「英語の5文型を勉強したけど、ほとんど忘れてしまった…」
「SVOOとSVOCの違いがわからない…」
あなたはこのようなお悩みを抱えていないでしょうか。
多くの人が5文型に苦戦する理由は、構造の違いを「暗記」しようとするからです。実は、各文型には異なるメッセージがあるから、それを理解すれば5文型は自然に見分けられます。
実際、筆者の主宰するTOEIC対策スクールでも、文型はもっぱら意味に重点を置いて説明しています。20年ぶりに英語を学習する社会人の方々が、暗記に頼らず、自然に英文を解釈できるようになりました。
ここでは文型の基本をわかりやすく解説します。今後、文型の違いに悩むことなく、スムーズに英文を読み書きできるようになるでしょう。
*文型とは文の機能をパターン化したもの
英語は語順に厳格な言語です。単語の順番を少し変えるだけで、文の意味は大きく変わります。
いま、「太郎がその本を持っている」を言いたいとしましょう。日本語は「その本を太郎が持っている」と語順を変えると、ニュアンスは若干変わるが、文法的には正しいままです。
一方、「太郎がその本を持っている」を英語で表すなら、語の並べ方は次の1通りになるでしょう。
- Taro has the book. (太郎が本を持っている)
Taro, has, the, bookの4単語が使われているが、語順を入れ替えると文法的に不可となります。
- *Taro the book has.
- *Has Taro book the.
ここで「Taro has the book.」のみが文法的に正しい理由は、それが英語の文型に合致し、かつ意味的に自然だからです。
Taroが主語(S)、hasが述語動詞(V)、the bookが目的語(O)の機能を持ち、S+V+Oという正しい語順を作り、<ヒトはモノを持てる>の常識にも合うので、意味の通る文となります。
このように、主語・述語動詞・目的語・補語と呼ばれる文の機能をパターン化したものを文型と呼びます。文型には様々な解釈があるが、日本で古くから学ばれているのが、文型を5パターンに分ける5文型です。

それでは、各文型の違いはなんでしょうか? 以下、例文と共に詳しく説明しましょう。
(筆者注: 文型は他にも7文型(Quirk et al. 1985)や8文型(安藤 2008)が提案されています。本稿ではわかりやすさを重視して従来型の5文型を紹介します。)
*第1文型: SV
第1文型とは、主語(S)+述語動詞(V)で構成される文です。
第1文型: S+V
(トイグル)
第1文型は、動詞が目的語や補語を取らない構造です。主語の動作や状態を述べるが、その出来事が現実に他者へ影響しないという意味ではありません。
例を見てみましょう。
- 1. He is laughing. (彼は笑っている)
- 2. Ghosts really exist. (幽霊は本当に存在する)
1の「笑う」は、この文では目的語も補語も取っていないため、S+Vの第1文型となります。笑い声が他の人に影響するかどうかは、文型の判定とは別の問題です。
2の「存在する」も、目的語や補語を取らずに主語の状態を述べるため、S+Vの第1文型となります。
*第2文型: SVC
第2文型とは、主語(S)+述語動詞(V)+補語(C)で構成される文です。
第2文型: S+V+C
(トイグル)
第2文型は「主語が補語の状態である」あるいは「主語が補語の状態に変化する」を意味します。[S = C]の関係が成り立ち、C(補語)は主に名詞や形容詞が使われます。
例を見てみましょう。
- 3. John is a doctor. (ジョンは医者です)
- 4. The soup smelled delicious. (そのスープは美味しそうなにおいがした)
- 5. Susan became a nurse. (スーザンは看護師になった)
3のisは「〜です」を表します。[John = a doctor]なので、登場人物は1人です。
4の smell は「においがする」という動詞、delicious は「おいしい」という形容詞です。smelled delicious 全体で「おいしそうなにおいがした」を表します。delicious はスープの性質を説明する補語です。
5のbecomeは「〜になる」の意味です。文は[Susan = a nurse]に変化した様子を表しています。
*第3文型: SVO
第3文型とは、主語(S)+述語動詞(V)+目的語(O)で構成される文です。最も使用頻度の高い文型と言われます。
第3文型: S+V+O
(トイグル)
第3文型は「主語の動作が目的語に影響を与える」あるいは「主語の状態の範囲が目的語になる」が主な解釈です。O(目的語)は名詞や代名詞などの句のほか、that節なども使われます。
例を見てみましょう。
- 6. I cut the cake. (私はそのケーキを切った)
- 7. I know the answer. (私はその答えを知っている)
6は動作が対象に直接影響を与える例です。cut(切る)という動作を通じて、主語(I)が目的語(the cake)に影響を与えます。[I → the cake]の関係を確認しましょう。
7のknow(知っている)は状態を示す動詞です。「知っている」の範囲が目的語になるので、動詞の直後に配置されます。[I → answer]の関係を確認しましょう。
第4文型: SVOO
第4文型とは、主語(S)+述語動詞(V)+目的語(O1)+目的語(O2)で構成される文です。
第4文型: S+V+O1+O2
(トイグル)
第4文型は、動詞に間接目的語O1と直接目的語O2が続く構造です。典型的には、O1は物の受け手・受益者、O2は渡す物や用意する物を表します。ただし、実際の受領・所有が成立したかは動詞と文脈によります。
- S + V + O1(受け手・受益者など)+ O2(物など)
例を見てみましょう。
- 8. Susan gave me a card. (スーザンは私にカードをくれた)
- 9. I’ll buy you a soda. (私はあなたにソーダを買ってあげる)
8では Susan が主語、gave が動詞、me が間接目的語、a card が直接目的語です。この give の例は、カードを私に渡したことを表します。
- 8′. Susan(S)gave(V)me(O1)a card(O2).
9の buy に目的語を2つ続けると、「O1のためにO2を買う」という意味になります。購入後に相手が実際に受け取ったかどうかまでは、この構文だけで保証されません。
- 9′. I(S)will buy(V)you(O1)a soda(O2).
文型は目的語・補語の構成で判断します。「所有」は一部の典型例の意味を理解する助けであり、SVOOすべての必須の意味ではありません。
第5文型: SVOC
第5文型とは、主語(S)+述語動詞(V)+目的語(O)+補語(C)で構成される文です。
第5文型: S+V+O+C
(トイグル)
第5文型は、目的語Oについて補語Cが性質・身分・行為などを述べる構造です。状態変化や使役を表すこともあるが、I consider him honest.(私は彼を正直だと思う)のように、変化を伴わない判断も表せます。
例を見てみましょう。
- 10. I named him Tom. (私は彼をトムと名付けた)
- 11. We persuaded John to come. (私たちはジョンに来るように説得した)
10は主語(I)がname(名付ける)という動作を目的語(him)に行うことで、目的語(him)が補語(Tom)という状態になる、を意味します。第5文型はCが名詞か形容詞のどちらかの場合、[O = C]の関係となります。
- 10′. I named him Tom. (him = Tom)
11はCの位置にto不定詞が使われるケースです。主語(We)がpersuaded(説得する)という動作を目的語(John)に行うことで、補語(to come)の動作をさせると考えます。
要するに「我々はジョンに対して、ジョンが来るように説得した」という構造です。to come(来る)をするのは、We(我々)ではなくJohn(ジョン)であることに注意しましょう。
- 11′. We persuaded John [John to come].
*まとめ
当エントリーでは英語の5文型について説明しました。意味の違いがお分かりいただけたと思います。
おさらいとして、5文型の構造をまとめましょう。
- 第1文型: SV
- 第2文型: SVC
- 第3文型: SVO
- 第4文型: SVOO
- 第5文型: SVOC
ところで、5文型は英文を解釈する1つの手段にすぎません。正しく見分けられるに越したことはないが、あまり厳密になりすぎると分類自体が目的化してしまいます。
5文型をある程度理解したら、次は生の英文に触れてみましょう。たくさんの英語を読んで聴き、あるいは書いて話せば、文構造が直感的に理解できるようになります。
英語は理論と実践の両輪で伸ばしていきましょう。
Good luck!