英語の「the+比較級」とは?使い方や省略の法則を例文でわかりやすく説明!

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英語の「the+比較級, the+比較級」とは、「…すればするほど、…になる」をあらわす構文である。

たとえば、The more, the better.(多ければ多いほどよい)がこの構文に該当する。

英語を学んでいるあなたは次のような疑問を持っていないだろうか?

  • the+比較級, the+比較級を見かけるけど、これは何…?
  • the+比較級, the+比較級の使い方を知りたい…
  • 省略や倒置など発展的な用法を知りたい…

「the+比較級, the+比較級」は話し言葉だけでなく、書き言葉でもよく使われる。ただ、市販の英文法書で解説されていることは少ない。使い方がわからず困っている方が多いと思う。

そこでトイグルでは、「the+比較級, the+比較級」について詳細を解説する。省略など学習上課題となる点も詳しく述べる。学習の参考にしてほしい。

注: 本記事では読みやすさを考慮して、「the+比較級, the+比較級」の構文を「the+比較級」と記載していく。

1.「the+比較級」の使い方

the+比較級」構文の基本的な解釈は、原因と結果である。従属節(前半部分)が原因をあらわし、主節(後半部分)がそれによって生じた結果をあらわす。

the+比較級, the+比較級: 原因→結果

次の例文では、従属節の内容(強くなればなるほど)によって、主節の内容(より多くのことを成し遂げられる)が実現すると述べている。

  • (1) The stronger you are, the more you accomplish. (強くなればなるほど、より多くのことを成し遂げられる)

従属節の内容が未来をあらわすことであっても、時制は現在形を用いる。

  • (2) The faster we get moving, the better off he’ll be. (私たちが早く動くほど、彼のためになります)

従属節の中にthatが挿入されることがある。thatによって前半部分が従属節であることが明確化される。

  • (3) The more information that comes in, the more confused the picture is. (情報が増えれば増えるほど、その写真は混乱する)

(Practical English Usage)

従属節と主節の順番が逆になることがある。次の例文は「主節→従属節」の順番になっていることに注意したい。この場合、主節の「the+比較級」は前置されない。また、主節のtheの出現は随意的になる。

  • (4) They became (the) hungrier the harder they worked. (働くほどお腹が空く)

(A Comprehensive Grammar of the English Language)

かたい文体では倒置が起こることがある。次の文では主節のbe動詞と主語が倒置されている点に注意したい。

  • (5) The easier it is for people to navigate your website, the more likely are they to stay on your website. (Webサイトへのアクセスが簡単であるほど、そのサイトに滞在してもらえる可能性が高くなる)

「the+比較級」のtheは定冠詞ではない
「the+比較級」のtheは定冠詞ではなく副詞である。1つ目のtheは「どれだけ」の意味の関係副詞、2つ目のtheは「それだけ(いっそう)」の意味の指示副詞となる。

用語の解説
「the+比較級」は比例比較級や相関比較文と呼ばれることがある。本記事ではわかりやすさを考慮して「the+比較級」で統一した。

2.「the+比較級」における省略

「the+比較級」では要素の省略が起こることがある。

次の例文では、従属節と主節においてそれぞれ、be動詞が省略されている。

  • (6) The higher the number, the brighter the light. (数字が大きいほど、明るい光になる)

筆者の調べたところによると、従属節と主節のどちらか片方において、be動詞の省略が起こることがある。

次の例文は従属節のbe動詞が省略されている。

  • (7) The simpler the message, the easier it will be to remember. (メッセージがシンプルなほど、覚えられやすい)

次の例文は主節のbe動詞が省略されている。

  • (8) The longer you wait, the worse the situation. (待ち時間が長いほど、状況が悪化する)

場合によって、主語と動詞の両方が省略されることがある。

  • (9) The bigger, the better. (大きければ大きいほどいい)

イディオム的な表現
The more the merrier.(多ければ多いほど良い)のようにイディオム的に固定された表現もある。

3.「the+比較級」の例文一覧

「the+比較級」を使った例文を紹介したい。

3-1. the better

  • (10) The better your content, the more likely people will be to share. (コンテンツの質が良いほど、人々がシェアしてくれる可能性が高くなります)

コンテンツの質が良いほど(原因)、人々がシェアしてくれる可能性が高まる(結果)と述べた文である。

注: コンテンツとはWebサイトやインターネット動画の内容のことを指す。

3-2. the faster

  • (11) The faster the shutter speed, the sharper the image will be. (シャッター速度が速いほど、画像が鮮明になる)

シャッター速度が速いほど(原因)、画像が鮮明になる(結果)と述べた文である。

注: シャッター速度はカメラで撮影する際、センサーに光を当てる時間のこと

3-3. the harder

  • (12) The harder you work, the more effective the workout will be. (頑張れば頑張るほど、ワークアウトの効果は高まる)

頑張れば頑張るほど(原因)、ワークアウトの効果が高まる(結果)と述べた文である。

注: ワークアウトとはトレーニングのこと

3-4. the hotter

  • (13) The hotter your batteries get, the shorter their lifespan will be. (バッテリーが熱くなるほど、寿命が短くなる)

バッテリーが熱くなるほど(原因)、寿命が短くなる(結果)と述べた文である。

3-5. the more

  • (14) The more you explain, the worse it sounds. (説明すればするほど、悪く聞こえる)

説明すればするほど(原因)、悪く聞こえる(結果)と述べた文である。

「the+比較級」は並列によって文をつなげたもの
「the+比較級」は2つの文を並列によってつなげたものである。こうした特殊な機能を持つ用法と考えよう。

4. まとめ

この記事では、英語の「the+比較級」について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. the+比較級は「…すればするほど, …になる」の意
  2. 従属節が原因、主節が結果をあらわす
  3. theは定冠詞ではなく副詞である
  4. 動詞または主語と動詞の両方が省略されることがある
  5. the+比較級は並列によって文をつなげたものになる

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

6 COMMENTS

大学生

The simpler the message, the easier it will be to remember. (メッセージがシンプルなほど、覚えられやすい)

この文の構造について質問です。
the easier it will be to remember の it は the message だと思います。

質問1 will は未来を表すと考えると、will の後に続いている be to do が表す意味は可能(=can)でしょうか?

質問2 主語である it が the message であれば、日本語の意味から考えて「(そのメッセージ)は容易に覚えられる」となるので、受動態である必要があると思いました。
そう考えると、the easier it will be to “be remembered”となるのではないかと思ってしまいました。なぜ to remember で表せるのでしょうか?

田邉竜彦

>大学生様

質問1に関して、to rememberはto不定詞の名詞用法ではないかと思います。
→ the message will be easy to remember

質問2ですが、この場合のrememberは自動詞で、「覚えている」の解釈になるでしょうか。

尚、to rememberの意味上の主語は「一般の人々」の意味だと思います。
(「メッセージが覚えている」のではなく、the message will be easy for people to remember の関係と解釈できます)

大学生

ありがとうございます。
以下のようなことでしょうか?

構造としては、以下のタフ構文と同じ。
The problem is easy to solve.(その問題を解くのは簡単です。)
→It is easy to solve the problem.

今回の場合は、It will be easy to remember the message がタフ構文になって The message will be easy to remember となる。
the message は前に出ているので、代名詞 It に変わる。
the 比較級構文なので、easy が前に出てきて、the easier it will be to remember となる。

大学生

The simpler the message, the easier it will be to remember.
この場合、前が従属節で、後が主節です。

従属節と主節で同じ名詞が出てくる(片方が名詞、もう片方がその代名詞になる)場合、従属節が代名詞であると習った覚えがあります。
ex) Although she felt ill, my mother said nothing.
When he was still young, Fred lost both of his parents .

質問
The simpler it is, the easier the message will be to remember. とはならないのですか?また、この違いはどこにあるのでしょうか?

田邉竜彦

>大学生様

tough構文に関しては、当方の中でまだ理解が至っていないので、ちょっと調べておきますね…

田邉竜彦

>大学生様

ご指摘のように、The simpler it is, the easier the message will be to remember. が教科書的には正しい表現ですね。

ただ、現実の英語使用場面では、その原則はあまり厳密なものではなく、今回の用例のように、名詞→代名詞 の順番で用いられることもあるようです。

また、今回の元の文は従属節のbeが省略されたものなので、仮に The simpler it… のようにすると、かなり違和感がありますね。
そのため、The simpler the message… のようにしているものと思われます。

*元の文 (The simpler the message, the easier it will be to remember.)はコーパスと呼ばれる言語のデータベースから引用しました。したがって、実際に使用されている文ということになります。

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