税関とは、空港で入国審査の後に通る、持ち込み品をチェックするところです。
はじめて海外旅行に行く人にとっては、「税関で引っかかったらどうしよう…」とか「英語で何かを聞かれるのだろうか…」と不安になりますよね。
私も初めてアメリカへ行く前に「呼び止められたらどうしよう」と緊張していました。しかし、実際は何も聞かれずそのまま空港の外へ出られました。
その後20ヶ国以上を旅しましたが、「申告が必要な物」を持っていなければ、職員と話すことすらないケースがほとんどでした。
税関ではあらかじめ申告が必要なものや、よくある質問を知っておけば、大半の人がスムーズに通過できます。
この記事では、「税関とは何か」という基本から、申告が必要なケースやよくある英語フレーズまで、わかりやすく解説しています。
英語が苦手でも大丈夫です。この記事を読んで、安心して海外旅行へ出発しましょう!
税関の役割と手続きの流れ
はじめに、そもそも税関とは何か、その基本的な役割と流れを解説します。
申告が必要なケースや通過時のポイントを知っておけば、英語に自信がない方でもスムーズに通過できますよ。
税関の基本的な役割

空港に到着し、入国審査のあとに通る場所が「税関(Customs)」です。
税関の主な役割は、大きく3つあります。
- 禁止されている物の持ち込みを防ぐこと
- 危険物の持ち込みや密輸を防ぐこと
- 課税対象となる物の申告と関税の徴収
税関はルールを守って安全に国を出入りするための最終チェックポイントです。
禁止されている物を持ち込まなければ、大半の人は職員との会話なしに通過できます。
申告が必要になるケース
ほとんどの方は、禁止物を持ち込むことはないはずです。
ただ、「知らずにNG品を持っていた…」という事態を防ぐためにも、荷物を詰める前に禁止物が入っていないかどうかを確認しましょう。
たとえばアメリカでは、以下の物は申告が必要(または持ち込み禁止)と定められています。
- 肉、果物、乳製品などの生鮮食品
- お酒・たばこ(免税範囲を超える場合)
- 100万円相当を超える現金や小切手
- 薬物、偽ブランド品などの禁止品
参照:禁止・制限品目|U.S. Customs and Border Protection
特に注意したいのが食品や酒類です。真空パックのハムや日本酒なども、国によっては申告・検疫が必要となります。
そのため、お土産に「お酒・たばこ・生の食品」などを選ぶのは避けた方が安心です。
また、同じ商品を大量に持っていると「販売目的」と判断される可能性があるため、量にも気をつけましょう。
処方薬を持ち込む場合は、英語の処方箋や医師の英文診断書を用意しておくことをおすすめします。
また、米疾病対策センターによると、市販薬でも輸入禁止品に該当することがあるため、手荷物に原本ラベル付きの容器で持ち込み、処方内容も携帯しておくよう推奨しています。(一部抜粋)
Travelers should always keep medications in their original, labeled containers.
(旅行者は、常に元のラベルの付いた容器に薬を保管する必要があります。)
酔い止めや胃薬、風邪薬(漢方含む)も国によって制限があるため、基本的にはパッケージごと携帯しましょう。
税関通過の流れ
税関通過に関する、主な流れは以下のとおりです。
- 税関申告書を記入する
- レーンに沿って進む
- 必要に応じて荷物検査を受ける
まずは、飛行機内や空港で「税関申告書」を記入します。入国審査を終えたら、申告の有無に応じて以下のレーンへ進みましょう。
- 申告なし:緑のレーン
- 申告あり:赤のレーン
このような色分けは、多くの国で共通しています。ただし、例外もあるため、現地の案内や係員の指示に従いましょう。
赤レーンでは税関(Customs)のブースで職員に申告内容を伝え、必要に応じて荷物検査を受けます。
緑レーンはそのまま到着ロビーへつながっており、空港の外へ出られます。
なお、申告がなくてもランダムで荷物検査に呼ばれるケースがあります。その際は、落ち着いて指示に従えば問題ありません。
税関でよくある質問と英語での答え方
ランダムで荷物検査に呼ばれた場合や、何か申告する物がある場合に備えて、よくある質問や答え方をあらかじめ把握しておきましょう。
フレーズ1: Do you have anything to declare?
「申告(declare)するものはありますか?」という意味です。
“Do you have~?” の形で聞かれたら、「何か申告するもの持っているか」を尋ねられていると考えましょう。
\会話の例/

Do you have anything to declare?
(何か申告するものはありますか?)

No, nothing to declare.
(いいえ、申告するものはありません。)
\音声を聞く/
申告ありの場合は、”Yes, I do.(はい、申告する物があります)”と答えます。翻訳アプリを使って、持ち込みたい物の説明をあらかじめ準備しておくと安心です。
フレーズ2: What’s in your bag?
「カバンの中には何が入っていますか?」という意味で、ランダムチェック時によく聞かれる質問です。
うまく答えられない場合は、中身を見せながら伝えましょう。
\会話の例/

What’s in your bag?
(カバンの中には何が入っていますか?)

Just clothes and snacks.
(服とスナックだけです。)
\音声を聞く/
フレーズ3: Can you open your suitcase, please?
「スーツケースを開けてもらえますか?」という依頼です。
”open(開く)”という単語が聞こえたら、落ち着いて指示に従いましょう。
\会話の例/

Can you open your suitcase, please?
(スーツケースを開けてもらえますか?)

Sure. Just a moment.
(はい。少しお待ちください。)
\音声を聞く/
フレーズ4: Did you pack your bags yourself?
「ご自分で荷造りしましたか?」という質問です。危険物が紛れ込んでいないかをチェックしています。
\会話の例/

Did you pack your bags yourself?
(ご自分で荷造りされましたか?)

Yes, I did.
(はい、自分で荷造りしました。)
\音声を聞く/
フレーズ5: Are you carrying any food, alcohol, or tobacco?
「食べ物、お酒、たばこは持っていますか?」という意味です。
“food(食べ物)、alcohol(酒類)、tobacco(たばこ)” は、持ち込みに制限がある品目です。
少量でも持っている場合は、ごまかさずにスーツケースを開けて“Is this okay?”(これは大丈夫ですか?) と確認しましょう。
\会話の例/

Are you carrying any food, alcohol, or tobacco?
(食べ物、お酒、たばこは持っていますか?)

No, I’m not.
(いいえ、持っていません。)
\音声を聞く/
まとめ:事前に持ち込み禁止物を確認し、安心して税関を通過しよう
この記事では、そもそも税関とは何かという基本から、よく聞かれる質問への英語フレーズまで紹介しました。
英語が苦手でも、税関での手続きの流れや質問内容を知っておけば、落ち着いて対応できます。
税関への不安を減らすために、旅行前に次の準備をしておきましょう。
- 持ち込み禁止物・申告が必要な品をチェックする
- よくある質問にシンプルに答える練習する
- 必要があれば、英語の処方箋や医師の英文診断書を用意する
申告する物がなければ、税関では何も会話せずに通過できることがほとんどです。
安心して出発し、旅のスタートを切りましょう。
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