を用いたWH疑問文

  • (27) What used to annoy you most about him?
    (以前, 彼のどんなところが一番気になっていたのですか)
  • (28) What did people use to do in the evenings before TV?
    (テレビが普及する前, 人々は夕方に何をしていたのでしょうか)
  • (29) What did people used to do in the evenings before TV?
    (テレビが普及する前, 人々は夕方に何をしていたのでしょうか)

27: Collins Cobuild English Usage 4th
28, 29: Practical English Usage

whatが疑問文の主語の場合、(27)のように、used to はそのままの形で使えばよい。

whatが疑問文の目的語の場合、do/does/did が出現するため、(28)のように use to を使う。

ただし、(29)のように used to を用いることもある。

5.3. used to を用いた否定文

  • (30) I didn’t use to play.
    (昔は遊んでなかったんですけどね)
  • (31) They didn’t used to mind what we did.
    (昔は私たちが何をやっても気にしなかった)
  • (32) It used not to be taxable, but now it will be subject to tax.
    (以前は課税対象外でしたが, 今後は課税対象になります)
  • (33) You usedn’t to be like that.
    (昔はそんなことなかったのに)

30, 31: Fowler’s Dictionary of Modern English Usage
32, 33: Collins Cobuild English Usage 4th

used to を否定文にする場合、(30)のように didn’t use to にする場合と、(31)のように didn’t used to とする場合がある。didn’t used to は原理的にはおかしいが、実際は広く使われる。

(32)のように used not to の形で使うこともあるが、堅い表現と言われる。

(33)のように usdn’t to の形で使うこともあるが、英国語法の堅い表現と言われる。

never used to

上述のように、used to の否定文は様々な形があるため、どれを使うか迷うことが多い。この問題を防ぐため、It never used to bother me.(昔は気にならなかったんですけどね)のように、never を用いるのもよい。

5.4. used to を用いた否定疑問文

  • (34) Didn’t they use to live in Sheffield?
  • (35) Didn’t they used to live in Sheffield?
    (以前, シェフィールドに住んでいたのではなかったですか)

34, 35: Longman Guide to English Usage

否定疑問文では、Didn’t … use to? と Didn’t … used to? のいずれの形も使用できる。

(とはいえ、Didn’t … used to? は本来、誤用であるものの、広く使われているという点に変わりはない。)

5.5. used to を用いた付加疑問文

  • (36) They used to live in Sheffield, didn’t they?
    (以前, シェフィールドに住んでいたんですよね)
  • (37) He didn’t use to like custard, did he?
    (昔はカスタードが好きじゃなかったんでしょう)

36: Longman Guide to English Usage
37: 現代英文法総論

used to は付加疑問文には用いない。

(36)のように肯定の付加疑問では didn’t X?、(37)のように否定の付加疑問では did X? を用いる。

used to は助動詞なのか?

オックスフォード現代英英辞典(第10版)をはじめ、いくつかの権威ある辞書は used to を法助動詞としている。一方、上述のように疑問文・否定文で、used to が本動詞として使われる(= do / does / did が出現する)ことを考えると、used to は典型的な助動詞と認定するのは難しい。used to は疑似法助動詞と言われることもある。

6. まとめ

この記事では、英語の used to について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. used to は「やめになった習慣」をあらわす
  2. 過去の習慣または状態をあらわす
  3. used to と would には用法上の違いがある
  4. used to は頻度の副詞と共起できる
  5. 疑問文や否定文では use to になることがある

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

トイグル式英文法|英語文法の学習に必要な知識と情報のすべて

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