英語の絶対最上級の使い方!例文でわかりやすく解説

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英語の絶対最上級とは、極めて高い程度をあらわす最上級の用法である。

たとえば、The article is most reliable.(その記事はとても信頼できる)のmostが絶対最上級に該当する。

英語を勉強中のあなたは次のような疑問をお持ちではないだろうか?

  • mostにtheがつかない場合があるが、それはなぜなのか?
  • a most …という使い方を見たが、mostにaとつけられるのはなぜか?
  • 絶対最上級はどのように解釈すればいいのか?

そこでトイグルでは絶対最上級について詳細を解説していく。学習の参考になるはずだ。

1. 絶対最上級は「very+形容詞」の意味になる用法

絶対最上級をひとことで言えば、「very+形容詞」の意味になる用法である。

例を見てみよう。次の英文のmostは絶対最上級だが、意味的にはveryで置き換えられる。

  • (1) She is most intelligent. (彼女はとても頭がよい)
    • = She is very intelligent.

絶対最上級と対をなすのが相対最上級である。相対最上級は「Xの中で一番…だ」をあらわすもので、一般では最上級と呼ばれる。

絶対最上級について理解を深めるには、相対最上級を構造を比べてみるとよい。

  • (2) John is most intelligent. (ジョンはとても頭がよい)
  • (3) John is the most intelligent student in the class. (ジョンはクラスで最も頭のよい学生だ)

(2)は絶対最上級なので、比較の対象がなく、漠然と程度が高いことを示す。一方、(3)は相対最上級なので、ジョンはクラスの中において一番頭がよいと述べられている。

絶対最上級が使われるのは、主観的な態度を示す形容詞に限られると言われる。したがって、most happy(とても幸せ)と言えるが、most tall(とても背が高い)のように客観的態度をあらわす形容詞には使えない。

  • (4) He is most happy. (彼はとても幸せだ)
  • (5) <誤> He is most tall.

絶対最上級では、通常-estで最上級にする形容詞でも、mostを使うことがある。

  • (6) It is most kind of you to invite me here. (私をここに招待してくれてありがとうございます)

一方、-estを使う絶対最上級もある。

  • (7) I wish to send my deepest sympathy. (心からお悔やみを申し上げます)

絶対最上級は否定文では使われないと言われる。次の英文は不可。

  • (8) <誤> It wasn’t a most delightful evening.

(英語基本 形容詞・副詞辞典)

強勢の位置
会話では強勢(アクセント)の位置が絶対最上級の目安になる。相対最上級ではmostに強勢が置かれるが、絶対最上級ではmostは弱く発音される。

2. 絶対最上級の使い方

絶対最上級の使い方を構文別に見ていきたい。

注: 絶対最上級は-estの場合もあり得るが、ここでは記述を統一するため、mostを使う場合に限定した。

2-1. most+形容詞

  • (9) We would be most happy to talk to you. (あなたとお話できて大変に光栄です)
  • (10) I am most delighted to see you. (あなたにお会いできてとても嬉しいです)
  • (11) It will be most convincing. (それはとても説得力があります)

絶対最上級は「most+形容詞」の形で使う。

(9)は形容詞を強調している。(10)や(11)のように分詞形容詞にも使われる。

2-2. most+副詞

  • (12) Michael behaved most respectfully. (マイケルはとても礼儀正しく振る舞った)
  • (13) Most interestingly, he was there at the beginning. (興味深いのは、彼がはじめからそこにいたことだ)

絶対最上級は、ときに「most+副詞」の形でも用いられる。

(12)はmostがrespectfully(礼儀正しく)を強調している例である。

(13)のように文副詞を強調する場合もある。

2-3. 不定冠詞+most+形容詞+単数名詞

  • (14) London is a most interesting town. (ロンドンはとても面白い街です)

絶対最上級は「不定冠詞a/an+most+形容詞+単数名詞」の形でも用いられる。

(14)はmostがinterestingを強調している例である。

2-4. 無冠詞+most+形容詞+複数名詞

  • (15) Most useful ideas have been discovered. (とても有益なアイディアが発見されている)

絶対最上級は「無冠詞+most+形容詞+複数名詞」の形でも用いられる。

(15)はmostがuseful(有益な)を強調している例である。

2-5. 所有格+most+形容詞+名詞

  • (16) Happy New Year to you and your most beautiful wife! (あなたと、そしてとても美しい奥様に新年の挨拶をしましょう!)

絶対最上級は「所有格+most+形容詞+名詞」の形でも用いられる。

(16)はmostがbeautiful(美しい)を強調している例である。

意味のあいまいさ
相対最上級と絶対最上級は時に区別があいまいになることがある。たとえば、the most intriguing girlは「最も魅力的な女の子」(相対最上級)と「非常に魅力的な女の子」(絶対最上級)の2通りの解釈があり得る。

3. まとめ

この記事では、英語の絶対最上級について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. 絶対最上級は極めて高い程度をあらわす
  2. 絶対最上級は概ね「very+形容詞」の意味になる
  3. mostが使われることが多いが、-estの形もある
  4. 名詞の種類によって不定冠詞や無冠詞が使われる
  5. 所有格で限定されることもある

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

9 COMMENTS

the most intriguing girlは「最も魅力的な女の子」(相対最上級)と「非常に魅力的な女の子」(絶対最上級)の2通りの解釈があり得る。

とのことですが、theが付いて、絶対最上級を表すこともあるのですか?
この記事にも、絶対最上級の用法に、theが付いたものは入っていませんし、theが付いたら必ず相対最上級だと思っていたのですが、、
例外的にはthe付きの絶対最上級もあるのでしょうか?

田邉竜彦

>蘭様

絶対最上級は不定冠詞や無冠詞の場合が多いのですが、定冠詞theも可能なようです。

以下、『英語基本 形容詞・副詞辞典』(小西友七編)のp1137より、引用いたします。

—————————-
限定詞としては, the, a(n), someおよび人称代名詞の所有格などが可能であるが, 定冠詞をとる場合が, 強調の度合が最も強くなる。したがって、the most intriguing girlのような場合、相対的に「最も魅力的な女の子」とも、絶対的に「非常に魅力的な女の子」ともとれてあいまい。

ただし、a most efficient publisher, most efficient publishersのように定冠詞を伴わない場合には絶対的意味のみが可能。
—————————-

また、「どちらの用法なのかは文脈が決定する場合も多い」とも述べられております。

ご参考まで…

いつも丁寧に回答して頂きありがとうございます。
やはり基本的な文法に従うもの以外の例外が多いように、文脈によって意味が変わるものも多いことを改めて自覚しました。
今後とも質問させて頂くことがあるかと思いますが、宜しくお願いします。

すいません、一つだけ追加で質問をさせてください。

He is one of my most respected seniors.
 
この場合は、以下のように訳せるということでしょうか
(あの人は私がとても尊敬している先輩のひとりだ) 絶対最上級
(あの人は私が最も尊敬している先輩のひとりだ) 相対最上級

田邉竜彦

>蘭様

こちらの例文の場合、絶対最上級での解釈(とても尊敬している…)も不可ではありませんが、通常は相対最上級(最も尊敬している…)で解釈されるものと思います。

(所有格で限定される場合、his most beautiful wife(彼のとても美しい妻)のように、いくつかの決まった表現に限られるようです。)

金谷

質問①
比較最上級の副詞では、
Michael behaved (the) most respectfully. (マイケルは最も礼儀正しく振る舞った)
副詞の前の the は省略可能

絶対最上級の副詞では、
Michael behaved most respectfully. (マイケルはとても礼儀正しく振る舞った)

このようになると思います。
では、絶対最上級でtheが省略されているのか相対最上級なのか、は文脈判断になるのでしょうか?

質問②
相対最上級の副詞では、(the best) になると思います。
I like Japanese food (the) best.

この絶対最上級はどうなるのですか?
most を用いて、以下のようにmost well となるのでしょうか?

私は日本食がとても好きです。
I like Japanese food most well.

田邉竜彦

>金谷様

ご質問①に関しまして、ご指摘のとおり、最終的には文脈による判断になります。

相対最上級(絶対最上級でない普通の最上級)は、副詞の場合、theをつけないことが多いので、ややこしいですよね…

ご指摘②ですが、こちらは意味的に相対最上級のみが可能かと思います。

絶対最上級はmostがveryと同義になる場合なので、「私は日本食がとても好きです」はI like Japanese food very much.で良いかと思います。

金谷

ありがとうございます。
most well とした場合、”とても良く”の意味となり、今回の文では very much と同じになるため、very much が使われるということですね。

もう一つ確認の質問をさせてください。
“絶対最上級では、通常-estで最上級にする形容詞でも、mostを使う。(-estを使うものもある)” これは副詞の場合でも同様でしょうか?

田邉竜彦

>金谷様

副詞もおそらく同様ではないかと思います。

(ただ、私の手元の文献で、この点に関しては形容詞の場合しか述べられていなかったので、断定的はできませんが…)

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