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英語の抽象名詞とは、概念、感情、考え方などをあらわす名詞である。
英語を勉強しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 抽象名詞とは何? ほかの名詞とは何が異なる?
- 抽象名詞の使い方を知りたい
- 抽象名詞にa/anがついたり、複数形になる場合の例を知りたい
そこでトイグルでは、抽象名詞について詳細を解説していきたい。学習の参考になるはずだ。
1. 抽象名詞は概念や考え方をあらわす名詞
抽象名詞の特徴を端的にあらわせば、それは「具体的な形を持たない、概念や考え方などをあらわす名詞」である。抽象名詞の具体的な例を見ていこう。
information(情報)のような概念は代表的な抽象名詞である。情報は紙やコンピュータに表示されることはあっても、それ自体は物理的な形を持たない。
love(愛情)のような感情も抽象名詞である。愛情は人の心の中に存在するものであり、何か形のある物ではない。
relationship(関係)のような関係性を表す語も抽象名詞である。他の例にfriendship(友好関係)などがある。
influenza(インフルエンザ)のような病名も抽象名詞である。その原因となるvirus(ウイルス)は普通名詞だが、病気の名称自体は抽象名詞となる。
chemistry(化学)のような学問の名称も抽象名詞である。この類にはeconomics(経済学)のように語尾に-sがつくものがあるが、単数扱いとなることに注意したい。
democracy(民主主義)のような社会システムを表すものも抽象名詞である。
2. 抽象名詞の使い方
- (1) Failure is the key to success. (失敗は成功のもと)
- (2) Let’s gather some intelligence. (叡智を集結させましょう)
- (3) I have a piece of advice. (ひとこと助言があります)
(1)は抽象名詞failure(失敗)が使われている例である。抽象名詞は不可算名詞の一種なので、不定冠詞a/anをつけずに、単数形で用いる。
(2)は抽象名詞intelligence(知性)にsome(いくらかの)が使われている例である。不定の量をあらわす表現は、ほかにもany、much、a little、noなどがある。
(3)は抽象名詞advice(助言)にa piece of(1つの)が使われている例である。抽象名詞は不可算名詞なので、数を示すにはこうした表現が必要となる。
3. 抽象名詞の普通名詞化
抽象名詞は不可算名詞なので、通例、不定冠詞a/anをつけずに単数形で用いる。
一方、一部の抽象名詞は不定冠詞a/anをつけたり、複数形にすると、普通名詞として使えるようになる。以下、例を見ていこう。
3-1. a/an+抽象名詞の単数形
- (4) Think about an experience such as driving a car. (車の運転のような経験について考えてごらんなさい)
- (5) The campaign was a huge success. (そのキャンペーンは大成功だった)
抽象名詞に不定冠詞a/anがつくことで、普通名詞として使われることがある。
(4)では、抽象名詞experienceは「(概念としての)経験」だが、これに不定冠詞a/anがつくことで、「(1つの)経験した事柄」という意味の普通名詞になる。
(5)では、抽象名詞successは「(概念としての)成功」だが、これに不定冠詞a/anがつくことで、「(1つの)うまくいったこと」という意味の普通名詞になる。
3-2. 抽象名詞の複数形
- (6) We will encounter difficulties in our lives. (私たちは人生の中で困難に直面するだろう)
- (7) John expressed deep concerns about the exam. (ジョンはその試験に対して深い懸念を表明した)
抽象名詞が複数形になることで、普通名詞として使われることがある。
(6)では、抽象名詞difficultyは「(概念としての)困難」の意味だが、これが複数形になることで、「困難な状況」という意味の普通名詞になる。
(7)では、抽象名詞concernは「(概念としての)懸念」の意味だが、これが複数形になることで、「(個々の具体的な)懸念/心配事」という意味の普通名詞になる。
4. 抽象名詞を使った慣用表現
抽象名詞の中には、特定の前置詞と結びついて、慣用表現をつくるものがある。
たとえば、with surprise(おどろいて)は「前置詞with+抽象名詞surprise」であるが、これらは個別の語の意味を足し合わせるより、まとめて覚えてしまうほうが効率がよい。
以下、前置詞+抽象名詞で形成される慣用表現の例を紹介したい。
at ease (気楽に) | by chance (偶然に) |
by definition (定義によると) | by nature (生まれつき) |
for example (たとえば) | for sale (売りに出された) |
from experience (経験から) | in abundance (豊富に) |
in addition (その上に) | in bulk (大量に) |
in cash (現金で) | in charge (担当して) |
in conclusion (結論として) | in confidence (秘密で) |
in consequence (その結果) | in dispute (論争中で) |
in existence (現存して) | in fashion (流行して) |
in luck (幸運で) | in progress (進行中で) |
in question (問題の) | in trouble (困って) |
on demand (要求あり次第) | on purpose (わざと) |
on sale (販売中で) | on schedule (時間どおりに) |
under consideration (考慮中で) | without delay (ちゅうちょなく) |
without notice (通告なしに) | without permission (無許可で) |
注: take place(行われる)のように、「動詞+抽象名詞」の慣用表現も多数ある。
5. まとめ
この記事では、英語の抽象名詞について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 抽象名詞は概念や考え方をあらわす名詞
- 抽象名詞は不可算名詞の一種
- 抽象名詞はa/anを伴わず、単数形で使う
- 抽象名詞を普通名詞化して使うことがある
- 抽象名詞は慣用的に使われる表現がある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!