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英語の be able to は「…することができる」の意味で使われる表現である。
be able to は学校英語でも習うため、この表現の存在自体はよく知られている。
一方、be able to の詳しい使い方がわからず、なんとなく「…できる」と訳して終わっている人は多いだろう。
英語を学習しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- be able to の使い方がよくわからない…
- can = be able to と習ったけれど、これは正しい…?
- can と be able to はどうやって使い分けるのか…
市販の参考書では “can = be able to” と書いているものもあるが、これは必ずしも正確とは言えない。場合によって can を be able to に置き換えられることもあるが、そうでないケースも往々に存在する。
とりわけ、ライティング(英作文)において be able to の使い方を間違えると、思いも寄らない誤解を与えてしまうおそれがある。英語を実務レベルで使うなら、この違いは必ず注意しておきたい。
そこでトイグルでは、be able to の使い方について、詳細を解説していきたい。
まずは be able to の用法を説明した後、can(現在形)との違い、そしてcould(過去形)との違いを見ていく。be able to の発展的な用法についても述べていく。
本記事を読めば、be able to の使い方が明確にわかる。あなたの英文作成能力が一段階向上し、より魅力的な英語をアウトプットできるに違いない。ぜひ最後まで楽しんでほしい。
本記事は be able to に関して網羅的に述べているため、長文です。英語初学者の方は『1. be able to の本質は「能力」にある』だけ読めば、be able to の基本的な使い方がわかるでしょう。中級者の方は『2. be able to の使い方』、上級者の方は記事全体を読むことで、be able to の正確な使い方が把握できます。目次から必要な項目を御覧ください。
1. be able to の本質は「能力」にある
be able to は「be動詞 + 形容詞able + to不定詞」を組み合わせた表現である。toは不定詞につき、直後には動詞を伴う。
be able toの本質的な意味は「能力」である。主語となる人、動物、あるいは機械などが、何らかの能力を保有している時、be able to を使用できる。
be able to は肯定文、疑問文、否定文のいずれにも使用できる。
まずは、be able to を肯定文で使う例を見てみよう。
- (1) You must be able to speak English for this job.
(この仕事では英語を話せなければなりません)
例文では、話し手は聞き手に、「この仕事では英語を話せなければなりません」と述べている。
助動詞must の直後につき、be able to(beは原形)が使われている。be able to はこの例のように、他の助動詞の直後に用いられることがもっとも多い。
続いて、be able to を否定文で使う例を見てみよう。
- (2) We are not able to do it today.
(私たちは今日それができません)
例文では、話し手たちは「私たちは今日それができません」と述べている。
否定文にする際は、be動詞の直後に not を用いればよい。
最後に、be able to を疑問文で使う例を見てみよう。
- (3) Are you able to come on Monday?
(月曜日に来れますか)
英文では、話し手は聞き手に「月曜日に来れますか」と尋ねている。
疑問文にする際は、be動詞と主語を倒置させ、Am/Is/Are S able to …? の形で使えばよい。
以上のように、be able to は肯定文、否定文、疑問文のいずれにも使える。
また、現在形(am/is/are able to)、過去形(was/were able to)、そして未来の表現(will be able to)としても用いられる。
これらの組み合わせを表にすると次のようになる。
肯定 | 否定 | 疑問 |
---|---|---|
am/is/are able to | am/is/are not able to | Am/Is/Are S able to…? |
was/were able to | was/were not able to | Was/Were S able to …? |
will be able to | will not be able to | Will S be able to …? |
『英語語義語源辞典』によると、able の語源はラテン語 habere(= have to)から派生した habilis(保持しやすい, 扱いやすい)が古フランス語で hable, habile となり、中英語に入ったという。
2. be able to の使い方
be able to の本質的な意味は <能力> だが、そこにはさらに、内在的能力と状況的能力の2つの用法がある。
それぞれ、説明していきたい。
2.1. 内在的能力
- (4) Mary is able to speak both French and German.
(メアリーはフランス語とドイツ語の両方を話せる)
内在的能力とは、「…することができる(能力がある)」の意味で、主語が先天的、あるいは後天的に身に着けた能力をあらわす。
例えば、(4)では「メアリーはフランス語とドイツ語の両方を話せる」と述べられている。
メアリーが2ヶ国語を話せるのは、幼少期の頃からなのか、それとも大人になってからなのかはわからない。いずれにせよ現時点でその能力を保有していることは間違いない。
内在的能力の be able to は、「…する性能を備えている」の意味で、機械の能力を比喩的に表す際にも用いられる。
例: This camera is able to record videos. (このカメラはビデオを撮影できる)
2.2. 状況的能力
- (5) I haven’t been able to read that report yet.
(そのレポートはまだ読めていないんです)
5: Longman Dictionary of Contemporary English
状況的能力とは、「…することが可能である」の意味で、周囲の状況により、主語がその行為を実施可能であることをあらわす。
例えば、(5)では「そのレポートはまだ読めていないんです」と述べられている。
話し手はレポートを読む必要性があるが、何らかの外的な事情により、まだ読めていない。話し手は「機会」がないため、レポートを読む行為が達成されていないといえる。
- be able to には「内在的能力」と「状況的能力」の2つの意味がある
able には an able editor(有能な編集者)のように「有能な」を意味する用法もある。この記事では、be able to の形で使われる用法を説明していきたい。
3. can と be able to の違い
be able to は、<能力> をあらわす助動詞 can と似た意味を持っている。
多くの場合、can は be able to と交換可能と言われる。
例えば、「タイプできますか」という場合、Can you type? と Are you able to type? のいずれを使用して良い。
ただし、いくつかの条件のもとでは、can または be able to のどちらかを選ばなければならない。
以下、can と be able to の使い分け方を見ていこう。
本題に入る前に、使用頻度という点で比べば、be able to より can のほうがよく使われる。
また、いずれも使用できる場合、can を用いたほうが自然と言われる。
3.1. 他の助動詞等と用いる際は be able toを使う
- (6) I will be able to answer your question tomorrow.
(明日にはご質問にお答えできるようになるでしょう) - (7) I might be able to help you.
(あなたのお役に立てるかもしれません) - (8) A professional has to be able to be on time.
(プロは時間を守れなければならない) - (9) Being able to speak English is a huge asset.
(英語ができることは大きな財産です)
7: Collins Cobuild English Usage 4th
can は助動詞につき、他の助動詞と一緒に用いることはできない。動名詞などの形にすることもできない。
そのため、文法的に can を使用できない場面では、be able to が用いられる。
(6)は未来をあらわす助動詞 will に be able to が使われている例である。×will can は不可なので、will be able to にする。
(7)は可能性をあらわす助動詞 might に be able to が使われている例である。×might can は不可なので、might be able to にする。must be able to, shall be able to など、他の助動詞の場合も同様である。
(8)のように、have (has) to の後に be able to を用いることもできる。used to be able to や ought to be able to も可能。
(9)のように、being able to の形で、動名詞として用いることもできる。
3.2. 受身文では be able to は避けたほうがよい
- (10a) Anyone can deliver that speech.
(あのスピーチは誰でもできます) - (10b) That speech is able to be delivered by anyone.
(あのスピーチは誰にでもできるものです)
10: Garner’s Modern English Usage (5th)
‘be able to be done’ のように、be able to に受け身の動詞を続けることは、不可能ではないが、避けたほうがよい。
能動態の(10a)が圧倒的に自然で、(10b)は特別な事情がない限り、好ましい言い方ではない。
be able to の後に「get受動態」が続く場合は容認される。
例: I was able to get accepted into the Haas School of Business. (ハースビジネススクールに合格できました)
注: 柏野健次氏は『英語助動詞の語法』の中で、be able to の主語は積極的に行為を行おうとする人間、すなわち「エージェント」であると指摘している。be受動態は主語の自発的行為でないため、be able to のエージェント性と衝突する。一方、get受動態は主語が動作主になり、自発性が保証されるので、be able to のエージェント性と矛盾しない。
3.3. see や smell などの知覚動詞では can を使う
- (11) I can see a ship.
(船が見えます) - (12) I can smell gas.
(ガスの匂いがします)
11: Practical English Usage,
12: Collins Cobuild English Usage 4th
see、hear、smellなど、知覚をあらわす動詞では、can を用いる。
be able to には「行為の実現」という動的な意味が含まれるが、知覚動詞のような状態をあらわすものでは、意味が衝突するからである。
drive, play, speak など、熟練・学習した能力を表す動詞では、be able to は不可ではないものの、can のほうが好まれる。
3.4. 無生物主語では通例, can を使用する
- (13) This car can go at over 150 mph.
(このクルマは時速150マイル以上出せます) - (14) Water is able to rust iron.
(水は鉄を錆びさせることができる)
無生物主語(= 主語が人や動物などの生命体でないもの)において、be able to は不可ではないものの、(13)のように can を用いたほうが自然に響く。
一方、(14)のように、無生物でも擬人化されている場合、あるいはその背後に人の存在が感じられる場合、be able to も可能である。
3.5. 実現に関する強い含意がある場合は be able to を使う
- (15) Thanks to the new machines we are now able to produce more, and at a cheaper price.
(新しい機械のおかげで、より多くのものを、より安く生産することができるようになりました)
15: 現代英文法総論
実現に関する強い含意がある場合、can より be able to が好まれる。
(15)では、より多くのものを、安価に生産できるようになったという「実現」の意味が明確なため、be able to が使われている。
場合によって be able to は横柄、あるいは自慢げな言い方に聞こえることがある。
例えば、「私は英語を話せる」を I can speak English. と言えば中立的だが、I’m able to speak English. と言うと、英語を話せる能力を自慢していると聞こえなくもない。
- be able to は他の助動詞と用いる場合(will be able to など)が多い
- 受身文、知覚動詞、無生物主語では通例、canを使用する
4. could と was/were able to の違い
can は be able to と比較されることが多いが、could との違いにおいては、事情が異なってくる。
ここでは、could と was/were able to(= be able to の過去形)の違いを比較していきたい。
4.1. 継続的な能力を表わす場合, could と was/were able to のいずれも使える
- (16a) When I was young I could climb any tree in the forest.
- (16b) When I was young I was able to climb any tree in the forest.
(若いときは, 森のどの木にも登れた)
16: 実例英文法
過去の能力について言及する場合、その1つの観点に「過去の継続的な能力」がある。
これは、過去のある一定期間内において、自分がしたい時ならいつでもできた、といったことをあらわす状況である。
例えば、上述の(16)の例では、話し手は「若いとき(= 過去の一定期間)」、森のどの木にも登れる能力があったと述べている。
このように、過去の継続的な能力を示す場合、could と was/were able to のどちらも使用できる。(16)は could と was able to のいずれを使っても差し支えない。
ただし、過去の継続的な能力において、could と was/were able to がまったく等しく使われるわけではない。どちらかと言うと could のほうが自然な印象を与えるようである。
4.2. 過去の1回限りの行為では was/were able toを用いる
- (17) After two weeks in bed, he was able to return to work.
(2週間の寝たきりの後, 彼は仕事に復帰することができました)
17: Collins Cobuild English Usage 4th
過去の能力について言及するもう1つの観点は、「過去の1回限りの行為」である。
これは「ある能力を持った者が単一動作を行った」という状況をあらわす。
過去の1回限りの行為をあらわす場合、couldは使用できず、代わりに was/were able to を用いる。
(17)では、「彼」が「仕事に復帰できた」と述べられている。仕事に復帰したのは単発で起こった出来事なので、was able to を使用する。
4.3. 過去の1回限りの行為で could を使用できる場合
- (18) They tried for hours, but they couldn’t rescue the cat.
(何時間も頑張ったが, 猫を救出することはできなかった) - (19) Could they rescue the cat on the roof?
(屋根の上の猫を救出することができたのだろうか) - (20) I could smell something burning.
(何か燃えるような匂いがした) - (21) I could understand everything she said.
(彼女の言うことはすべて理解できた)
18, 19: ロングマン・アレクサンダー英文法
20, 21: Practical English Usage
今さっき述べたように、過去の1回限りの行為では通例、was/were able toを用いる。
一方、以下のようないくつかの条件では、was/were able to の代わりに、could を使ってもよい:
- 否定文: was/were able to は通例、行為の成功を暗示する。一方、否定文は行為の不成功を暗示するため、could を用いても構わない。(18)は否定文の例。
- 疑問文: 疑問文は行為の成功を相手に尋ねるものなので、was/were able to でなく、could を用いても構わない。(19)は疑問文の例。
- 知覚動詞: see, hear, taste, feel, smell などと共に用いる場合、could も可能。(20)は知覚動詞の例。
- 認識動詞: understand, remember, guess などと共に用いる場合、couldも可能。(21)は認識動詞の例。
almost, nearly, hardly, just などの副詞と共に使われる時も、was/were able to の代わりに could を使用できる。
例: I could only read one text message. (メールは1通しか読めなかった)
注: 他にも、glad などの形容詞に続くthat節の中、how疑問文、even though節あるいは because節の中などでも、was/were able to の代わりに could を用いて良い。
4.4. 文中に条件の意味を含んでいる場合
- (22a) Could you run the business by yourself (if this was necessary)?
- (22b) Would you be able to run the business by yourself?
(自力で商売をやれますか)
22: 実例英文法
文中に <条件> の意味を含む場合、could は過去ではなく、現在の状態や行為について述べる用法になる。
この場合、could は would be able to の意味になると考えて差し支えない。
(22a)の Could you…? は、(22b)の Would you be able to …? とパラフレーズできる。
4.5. 主語の感情を伝える場合は was/were able to が好まれる
- (23) After several attempts, I was finally able to connect to the Internet.
(何度かの試みの後, ようやくインターネットに接続できるようになった)
was/were able to は、単に過去の能力をあらわすだけでなく、話し手の感情が含まれることがある。
(23)は、話し手の努力の結果、インターネットに接続できるようになったというニュアンスが伝わってくる。
- 継続的な能力は could と was/were able to のいずれも使える
- 過去の1回限りの行為では was/were able to を用いる
- 否定文や疑問文では、過去の1回限りの行為でも could を使用できる
5. be able to に関する発展的な知識
さらに理解を深めたい上級者向けに、be able to の発展的な知識を紹介していきたい。
5.1. seem/become/feel + able to
- (24) She doesn’t seem able to face the situation.
(彼女はその状況に向き合えていないようです) - (25) I finally became able to understand it.
(ついにそれを理解できるようになりました) - (26) I didn’t feel able to disagree with him.
(彼に反対する気にはなれませんでした)
24, 26: Oxford Advanced Learner’s Dictionary (10e)
be able to では、be動詞の代わりに、連結動詞を使用できる。
(24)は seem able to、(25)は become able to、(26)は feel able to が使われている例である。
5.2. be able to を修飾できる副詞
- (27) We are well able to overcome it.
(我々はそれを十分克服できるのです) - (28) I believe he is perfectly able to do it alone.
(彼は1人でそれを完璧にできると信じています) - (29) We were really able to relax.
(本当にリラックスして過ごせました) - (30) I was totally able to fix my television.
(完全にテレビを修理できました) - (31) I’m quite unable to tackle the problem.
(その問題にまったく対処できなかった)
be able to はいくつかの副詞を使うことで、その意味を強めたり、強調できる。
(27)は well(十分に)、(28)は perfectly(完璧に)、(29)は really(本当に)、(30)は totally(完全に)、(31)は quite(まったく)が使われている例である。
very は be able to を修飾できない。そのため、(×) He is very able to … は不可。ただし、I hear you’re very able.(あなたはとても有能と聞きました)のように、able を「有能な」の意味で用いる場合は修飾可能。
5.3. was/were able to と「行為の成就」
- (32) We were able to reach camp that night.
(その夜, キャンプ場にたどり着くことができた) - (33) I was not able to access the Internet.
(インターネットにアクセスできなかった) - (34) John was able to come, but he didn’t come after all.
(ジョンは来られるはずだったが, 結局来なかった)
32: Meaning and the English Verb (3e)
34: 現代の英文法9 助動詞
was/were able to では、通例、主語がその行為を実際に行おうとしたことが示唆される。
(32)は、話し手たちがキャンプ場に着くことができ、さらに、実際にたどり着いたことがほのめかされている。
(33)のような否定文の場合、行為は不成功に終わったと考えられる。話し手はインターネットへのアクセスに失敗した。
ただし、文脈によって、その行為ができたものの、実際にはしなかった場合もある。(34)は「ジョンは来れた」と述べているが、後半部分の「しかし、(彼は)結局来なかった」により、ジョンは来るという行為を実際にはしなかったことがわかる。
注: (32)の引用元である Leech は、We were able to reach camp that night. には We were able to, and moreover we did.(我々はそれができた、そしてさらに実施した)のニュアンスがあると述べている。
5.4. be able to の命令文
- (35) Be able to speak, write, and read English.
(英語を話し, 書き, そして読めるようになりなさい)
be able to は「できるようにしなさい」の意味で、命令文として使用できる。
5.5. 時制の一致により had been able to になる場合
- (36) He said he had lost his passport and hadn’t been able to leave the country.
(旅券をなくしたので出国できなかったのだ, と彼は言った)
36: 実例英文法
be able to が過去完了で使われることは少ない。
強いて使われるとすれば、それは間接話法の文中において、時制の一致で have が had になる場面である。
(36)では、… (he) hasn’t been able to leave the country(彼は出国できていない)が he said(彼は…と言った)の被伝達部となっているため、hadn’t been able to に変化している。
- 連結動詞+able to の形も使用できる
- well や really などの副詞は be able to を修飾できる
- was/were able to には「行為の成就」の意味合いがある
6. まとめ
この記事では、英語の be able to について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 肯定文, 否定文, 疑問文のいずれにも使える
- 内在的能力と状況的能力の意味がある
- 他の助動詞と併用することが多い
- couldとの違いは継続的な能力, および1回限りの行為に見いだされる
- beの代わりに連結動詞を使用できる
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
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