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英語を勉強していると形容詞と副詞の違いについて悩むことがある。
英文法を学んでいるあなたは、次のような疑問をお持ちではないだろうか?
- 形容詞と副詞の違いがいまいちわからない
- 形容詞と副詞を間違えて解釈してしまう
- 形容詞と副詞を見分ける方法が知りたい
そこでトイグルでは、形容詞と副詞の違いについて詳細を説明していく。違いを見分ける時によくある3つの間違いも指摘するため、TOEICを受ける方にも役立つはずだ。
*形容詞と副詞の違い
形容詞と副詞を見分けられるようになるには、これらが文中でどのような役割を果たすのか、その根本的な違いを理解するのが何よりも重要である。
まずは例文を見てみよう。
- He gave me clear directions. (彼は私に明確な指示を与えた)
- He explained everything clearly. (彼はすべてを明確に説明した)
この2つの文はそれぞれ別の状況を表しているが、ここではclear(明確な)とclearly(明確に)の使い方に注目する。
1のclear(明確な)は文中で形容詞として使われている。clear(明確な)はdirections(説明)にかかっており、該当部分は「明確な説明」と解釈される。
一方、2のclearly(明確に)は文中で副詞として使われている。clearly(明確に)はexplained(説明した)にかかっており、該当部分は「明確に説明した」と解釈される。
このように、形容詞と副詞はどちらも情報を付け加える語句だが、その対象となる範囲が異なる:
- 形容詞: 名詞の意味を強調したり、補足したり、部分的に変化させる
- 副詞: 動詞の意味を強調したり、補足したり、部分的に変化させる
形容詞と副詞を判断するもっとも確実な方法は、辞書を引いて確かめることである。clearやclearlyを辞書で引けば、「形」とか「副」といったような記述があるので、そこから使われ方を判別できる。
しかし、知らない語句が出るたびに辞書を引くのは手間がかかる。また、TOEICや英検などの資格試験を受ける場合、辞書の持ち込みは許可されていない。
そこでトイグルでは、形容詞と副詞を見分ける方法として語形・位置・意味の三要素を使ったやり方を提唱したい。この方法を使えば、初見の語句を辞書なしで見分けられるようになる。具体的には次のとおり:
それでは、語形・位置・意味とは具体的にどのようなものだろうか? 以下、詳細を見ていこう。
1. 形容詞と副詞を語形で見分ける
形容詞と副詞を見分ける第一の方法は語形(=語句の形)で判断することにある。
1-1. 形容詞には特有の語尾がある
多くの形容詞は-able, -al, -entなどの語尾を持つ。
例えば、reliable(信頼できる)、financial(財政上の)、different(違った)などの語句はすべて形容詞である。
以下、形容詞によくある語尾(接尾辞)をまとめた。これらを覚えておけば語句の形から形容詞と判断できる。
語尾 | 形容詞 |
-able | reliable (信頼できる) |
-al | financial (財政上の) |
-ent | different (異なった) |
-ful | peaceful (平和な) |
-ive | attractive (魅力的な) |
-less | careless (不注意な) |
-ous | famous (有名な) |
1-2. 副詞の多くは「形容詞+-ly」
多くの副詞は、形容詞の語尾に-lyをつけることで作られる。
例えば、reliably(確実に)、financially(財政的に)、differently(異なって)などの語句はすべて副詞である。
-lyの有無による形容詞・副詞の違いを比較してみよう。
形容詞 | 副詞 |
reliable (信頼できる) | reliably (確実に) |
financial (財政上の) | financially (財政的に) |
different (異なった) | differently (異なって) |
peaceful (平和な) | peacefully (平和的に) |
attractive (魅力的な) | attractively (魅力的に) |
careless (不注意な) | carelessly (不注意にも) |
famous (有名な) | famously (よく知られて) |
2. 形容詞と副詞を位置で見分ける
形容詞と副詞を見分ける第二の方法に位置がある。
2-1. 形容詞の位置は「名詞の前」か「be動詞に接続」
多くの形容詞は名詞の前に使われる。
- difficult problems (難しい問題)
- useful information (役に立つ情報)
「形容詞+名詞」の組み合わせの前には、a(1つの)、the(その)、some(いくつかの)などの限定詞が使われることもある。
- an expensive restaurant (高価なレストラン)
- the sad story (悲しい話)
- some possible options (いくつかの可能な選択肢)
形容詞はbe動詞に接続する用法もある。
- Susan is happy. (スーザンは幸せだ)
形容詞が、いわゆる「SVOC」のCの位置に入ることがある。この場合、[O is C]の関係が成り立つ。
- The news made Susan happy. (そのニュースはスーザンを幸せにした)
- → The news made [Susan is happy].
2-2. 副詞の位置は「動詞の前後」,「形容詞の前」,「副詞の前」
多くの副詞は動詞の前(あるいは動詞の後)に使われる。
- She often works at the weekend. (彼女はしばしば週末に働く)
- Michelle smiled happily. (ミッシェルは幸せそうに笑った)
(Longman Dictionary of Contemporary English)
副詞は形容詞の前にも使われる。
- very important (とても重要な)
- highly competitive (大変競争性のある)
副詞は別の副詞の前にも使われる。
- very carefully (とても慎重に)
- somewhat differently (いくぶん異なって)
(Collins Cobuild English Grammar)
例: Unfortunately, I won’t be able to attend the meeting. (不運にも、私は会議に参加できません)
3. 形容詞と副詞を意味で見分ける
形容詞と副詞を見分ける第三の方法に意味がある。
3-1. 形容詞は名詞について説明する
形容詞は主にモノ(ヒト)を説明する際に使われる。
例を見てみよう。
- a beautiful garden (美しい庭)
- Smith is tall. (スミスは背が高い)
a beautiful gardenは「美しい庭」の意味。世界には「小さい庭」や「屋上の庭」など様々あるが、形容詞beautifulとりわけ「美しい」と庭の種類を分類している。
Smith is tall.は「スミスは背が高い」の意味。スミスさんは「頭が良い」や「用心深い」など様々な性質を持つ可能性があるが、ここでは形容詞tallが「背が高い」と彼の性質を表している。
3-2. 副詞は動詞等について説明する
副詞は主に出来事の関係性を説明する際に使われる。
例を見てみよう。
- You dealt with the situation very effectively. (あなたはその状況をとても効果的に解決した)
(Oxford Advanced Learner’s Dictionary)
問題は「うまく」や「下手に」など様々な方法で解決されるが、ここではvery effectively(とても効果的に)解決されたと述べられている。
副詞は他にも頻度を表す。
- I often go there. (私はしばしばそこに行く)
- I always go there. (私はいつもそこに行く)
「そこに行く」の出来事に対し、oftenなら「しばしば」、alwaysなら「いつも」と頻度の違いを表す。
形容詞・副詞の判断によくある3つの間違いとその対処法
これまで、形容詞と副詞を判断する3つの指標、すなわち語形・位置・意味について説明をしてきた。
この記事の最後として、形容詞・副詞を判断する際によくある3つの間違いと、その対処法について述べていく。
a. become等の特定の動詞の後は副詞ではなく形容詞を使う
『2-2. 副詞の位置は「動詞の前後」,「形容詞の前」,「副詞の前」』で説明したように、動詞を修飾するのは副詞である。
ただし、becomeやremainといった特定の動詞に関しては、直後に副詞ではなく形容詞を用いる。
- She was becoming confused. (彼女は混乱していった)
- Security at the airport remains tight. (空港のセキュリティは厳しいままである)
(Oxford Advanced Learner’s Dictionary)
become(…になる)、remain(…のままでいる)はいずれも「(主語が)ある状態であること」で共通している。「状態」はモノ(ヒト)の性質や分類を指すから、形容詞と相性が良い。
- She was becoming confused. (She = confused)
- Security at the airport remains tight. (Security = tight)
b. be動詞の直後に「副詞+形容詞」が使われた際の判断
次の例文は、一見すると「be動詞+副詞+形容詞+その他」の構造になっているように見える:
- It was really hot in the sauna. (サウナの中は本当に暑かった)
(Oxford Advanced Learner’s Dictionary)
この文は、少なくとも「形容詞の前には副詞が使われる」の原則に合致している。しかし、be動詞の直後に副詞があるので「be動詞+副詞」に見えなくもない。何か例外的な用法でも働いているのだろうか?
結論的に言えば、この文は文法的に正しく、これまで説明した形容詞・副詞の規則と何ら矛盾しない。その理由は、「副詞+形容詞」は形容詞句(=形容詞のカタマリ)を構成し、それがbe動詞の直後に使われて「be動詞+形容詞(句)」の形になるからである。
先ほどの例文では、be動詞に接続しているのはreally(本当に)ではなく、really hot(本当に暑かった)である。これはreallyを抜いても文が成り立つことでも明らかだ。
- It / was / hot / in the sauna. (S+V+C+その他)
- It / was / really hot / in the sauna. (S+V+C+その他)
このように、英文は単語が並列的に並ぶのではなく、ある種の「階層」のような関係性が構築されている。形容詞・副詞を判別する上でぜひとも意識しておきたい。
c.「副詞+副詞+形容詞」には二通りの解釈がある
形容詞を修飾するのは副詞であり、副詞を修飾するのは副詞である。ここから、場合によって「副詞+副詞+形容詞」の組み合わせが生じる。
例を見てみよう。
- occasionally very offensive (時折の非常に無礼な態度)
- quite unbelievably offensive (極めて信じがたいほど無礼な態度)
(The Cambridge Grammar of the English Language)
どちらも「副詞+副詞+形容詞」の並び方で共通しているが、その構造に違いがある。
occasionally very offensiveはoccasionally(時折の)がvery offensive(非常に無礼な態度)を修飾しているので、「副詞+(副詞+形容詞)」の構造である。
一方、quite unbelievably offensiveはquite unbelievably(極めて信じがたいほど)がoffensive(無礼な態度)を修飾しているので、「(副詞+副詞)+形容詞」の構造と考えられる。
こうした句の構造は意味解釈に影響を与えるほか、TOEIC文法問題でもよく問われるため、一歩上の英語力を目指す方はぜひ理解しておきたい。
形容詞と副詞の用法は別記事でも詳細を解説しています。
まとめ: 形容詞・副詞を極めて文法に強くなる
この記事では英語の形容詞と副詞の違いについて、詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる。
- 形容詞と副詞は修飾の対象が異なる
- 形容詞と副詞は語形で見分ける
- 形容詞と副詞は位置で見分ける
- 形容詞と副詞は意味で見分ける
- 形容詞と副詞は構造的に間違いやすい場合がある
英文法を習得するポイントは練習を積むことにある。本記事で形容詞・副詞の概略を理解したら、ぜひとも市販の教材を使ってたくさんの英文に触れてみよう。
学習を進める中でわからないことがあれば、ぜひとも本記事に戻ってきてほしい。形容詞・副詞に関する解決策がきっと見つかるはずだ。
また、トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
本当にわかりやすいと思いました
有難う御座います!!
>kiyo様
お役に立てて光栄です。