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英語のメタ言語比較とは、more A than Bの形であらわされるものである。
例えば、He is more good than bad.(彼は悪人というより善人だ)がメタ言語比較に該当する。
この記事ではメタ言語比較について詳細を解説する。学習の参考になるはずだ。
1. メタ言語比較は「BよりむしろA」をあらわす
メタ言語比較は「Bという語を用いるより、Aという語を用いるのがより適切」を述べる際に使われる。形は次のようになる。
冒頭の例をもう一度見てみよう。
- (1) He is more good than bad. (彼は悪人というより善人だ)
Aに該当するのがgood、Bに該当するのがbadである。「BというよりAだ」なので、「悪人(bad)というよりgood(善人)だ」の意で解釈される。
メタ言語比較では、moreは形容詞を修飾しているわけではない。彼は「善人(good)」であって、「より良い人(more good: better)」ではない点に注意したい。
この理由から、メタ言語比較では、通常の比較級では-erを使う語も、常にmoreを用いる。次の例文はangrierではなくmore angryとなっている点に注意したい。
- (2) She was more angry than sad. (彼女は悲しんでいるというより怒っていた)
A more than Bの形で使われることもある。
- (3) She was angry more than sad. (彼女は悲しんでいるというより怒っていた)
メタ言語比較では、通常、比較で使われない語も使用できる。たとえば、dead(死んでいる)やalive(生きている)はふつうの比較級では使用しないが、メタ言語比較では容認される。
- (4) He was more dead than alive. (彼は生きているというより死んでいるような状態だった)
メタ言語比較内の形容詞は、常識的に対比のできる組み合わせでしか使えない。たとえば、「背が高いというより良い人だ」は意味が合わないので不可。
- (5) (誤) Jane is more good than tall.
2. メタ言語比較の使い方
メタ言語比較のAおよびBには、同じ性質の要素が入る。代表的なものに、形容詞、名詞、句、文副詞がある。
以下、それぞれの例を見ていこう。
2-1. more 形容詞 than 形容詞
- (6) My hair became more black than brown. (髪は茶色というより黒色になった)
- (7) I was more surprised than disappointed. (悔しいというより驚いた)
AとBの要素には形容詞が用いられることが多い。
(6)は色をあらわす形容詞が使われている例である。(7)のように分詞形容詞が用いられることもある。
2-2. more 名詞 than 名詞
- (8) I’m more a writer than an editor. (私は編集者というより書き手です)
- (9) The sign has more the look of a dark farewell than a warm welcome. (その看板は暖かい歓迎というより暗い別れのように見えます)
AとBの要素には名詞も用いられる。
(8)は話し手がan editor(編集者)というよりa writer(書き手)であると述べられている。
(9)はthe look of a dark farewell(暗い別れに見えること)と(the look of) a warm welcome(暖かい歓迎に見えること)が対比されている。
2-3. more 句 than 句
- (10) We write these words more in sorrow than in anger. (我々はこれらの言葉を怒りよりも悲しみを持って書いています)
AとBの要素には句も用いられる。
(10)は前置詞を用いた句を使った例である。
2-4. more 文副詞 than 文副詞
- (11) More amusingly than wisely, he often spoke to us in English. (賢明というより興味をそそられることに, 彼は私たちに英語で話しかけてきた)
AとBの要素には文副詞も用いられる。
(11)はamusingly(興味をそそられる)とwisely(賢明に)が対比されている。
3. まとめ
この記事では、英語のメタ言語比較について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- メタ言語比較はmore A than Bであらわす
- メタ言語比較は「BよりむしろA」の意味
- メタ言語比較は常にmore型の比較を用いる
- 通常の比較級では用いられない形容詞を使うこともある
- AやBには形容詞, 名詞, 句, 文副詞などが入る
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